LAW & ORDER : クリミナル・インテント シーズン5 第11話 殺人クラブ Slither

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第11話 殺人クラブ Slither

脚本/Rene Balcer、Marlane Meyer
監督/Bill L. Norton
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ラスとモニカのコーベット夫婦は、友人を作る為には同等の
格好をすべきだとして、パーティーに行く前に着飾る。
妻は高級の宝石を、夫は高級の時計を身につける。
バーナードがトランプを紹介してくれるといっているとして
モニカは興奮していた。
バーナードはウェス・バニオンに対して自伝を書かせていた。
ヒーロー物語にしたか?と尋ねると、そんなのは古いと言う。
パーティーの会場で、マルセルはサミーに言い寄っていた。
サミーはバーナードに助けを求めるが、マルセルは踊りたい
だけだと語る。バーナードはラスが眠そうにしていると知る
とオレが起こしてやるという。ラスは連日酔っぱらって仕事が
雑になり、フランクからは数字が間違っているとして指摘され
る。ラスはモニカを探すとボクの”風邪”が移ったのかと告げる。
化粧室にいるというモニカだが、彼女は冷蔵庫を開けて飲み物
を探していると生首を見つける。モニカはラスに急いで帰宅
しようと告げ、建て屋から出ると、二人は襲われてドラッグを
注射される。

先週から女性に居座られているとして安宿の管理人は警察を
呼ぶ。警察はラスとモニカが泊まっている宿にいくと、
二人はベッドで寝ていた。夫は多忙な銀行の社長なので
休ませてあげてというモニカだが、警察が確認すると彼は冷たく
なっていることが分かる。

被害者はラス・コーベット。ミシガンの銀行の社長で、一緒に
来たのは彼の銀行の弁護士だという。彼は半年間この街で支店
の加勢をしていたという。麻薬のトラブルは今までに無かった
という。しかしなんであんな安宿で見つかったのか?と問うと、
豪華な別荘を借りていたことを聞くエイムズ。

エイムズは警察から聞いたことをモルグに居るゴーレンに話す。
ゴーレンはラスの腕から注射の跡が有り、体のアザは暴行を受けた
のだろうという。腕には三日月形の切り傷があると。
検死官のエリザベスは、麻薬は初めてのハズで過剰摂取による
心肺停止だという。ゴーレンは指の間まで日焼けしているというが、
スプレーで日焼けしたように見せかけているだけだった。エイムズ
は眉まで脱毛していること。ミシガンで手入れしていたとは思えない
と語る。

12月7日(水)・ベルビュー病院・精神科病棟。
モニカは入院させられていた。話を聞きに行くゴーレンとエイムズ。
大量のヘロインを注入されてよく生きていられたという医師の
リッチランド。モニカはまだ薬の後遺症で、単語を呟く状態
だった。「彼らは見ていない」「サミー、バーナード」etc..
エイムズは誰が何を見ていないのかと問う。ゴーレンは動けなく
する為に薬を打たれたのだろうとし、豪邸を空にする為だという。

二人は管理している不動産業社のエイミーから話を聞く。
するとコーベットに貸していた家はSホワイト設計の高級物件だ
という。しかし内部を見るとなんと家財の全て盗まれていた。
天井のヴィーナスまでも剥がされている事を知る。一点物の
ブリキ製パネルだという。たったの5日間で盗まれたとのこと。
聞き込みした結果、週末にトラックで6人がかりで搬出して
行ったとしてディーキンスに報告するエイムズ。大規模な窃盗団
で有り、最近はパーティー族と親交が逢ったという。ラスは仕事
上のミスが多かったとのこと。携帯を調べるが非登録の携帯
ばかりだというエイムズ。
ゴーレンはS・ホワイト設計の建物を改修している業社に
売られたであろうことを告げる。ハーレムのSWテラハウス138丁目
にその物件があるという。

業社から話を聞くと盗品だとは知らなかったとのこと。昨日
売り込みの電話が有り二人組の男からハワード通りで有って
買い取ったという。青いバンに乗っていたとのこと。

彼らは町に来て三ヶ月、交流を望んでいるとして情報をマルセル
に渡すヒラリー。マルセルに対して、どうするのかと問うと、
ヒラリーに対してお前はあの老夫婦を殺し損ねたとして問題だ
という。マルセルがラスの時計を持っていることに気が付く
ヒラリー。バーナードが見つけたらどうするのかというが、
マルセルは寧ろヒラリーに気を付けろと告げ、老娼婦は捨てられる
ぞと語る。

ゴーレンとエイムズはハワード通りで売買が有ったとされる
付近を捜索する。すると泥落としはラスの腕の傷と符合する
という。エイムズは近くに有った大量のゴミを見てけり飛ばす
と宴が有った後のようだという。
そんな中、目の前の屋敷のドアが開く。
エイムズはバッジを見せて不動産業者の男に先週の木曜日に
ここでパーティーが無かったかと尋ねる。すると部屋に入って
欲しいと言われ、家の中を見ると荷物が全て盗まれてしまって
いることを聞かされる。
オーナーは南米に居て、脚本家のウェス・バニオンが借りて
いたとのこと。行方不明になっているので、別の人に貸そうと
したら室内はこの様な状態になっていたという。
ゴーレンは室内の冷却ファンが五月蠅い事に気が付くと、冷蔵庫
が有るのを知る。テコの後が有った。オーナーからウェスのこと
を聞くと、30歳代で黒髪、ひげ面だという。冷凍庫の中には
ウェスの首だけの遺体が発見される。

ウェスに仕事の依頼をしたが三週間前に断られたという男から
話を聞く。何か謎の脚本を執筆していたようだったとのこと。

そんな中ゴーレンは胴体の方の遺体が発見された事を語る。
先週スタテン島で発見されたもので、両手も切り落とされて体には
殴られた後が有り、後頭部の鈍器損傷があるという。頭部が
なければ特定出来なかったとのこと。

そんな中エイムズにも電話が鳴る。「1985年?」とエイムズは
電話口に問いただす。銀行家・脚本家の次は謎の失踪人だという。
バニオンの遺体の冷蔵庫からヒラリー・マーズデンの指紋が
出たというものだった。1985年に香港で失踪届が出ている
こと。両親は大金を出して探していたという。
ヒラリーの妹のマラから話を聞きに行くと彼女は芸術家のように
して色んな絵を描いていた。ヒラリーのことについて尋ねると、
当時結婚する予定だったという。電話で運命の相手と出会ったとし、
それが最後に逢ったことだという。ゴーレンはマラの絵を見て
「この世が恐ろしく見えるのだろう?」と語る。しかし気になるのは
ブロンド女性の絵が描かれていたこと。ヒラリーの今の姿を想像し
て描いたものなのかと問うと、パーティーで知り合った人のものだ
という。よく招待状がイベント会社から届くとし、出会いが有れば
そこで絵も売れるのだという。

12月12日(月)、イベント会社「ザ・イン・クラウド」
この会社のオーナーであるバーナード・フレモントにヒラリーに
ついて尋ねる。写真を見せるが知らない女だと語る。パーティー
に参加していないかどうかを調べて欲しいとすると、彼は秘書の
サミーに出席者名簿から調べて欲しいと要求する。
サミーという言葉を聞いてゴーレンは、サミーとバーナードという
名前を捜査の過程で聞いた事を語る。モニカ・コーベットだと
いうと、モニカとラスは社会的地位が高いのでリストに入れたこと
を語る。彼らと親しくはないのか?と問うと、私たちとは種類が違う
というバーナード。しかしバーナードは眉を整えている姿を見て、
ラスがバーナードと日焼けスプレーをして真似ていたことを指摘する。
ラスとモニカに何か有ったのかと問うと、何者かに拉致されて
麻薬漬けにされて殺されたという。丸裸にされたがモニカだけは
生き残ったとのこと。パーティー会場にしていたバニオンのこと
について知っていることは?と問うが知らない人だという。
ゴーレンは先ほどFAXのところにブロンドの女性(ヒラリー)がいたが
何処に行ったのか?と問うが、バーナードはここで働いているのは
サミーとマルセルと私だけだという。
ゴーレンは室内に”サロンAKDマディソン街”と書かれたカラーで
痛んだ髪用のスプレーを見つける。サミーに対して染めている
のか?と問うと、バーナードは髪の毛の好みが五月蠅いのだという。
バーナードはモニカにお悔やみを言ってくれとして”刑事さん”と
語ると、俺たちはゴーレンとエイムズだという。その言葉を聞いた
バーナードは顔色を変える。
それを見たゴーレンはエイムズに彼は俺たちのことを知っているぞ
と語ると、エイムズは「うぬぼれないでね」と語る。

12月14日(水)、レニー・デュパーのオフィス
12月15日(木)、マルセル・コスタスのアパート
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銀行家で資産家のコーベット夫妻が何者かによって襲われ、
ラスは薬物の過剰摂取で亡くなり、妻のモニカは一命を取り留
める。モニカとラスが見つかった時には豪邸の別荘を借りている
ハズなのに何故か安宿に泊まっていた。豪邸を調べると
強盗団によって根こそぎ盗られており、それが同じ建築家の
改修作業員に売られていた。作業員が物を買ったという現場に
いくとそこの現場でも脚本家・ウェス・バニオンが殺害されて
発見され、しかも家財道具は全て売り払われていることが
分かる。バニオンの家の遺体の入った冷蔵庫から1985年に香港で
失踪したハズのヒラリーの指紋が検出され、妹のマラに尋ねると、
彼女はパーティー会場でブロンド姿の忘れられないような女性
の姿を目にして絵に書き留めていたことが分かる。
パーティーを企画したザ・イン・クラウド社に行き、バーナード
から話を聞いていくことになる。バーナードはブロンド女性に
異常な執着を持っている事を知る。

田舎に住む人に取ってニューヨークの一線で働く人が格好良く
見えるというのは分かるにしても、女性三人からの愛情を
受けて居るバーナードの中にはどんな魅力が有るのかという
ところに迫っていくエピソード。
社会的なステータスを持つ人物には近づきたい思いが生まれる
心理は、生物学的に見ても有ることだと思うけど、彼の中にある
何に惹かれているのか。

ラストでエイムズさんが語った言葉が全てだろう。
「彼の何処が良いの?」(Eames)
「別世界が見られるのさ」(Goren)

人殺しと泥棒稼業に身を投じている男性に対して、そんな魅力を
覚えるとは思えないけど、自分を大きく見せることで、三人の若い
女性に自分からの愛情を勝ち取るようにして心理的に競わせた
というところなのだろうか。バーナード自身が親の様な存在になり
子供が親の愛情を求めるようにしたところに、彼に固執する理由
づけを求めたのもなのか。

彼に好かれようとして誰もがみんなバーナード好みのブロンド姿。
バーナードにとって求める相手はタイで一緒に活動していた
ニコールで有り、そんなニコールの中にもバーナードが求めてい
るのは、母親の面影が有るのだろうか。スラム街からのし上がった
男が「世界を跨ぐ巨人の物語」に憧れを抱いているけれど、
それが犯罪を通して世界を行き来しているというところは、
まさにゴーレンが語る別世界があるような感じ。

女性を使ってそれぞれに役割分担をさせるというのは分かる。
三人の女性の中でも、バーナードに対して固執している人物は
ヒラリーの様だ。

姉妹で一人の男性を奪い合うという構図は面白いし、ニコールの
ことをハメて彼を我がものにしようとしたのがヒラリーならば、
ヒラリーのことをハメてバーナードを自分のものにしようとした
のは妹のマラだった。そんなマラからバーナードを奪ったのは
ニコールだとするならば、なんとも不思議な因果の関係だ。
しかし人生を賭けて尽くすほどの魅力はまるで感じ無いところが
有るよね。

ゴーレンが言語学にどれ程精通しているのか分からないけれど、
そのクセを見抜く流れにも少々説得力がないのは残念。
中国語に訛りがあるけど、ヨーロッパ人の訛りではなく他の
アジア圏の言葉のアクセントだったという。タイの刑務所”バンク
ワン刑務所”にいた経緯が有り、彼はタイで育って中国語を
学んだフランス人だった。

犯罪のロジックを解き明かす流れとしても面白いんだけどね。
ゴーレンが元々あらゆる意味での”天才”だというアドバンテージ
持つ設定なので、その辺は大目にみるしかないのか。
ただそんな言語のクセを知っていくウチに、バーナードという
人物の中にあるアイデンティティが実にあやふやかつ複雑で、
現実離れした行動を取っているところにも繋がって居るのかな
とも思う。

犯罪者が本性を明かさず別人に成りすますというのは分かるけど、
誰もが別の仮面を被っている中で、信頼関係が生まれるハズもない。
現実逃避の様にして、女性は整形によって老いることに抵抗感を
感じて居るし、男性は無駄に大きな物語を作っては、虚栄心を
見たそうとする。
しかしいざ仮面を一肌剥いだ瞬間、その人の中にある本当の価値
とは何なのか。

そんな虚栄心をあざ笑うかのようにして、バニオンが書いた
小説でのバーナードの描写を鼻で笑って自白を引き出すところが
またエイムズさんの凄いところ。

ヒラリーを聴取する際に、
「オレ相棒も男の趣味が悪い」(Goren)
「嘘付きの既婚者とかそんなのばかりだ」(Eames)
と語っていたけど、どれだけ本当の事なんだろうね。

エイムズさんもそんなゴーレンに仕返しするようにして、
「俺たちのことをバーナードは知っていたみたいだ」(Goren)
「うぬぼれないで!」(Eames)

「遺体発見者がゴーレン”警部補”をご指名よ」(Eames)
と語るほのぼの姿が有った。

ディーキンスは、
「マラソンファミリーの再来か?」
「マディソン街に支部が出来たのかも」(Eames)
とやりとりが有ったけど、最近のディーキンスは過去の事件の
類似性を探ろうとする流れが結構多いね。

名前が出たニコール・ウォレスは以下のエピソードに登場している。
今回は名前だけしか登場しなかったね。

Season 2, Episode 3
Season 2, Episode 23
Season 4, Episode 4
Season 5, Episode 1
Season 7, Episode 22

■検索用キーワード

ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)

ヒラリー・マースデン (Dana Wheeler-Nicholson) 1985年香港でしっひう
マルセル・コスタス (Michael Stuhlbarg) バーナードの仲間
モニカ・コーベット (Mariann Mayberry) ラスの妻
ラス・コーベット (John Bolger) 支店長
マラ・マースデン (Wynn Everett) ヒラリーの妹
サミー (Brette Taylor) 娼婦、バーナードの仲間
— (Stephen Kunken) Contractor
レニー・デュパー (Lee R. Sellars) バニオンの仕事場を貸した
バーナード・フレモント (Michael York) イベンド会社
エイミー・フォード (Judith Hawking) 不動産業者
ジェフ・ポッター (Daniel Cantor)
ゼルマン (Remy Auberjonois) ウェスにアパートを貸していた
ビタス (Mark H. Dold) 建築業者
アーノルド・カリー (Tom Alan Robbins)
Dr.リッチランド (Purva Bedi) ベルビュー病院・精神科
ラルフ・ムーディ (John Scherer)
ジェラネド (R. Ward Duffy) 捜査官
ペティ (Joe Gonzalez) 捜査官
パルニック (Daniel Mooney) 判事
ウェスリー・バニオン (Clyde Baldo) 脚本家
デーブ (Ken Forman)
フレッド (James Matthew Ryan)
— (Jack Ferver) Lenny’s Assistant
— (Joaquin Torres) First Uni
— (Turi Haim) News Reporter

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