グッド・ワイフ the Good Wife シーズン4 第20話 匿名の支援者 Rape: A Modern Perspective

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March 24, 2013
第20話 匿名の支援者 Rape: A Modern Perspective

脚本/J.C. Nolan
監督/Brooke Kennedy
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“構うもんか。刑務所に入れられても言ってやる!”
“トッド・ブラッチャーはレイプ犯だ。”

レイニー・セルフィンは同級生のジーナやベッキーと共にトッド
の家のパーティーにいきレイプされたことを語る。
判事はロバート・パークス。被告はトッド・ブラッチャー、
トッドの代理人はアンドリュース。ウィルは原告であるレイニー
の代理人として法廷に立つ。ウィルは彼女に対して何故刑事
訴訟ではなく民事として訴えるのかと問うと、彼は釈放された
からだという。レイプしたのに検察と司法取引し、それで
刑務所ではなくプリンストン大学に通うことになっていると
非難する。代償を払わせたいとすると、目的は賠償金なのかと
問うと、金ではない事を告げ、その賠償金はレイプ被害者の会
に支援金として寄付するつもりだという。私は報いを受けさせ
たいだけだと語る。

すると突然判事は陪審員を外に出すと、判事の元に二人の弁護士
を呼び出す。判事は現在SNSに投稿された写しを受け取ったこと
を告げ、本件についての報道は避けたい為に事前に発表禁止命令
を出して置いた事を告げ、この投稿が原告によるものだとすると
法定侮辱罪に該当するものだという。ウィルはすぐに修正第5条
に基づき黙秘権を行使すると語る。ウィルはレイニーにも
黙秘しなければ勾留されることになると告げるが、彼女は黙秘
など出来ず、自分が投稿した事を告げ、彼はレイプしたことを
主張する。

アリシアはその頃、ディラン・スタックとランチしていた。
ビットコインの関係者(S3-13参照)で集団訴訟を起こそうとしている
人物だった。そんなアリシアの元にウィルから電話があると、アリシア
に本件を手伝って欲しい事を語る。
ディランはアリシアに対して電話の件を尋ねる。現在難しい
状況になっている事を告げると、理想と現実は違うものだと語る。
両方がぶつかれば傷つくのは片方だというと、ディランは傷つく
のは現実の方なのかと問うとアリシアは逆の方だという。
するとディランはアーロン・スワーツについて知っているかと
問う。亡くなったインターネット活動家の一人で自殺に追い込まれた
のだという。それも連邦検事が彼を刑務所に入れようとして躍起
だったことが問題で、追悼する意味で今回、検察による過剰起訴
として集団訴訟を起こすのだという。アリシアにも参加して欲しい
のだと語ると、ウチの事務所は大義の為の戦いはしないと語る。
アリシアは目の前に大金を積み重ねられると、早くしまって欲しい
と語る。そんな中、アリシアはケイリーの姿を見かけるのだった。

ウィルは判事に対してレイニーを拘置するのは不当だと訴える。
しかしアンドリューは証拠にない事実に基づいたものだという。
判事はレイニーは嘘付きだと被告がインターネットに書き込め
ば同じように法定侮辱罪に問うと語る。謝罪すれば裁判は実行する
と語る。

ウィルとアリシアはこの件を勾留されているレイニーに伝える。
警察が調べた時にも結局トッドは釈放されているとしてレイニー
は、もしもここで謝罪すれば、私がレイプ犯に謝罪してごめんな
さいと謝った事実だけが残るのだという。ウィルは一時謝罪すれ
ばここから出られる事を告げ、法廷が終わればインターネットで
何を言っても良いのだと語る。しかしレイニーはここに入れられる
ことは嫌だが、自分を曲げることは出来ないと語り、法定侮辱罪を
受け入れるが決して謝罪はしないと語る。それを聞いたウィルは
アリシアに対して、あんな断固とした信念はボクにはないと語る。

ジムはダイアンの元にやってくる。
カリンダも同席する中、ピーター陣営は当選した際には
ダイアンのことを最高裁判事になることを”今も”望んでいると
語る。ダイアンはその言葉に引っかかりを感じて改めて尋ねる
と、カート・マクベイとの関係を聞かれる。弾道解析の専門家
で独立推進派であること。しかしダイアンは国から独立したい
とする人を止める気はないと言っているだけで、リベラル派の
友人にもテキサス州の独立について発言している人がいること
を語る。しかしジムは彼の名前”マクベイ”が出ることによるイメー
ジは計り知れないものだと語る。名前が選挙の邪魔になるのだ
という。それならばミドルネームがバラク・”フセイン”オバマならば
不都合なのかと問うとカリンダは失笑してしまう。
ジムは単なる友達ならば問題は無いとするが、ダイアンは結婚する
と語る。それを聞くとジムはこの一件を一旦持ち帰らせてくれと語る。
それを聞いたカリンダは初耳だとして”おめでとう”と語る。

アリシアとケイリーは歩きながら会話する。
かつて一緒に独立することを話していたが、もしかして一人で
独立することを考えていないかと問う。ケイリーはそんなことを
考えれば即クビになるとしてそんな考えはないと否定する。しかし
先日シーフードレストランであなたの同期が集まるのを見たのだ
とし、何か計画をしているのではないかという。単なる仲間の集まり
だと告げると、確かにパートナーに昇格できなかったことに
失望しているが、彼らが約束を果たしてくれるのを信じているのだ
と語る。

グレースとザックは自宅で寛いでいると、グレースは父が当選した
らスプリングフィールドに引っ越す事になるのかと問う。
そんな中、ザックの携帯に突然何者かから”良い物をみたいか?”
とするメッセージが送られてくる。”お前は何者だ”とザックは
返信するが、”添付ファイルを見ろ”と書かれていた。迷った挙げ句
ザックはその動画ファイルを見ると、レイニーのレイプを茶化す
トッドとジェシー・マーティンらの動画ファイルが入って居ること
を知る。再生している中アリシアが帰宅すると、突然匿名の相手
からその動画が送られてきたことを語る。
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■民主主義と法律の対立

今回もまたネタとしてはてんこ盛りだった。
メインはアリシアとウィルが主導したレイニーのレイプ事件に
於ける正義とは何かを問いかけるものだった。

法律の限界というものを示したものがあり、被害者が勾留され、
加害者が何の社会的制裁もなく普通に大学に通うという状況に
異議を唱えるというもの。

そもそも今回のドラマは導入部が凄く短縮されていて、刑事事件
としては問えなかった流れが有り、民事ではどうなのかという
流れから始まっている。刑事事件で不起訴になった時の証言を
外部に流出することは出来ないというのは分からないでもない
が、何故裁判所は、事前に発表禁止命令を出しているのか。被害者
視点から見れば理解に苦しむところがある。勿論判事が何度も
語っているように陪審員に先入観を与えない為のものだったのだ
ろうけど、自分が被害者だと主張出来ない民主主義・言論の自由
の国の目指すところは一体何処に有るのだろうか。

修正第五条が使うことで法廷簿辱罪には問われないものがあるけど
そんな権利の行使などしないとばかりに、自分の正しさを主張する
強い女性レイニーの姿があった。そんな彼女を見てウィルが
「あんな断固とした信念はボクにはない」とするところが興味深い。

ウィルが過去にS3-14辺りで判事買収に関して糾弾されることが
有ったけど、相当玉虫色の判決が有り、当時買収されたのではないか
とされる3人の判事の一人が今回のパークス判事だったという辺りも
興味深いところなのか。

■修正第5条

弁護士や被告は不利な時にこの権利を行使するような印象があるね。
黙秘権の中にこそ大切な情報が詰まっていて、まるでブラックボックスの
様だ。

事実を知っているのに話をすれば不利になる。だからこそ沈黙せざる
を得ない。
そんな人々のエゴを端にした法律の矛盾点を打開するの手段や上述した
ように明らかに犯罪を犯した状況に於いても罪として裁けないもどか
しさから、”我らアノニマス”の存在が登場する。

アノニマス自体には匿名性を意味する何者でもないという意味がある
のだろうけど、元々は人々が持っている本来の良心と僅かばかりの善意の
寄せ集めによる信念、大義から発生したものだと思われる。
今回は良い意味でアノニマスが使われた印象も有るけど、やはり判事
が最後に語る様に、「彼らは法廷を愚弄し私的制裁行為を煽り裁判を
不可能にした」存在と言うのが正しいのだろうね。レイニーの視点
で見ればとても有りがたい存在にも見えるけど、結局このアノニマス
も影に隠れて行動を起こしているという意味ではちょっと不気味な
ものがあり賛同しかねる存在でもあるな。

その善意は誰の心の中にも有るものだろうし、弁護士事務所内で
有っても何処にでもアノニマスは存在する。まさかカリンダが
アノニマスとして情報を暴く一人だと思わなかったけど、彼女の場合
元々そういう”汚れ”も含めて、事務所の影の仕事をしているので
全く違和感がないんだよな。
しかしカリンダがアノニマスの一人として活動していたとして、
どの辺りからこの件で関与していたのだろうか?
ザックやグレースのメールアドレスを知っているということは
最初から関わっていたことなのか。

■フロリック・アゴス弁護士

何時の頃からか個人的にウィルというキャラクターが苦手になって
いる。昔はケイリーの方が嫌いだったのに、気が付くとケイリーを
応援している自分がいる。

政治ネタの流れの中に民主主義と独立推進派のネタがエピソードの
流れとして存在していたので、この弁護士事務所内に於いても
その縮図が凝縮されて描かれている感じだ。

ダイアンが最高裁判事となるにはウィルと手を切らねばならないこと。
4年目のアソシエートたちに不穏な動きを知ってデビッド・リーたちが
見せしめとしてリーダー格のケイリーをクビにしようと語ること。
ウィルとケイリーの間に立っているアリシアとカリンダの動きは
なかなか興味深いものがある。

ダイアンはジムからウィルと手を切ること以外にもディランを
クライアントとすることは辞める様指示されていた。

ただジムの主張も矛盾点が有り、ダイアンが最高裁判事となること
が確定するのであれば、ジムとの関係も弁護士事務所との関係も
完全に絶たれることになるのだから、わざわざそこまで気を回す
必要がない気がするが・・

この事務所、確かに毛沢東”ヘイデン”が語っていたように、パートナー
が多すぎる。
「ハワード・ライマンがどれだけ事務所に貢献したのか?。年に400万
ドルだ。酸素を吸っているだけで・・」

■気になる要素

・最高裁長官・リブラン

演じているのはJeffrey DeMunn。
「ウォーキング・デッド」でデール・ホーヴァス役を演じていた。

■使用された曲

・David BuckleyのThe Good Wife Theme

・Other LivesのDust Bowl III
・The KillsのNo Wow

アリシア・フロリック (Julianna Margulies) 弁護士
ケイリー・アゴス (Matt Czuchry) 検事
カリンダ・シャルマ (Archie Panjabi) 調査スタッフ
ウィル・ガードナー(Josh Charles) 法律事務所の共同経営者
ダイアン・ロックハート (Christine Baranski) 法律事務所の共同経営者
ピーター・フロリック (Chris Noth) アリシアの夫。元州知事
イーライ・ゴールド (Alan Cumming) ピーターに雇われ調査員

ジャッキー・フロリック (Mary Beth Peil) ピーターの母・虫が・・
ザック・フロリック (Graham Phillips) アリシアの息子
グレース・フロリック (Makenzie Vega) アリシアの娘
ロビン・バーディン (Jess Weixler) 調査員

ディラン・スタック (Jason Biggs) ビットコインの関係者
ジャレッド・アンドリュース (John Glover) 被告側弁護士
ロバート・パークス (David Fonteno) 判事
ノーラン (Brian d’Arcy James) 捜査官
ジム・ムーディ (Skipp Sudduth) 民主党本部・ピーター陣営
Dr.バンクス (Stephen Plunkett) ベイラー大、専門化証人
レイニー・セルフィン (Makenzie Leigh) レイプ被害者
トッド・ブランチャー (Jason Hite) レイプ加害者、プリンストン大
デビッド・リー (Zach Grenier) 家族法弁護士
バージル・リブラン (Jeffrey DeMunn) 最高裁長官
ジェシー・マーティン (Dylan Perlman) トッドの友人
— (Rick Bolander) Attorney

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