第12話 一番暗い日 The Darkest Day
脚本／Jenny Bicks 監督／Craig Zisk
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【前回までのあらすじ】
5千ドル以上隠してある金が見つけるキャシー。ポールは黙って
みているだけで職場で数人が隠れて商品をチョロ任しているの
だという。ミックはクライアントがこれで勘弁してほしいとして
現金ではなくドラッグで支払ってきたとしてそれをポールに渡す。
キャシーはショーンが居なくなったことに対して新しいチラシ
を作る。アダムはそれに協力しショーンを探す。
ミックはアンドレアに妻になってほしいとしてプロポーズする。
アダムはポピーとネットで知り合ったとして、がん患者の子供
のchatroomでだという。キャシーはリーの為に治験の予約を取った
とするが、治療はしないというリーと喧嘩する。キャシーは
人の幸せばかりしていることに気がつくと、クリスマスには家族
でイタリアにでも行こうかと誘う。
【ストーリー】
キャシーはシャーマン医師の元に行く。とんでもない?と尋ねる
と、医師はローマに行くことかと問うと素晴らしいことだという。
旅の途中で具合が悪くなったらどうすればと問うと、それはない
という。しかし私は末期がんでしょというと、そうだという。
シャーマンは私がしている授業に来て患者として生徒に話をして
くれないかと語る。生徒が患者から学べるようにと。リーから
連絡は有ったかと尋ねるがシャーマンはどの人かと問う。リー
ファロンという治験をやめた患者だとすると、ないと答えるだけ
だった。キャシーは授業で講演することを語る。
キャシーは帰宅すると今日は12月18日だが、プレゼントを早めに
あけないと空港の手荷物検査で中身がわかったら嫌でしょとして
みんなに配る。アダムには「アウトサイダース」の本。
何なのかこれはというアダムにポールは10代のバイブルだとし、
ボボーイ、ツーヒント、ソーダポップか?と問うと、父さんが
飛行機内で読むという。ショーンのプレゼントも用意していた
キャシー。ショーンはクリスマスが大好きで子供の頃、私の
プレゼントをあけては変なものを入れ替えて包装していたという。
ドアノブが入っていたり、延長コードが入っていたりしたという。
ポールはイタリア旅行に関して下調べしてきたことを語ると、カンポ
ラフィオーリ近くのアルモーロはパスタ・デ・カルボナーラが
おいしいとして馬鹿食いするという。ローマ皇帝みたいに・・と。
アダムがワインを飲もうとしているのをしてキャシーは止める。
イタリアでは赤ちゃんだってワインを飲むので練習しているのだと
語る。アンドレアにはデザイン画を入れるファイルのプレゼントに
大喜び。ファッションの勉強をするならばそれも必要でしょと。
アンドレアに本当に一緒にこないのかと問うがクリスマスは
フィアンセと一緒に過ごすという。
キャシーはワインの臭いを嗅ぐ中、リーに電話する。
留守録にはあなたのウンチクのおかげで最高のバローロを飲めたと
語る。メリークリスマスとつげ、プレゼントもあるのだという。
いつもあなたのことを思っていると語る。
キャシーはアンドレアの元にいくと今ならばまだイタリア行きが
間に合うことを語る。アンドレアはウェディングドレスを作って
いて、キャシーはミックと彼女が結婚することに懸念を示して
いた。アンドレアは大丈夫だとすると、ミックと結婚するなという
スピーチはやめてと語る。何でそんなに焦るのかと問うと、やるこ
とは一杯あるはずだという。しかし卒業して、ファッションの学校に
通い子供を抱えながら卒業する人もいるという。両親にも電話して
許可したのを聞いたでしょというと、私の両親は6週間のつきあいで
結婚してもう30年間幸せだと語る。運命の相手と思ったら即決。幸せは
自分でつかめとキャシー先生が教えてくれたのだと語る。
結婚は3月、式に出るのであれば納得いかないという顔はしないで
くれと語る。
そんな中ポールに対して上司のオーウェンから本部から悪い話が
来たとして、商品が消えているみたいだという。在庫から誰が
盗んだか心当たりは有るかと問われるが知らないという。オーウェン
は絶対に手癖の悪い外国人店員だろうとして注意して見ていてほしい
とポールに告げる。
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クリスマスが近づく中、ジェイミソン家ではクリスマスはイタリア
のローマで過ごそうとして盛り上がる。
しかし出発前にすべきことをしていると、次々と悪運が立ちこめる
ような事実が舞い込んでくる。果たしてこのピンチを無事にやり
過ごすことができるのか。
一番懸念していたリーの件がついに来てしまった。
マラソンの練習をしていたのでまだ気力はあるのかなと思っていた
けれど、急激に悪化していった感じがする。マラソン大会に出場
した後に亡くなるという筋道を想定していたんだけどね。
ポピーが今回アダムと喧嘩した時に語っていたけど、「あんたの母も
逝くときはあっという間だ」とすることで、いろんな意味で現実味を
帯びる流れになった。しかもキャシーはリーと同じくしてマラソンを
始めること。
体力をつければガンに打ち勝つことが出来るというのもまた微妙な
ものが有りそうだけど、何か目標が有ればメンタル的な支えにも
つながるのだろうか。
一方ミックとポールの件も今回物語はだいぶ動いた。
ミックに全ての盗みの件では押しつけることが出来そうだけど、
アンドレアとの関係なり、ポールがミックから受け取ったドラッグの
件で、ポール自身がかなりドラッグの力を借りて現状を乗り越えよう
としている感じ。しかも店では抜き打ちの検査が行われるという
ことで大変な事態が起きているけどポールならば、別人の尿を使うなり
してうまく乗り切っていきそう。
ポールはミックに対してアンドレアに今すぐにビザが切れて不法滞在
している事実を伝える様告げる。
アンドレアとしては愛してもらっていることを実感していたいの
だろうけど、実際のところグリーンカードの問題を抜きにしてこの
二人の間に愛情は有ったのだろうか?これが一日でもずれていれば、
二人は結婚していたというところを考えるとこの一日が持つ事の大きさ
を感じる。
医者とキャシーの件も興味深く描かれる。
キャシーやリー、そしてポピーのガンに関するエピソードを見る限り
では、残されたものは相当ダメージ性が高いので、キャシーは医者が
患者を人間扱いしていないと激怒する講演シーンは印象的だけど、
逆に医者としても患者に特別に肩入れしないように勤めているところが
有るんじゃないのかな。ただ医者ばかりが分かる言葉を使った
やりとりを患者にも押しつけるなというキャシーの主張は正しいと思う
し、患者がどう思っているのかということを短い時間の中でうまく
主張した感じだね。
治験を行っているシャーマン医師もあくまで患者は治験者の一人と
しか見ていない感じなので、患者と距離を保つならばディナーなど
行かねば良いはずだし、信頼関係を結ぶのであれば、それなりの
覚悟はもって挑むべきことかなと。
またポピーの件でも明らかになった。
彼女が働いているとしていたサンドイッチタウンでは、すでに一年前
に仕事は辞めていた。2年前に親が亡くなっているのに、一年経過
してもまだ立ち直っていないのだという。そう簡単に立ち直れない
事実を考えると、今後のジェイミソン家の事情も気になってくる。
アダムはポピーに問い詰めていたけれど、彼女も15歳のアダム
と関係を持つのは異常だと思ったが、実際に会ったら大丈夫に思えた
ということ。同じ立場の人とつきあうことは、逆にうちひしがれている
人も多いということで、まるで立場の違う人との交流に可能性を
かけていたみたいだけど、アダムはそんなポピーの言葉を聞いてどう
感じたのか。彼女がくれた万華鏡がまたなんともいえないものが
有ったね。
キャシーがリーにプレゼントしたのはマラソン用の時計だった。
しかしその時計は開けただけで、キャシーは彼が亡くなった後に
持ち帰っていたみたい。自分用に使っていくみたいだ。
リーのように死に行く自分のことを見守ってくれるキャシーの存在
は相当大きかったと思う。がん患者同士は励まし会えるけど、その
遺族たちにとっては、ポピーが語るようにうちひしがれた人ばかり
になるので難しいという辺りが皮肉な感じにも受ける。
最後に「じゃあもう行くよ」「気をつけてね」。
二人のやりとりは悲しかったし、涙するキャシーに対して無意識の
ビンタが飛んでくるところがまたなんともいえなかった。
「明日は晴れるよ」というリーの言葉通り、外は雪が積もっていても
晴天だったし、ショーンが戻ってきたのは何よりの吉報だった。
■使用された曲
・
キャシー・ジェイミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェイミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェイミソン (Gabriel Basso) 高校生、15歳
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
Dr.アティカス・シャーマン (Alan Alda) がん治療医師
ポッピー・パメラ・コワルスキー (Parker Posey) がん患者の子供KOC
リー・ファロン (Hugh Dancy) ガンの患者
ミカイル (Boyd Holbrook) 家電量販店、泥棒、ウクライナ人
オーウェン (Nick Blaemire) 家電量販店の上司
— (Mahira Kakkar) Indian Woman
— (Rob Yang) Asian Man
— (Wally Dunn) Older Man
— (Wesley Curtis) Guy