ポリティカル・アニマルズ Political Animals 第5話 それぞれの16時間 16 Hours

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August 12, 2012
第5話 それぞれの16時間 16 Hours

監督/Tucker Gates 脚本/Phil Klemmer、Nicholas Wootton
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アメリカ・サンディエゴ沿岸で中国の原子力潜水艦が座礁し、
100人の中国人兵士が海底で閉じ込められていた。
諜報活動を公にしたくない中国側はそれを無視し、アメリカも
外交問題になるとしてガルセッティは見て見ぬ振りをしようと
するがエレインがそれに異議を唱え、人命を優先すべきことを
主張。そして自ら辞任して大統領選出馬をすると語る。
そんな中、TJのナイトクラブがオープンの日、TJはドラッグの
し過ぎで倒れて病院に救急搬送される。

ホワイトハウス危機管理室。
救助チームが海底に到着。ハワイの海軍第一機動部隊の優秀な
ダイバーがサンディエゴの沖24km、水深180mの海底に中国人
100人の救命の為に潜る。原子力潜水艦であり下手をすれば
核の脅威にもさらされていたのである。ダイバーからの通信
に職員たちは耳を傾けていた。

— 16時間前 —
病院に運ばれたTJ。コカインが抜けるまでは鎮静剤で眠らすと
いうバド。マーガレット、エレイン、ダグラスも心配して
様子を見ている中、ダグラスは現場で最低でも6人に目撃されて
いる事を語る。更にはもう記者がこの事実を嗅ぎつけて問い合
わせて来ているのだという。バドはボビー・カートライトに
相談してもみ消しを画策しようとするが、ダグラスはそんなこと
をしても無駄だと語る。携帯などでも撮影されていること。
エレインはダグラスにスーザンを呼ぶよう指示すると私たちには
やることがあるとして退室する。バドは自分がTJの様子を見ている
ので心配するなと声を掛ける。エレインはTJを当分ウチに住まわ
せる事を語ると、マーガレットはTJを見てこの子はちっとも
学ばないとして呆れる。

エレインとダグラスはスーザンを呼び出すと、TJが倒れて運ばれた
原因は抗生物質によるアレルギー反応で、アナフィナキーショック
が起きたと説明する。それならばカルテを見せてくれるかとい
うスーザンに対して個人情報なのでそれ以上は見せられないとし、
その事を記事に書いてくれという。私はプレスリリースの代筆は
書かないというスーザンは、自分と新聞社の名誉にかけて
TJのもみ消し工作に手は貸せない事を語る。エレインは変わりに
国家機密漏洩に抵触するネタを変わりに提供すると語る。
国務長官として国民を裏切ることはしないが、母として我が子の
為ならば何でもすると語る。エレインは現在起きている原子力
潜水艦のことを語る。ガルセッティ大統領指揮の下で救助活動
するが、記者としてあなたを無条件に唯一同行を許可すると語る。

強引にスーザンに約束を取り付ける中、ダニエルの元に秘書の
アリスから電話が鳴ると、急遽中国大使代理のハンがエレイン
に遭いたがって来ているという。
ハンはエレインに遭うと、この件では関わるなと言ったハズだ
として取り返しが付かなくなるという。原子力潜水艦には貴重な
機材を積んでいるのに、それをCIAにみすみす見られる訳には
いかないと語る。乗組員には既に命令が下っており、救助の手が
近づいたら潜水艦を爆破しろとされているのだという。
エレインは正気なのかとして、カリフォルニア沖に核物質を
まき散らすことになり、2200万人の市民が危機にさらされるのだ
という。国家主席よりもこの件では命令系統としては海軍情報部
が上である事を告げ、破滅的事態を避けるのであれば手を引くよう
告げる。

ワシントングローブ社のデスク・アレックスはスーザンの元に
やってくる。原子力潜水艦の件は凄い大ニュースだとしながらも
こんなのが流れたらTJの件は誰も気にしなくなるのだろうという。
アレックスは自分はデスクという立場であり、そういう機微な
動きに気が付くのが仕事である事を語る。2つの記事には関連
が有るのではないかとすると、スーザンは否定せず、現在新聞
離れが深刻なのではなかったのかと問うと、この記事で新聞社
は挽回出来るのだと語る。

— 1997年 —
当時のデスク・ハルは、スーザンが書いた原稿をチェックする。
「ハモンド大統領は犬である。犬がゴミを漁ったからと言って
叱るのは愚かしい。しかしかつて無いほど知的で意欲的で個性的
なファーストレディと称される女性がこんな前例を作っていい
のか。犬同然の夫の横にいて作り笑いを浮かべていること。次々と
現れる浮気相手の女たちに声を震わせてはノーコメントだと
語るのは意気地無しの反応ばかりだ」というものだった。
論説ではなく批判だというハル。ファーストファミリー
はお人よしの一家で女性をバカにしているというのはよく書けて
いるがタチが悪いという。スーザンはハルが論説に採用しない
ことを非難する。ウチの社には8人の論説委員がいるのに全て
が男性だという。

— 現在 —
危機管理室。サムソンはもしも原子力潜水艦が自爆すれば、
長期的に海運業は軽く100億ドルを超える損害を受けるとし、
西海岸住民の健康も害するという。
パーソンは中国側の圧力はハッタリだろうと語る。しかし口
に出した異常はやりかねないとし、あちらにもメンツがあるだろう
という。エレインは国家主席は軍への支配力を取り戻したいので
はないかと語る。諜報活動を違法にしていて私たちは人道的
理由から乗組員を助けるとしているのに、軍を指揮する立場に
ない連中が手を引くなんてさせていいのかというエレイン。ケンカ
を仕掛けたのは中国だというと、ガルセッティ大統領は
メンツの為に第三次世界大戦を仕掛けるようなことはしないだろう
とし、タフトに救出するよう告げる。バリーには執務室から
一時間後に声明を出すので声明文はエレインが書いて欲しいと
語る。

アンはマーガレットと共に、TJが家に戻ってくる時の事を
想定して、家中を引っかき回して、TJが隠しているであろう
ドラッグを捜し出す。マーガレットはアンが頻繁にトイレに
いくのを知っていた。

一方スーザンとダグラスは政府専用機でサンディエゴ沖へと
向かっていた。到着するまでの間、二人はオフレコで色々と
会話していくことになる。スーザンは学生時代のダグラスのこと
や官邸で過ごした子供時代のことを色々と尋ねる。
8年間ずっとあなたたちを見ている中で、あなたの両親を突き動
かしているものが何かを知りたいのだという。するとダグラス
はスーザンの両親はどうだったのかと問う。
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バリッシュ家ではエレインが出馬表明してこれから忙しくなる
という矢先に、TJが薬物の過剰摂取によって倒れてしまい
病院に搬送される。また中国の原子力潜水艦がサンディエゴ
沖に沈没している件で、アメリカ政府としてはどのような
対応に出るのか苦悩する姿が有った。

ほぼ懺悔大会と化していた今回のドラマ。

相変わらずドラマは、”バド・アニマルズ”と称しても良いくらい
バドの魅力満載の内容だったけど、今回は比較的どのエピソード
もバランスよくシリアスさとユーモアさを交えて描かれたと
思う。

今までそれ程真摯になって意見を交わしたことの無かった二人
が突然腹を割って語り出したという内容だったけど、笑いの中
にも核心を突いている部分も多く、上手い事シナリオを構成
している。

ドラマとしては、エレインがスーザンに語っていたことが全て
なんだろうと思わせるものがある。
「国の為に国民を裏切ることはしないが、母として息子の為なら
ばどんなことでもする」ということ。
ただ非常に酷な話だけど、政治家として信用を持たせる為には、
身内にも厳しく正しい行動を取る人物像こそ求められている部分
も有るので、そういう行動が国民にとってはどう捉えられる
のか。

今回のエピソードでは、過去の映像として、政治サイドではなく
スーザン演じるマスコミサイドの事情として描かれた。
幾ら政治家にはプライベートがないとされる世の中でも、家庭の
事情に踏み込んだ報道をすることが正しいのか否か。
スーザンが母親・バーバラとの関係がうまくいっていないことは
明らかで、スーザンの母は医者であり家庭の為に医学の道を捨てた
ような人物のようだけど、スーザンが初めて個人オフィスをもらった
昇格時の祝いの際に、スーザンが大統領の不倫を非難するようなネタで
昇格したことに対して
「エレインは貴方がいう程酷い人じゃない。」
「20代で独身のあなたは、結婚生活がどういうものか知らない」

として大人げないことだと一蹴されることに関して、当時のスーザン
には理解出来ないことだったけど、今になって初めてその時の母親の
気持ちというのが分かってきたのかも知れないね。

「私は人様の人生をズタズタにしてお給料をもらっているビッチだ」
と自虐的になる姿が有った。

■TJとバドの絡みも悪くなかった。
バドがTJのピアニストを求めている姿の中に、
夜官邸内を歩いて居たときに励まされたものが、TJのピアノの音
に有ったこと。TJの一番のファンはバドだったのだろうなという
感じで、それを言葉にして現せないところは、言葉を交わすコミュ
ニケーションが豊富だと言われるアメリカでも日本の家庭と同様の
ものとして存在していることが描かれている。
「この手は俺の手とは違う、エレインのとも違う。お前の手だ。」
と。

■アンとマーガレットのぶっちゃけトークも面白かった。
葉っぱでラリっている二人の姿を見ると、「DR.HOUSE」のS6-16
の中で資料室に閉じ込められたフォアマンとタウブのぶっちゃけ
トークシーンを思い出させる。二人してラリって笑いながら
追いかけっこしている姿は、このドラマシーンの中でも最高の
一場面だった。
マーガレットは元々ショーガールであり、アンの砕けた姿を見て
好感度をもっていたこと。そして彼女が体格を維持する為に
嘔吐癖があるということも同時に見抜いていた。
そんな彼女は何故TJの麻薬の件には気づいてあげられないのかと
いう感じもするけど、子育てに関しては親子によるものだとする
ところがあるのかな。

アンはダグラスの一番が母親であることを気に入らず、それを
話すとマーガレットは、「私が一番たでと言うのよ!」と練習させ
られる姿がある。

またマーガレットも娘の才能を見出したのが自分ではなく二番目の
夫のデール・バリッシュであることにちょっとした嫉妬を感じつつも、
愛情を感じない結婚だったが、良い面があることを示していた。

■ダグラスとスーザンの流れもまた興味深かった。
互いに如何に悲惨なのかアルコールの勢いを借りてのぶっちゃけ
トーク合戦。

・学生時代バックストリートボーイズの曲をバックに半ズボンにタキ
シード姿でダンスしたこと。
・エクスタシーの力を借りてアンにプロポーズしたが未だに自分に
自信が持てずに実行出来ていないこと。

・前回の政府専用機の中(イラン首相との会談帰り)で、記者仲間と
セックスをしたこと。
・上司と関係を持っていたが部下に寝取られたこと。

スーザンの視聴者サービスシーンも覗かせつつ、結婚式前の彼氏
を寝取ったスーザンはまたしても罪悪感を抱えると共に、当時の
母親の声というものに改めて実感するものがあるのだろう。
男女の問題は本人同士にしかなかなか分かりあえないものが有り
ましてや家庭の問題ともなると、より複雑なものがあるのだろうね。
ダグラス本人もスーツのことを引き合いに出し、アンとの関係は
まるでオーダーメードの高級スーツのような感じでしっくりと
来ないことに対する贅沢な不満を漏らしていた。

中国の原子力潜水艦ネタも悪くない駆け引きとして描かれているし、
最後にバドが「ボウリングを嫌うヤツは信用するな」と口ずさみ
つつ、フレッド相手にショーン議員を私生活をネタにして脅して
票を得ていた事実を以て殴り込みにいくシーンなど興味深く描かれた。
ホワイトハウスの地下室にボウリング場があることは周知の事実
だけど、オバマ大統領が就任の際にこのボウリング場のことを
引き合いに出したことを踏襲しているのだろうね。
ただフレッドが気骨に溢れているなと思うのは、マフィアのような
バドに殴られても反撃するところだった(笑)

エレイン・バリッシュ (Sigourney Weaver) バドの元妻・国務長官
スーザン・バーグ (Carla Gugino) ジャーナリスト
ダグラス・ハモンド (James Wolk) エレインの補佐、息子・次男
T.J.ハモンド (Sebastian Stan) エレインとバドの息子、長男・ゲイ
アン・オガミ (Brittany Ishibashi) ダグラスの婚約者、摂食障害?
マーガレット・バリッシュ (Ellen Burstyn) エレインの母
バド・ハモンド (Ciaran Hinds) 元アメリカ大統領
アレックス・デービーズ (Dan Futterman) ワシントングローブ誌デスク
ポール・ガルセッティ (Adrian Pasdar) アメリカ大統領
バリー・ハリス (Roger Bart) 大統領の首席補佐官
アリス (Kristine Nielsen) エレインの秘書

フレッド・コリア (Dylan Baker) 副大統領
ハル (John Bedford Lloyd) 1997年当時、ワシントングローブ誌のデスク
Mrs.バーグ (Blair Brown)
リーバオ (Ming Lo) 中国大使代理
ポーリーン・サムソン (Linda Powell) 危機管理室
— (Joe Avellar) Reporter
タフト (Robert Heath) 太平洋艦隊司令官・将軍
— (Brian Hotaling) Producer
バーソン (Edward James Hyland) 海軍大将
デニス (Raushanah Simmons)
— (Shawn Gonzalez) Washington Globe Employee
— (Tom Leonard) Campaign Worker
— (Elizabeth S. London) Campaign Supporter
— (Peter Muggleworth) Secret Service
— (Michelle Santiago) NSA Staff
— (Dave Shaver) Secret Service

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