映画 月の輝く夜に moonstruck 1987年

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NCISでトニーがジョン・パトリック・シャンリーのことを引き合いに出していたので
昔書いた感想をHDDから引っ張り出して来ました。
Formatの違いで見づらかったら済みません。

月の輝く夜に moonstruck 1987年

監督・制作 ノーマン・ジュイソン 製作 パトリック・パーマー 脚本 ジョン・パトリック・シャンリー
出演 シェール、ニコラス・ケイジ、オリンピア・デュカキス、
ダニー・アイエロ

【ストーリー】

ヌッチャロー葬儀社。コンティは死人を安らかに眠らせる
プロだった。死人に送られてきた赤いバラを見てそこで働く
ロレッタは、花に大枚をはたく気がしれないと言うと、
花束を持ってきた男は、彼女にその中から一輪のバラを
プレゼントする。すると、彼女は先ほどの意見を覆すかの
ように花は嫌いではない事を告げた。
ロレッタは、28歳の時に結婚した夫を7年前に亡くし
(交通事故でバスに轢かれる)、現在夫の友人である
ジョニー・カマレリとつき合って居た。共に食事をしに
レストランへ。ここは、既に顔なじみの店。ウェイターの
ボボとジョニーとは20年来顔を合わせているのだった。
この日、ジョニーから彼女にプロポーズすることを聞かさ
れ、成功したら合図を送り、特上のお酒を振る舞う手筈に
なっていた。隣では、不幸にも水を掛けられ別れる中年の
男と若い女性のカップルが座る中、彼は食事を済ませると、
意を決したように彼女に語り掛けた。”結婚してほしい”
・・・するとロレッタは、彼から主導権を握るように、私は
過去に結婚して夫を死なせており、運が悪い女性だと言う。
婚約は最初が肝心であり、跪いて求婚して欲しいことを告げ
る。一張羅をダメにしてまでやる価値のある行為なのか・・
不思議に思いながらも彼女の言うとおり跪き、再度言葉を
伝えた。指輪を用意するのを忘れ、慌てて自分のしていた
指輪を外し代用する。すると、ロレッタはその申し入れを
素直?に受け入れる。周りで見ていた者たちは、彼らに祝福
の声をかけるのだった。

式は何時行うのか?・・その問いかけにジョニーは戸惑う。
彼の母親は現在危篤の状態であり、これから空港に向かい、
シチリアに住む母の元を訪ねることになっていたからである。
彼は、母親が亡くなってから式を挙げる事を話すが、彼女は
具体的な計画を彼に求める。予め用意して置かないと悪運を
呼んでしまうと。
全てを彼女に任せることを言うと懐から一枚の紙切れを出す。
そこには、絶縁状態にあるロニーの住所と電話番号が書いて
あったのだった。ジョニーは、結婚式には絶対に彼を招待
して欲しいとして、彼女に仲介役を頼んだのだった。そして、
別れのキスをし、彼は飛行機に搭乗するのだった。

ロレッタは帰宅すると大勢の犬がお出迎えした。そして、
ロレッタは父親のコズモに求婚された事を告げる。
しかし、彼は驚いた様子を見せず、全ては悪運に満ちたもの
なので、この婚約は取り消すよう彼女に話す。
挨拶にも来ない男・・口を閉じて笑うところ男ジョニーの事
を、コズモは嫌っていたのだった。すると、彼女は前回の
結婚の際の話を持ち出し、悪運が付いたのは父親がちゃんと
祝ってくれなかったのが原因だとして怒った。更に寝ていた
母親のローズにも伝えに行くのであった。

祖母はいつもの犬の散歩に出かけていた。仲間と逢い、先ほど
の息子(コズモ)と孫(ロレッタ)との争いを話してどう解決
するべきかを相談する。すると、仲間は息子と良く話し合う
ことをアドバイスするのだった。

翌日、ロレッタはジョニーの弟のロニーに電話を入れる。
しかし無礼にも話を聞かず、一方的に電話を切ったために
彼女は直接書かれた住所の元を訪れることに・・・そこは街
の一画にあるパン屋だった。
早速面会し用件を話そうとするが・・ロニーは人生を兄貴
(ジョニー)に奪われた事に腹を立て、自分だけ結婚して幸せ
を掴むのかと怒り出す。そして、ナイフを取りだそうとする
と、ロレッタに向かって、ナイフで喉をかき切って亡くなっ
た事を伝えろと話すのだった。

■感想

ブルックリンを舞台にした、人の心を惑わせる満月の夜に起
こった魅惑的な大人の恋の物語。
挿入歌、ディーン・マーチンの「ザッツ・アモーレ」他、数々
のイタリア系一家の雰囲気を表現するような演出が至る所で醸
し出されている。

不思議な感じの映画ですよね。
映画のシナリオ自体ももちろん、登場してくるキャラクターが
一風変わっていて、互いに相手の居る男女のカップルが、満月
の夜になると不思議な魔力にでもかかったかのように別の相手
を求めていく・・そんな感じの映画です。
この一家は、なにをするにも運命に縛られたような家庭です。
特に冠婚葬祭でもなれば縁起を担いだような数々の妖しげ?な
言動が見られます。

婚約したジョニーの弟ロニーと、彼が不在の間に結果的に逢い
に行かされてしまい、そこで一過性の麻疹のように恋に落ちま
す。前触れもなく突然襲ってきた恋に戸惑いながらも、断る
ことなく、やがてオペラに誘われるのだけど、今まで見せたこと
もないようなオシャレな格好で、互いの前に現れるという不条理
ながらも、何処か分かる気がする感じの恋物語ですよね。彼女
のそんな違う一面を引き出せなかった事でも、この婚約劇が
打算的で有ったことが分かりますが、ラストでのジョニーの扱
いがどうにもハリウッド的じゃないですか?
なんだか全員を上手く纏めすぎた気がするなぁ。
でもあのリンカーン・センターでオペラ『ラ・ボエーム』を見る
シーンは、凄く上品な香りがして良いですね。
不器用そうなロニーが、そんな演出をするのがまた良いです!?
腕が義手であり、その事件をきっかけに5年前に結婚・離婚を
経験しているロニー。事件に関して、特に兄のジョニーに責任が
ある訳ではないのだけど、自分にない幸せを全て所有している
事から逆恨みし、今では疎遠な関係にあるのですが、会いに行
ったロレッタがロニーに発した言葉がまた、自分に
対する言葉のようでもあり、二人は何処か似たような面を持ち
合わせていますよね。

また家庭内では、両親の仲の悪さが表面化して現れているの
ですが、そんな寂しさを覚える妻が、一人で訪れたイタリアン・
レストランで、同じような寂しさを持つ大学教授と出会いま
す。そして、一緒に食事をとった後、彼が自宅まで送るのです
が、そこで彼に言った言葉やその場の雰囲気に飲まれないオリ
ンピア・デュカキス(Olympia Dukakis)の
熟練した演技が好きです。

ちょっと時折、文学的な表現っぽいセリフ(ロニーとロレッタ
の間で)がありますが、なかなか映画の仲の雰囲気に浸りたい
感じの映画です。

アカデミー 主演女優賞(シェール)、助演女優賞(オリンピア・デュカキス)
オリジナル脚本賞(ジョン・パトリック・シャンリー)受賞

■出演者

ニコラス・ケイジ(ロニー/ジョニーの弟)怪我した責任を兄に擦り付ける。オペラが唯一の趣味。
シェール(ロレッタ/37歳)28歳の頃結婚し、交通事故で夫を亡くす。
オリンピア・デュカキス(ローズ/ロレッタの母)夫とは仲が悪い。寂しさを覚える・・
ダニー・アイエロ(ジョニー・カマレリ/ロニーの兄)マザコン。2週間の里帰りの間に・・・
ジュリー・ボヴァッソ(リタ/ローズ兄の妻)        
ルイス・ガス(レイモンド/ローズの兄)
ジョン・マホーニー(N.Y大学の教授)レストランで水をかけられる。
ヴィンセント・ガーデニア(コズモ/ローズの夫)配管工。
ロバート・ウェイル(ボボ/レストラン)イタリアンレストラン勤務。ジョニーとは馴染み。
Nada Despotovich(クリシー/パン屋レジ)ロニーの事を片思い。

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