相棒18 第3話 少女

相棒18
(2019年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋下一(1、2)、権野元(3)
脚本:輿水泰弘(1、2)、神森万里江(3)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou18/

第3話 少女

【ストーリー】

●公園

冠城と右京は益子に頼まれて近所の公園でネコを探す。
3人の子供たちが冠城の行動を不思議に見つめる中、
愛猫の”益子メイ”が居なくなったことを告げる。
近くに怪我落ちていて自分の臭いのついたエサを近くに
蒔くとネコの鳴き声が聞こえてくる。
その視線の先には女の子・秦野明菜がネコを抱えていた。
飼い主が探しているとして冠城はお礼を言いつつ取り戻そ
うとするが、少女はこの子は震えているとして渡そうと
しない。不安なんだとし、飼い主は良い人だから・・と
言って説得する。受け渡しの際に少女の爪が荒れている事
に気がつく。

益子は見つけてくれた明菜にお礼の品「かりんとう」を
持って家に行く。

●マンション / 秦野家

蝶番がキシム音がしてドアの鍵は開いていた。室内に入る中
でパトカーが近隣に多数やってくる。
その頃室内では島村が明菜を人質にして隠れていた。

沢木大介という都内飲食店で働く男が室内で殺害されていた。
死因は頭部打撲による脳挫傷だろうという益子。犯人は
ナイフを持っていた様だとしてドアの所に落ちていたナイフ
のケースを見つける。また床には何かで引っ掻いたような跡
が残っていた。

伊丹たちも捜査に乗り出すが右京たちが先にいることに驚く。

再び秦野家に行くと、母の秦野香織が帰宅してくる。一体
何の騒ぎなのかと彼女。右京は室内を調べる。姉妹の写真
が飾られていて難しい本が目に付く。明菜の妹の若菜が
昨年亡くなったが明菜は自分が病気を治すと言っていたの
だという。
室内のゴミ箱には血の付いたトレーナーが捨ててあった為に
寝室を調べると、そこは荒らされていた。
逃亡の為に着替えていること。不運なことに犯人と鉢合わせ
したであろう事を説明する。危害を加えるなら連れ出さない
とし、何か無くなったものがないかを尋ねる。明菜のリュッ
クサックがないとし、クレジットカードも無いという。

冠城は青木に電話して調べてもらう。

●捜査本部 / 上西台三丁目マンション内殺人被疑者

殺された沢木は強請の常習犯だという瀬野沢。
益子は指紋から容疑者は島村裕之(42歳)、警備会社勤務。
現場の部屋にはあちこち彼の指紋が見つかって居るという。

写真を見た捜査官はこの男は以前ウチに来たという。
自殺した恋人(半井瑞穂)の事を調べて欲しいと言っていた
という。恋人が沢木に強請られていて島村が落とし前を
付けたのか?

●特命係

青はは現場のマンション付近でATMは14カ所。防犯カメラ
にアクセスしたら女の子が映っていたという。2019年10月
8日15:32分、上西台3丁目のコンビニ。金を引き出せば逃走
資金を得られるので用事が済めば明菜の命が危険だという。

●半井家

自殺した半井瑞穂の事を聞きに彼女の家に行くと母親の靖子
は娘に起きていることが気づかなかったとし、遺書を見る
まで事情を知らなかったという。一人で苦しんでいたであろ
うことにショックを受ける。

■感想

年齢や性別、これまでに至る事情は全く違うものの、
その障壁を超えて同じ感情に苛まれている人たちの物語。

「嘘」と「誤解」は全く違うものだけど、今回はその二つ
が複雑に絡み合い、事実は印象より生み出されてしまうもの
だがそのせいで誤解を生み、そして嘘を付くことになって
しまうところが有った。

親子の関係の難しさというものを改めて感じさせるけど
幼い時から複雑な感情を抱いて育っているのでこの先大丈夫
なのかという感じも受ける。

ナイフだけで十分に亡くなるだろうとは思ったけど、
死因が頭部打撲による脳挫傷。ナイフで刺したことでの
失血死ではなかった為に実際には復讐に走る男が最後に
最悪の形でのエンディングは迎えないだろうとは思っていた。

自殺してしまった瑞穂の母も娘の事情や悩みを知らなかった
が、明菜の母親の香織も明菜のことは理解していなかった。

病気による負の連鎖。
娘が病気にかかれば治療費の為にも働かなければならない。
そのせいも有りなかなか自宅に居る事が出来ずに居る。
妹は姉に構って欲しくて意図した嘘を付いて気を引こうとし
た。悪気は無いが残されたものには色々と複雑な感情を
持たせたままで亡くなったようだ。

子供が居なくなればアンバーアラート的に相当忙しく警察
は警備体制を敷きそうだけどね。

捜査が進む度に驚くべき事実が明らかになっていく。なんと
言っても自分から島村についていったこと。
このシーズンに入ってから親子関係はいずれも上手くいって
いないことに気がつくが、まさか見知らぬ男にシンパシー的
ものを感じて一緒についていく。
絶望しているものには人の死とか血などは怖くないのだろう
か。

携帯電話を見つける辺りはGPSが付いていたとはいえ相当
神がかっていた。

色々と防犯カメラ映像、コンビニや警察など助けを求めら
れる状況は出来ていたがそれをやらなかった。

それらの情報を整理し、現場で見つかった指紋から被疑者
に起きた過去を洗い出して復讐しようとしている動機を
見つけていく。

島村も明菜に自分の復讐が正義なものだと教えてしまった
ように、妹の嘘も真に受けてしまった彼女。
頭の良い10歳の少女だったがそういう機微なところに気が
つくまでには至らない。

母親が娘の為に頑張っていることは目にしているハズなの
にどうしてそんな誤解をしてしまったのか。

爪に現れたストレス、そして現場に残されていた床の傷と
鍵の隙間から検出された残留物が一致して島村が殺害した
と思っていた沢木を殺したのは別人だったことを右京と
鑑識を通して見抜いていった。

最後のその辺の感情的なことを含めて真相を言い当てるの
は相当難しそうに思えたが・・・その辺は右京さんか。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)

秦野明菜 …… 大島美優 (10歳、長女、島村と行動する)
島村裕之 …… 三浦誠己 (42歳、警備会社、指紋検出)
沢木大介 …… 三溝浩二 (飲食店経営者、被害者)
小田桐徹 …… 白石直也 (37歳、飲食店、共犯者)
秦野香織 …… 中村真知子 (明菜の母)
秦野邦彦 …… 高城ツヨシ (明菜の父)
半井靖子 …… 三谷悦代 (瑞穂の母)
捜査員 …… 松嶋健太 (島村が訪ねて来たと・・)
巡査 …… 小多田直樹 (交差点で明菜と島村と話す)
半井瑞穂 …… しじみ (自殺した島村の恋人)
中村 …… 新野アコヤ (国際興業バス・板橋中央営業)
秦野若菜 …… 前田織音 (病死した明菜の妹)

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