拝啓ハリルホジッチ様 /日韓戦

非常に残念で残酷な敗戦の日韓戦だった。

ハリルに同情は出来る部分が有るが、日韓戦ともなれば感情的に
なる部分も有って一筋縄ではいかないところがある。
この人は日韓戦という意味を何処まで理解している人なのだろうか
とフトそう思う。

同情出来る部分としては、非常に中途半端な位置づけの大会
で欧州派がA代表のレギュラーの大勢を占める日本にとっては
残念ながら今回の大会では、ワールドカップの為の強化試合
ではなく、最後の当確線上に居る人物の実力を試すだけの
全体的なシステムの確認作業とは無縁のところでゲームを
動かさなければならなかったところだ。

A代表でのレギュラー選手は一人も居ない。
急増のJリーグチームでA代表経験の少ない、またはサブだが
招集された経験のある人物ばかりで構成されたチームだった
ことも有り、ゲームの運用は未熟だった。
人数は足りているのにもかかわらず相手に守備をすり抜けら
れて崩されてゴール前ではやりたい放題された印象だった。
逆に後半バイタルエリアに日本選手にボールが渡った時の
対応は後手に回って結局最終ラインを破りシュートに
至るまでに行かなかった。

ワールドカップ前にとても貴重な試合の一つであるが、
このチームのメンバーの一体何人がロシアワールドカップ
に出場するのかという点を考えると、結局何の為の試合
だったのか疑問に残る。昔の日韓戦は逆の立場だった。
ワールドカップとは無縁だが日本に強い選手を起用して
大会に挑むということが90年代には数多くの試合で見て
取れた。

当確線上に居る選手としてはワールドカップアジア最終戦が
終わった後のキリン杯と欧州遠征に招集されたメンバーを
見ても分かるように、井手口陽介と昌子源、車屋紳太郎、
倉田秋、三浦弦太、小林悠に該当するだろうか。

試合は1、2戦目の中国、北朝鮮戦での勝利によって余裕が
出たかに思われた。実際にはその2つの試合内容も思った程
いい物では無いが勝利がついて来たところが有る。

逆に韓国側は攻撃陣はともかく守備陣はロシアワールドカップ
の主要メンバーであり、その守備陣が1戦目に崩れて、2戦目
には攻撃陣が不発に終わったという点で全体的なパフォー
マンスは満たされるものではなかった。

不思議なことに日韓戦となるとそういう問題点が一挙に解決
したようになることがある。
あのFKなどを見ても明らかだったが、正直A代表では大して
活躍していない全北のキムシヌクが大ブレークしてしまう
ところを見ても如何に今回日本の守備陣が統率出来ていなか
ったのかが伺える。

日本側にも付け入る隙があるかに思われたが、残念ながら
まるでチャンスすら無く完全に相手のペースで進められた。

これならば寧ろユースの強化試合にすべきものが有り、
若手の起用を積極的に考慮しての大会にすべきだったのでは
ないか。
今更Jリーグの中から新しいメンバーを発掘する必要が有る
のかという疑問点が残る。

ハリルに同情出来ない点は彼のコメントの中に見て取れる。

「フルメンバーのA代表で戦っても、この日の韓国に勝てた
かは分からない。真実を見つめないといけない」

この時点で彼は気持ちで負けている。

前日の女子サッカーも北朝鮮では全く可能性を感じない戦い方
で完敗を期している。

どうも今年はシメの試合では結果を残せない試合が多かった
ように思う。

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