君が心をくれたから
(2024年1月期・フジ・月曜21時枠)
脚本: 宇山佳佑
プロデューサー:草ヶ谷大輔
演出:松山博昭
音楽:松谷卓
主題歌 – 宇多田ヒカル「何色でもない花」
第2話 マカロンは恋と夢の味
【ストーリー】
◆◆2000年12月26日(土)
■朝野煙火工業
工場で火災が起きる。
達夫は急いで消火を指示。父・陽平は妻の明日香が
家の中に取り残されているのを知り涙する。
外では太陽が横たわる
◆◆2024年1月2日
■病院
太陽は病室で目覚める。妹の春陽がやってきて
マカロンを持ってくる。
「特別な意味はない。お菓子言葉の事よ」
「懐かしい」
・病院の廊下
雨が病院の廊下を歩いていると日下と千秋が現れる。
車に轢かれて亡くなったハズの太陽のことを雨が
二人と取引して命だけは助けてもらった格好だった。
しかし命の引き換えには代償を伴う。
雨の五感を全て奪わしてもらうというものだった。
その悪魔様な二人から説明がある。
雨の腕に取り付けられた時計。
そこには現在口のマークが書かれていて、時間が
少しずつ減っていることが分かるものだった。
口のマークは「味覚」を意味するもの。
14DAYS 6HOURS 5MINUTES 30SECONDS
その数字が少しずつ減少していく。
その時間が0になった時に雨の味覚は奪われる。
その翌日には次の感覚とそのタイムリミットが再び
表示される。
五感を失いつつ有ることは他の誰かに話しても構わない
が、「奇跡」や「我々案内人」のことは口外しては
ならない。もしも話せば奇跡は強制終了となる。
つまり二人が亡くなることを意味していた。
しかし太陽にだけは真実を話しても良いとのこと。
二人の姿が見えるのも雨と太陽の二人だけであること
を聞く。
春陽は雨の元にいくと、可能のお礼をする。
現在太陽は病院の屋上にいることを聞く。
■病院の屋上
マカロンを食べているところに雨がやってくる。
離れた場所には千秋が立っていて太陽は気がつく。
雨は誤魔化すようにして赤い傘を持ってこなかった
ことを告げる。
太陽はこうして雨が長崎に戻ってきて会いたい時に
会えるなんて嬉しいことを語る。
手にしていたマカロンを食べるかと問うと太陽は
雨にそれを持った手を口の方に持っていこうとする。
食べさせてあげようとしているのか。
しかし次の瞬間、マカロンを手にとって過去の思い出
を語る。
懐かしい・・私にとってマカロンは大切な思い出。
太陽がくれた思い出の味。一口食べれば、いつも・
いつでも恋と夢の味がする。
その彼女から味覚が奪われるのは
「残り12日15時間50分」だった。
■逢原家
昼間にマカロンを差し出されたが、あれは「あーん」
と食べさせてくれるところだったのか。
すると何処からともなく千秋が現れる。
雨は彼の前に出てこない約束だというが無視される。
その千秋からは、一連の奇跡の件で
「正直に話すべき。一人で乗り越える程、五感を
失うことは簡単じゃない。」
しかし雨は、
「隠すとし話せば太陽は自分を責める。奇跡は絶対
にいわない」
千秋はどうしても一度彼を見てみたかったと語る。
雨が心を捧げるほど好きな人でしょと。
■感想
正直これまでの展開を見る限りでは面白さを感じて
いない。五感を一つずつ失う展開が早すぎることも
有るし、思い出にすがって生きるには年齢としても
設定的に若すぎて、もう少し色んな経験をさせて
からでないと「思い出」という形で回想シーンを
見せづらい。
今回の展開を見ると、新しい展開も見えてきた。
逢原家側の事情と共に朝野家側の事情も描かれた
のだ。
母親は形は違えど娘や息子を助ける為に命を
投げ出したり、祖母に相談して施設に入ったりも
していた。
そして両者の親が共に子供たちの特性を見抜いて
「花火」「スイーツ」という形で、他の人にも
幸せを運んでほしいことを主張したことだ。
■だが、よく考えてみよう
太陽の母親・明日香を殺した責任が太陽にあるの
であれば、雨ちゃんの五感を全て奪って責任も
また全て太陽である。
隠していたことが大きい程に、判明した時の衝撃
は大きいものだ。
母親を間接的に殺して、家族の関係を壊したのが
彼だとしたら、これらは過去の話としてある程度
処理できるだろう。
しかし未来ある雨ちゃんの夢や希望を奪ってしまっ
たのも彼だとしたら、それが判明した際の彼の
心は一体どうなってしまうのか。
その衝撃の大きさからなのだろうか。
マカロンに込められたお菓子言葉など正直どうでも
よい。
一応マカロンには「あなたは特別な人」という意味
があるようだが、それはいわずとも行動や態度で
分かるものだろう。
■一緒苦労して生活していくはずが・・
一方が厳しい試練を負ってしまい、一方は母親こそ
失っているが、努力という言葉が今後の人生でも
活かせる状況にある。
太陽の過去を知って本人が受けた喪失感は半端がない。
賛美歌の音から割り出して教会の近くにいることを
知った雨ちゃんは刑事ドラマが好きなタイプだな
(<-そうか?)
「資格なんてどうでも良い。それよりも大事なものを
太陽は知っている。なのにどうしてもっと頑張らない
のか?自分の作ったもので沢山の人を幸せにしたいと
思ったのでしょう。だったらどうして簡単にくじけた
りするのか?」
「今度くじけたりしたら太陽くんののことを絶対に
許さない」
「私は逃げない。最後まで足掻く。だから太陽くんも
逃げないで」
■五感を失うタイミング
時間の設定があるので、この辺はドラマを制作する
に辺り計画したタイミングというものがあるのだ
ろう。
しかし私には時間の概念があまり有効には見えない。
彼女が作ったマカロンによって他の人を幸せに
いたのだろうか? この二人の間のマカロンの味の
思い出に関しては、学生時代に甘酸っぱい衝撃的
なエピソードがすでにある。改めて作ったけれど、
改めて食べさせたけど、それに勝るようなエピソード
には全く見えなかった。
■出演者
逢原雨 …… 永野芽郁 (26歳・パティシエを目指す)
幼少期の雨 …… 佐藤恋和
朝野太陽 …… 山田裕貴 (28歳、朝野煙火工業)
望田司 …… 白洲迅 (33歳、長崎市役所の地域振興課)
朝野春陽 …… 出口夏希 (24歳、太陽の妹)
朝野陽平 …… 遠藤憲一 (59歳、老舗煙火店「朝野煙火工業」)
逢原霞美 …… 真飛聖 (46歳、雨の母親)
逢原雪乃 …… 余貴美子 (67歳、雨の祖母)
日下 …… 斎藤工 (奇跡の案内人)
千秋 …… 松本若菜 (奇跡の案内人)
柳田達夫 …… 螢雪次朗 (朝野煙火工業)
花村竜一 …… 佐藤貴史 (朝野煙火工業)
菊野純 …… 谷恭輔 (朝野煙火工業)
飛岡雄星 …… 萩原護 (朝野煙火工業)
田島守 …… ジャン・裕一 (パティスリー『レーヴ』)
菅原亜未、木村優来、ますと、すだしかぢ
安井絵里、生野陽子(アナウンサー)