君が心をくれたから 第7話 明日を生きる理由

君が心をくれたから
(2024年1月期・フジ・月曜21時枠)

脚本: 宇山佳佑
プロデューサー:草ヶ谷大輔
演出:松山博昭、相沢秀幸(5)
音楽:松谷卓

主題歌 – 宇多田ヒカル「何色でもない花」

https://www.fujitv.co.jp/kimikoko/index.html

第7話 明日を生きる理由

【ストーリー】

◆◆2024年2月16日

ショッピングモールで花を購入する雨。
店内で杖が売っているのを目にする。

見晴らしの良い場所に行きボーっとしていると
日下と千秋が出てきて大丈夫か?と問われる。
祖母は亡くなり、雨が「触覚」を失うまで34時間
となっていた。

「どうして私は生きていくのか。もうすぐ全てを
失うのに・・辛い明日をどうして生きて行くのだろう。
この先の事を思い不安になるのはイタイ程分かる。
しかしその疑問の答えは有るはず。「触覚」が貴方
に教えてくれること」

■朝野家

朝野家で夕食を取ることになった雨は花を持っていく。
そこには従業員や役場の司も呼ばれ、全員雨の姿が
見たくて食卓に座っていた。

従業員の中には少なからず太陽と付き合う雨の事に
納得できずに居た。

「なんでこんなに可愛い子がっ・・」
「何か良からぬ事情が有って付き合っているのか?」

今日は雨ちゃんの初披露という事でパッとやろう。
そして雨ちゃんに乾杯の音頭をとってもらう。

雨ちゃんはお義父さんにビールを注ぐと陽平は照れ
くさそうにする。
従業員は親方がおめかしをして居ないか?というと、
妹・春陽は雨ちゃんに気に入られようとして朝から
あの調子だという。

・司と春陽

更に春陽は今日の影の主役は市役所マン(司)だという。
イケメンなのに兄ごときにボロ負けしたと。
春陽は司がサッカーをしていることを知っており
ミサンガでも作ろうかと語る。
司はお言葉に甘えてお願いしても良いかと言う。
春陽は雨に一緒に作ろうと語る。

・太陽と司

太陽は一人元気が無かった。
司はその原因を知っている為に太陽に声を掛ける。
先日司の知り合いの医者から聞いたことだが、
雨が語っている「五感を失う病気」というのは
なく、病気だと思いこんでいるのではないかと
いうこと。しかし本当にそんな病気だったのなら
その内、目も見えなくなる。だから「太陽があげる
花火」を見せてあげて欲しいと語る。しかし太陽には
それをやるには乗り越えるべき壁があッた。

・雨と陽平

雨は元気がない太陽のことが気になり陽平に
尋ねる。すると父は恐らく「桜まつり」の事だろう
としてパンフレットを渡す。3月24日、午後6時
から長崎東文化公園で行われるもの。
アイツは自分の花火をあげたいと言ってきている
のだという。
太陽の花火師としての腕は相当あがっていた。
しかし桜まつりまでには間に合わないとし、査定
するのは「長崎花火協会」なので審査は通らない
であろうことを語る。
太陽には花火師としてある欠点が有った。

■感想

これまで思っていたよりもピンと来なかったのが
五感を奪われる恐怖を筆頭にした悲しみとか苦しみ
などの主人公が抱える苦悩が有るが、それらが
かなり希釈された形で少し視聴者にも伝わって来た
だろうか。

あまり想像したくはないけど、五感の内、どれを
失うのが辛いのか。現実にそのどれかを奪われて
いる人が社会には居るが、ドラマの中で今回奪われて
しまうことになる「触覚」は人の暖かさや温もりを
感じるものとして伝えられた。

後ろから肩を叩かれても気が付かない。
愛する人との間で行われるスキンシップ的な信号が
無くなった状況で過ごすことによってどういう弊害
が現れるのだろうか。
愛する相手との距離感は掴みづらくなる筈だし、
自ら痛みを感じない為に傷つくことも多いのだろう。
ミサンガを作る手も感触が奪われた後では触れたの
では力の調整も難しいものだろう。

今回、これと並行して太陽の体にある「色覚異常」
の事も同時にクローズアップされており、
感覚が正しく機能しないことの辛さというのを
互いに認識できたのではないか。

五感を失うのはただごとではない。
一人の努力で何かできるものでもなく、雨ちゃんが
どんなに隠したとしてもいずれは分かる。
今まで奪われた「味覚」と「嗅覚」では他人に
その辛さは伝わらなかった。
「触覚」を奪われたことでもまだ行動がとれるかも
知れない。
ただそれらも時間の問題で有り、今後はシビアな
行動規制のようにして描かれていくのだろう。
「触覚」の喪失は歩行も難しくするものなのだろう
か。

ただ敢えていうなら「触覚」についてのエピソード
は前回の展開の方がドラマを生み、失うことの難しさ
が伝わりやすい形で表現され、手を取り合っていた
のを見ると今回は繋ぎの印象もある。

前回は祖母が余命わずかの状況で外出して、思い出
の場所で人生の先輩としてのアドバイスだったり
心残りの無いように雨が知らない過去の真実を
色々と打ち明けた。

その過程で祖母が巡った場所は、「海岸の砂浜」
「展望台への階段」という車椅子のものにとって
は最難関ではないかというくらいのロケーション
を乗り越えていたので、どうも雨の今回の行動の
中に実質的なインパクトは失われていた感がある。

●計算高く花火を打ち上げる

今の状態でも実は花火をあげる事は出来る。

「カリウムとストロンチウムの比率」を太陽は
掴んでいるので「赤色」が出る。その比率を太陽は
感覚的に掴んでいる。

タイミングからすると桜まつりで花火をあげられるか
どうかは、花火師として認められた上での打ち上げ
という縛りのようなものが必要の様だ。

「今年ダメでも来年がある」

今の雨ちゃんの身に降りかかる事実を知らない
ものにとっては厳しい言葉と事実を投げかけるもの
だ。

今回雨ちゃんのコートや形見の傘の色、ミサンガの色
などこれでもかというくらいに赤色だったことは皮肉
としか思えない。穿った見方をしなければ応援して
いるのを示唆しているのかも知れない。

●憧れは健康から・・

雨ちゃんの存在力の大きさは容姿端麗さ?

誰でも顔やスタイルで相手を評価してしまうことは
あるのだろう。

父親は息子の相手ということで照れる光景があり、
そこには花火職人として尊敬する父の姿はなく、
普通の親子関係を描いて見せた。

これは雨ちゃんが経験して来なかったもの。

妹の春陽もまた兄を雨ちゃんに奪われる事への
不思議な嫉妬心と同時に姉妹関係にあこがれを抱く
ものにとっては申し分ない相手だ。
その妹も役場の司とほんのりよさげな雰囲気を出し
ている。

しかし彼女が抱えている事情を知ったらどうなる
のだろうか。しかもこの流れはそもそも太陽を助けた
故のことである。

●奇跡はあるのか

奇跡の先に有るもの見たさで謎の二人が現れる。
人の強さを知る為か、それとも逆に弱さを知る為
か。どちらにしても悪趣味的な位置に居るキャラク
ターだ。

しかし当然ながらこの二人は雨の事情を察した上で
愛する人に全て自分の身に降り注いでいることを
話すべきだと告げる。

そして彼女の三つ目の感覚を失った後に太陽に
全ての事実を伝える。何故この状況な有るのか。
そこには日下や千秋も立ち会っていた。

奇跡のような不思議な時に二人が現れ、触れられない
存在として君臨している。

●時間が迫る

気が付くと「触覚」を失う時計は「5時間58分」
「1時間6分」と見るたびに減っていく。

前回は時間が迫る中で、色々と相手に頼みごとを
する流れが有ったが、今回は約束をするシーンと
謝罪し合う流れがやたらと多かった。気が付くと
謝罪している。何とも辛い状況だ。

上述した花火打ち上げのタイミングがあるとする
ならば、もうすぐ失おうとしている五感の一つの
時を愛している人と触れていたいと思うのは自然
のことだ。

そしてまだ暖かい感情がある時に伝えるべきことを
伝える。

●直接ものを言わない世代が物をいう

「**に物申す!」

佐賀の江頭2:50さんのセリフだ。

「君には誰にも負けない素敵な価値がある」

実は学生時代にもその言葉を投げかけられており
今に至る。

彼女が間違っていない選択をした訳ではないのを
改めて理解した。

「触覚」は幸せを確かめる為にある。
手や肌に過去に触れられた時の沢山の幸せが宿って
いるが、その感覚は失われた。

彼女に出来るのは、残り一か月を自分の幸せだけを
追求していくこと。

次の失われる感覚は「視覚」となる。
「34日19時間59分」というタイムリミット。
3月24日(日曜日)がそれに該当し、桜まつりの日と
すり合わせが行われた。

彼女は貪欲に自分の生きる理由を模索した結果、
やはり太陽があげる花火をその日に観たいと
頼む。

最後は約束を表す「指切り」をするが、もちろん
その触覚はなかった。

■出演者

逢原雨 …… 永野芽郁 (26歳・パティシエを目指す)
幼少期の雨 …… 佐藤恋和
朝野太陽 …… 山田裕貴 (28歳、朝野煙火工業)
望田司 …… 白洲迅 (33歳、長崎市役所の地域振興課)

朝野春陽 …… 出口夏希 (24歳、太陽の妹)
朝野陽平 …… 遠藤憲一 (59歳、老舗煙火店「朝野煙火工業」)
逢原霞美 …… 真飛聖 (46歳、雨の母親)
逢原雪乃 …… 余貴美子 (67歳、雨の祖母)

日下 …… 斎藤工 (奇跡の案内人)
千秋 …… 松本若菜 (奇跡の案内人)

柳田達夫 …… 螢雪次朗 (朝野煙火工業)
花村竜一 …… 佐藤貴史 (朝野煙火工業)
菊野純 …… 谷恭輔 (朝野煙火工業)
飛岡雄星 …… 萩原護 (朝野煙火工業)

中田春介

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