七人の秘書
(2020年10月期・フジTV・木曜21時枠)
脚本:中園ミホ、香坂隆史、林誠人
演出:田村直己、山田勇人、片山修
エグゼクティブプロデューサー – 内山聖子
プロデューサー – 大江達樹 浜田壮瑛、大垣一穂、角田正子
ナレーター:岩下志麻
音楽:沢田完
オープニング:milet『The Hardest』
エンディング:milet 『Who I am』
第1話 大銀行のひどい上司をぶっ潰せ!! 上流国民VS“影の仕事人”!!
【STORY】
●記者会見室
緊急会見
で財務省・大臣の粟田口十三が国民に語りかける。
財政破綻を防ぐ為の予算編成について・・。
プロンプタを読んでいるだけの大臣だが、老眼のせいで
財源の3000億円と言うところを3000円と思わず語る。
官僚たちは読み間違いに気づいて急いで文字を大きくし、
修正させる。予備費の使用を閣議決定したと語る。
●東都銀行
頭取の一原福造(70歳)はテレビを見て大臣の言うことを皮肉
る。秘書の佐藤宏はスケジュールの確認をする。
第二秘書の鈴木二葉が視察だ、記念パーティーだ
稟議決裁だ懇親会だと分刻みのスケジュールを語る。
そこに秘書の望月千代がクリーニングを持ってきて、
照井七菜はコーヒーとクスリを持ってくるが、鈴木は遅い
と激怒する。しかしそんな状況の中、七菜と福造が目配せ
するのを千代は目にする。
秘書たちは頭取が出かけるのを見送る。
そこでも鈴木は七菜のお辞儀の角度の問題を指摘して指導す
る。
●ホテル
夜、七菜と福造はホテルの一室で乾杯する。
七菜が作ってきた手作りのがめ煮を出す。
食事後、ベッドの上で二人楽しくトランプなどで遊んでいる
中、突然福造は倒れる。
●ラーメン萬
五月や千代は萬敬太郎が作るラーメンを食べながら財務大臣
の愚痴を語る。
しかしそんな中、敬太郎の元にはある所から電話がかかって
来る。彼は引き取らせてもらうと語る。
●ホテル
七菜は福造が倒れたことでパニクる中、救急車を呼ぼうとす
る。しかしそこに女性たちが入ってくる。
サランがAEDを使い心肺蘇生を試みるが福造の心臓の鼓動が
戻ることは無かった。
三和はホテルの支配人に23階の閉鎖を求める。
VIPの特別室がある階層だが、三和はそのVIPのおじいちゃん
に頼まれたのだと語る。更に宿泊記録、オンラインでの記録
の削除を求め痕跡を全て消すよう語る。
福造がご臨終である告知をするサラン。
不二子たちは痕跡を消すために遺体を袋に入れて運び、服など
必要最小限のものを持ち去る。七菜はそれを見て辞めるよう
告げるが不二子は涙する彼女にビンタして落ち着かせる。
そして千代は誓約書の捺印を求める。
「ここで見た事、聞いた事は全て墓場まで持っていく」
というものだった。三和は車の用意をしたので裏から運ぼう
と語る。
●一原家
福造の家に亡くなった遺体を運ぶ。
萬敬太郎は福造の妻・弓恵に対して説明する。
自分は半年前に頭取からの依頼を受けていたこと。
心臓に持病があるので自分の身に何があるか分からない事。
何処で倒れても自宅で妻に看取られたようにして欲しいと
するご遺志だったこと。自分はご主人行きつけのラーメン屋
をしていて、兼業で司法書士をしていると名刺を出す。
萬司法書士事務所。これがご主人の遺言だという。
誰と居たのかは聞きたくは無いという弓恵。最後まで福造
らしい行動だと語る。
翌日東都銀行では頭取の死を受けて臨時役員会議が開かれる。
■Impression
11月29日現在第一話を見始めた。今季のドラマは「相棒」
と「監察医 朝顔」しか見ていなかったのだけど、この
ドラマも視聴のルーティンに組み込もうかなと思います。
数ある10月期のドラマの中から何故見始めたのかというと、
「視聴率が良かった」
事に加えて・・
「好みの俳優だらけ」
という事が理由。
「ドクターX」は飽きていたので米倉さんがキャンセルして
くれて正直良かった(笑)
中園さんなので働く女性視点で描かれるのかなと思うけど、
キャラクターの構成人数が多く、しかもみんな秘書だらけ
の訳あり情報通っぽいところがあるのが気になる。
仕込みが冒頭から満載過ぎるんだよな。
「七人の・・」なんて言うと私は昭和の名作の「七人の女
弁護士」シリーズを思い出すけど、それとはあまり関係
無かったか。
■掴みはOK・・って程でもない
シナリオは実に荒さが目立つ。
急遽脚本執筆を依頼されたのかも知れないが、かなりの
突っ込み所は満載。
冒頭からいきなりプロンプタを読む財務大臣の光景が
あるけど会話の中で・・「近頃老眼だ」としていたけど
65歳の人はとっくに老眼じゃないのか?
銀行でのやりとりはちょっとした「半沢直樹」のパロディ
っぽい作り。
■問題は何だ?
このドラマ、問題の本質がイマイチ曖昧に設定されていて
最後に帳尻を合わせているような感じにも見える。
例えば・・
「この人の不正を暴いたところで現状は良くなるのか」
この銀行だけでなく既に日本の財務省自体が破綻しかけて
いる状況の中、上層部の認識の甘さが苛立ちを覚える。
銀行では次期頭取争いが行われることになる。
既に根回ししていたのか、常務の安田英司が専務の古山豊
のバックアップを経て地ならしができている。
副頭取の霧島和夫は虚を突かれた形で役員会議ではどんどん
居場所を奪われていくのだが、例え安田の不正を暴いた
ところで、霧島には頭取としての資質があるのか実に謎。
何せ殆ど主張することもなく背景として手腕を発揮したよう
な痕跡が皆無である。
■影の黒子たち
ドラマでは「影の黒子たちこそこの世を動かしている」と
ナレーションベースで語られている。
フィクサーのような萬敬太郎率いるチーム・ラーメン常連客
がそれに該当するのか。
それとも秘書とか官僚といったものがそれに該当するのか。
とにかく秘書が多く、各界の秘書が集まって活躍するみたい。
一番の違和感はこういう秘書はまず表に出てはいけないこと。
最後の安田の不正を暴く際に、数々の隠しカメラ映像が
役立つが、警務部長の秘書をしている不二子などは顔が
バーンと出ている。しかも顔を覚えやすいようなインパクト
の有るSM女王的な使われ方だ。
しかもあの決算書を捜すシーンに於ける時間引き延ばしの
仕方があまりに安っぽく、まるでハラハラドキドキしない
のでこのシーンの延長分を是非カットして欲しい。
今更家の部屋の鍵を開けられない人を送り込むとか無いで
しょう。ピッキングを学びましょう。
■望月千代の過去
今回のケースでは千代が実行のメインを張っていた。
過去の借金のケースで兄の望月一男が自殺?した時の光景
と、今回の神田精密部品での決算書の書き換え、不正融資
の還流を常務の命令とはいえ自殺しようとしていた守谷正
が行っていた。最後は流石に元凶が彼の独断ではない
パワハラ的なところに繋がっていったが、下手するとこの
人物の件は曖昧にされるのかと思っていた。
■今後の展望
各界の秘書たちが主人公7人の中に含まれているのでそれら
全ての問題にメスを入れていくのか。
気になるのは銀行の問題は今後も平行して描いていくのか
ということかも。
■Cast
望月千代 …… 木村文乃 (33歳、東都銀行・常務秘書)
照井七菜 …… 広瀬アリス (25歳、東都銀行・頭取秘書)
長谷不二子 …… 菜々緒 (31歳、警視庁・警務部長秘書)
朴四朗 …… シム・ウンギョン (28歳、慶西大学病院・院長秘書)
風間三和 …… 大島優子 (31歳、東京都知事・秘書)
鰐淵五月 …… 室井滋 (59歳、家政婦)
萬敬太郎 …… 江口洋介 (48歳、ラーメン店「萬」店主。副業は司法書士)
小学生時代の三和 …… 西奈美怜
幼少期のサラン …… 湯本柚子
霧島和夫 …… 小林隆 (東都銀行・副頭取→頭取)
南勝子 …… 萬田久子 (東京都知事)
粟田口十三 …… 岸部一徳 (65歳、財務大臣)
望月一男 …… マキタスポーツ (千代の兄、ラーメン店「一」の元店主)
白鳥六郎 …… リリー・フランキー
黒木瞬介 …… 坂口拓 (フリーライター)
鈴木二葉 …… 杉田かおる (新秘書室長)
北島剛次 …… 木下ほうか (警視庁・警務部長)
西尾忠彦 …… 大和田伸也 (慶西大学病院の院長で教授)
一原福造 …… 橋爪功 (70歳、東都銀行・頭取)
一原弓恵 …… 朝加真由美 (福造の妻)
守谷正 …… 山崎樹範 (東都銀行・千代田支店長)
安田英司 …… 藤本隆宏 (東都銀行・常務)
安田幸世 …… とよた真帆 (英司の妻)
古山豊 …… 大高洋夫 (東都銀行・専務)
横井 …… 野添義弘 (神田精密の社長)
佐藤宏 …… 中脇樹人 (東都銀行・頭取第一秘書)
東都銀行の秘書たち …… 小田切正代、ありもとひとみ、
あいだあい、三浦圭祐、西村誠治、望月雅友
警務部の刑事 …… 西将輝
高柳和春、小関健太郎、鶴丸秀彦、小川聡、田中鉱一
西田昌晴、福光洋、中野久、福田誠行、大竹周作
小井上一章、岸田真弥、川崎初夏、梅津翔、中篠サエ子
山口知紗、蔵原健、佐藤誠、寺田ムロラン
岩田知幸、宮崎真一、林田直樹、島田美希、野依康夫
三神エレナ