特捜9 S7 第2話 嘘つき

特捜9 S7
(2024年4月期・テレ朝・水曜21時枠)

製作総指揮 : 大川武宏
プロデューサー : 川島誠史、森田大児、土井健生
監督 : 豊島圭介
脚本 : 徳永富彦(1)、瀧川晃代(2)

音楽 : 吉川清之
主題歌 – 20th Century「旅立ちの鐘」

https://www.tv-asahi.co.jp/tokusou9_07/

第2話 嘘つき

【ストーリー】

■特捜9

・2024年4月4日(木)

特捜9のメンバーは朝の軽食を食べながらテレビを
見ていた。今回テレビリポーター(小野佳菜恵)が
紹介する店は台東区谷中にあるエスニック料理を
出す古民家カフェ「ムマカフェ」

この店で共同経営者は藤沢睦美(32歳)寺本麻里佳
(32歳)。実は特捜9の一人・高尾由真は、寺本麻里佳
の方とは高校時代の親友だという。互いに忙しくて
会えなかったが最近連絡を取り合うようになった事
を語る。
“青柳に親友はいるのか?”と問われると、”友達は
沢山居る”という。しかし友達と親友は微妙に違う
という矢沢。

“親友とは・・”

「互いに心を許し有った友達。キーワードは心の距離」

だという国木田。
ずっと会っていなくとも会ったら一瞬であの時に戻れて
しまうのかもという直樹。

由真と志保は週末に下見がてら店のシェフスペシャル
を食べにいく事になる。新藤も行きたがるが、彼は
科警研から昨年の資料の整理があるので行けなかった。

■台東区谷中・ムマカフェ / 谷中銀座

店に行くまでの道中、志保は由真にある相談をする。

「村瀬からもらったネックレスが自分の趣味ではない」

それを正直に相手に話すべきなのか。

そうしている間にも店に到着する。

麻里佳との約束はAM11時。本来ランチは12時からの
営業だが、混雑する前に麻里佳と約束していたので
ある。しかし時間になっても麻里佳は来ず、AM11時半
になろうとしていた。
由真は彼女に電話してみるが繋がらなかった。
心配していると走ってやってくる麻里佳の姿がある。
実家の母・寺本美佳(56歳)がぎっくり腰になったので
病院に連れて行ったのだという。

すぐに料理を作るとして麻里佳たちに店内に入る。
すると店の床には共同経営者の藤沢睦美が腹部から
血を流して死んでいた。

・現場検証

直樹は国木田と合流すると彼から現状判明している
事を聞かされる。(店の野次馬の中に自転車に乗った
怪しげな男を目撃)

被害者は藤沢睦美(32歳)。共同経営者の内の一人。
検視官の見立てでは死亡推定時刻は昨日の深夜。
従業員の話ではここに置いてあったペティナイフが
無くなっている。
犯人が証拠隠滅したものなのか・・

物取りの可能性についてはレジの金が残っている
のでその線は薄いということ。となると怨恨に
よる犯行なのか・・。

直樹は倒れている遺体は何かを掴んでいたような
跡がありその後硬直していることを目にする。

・従業員から聞き込み

寺本麻里佳と店でアルバイトしている熊井寛人
話しを聞く。
被害者が誰かに恨みを買うようなことは無かったのか。
恨まれるような人ではないとしながらも熊井は
変わったことと言えば最近樽谷宏さかずアレから
来なくなったという。樽谷は(株)フードシンフォニー
の従業員でここ半年くらい集客や経営について相談
に乗ってもらっていたという。一週間前に睦美と
揉めているのを見たという。
「ムマカフェ」事業計画署がゴミ箱に捨てて有った
のを見つけてこれと何か関係があるのかと問う。
既に青柳と矢沢はそのコンサル会社に向かっていた。
麻里佳は経営は睦美に任せっきりだったと語る。

更に直樹は店にある客との集合写真を見せて
この人は誰かと尋ねる。さっき店の前にいた事。
昔の常連さん(ジョリーサイクル店勤務・長谷渉(32歳))
だと言われるが・・

■フードシンフォニー / 台東区西上野

青柳と矢沢。
睦美と樽谷が一週間前に揉めていたことについて
説明を聞く。あの時は確かに少しカッとなっていた
と樽谷は語る。隣にいたエグゼクティブフードコン
サルタント(社内:リーダー)の小林沙織(35歳)
彼をかばう。あの仕事(「ムマカフェ」事業計画署)
については樽谷が転職して初めての仕事だったこと。

その内容とは、毎週金曜日の夜にはこみこみお任せ
コースにして廃棄ロスを減らすというアイデアの元
無償でアドバイスをしていたという。そして店の
売上は順調に右肩上がりをしているので、キャッシュ
レス決算の導入を入れて幅広い客層を獲得しないか
と提案していた。ウチの会社は決算端末一台で
全ての支払に対応しているもの。しかしその決算方法
については二股をかけられていたという。一週間前に
突然契約を白紙に戻したいと言ってきたこと。
ライバル会社のMobiler Payにされたことを語る。
それで頭にきて殺害したのではないか?という青柳。
しかし樽谷は否定する。

■感想

海外旅行中(タイ)に出会った二人の女性は互いに似たような
夢を持っている事が分かり東京に戻って理想として
いるカフェを共同経営の形で運営する。
テレビで取り上げられる程の店になるが、特捜9の
メンバーの一人、高尾由真は経営者の寺本麻里佳と
高校時代からの親友だとして喜ぶ。
週末を利用して志保と一緒に彼女の店にいくと、
そこで麻里佳と共同経営していた藤沢睦美が殺害
されているのを見つける。

人と人との関係を描いたもの。
谷中という土地柄を選んだところに作者が意図する
ものが見えて来そうだけど、このドラマで描かれて
いる人間関係に対する問題は誰もが経験している事
ではなかろうか。

恋愛による男女関係も、そして友情という同姓同士
の関係も定期的な信号を互いに通わせておかないと
その関係は記憶と同じで失われてしまうものなのか。

更にその中でも限定した形で、友達なのか親友なのか
という選択的事情を突きつけて、そもそもその関係の
本質とは何かを問いかける。

学生時代に仲良くしていた人物で現在では殆ど連絡を
取り合わない人物で有っても、友達とか親友と呼べる
ものなのか。
職場で志を同じくして働いている人たちとの関係
は、どれだけ仲良くしていたとしてもそれに該当する
ものなのか。

過去にも似たようなテーマで描かれたドラマは多い。
時間が人間関係を失わせるものなのか。
時間がその人の性格そのものまでも変えてしまう
ものなのか。

アメリカでは親友との間で秘密はご法度で、何でも話す
ものとして描かれるのをよく目にする。内緒にして
いたことが発覚でもすれば、まさにこれまでの関係の
全てが否定される怖い縛りだ。
逆に日本では親友でも話せないことがあるとして
考えている人が多数派ではないか。

家庭の事情や個人が抱える問題は、自分だけでは
解決できないことが多く、人に話して問題を解決して
いく他ない。それが内心分かっていたとしても、
日本人固有の「他人に迷惑をかけたくない」とする
思考や、それを迷惑だと考えて自分だけで解決しよう
とする性格・気質などがあるのではなかろうか。

・個人的なことだけど・・

先週妙なことが続いたのですがその一つが、
アルツハイマーに関することでした。
実家に戻った21時過ぎにコンビニで買い物をした
後、その近くで助けを求められました。
ウチの両親よりも全然若い方です。
何かと思ったけど自分の家が分からないという方
でした。警察に連絡しようかとも思ったのですが
自分の家からそう遠くもないところなので送って
行きました。

高齢化社会なのである程度は仕方がないと思うので
すが、子供は居るらしいのですが実家に一人でその方
を残して別の土地で暮らしているんですよね。

日本人って意外とそういうところにシビアというか
社会も自分の生活・家庭を犠牲にしないように
親との距離を取るように悟っている。
そういう方の殆どは施設に任せるべきだとか、専門に
扱う方に任せるべきだという。しかしその費用を
捻出出来ない人は果たしてどうするべきなのか。
自分が認知症になることを予め予期して金を
貯めるべきだったのか。
ガチで埼玉県でもこのケースは多いです。

■事件の概要

カフェを経営している藤沢睦美が殺害される。

解剖所見によれば、凶器は刃渡り12cmの鋭利な刃物。
死亡推定時刻は午後22時30分(4月6日)から午前24時
30分(4月7日)。

死因は腹部刺切による腹腔内出血。

・何かがおかしい

・遺体は何かを握っていた

・麻里佳が遅刻した理由が常に嘘くさい(言い訳)

・店の決済システムの変更
(競合他社の存在、麻里佳と清川の関係性の浮上)

・常連客の長谷渉が突如として店から立ち寄らなく
なった

・一年前に突然携帯電話番号を変更
(長谷渉と別れた後のストーカー説)

・麻里佳はウソを付くことが多い

■他人に話せない事情

一番の問題は主役の女性・麻里佳が若年性のアルツ
ハイマーで有ったこと。
病的な嘘つきではないかというくらいに嘘をつくが、
それは二人の関係(麻里佳と由真)だけにとどまらず
周囲の人間を巻き込んでいく。
病気の事実を他人に話すことは難しいか?

話を聞いてみれば幼い頃に苦労していた二人の間に
は強い絆が有り、思っていた以上に二人の間には
友達以上の関係性を示す過去がある。
キーワードはイルカサブレ。

また殺された睦美も経営がうまく行っていない事情
があることを話すことが出来ずに居た。
数値化された利益は虚偽のもので、実際には赤字の
経営だった。
フードシンフォニーに事情を話せばそれを改善する
ような方法を提案してくれたかも知れないし、
関係を維持していい方向に向かっていたのかも知れ
ない。

凶器のナイフに関しても記憶が問題によるものだ
った。自分が殺したのではないかとして自分自身が
信じられなくなっている。

■容疑者は多かった

人が人を容易に殺害できるとは思わないけど、
最終的にはパワハラ的なものが作用して殺害に
及んだもの。

要らないところで人は人に深く関わろうとし、
必要なところで人は他人に関わることが出来ずにいる。

察しろとは言わないが、アルツハイマーならば
態度やミスの多さから気がつく人はいないものだろう
か。年齢的には見抜くことが難しいと思うし、
人はなかなか自分の弱みを見せることは出来ない。

ヤングケアラーだったとする由真がなかなか気が
付かなかったからね。

その中で長谷は事情も知らず謎の行動を取る。
愛する人が凶器を隠していたのを知って自分が罪を
被ろうとする。

パートナーで被害者の睦美は麻里佳の事情を察して
いたが、その事を話そうとはしない。
相手のプライドを傷つけるとか思ったものだろうか。

凶器の指紋は拭き取られていた
しかしエプロンからは指紋が検出された。
むしろエプロンならば指紋ではなくDNA検査では
ないのかという感じもするけどね。
最近の技術では布からも指紋は取れるとのこと。

■その他

・谷中第三レジデンス

麻里佳の住むマンションの名前

・ひらかわ脳神経内科 / 台東区上野桜木

麻里佳が検査した病院

・谷中せんべい

麻里佳を目撃し会話する

・紫苑神社

凶器を隠した場所

■出演者

浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (特捜9・主任)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (特捜9・警部補)
青柳靖 …… 吹越満 (特捜9・警部補)
矢沢英明 …… 田口浩正 (特捜9・巡査部長)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (監察医)
新藤亮 …… 山田裕貴 (特捜9・巡査)
高尾由真 …… 深川麻衣 (特捜9・巡査部長)
三ツ矢翔平 …… 向井康二 (捜査支援分析センター)
国木田誠二 …… 中村梅雀 (警視庁・警部)

寺本麻里佳 …… 長井短 (32歳、古民家カフェ”ムマカフェ”)
藤沢睦美 …… 宮﨑香蓮 (32歳、古民家カフェ)
小林沙織 …… 河井青葉 (35歳、フードシンフォニー・エグゼグティブ)
樽谷宏 …… 見津賢 (28歳、フードシンフォニー・営業部)
熊井寛人 …… 草野大成 (23歳、ムマカフェ アルバイト)
岩瀬克己 …… やす (自転車屋・ジョリーサイクル店長)
長谷渉 …… 長谷川ティティ (32歳、ジョリーサイクル・店員)
清川光輝 …… 丸山正吾 (キャッシュレス決済Mobiler社長)
…… 内藤聖羽 (Mobiler 社員)
…… 小野佳菜恵 (リポーター。TVでムマカフェを紹介)

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