[新] 熱中時代 第1回 オレが先生と呼ばれる日

熱中時代
(1978年10月~1981年3月・日テレ・金21時枠)

企画:梅谷茂
プロデューサー:清水欣也、永野保徳
脚本:布勢博一(1)、松原敏春、桃井章、大和屋竺、森崎東
演出:田中知己(1)、吉野洋、梅谷茂、矢野義幸
音楽:平尾昌晃
オープニング/原田潤「ぼくの先生はフィーバー」

第1回 オレが先生と呼ばれる日
(1978年10月6日)

【STORY】

●アルバイトの日々

北野広大はアルバイトで生計を立てる。
時には時代劇の脇役で主役の役者(小松政夫)
(立花美英)の演技のサポートをする。
監督は主役の演技を褒め、助監督は打ち上げに
新宿西口に集合だと告げる。
広大は日当はどこで貰えるのかを問うと助監督は
演技課から明後日には支払われるという。

広大はオフィスビルの窓拭きのバイトをする。
高所が苦手で震えていると先輩のゴンドラ乗りの
スタッフ(小林昭男)からは1階も40階も同じだろう
と言われる。オフィスでは女性(松金よね子)
電話し、ゴンドラの窓拭き掃除のスタッフに驚く。

●アパート

広大はアルバイトを終えると買い物をして、新たな
アルバイトをするため”アルバイトニュース”という
冊子を持っていた。
帰宅すると広大の先輩の漫画家の桑原隆三
(尾藤イサオ)が新たな漫画を描いていた。実際に
起きたことを漫画にしている彼は編集長から
どんな作品でもいいので描いてこいと言われたという。
帰宅した広大に色々と手紙が届いていると言われる。

見るとサラ金のダイレクトメール、水道代の請求書、
そして一枚のハガキが有った。
そのハガキに目を通すと広大は固まってしまい震え
が起きる。
隆三にハガキの内容を呼んでもらう。

「10月4日、城西区教育委員会に出頭されたし、
配属校は区立若葉台小学校」

広大はついに採用通知が来たと信じられない様子。
春に来なかった為にバイト三昧の日々。
もう来ないと思っていたと広大は安心する。
隆三から乾杯しようと言われる。

「お前に教わる子はたまらんな。出来るのか?」
「僕は女性にはモテないが、子供には人気がある」

■広大は若葉台小学校へ

教育委員会により直接赴任された若葉台小学校に
向かう。帰り道の子供たちに学校の方向を尋ねる
が思いっきりからかわれる。

校門から入るとPTAの母親5人(五月晴子、太田淑子、
麻ミナ、岡田和子、沢柳迪子)が新しく赴任する
教師のことについて話をしていた。

「春に採用されていないので問題があるのか」
「大学を出たばかりの人に教師が務まるのか」

・建物内へ

すると突然教師の一人・小嶋田徳次から声をかけられ
幾つかのアドバイスを受ける。
校長は変わった人で、彼に会えば新人の教師は男性・
女性にかかわらず、家に下宿しろと言われる。
24時間監視されることになり窮屈な生活を余儀なく
される。そう語る徳次に広大は、友達と下宿している
から・・と語る。

更に校長室に向かう途中に教頭の安達勝也に会う。
校長は変わった人だがあまり気にしないこと。何か
言われるかも知れないが適当な返事をして置きなさい
という。

・校長室

校長は生徒の一人で3年生の池田の事を椅子に座り
赤ちゃんをあやして子守唄を歌って聞かせていた。
彼は窓から小便をするというイタズラをしていた
のである。
池田も校長の態度に二度としないと語る。

安達教頭は天城順三郎校長に対して広大が来たこと
を告げる。校長は待ってましたとばかりに
「北野先生、ようこそ学校へ」
と語る。

挨拶していると途中で恵子先生が校長室に来る。
彼女は『ゲルトルートの児童教育法』の第三巻
借りたいとのこと。

一方安達教頭からは、明日の朝礼の全生徒の前で
紹介するという。広大が受け持つのは3年4組。
前任者は結婚したので辞めてしまったとのことだった。
今は教頭が臨時で受け持っていた。

校長から一つ質問があるという。

「あなたの長所は何か?」

シンプルな質問に広大は、

「物事に熱中することです」
「つまらないことでも熱中することがある」

それを聞くと校長は住まいはどうしているのかと尋ね
てくる。友達と下宿していることを告げると、男所帯
では何かと不便でしょうとし、私の家にいらっしゃい
と言われる。

これが校長との出会いであった。

■帰り道

広大は本来ならば友達を呼んで就職祝いをするはず
が、友人はこの時期集まるのが難しい。
一人で渋谷の映画館で喜劇「キートンの蒸気船」
(STEAMBOAT BILL JR. 1928年)を見に行く。
笑うべきはずのシーンで広大の隣で涙している女性
小糸桃子の姿が有った。

彼女の様子を見ていた広大。
売店(島美弥子)でタバコの”ハイライト”を購入しな
がら彼女が10円玉を積んで公衆電話で誰かと電話
している会話を聞いてしまう。

「そんな事を言うならば死ぬわ!」

それを聞いた広大は彼女の様子が気になり、気がつく
と彼女と同じ電車に乗り、下北沢駅で降りる。
彼女は公衆電話で誰かと電話する中、近くでは
踏切が鳴る音が聞こえる。まさか飛び込むのではな
いか。止めようとして走り出すと、突然近くの派出所
から警察官の小宮新八郎がやってきて広大を痴漢だ
と思って捕まえるのだった。

【感想】

懐かしいドラマですね。
初回放送が1978年10月6日。
みなさんは生まれていたでしょうか。
(因みに最初の授業日が10月6日(金)となっていた)

原田潤さんの「ぼくの先生はフィーバー」を聞いて
反射的にこのドラマを思い出す人と
「世界一受けたい授業」を思い出す人とでは変わって
来ます(笑)
前者はミレニアル世代の人で、後者はZ世代の人です。
私は勘違いし、最近までこの曲を歌っているのは
フィンガーファイブだと思っていたのはここだけの
話しです。

日テレがこのドラマならば
TBSは「3年B組金八先生」(1979年~)。
舞台は小学校と中学校の違いとか有りますが
子供の教育に対する取り組み方を模索していく
様子をドラマの中に持ち込んだもので、先生と
生徒の距離感がもの凄く近い頃の時代のドラマです。

世代差といえば子供の数も変わってきますよね。
1978年ならば右肩上がりの経済成長率を誇っていた
時代で生徒の数が半端なく、クラスはすし詰め状態。
下宿している天城家の食卓の一人辺りの気積というか
空間スペースがあまりに狭くて見ていて息苦しくなる
程だ。

そして何よりも広大は教師を目指していたが、
新卒として受からなかった理由は気になる。
このドラマ放映時代に生まれた人は確実に就職氷河期
を経験している筈だけど、その親たちが働いている
であろう時代はやはり就職難だったのだろうか?

水谷豊さんが演じる北野広大は、その名前の通り
「広くて大きい」という意味としてドラマの中で語
られており、兄は大河、妹は青空だとしている。
設定では主人公の実家は北海道で開拓農家だと
されているが、水谷豊さん自身、北海道芦別出身だ
そうで、美瑛や富良野の近くだけど、あまり覚えて
いないとか。

■教師が集まる天城家

下北沢に家がある。

教師が集まる下宿先なので、度々教育論について
討論的な話し合いが始まる。
とりわけ今回のテーマは「体罰」に関することで
八代徹と八代恵子、魚津早苗と北野広大の意見が
述べられた。

体罰禁止の法制化は児童福祉法が施行された2019年
のことだそうで、それ以前から禁止では有ったの
だろうけど、明確化されたものは無かったようだ。
悪いことをした子にある程度バツを与える必要性を
唱える人は多く、それが暴力に及ばないようなこと
となれば良いのだけど、なかなか答えは見つからない。

徹は「子供はぶたれて反省するか」
恵子は「殴る側の毅然とした態度こそ必要」
早苗は「教師は教育技術者であり、問題は子どもの
親にある」

としていた。

広大は自分の体験談を元に話をしようとするが
原則論で話すよう指摘される。

因みに私も体罰は受けたことがある。
これについては後に時間が有る時に実名で言及しても
いいけど、「そういう時代だった」で済まされて
しまうのが悲しい。

■人間関係、キャラクター性

まだ一話なのでよく分かっていないけれど、今の
ところ気になる人をピックアップしてみる。

・天城順三郎

校長は変わり者というのは間違っていない。
窓から小便をした小学3年生を膝の上に乗せて
赤ちゃんの様に扱う。羞恥心をたっぷり味わせて
二度としないように促す。

校長を演じているのは船越英二さん。船越英一郎
さんのお父さんだ。

ただこの描写を見るとジャニーズ関連の流れを想起
されるのではないかという感じもする。

この校長夫婦は犬語を使う。
テロップで注釈が流れた。

・小糸桃子

映画館で涙し、電話では「死んでやる」と相手の対応
に怒って語っている。
その言葉を聞いてしまった広大はその後、善意の尾行
を続けるがストーカーと勘違いされる。
その後、広大が正式に紹介された後に彼女と二人に
なった際にはそのことを聞こうとするがなかなか
聞けずに居る。
演じているのが志穂美悦子さん。なんとも懐かしい。
昔は欽ちゃん系のバラエティなんかでもお見かけした
気がする。

・小宮新八郎

江戸川区の下北沢代田の派出所に勤務する警察官。

広大が逃げる際に威嚇で一発発砲している(笑)

広大が捕まった際には「住所・氏名・職業」を尋ねる
も、面接した後、まだ教鞭を執ってはいない為に
言い出しづらい。しかし校長先生の名前を出すと
凄い効果が有った。

彼は人を教え導く点で同業者・聖職者という言葉を
使う。

■イタズラな生徒たち

日直の池田。授業に就く前日、窓から小便をして
校長室に呼ばれていた。

藤森は跳び箱に石を乗っけて置くという。

橋満は跳び箱を飛べない。
昔から小学生に課された義務って跳び箱と
鉄棒(逆上がり)だよなぁ。

「やりもせずにやらないのは弱虫だぞ」

と無理やり跳び箱に向けて押し出した。
怪我することはないだろうが、少々危険なやり方
では有った。

・PTA

早くもPTAの圧力とばかりに新任の教師に対して
聞き耳を立てるが如く、学校にまで来て噂話をして
いる。怖い。

【CAST】

若葉台小学校

北野広大 …… 水谷豊 (北海道出身、若葉台小学校教師)
天城順三郎 …… 船越英二 (校長)
安達勝也 …… 小松方正 (教頭)
天城綾子 …… 草笛光子 (順三郎の妻)
天城育民 …… 太川陽介 (順三郎と綾子の息子・高校生)

小糸桃子 …… 志穂美悦子 (3年3組の担任)
花井(八代)恵子 …… 音無美紀子 (5年2組の担任)
前田きく …… 執行佐智子 (3年1組の担任・学年主任)
小嶋田徳次 …… 小倉一郎 (3年2組の担任)
魚津早苗 …… 島村佳江 (大森の小学校教師)
八代徹 …… 山口崇 (綾子の弟、中野の中学校教師・理科)

小宮新八郎 …… 谷隼人 (上代田八丁目派出所・警察官)
北野青空 …… 池上季実子 (広大の実妹)

桑原隆三 …… 尾藤イサオ (広大と同居、漫画家)
東和美 …… 風吹ジュン (出版社”コミックエロチカ”編集)
…… 小松政夫 (時代劇・役者)
…… 立花美英 (時代劇・美女)
…… 小林昭男 (窓拭きゴンドラの作業員)
…… 松金よね子 (女事務員・オフィスで電話)
…… 島美弥子 (渋谷の映画館・売店の女)
…… 伊奈貫太 (殺陣)

PTA母親 :
五月晴子、太田淑子、麻ミナ、岡田和子、沢柳迪子

三年四組の児童:
池田 …… 池田進 (イタズラ好き、蛙、窓から小便)
橋満 …… 橋満耕司 (怪我した子)
藤森 …… 藤森政義 (跳び箱の石)

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