3年B組金八先生 第1話 3年B組金八先生

3年B組金八先生
(1979年・昭和54年、TBS、金曜20時)

脚本 小山内美江子
演出 竹之下寛次(1)
プロデューサー 柳井満
主題歌 「贈る言葉」 海援隊
挿入歌 「てんびんばかり」 河島英五

第1話 3年B組金八先生
1979年10月26日

■ストーリー

■東京都足立区桜中学校

●校庭、2学期

登校時間が迫ると生徒たちは急いで校門に向かって走る。
その中で一人、吉村孝の足取りは重たかった。

朝礼の際に君塚美弥子校長から生徒たちに向けて本日
付けで赴任した坂本金八先生の紹介がある。
専門は国語。先月までは世田谷の第一中学で教鞭を
ふるっていたこと。本校では3年B組の担当。

●3年B組の教室

・昭和54年10月25日(金)

金八先生は黒板に名前を書く。
これから出席を取るが呼ばれた人は立って顔を見せて
欲しいこと。なるべく早くに覚えたいからだという。

名前を呼ぶ間に生徒は金八先生に対する質問を逆に
する生徒も見られる。

「どうしてそんな頭をしているのか」
金八先生は髪の毛が長い。

その返答を金八先生は西郷隆盛、坂本龍馬を引き合い
に出す。

この時期、受験期の生徒を突然担当することになる金八
先生のことが心配になり野村教頭も教室の外でそれら
の問答を聞いていた。

「教員者として西郷隆盛を愛し、先駆者として坂本龍馬
を愛している」

その彼らは受験戦争を否定し、若者に夢を与えて欲しい
と言っている筈だと語る。

「夢とは何か」

「21世紀を支える君たちの独創的な未来図だ。今日から
一緒に勉強して行こう!」

今日の課題として金八先生は自己紹介的なもので良い
ので自分のことを原稿用紙に書くよう告げる。

●職員室

教頭は職員室に戻る。
そこには君塚校長、国井美代子が居たので、金八先生
の髪の毛の件を相談する。

校長は勧告はしたが強制することは出来ないこと。
国井先生もまた問題は中身だと同調すると、校長は
しばらく様子見しようと語る。

●保健室

・授業終了の3時

チャイムの音が鳴り響く。生徒たちは授業から解放
されてそれぞれの時間を過ごすが、生徒たちの間では
保健室で養護教諭の天路里美と雑談・愚痴るので楽しみ
の一つだった。

「坂本先生はどうだったのか?」

天路は生徒たちに尋ねる。

雑談していると、遠藤先生かやって来て掃除当番のもの
たちを呼びに来る。更に坂本先生が来るが生徒たちは
ここは自分たちのスペースだと言わんばかりに無言の
圧力で追い出される。

●職員室

坂本先生は生徒が書いた自己紹介の原稿を読んでいた。
すると田沢先生がお茶を持ってきてくれる。

服部先生は社会科の教師だったが、まさか歴史的な人物
の体格のことで生徒たちとやりとりしたことに驚いて
いた。そして帰りに一杯飲まないかと誘われるが、
池内先生からは服部先生には気を付けるように言われる。

また左右田先生は坂本先生に対して初日の授業の成功
を祝う。左右田先生は受験をどのように楽しくするかを
考えていること。

「正しく教えても理解できなければ何もならない」

そして坂本の髪の毛に対して、左右田先生は持論を語る。

「教師も人間、個性的であるべき。世の中の教師は
平均的である必要はない。」

●校長室

坂本先生は呼び出され校長に挨拶にいく。
授業初日の感想を聞かれると、彼は「ピンとくる
まで時間がかかるが頑張る」ことを口にする。
校長からは生徒たちはもうすぐ受験期に入りピリピリ
してくるので他の先生と連携を取って欲しいという。

アパートは狛江にあり、学校まで出勤するには小田急線
で1時間40分かかる事を告げる。

●坂本のアパート

買い物して帰宅すると背広を脱いで寛ぐ。
お湯を沸かして、洗濯物を取り込んでいると突然電話
が鳴る。相手は生徒だが誰だか分からない。

「さようなら先生。本当は一緒に勉強したかった。でも
もういいんです。」

「君は誰なのか・・」

「吉村孝です。」

初日を終えたばかりで吉村と言われてもピンとくる
ものがない。取り合えず連絡網で調べて吉村家に電話
すると母親が出る。しかし取り付く島もないほどに
相手の電話での対応は一方的だった。
仕方がない校長の家に電話すると夫だという人物が対応
に出てまだ帰宅していないとのこと。
服部先生に電話し、事情を話す。
そして吉村について尋ねると、彼が家出したらしいこと
を語る。取り合えず学校に集合して対応策を考えようと
いう服部。坂本は彼が本日提出した自己紹介の書かれた
作文を一読し急いで学校に向かう。無情にもヤカンの火
を付けていることを忘れ付けたまま家を出てしまう。

■感想

1979年の金曜8時枠で放送された金八シリーズの
第一シーズン。
最近幾つかの動画サイトでこのドラマを放映したり
するのを目にするけど何でだろう。

録画してあるものがあるのでいつかは更新しようと思って
いたのだけど、そのいつかは今ではないのかと思って
書き始めました。

現行のドラマも見られないでいるのにこのドラマを見て
いくことは可能なのか。しかも毎日更新なので見ていく
のは大変なことになりそうだ。

この頃のドラマは地上波では放送出来ない欠番的エピ
ソードがたまにあるけれど、それらも含めて全エピソード
を放送していくのか。当時制作したもので貴重なもの
なのだから多少問題が有ったとしても放送して欲しいと
思う。

この時代と言うと・・

海援隊の「贈る言葉」は卒業式の歌の定番でした。
今どきは別の歌になっているかも知れません。
エレクトーンを習っていたことも有って私は当時
卒業式の後の謝恩会で演奏を頼まれて生徒の前でひいた
ことが有ります。

この頃から既にドラマにジャニーズ枠が有り、生徒の中
には、「たのきんトリオ」(田原俊彦(トシちゃん)、
野村義男(ヨッちゃん)、近藤真彦(マッチ))が含ま
れていて、他にも生徒の中から大成していった人も居ま
すね。

トシちゃんはもの凄くドラマの中でも目立つ役ですが
初回を見た限りではマッチが一番後ろの席に座って
色々とセリフを発していたこと。ヨッちゃんはみんなと
一緒に行動していた感じでしたね。

また一番不便だと感じるのは携帯電話がないことか。
今回の様に生徒が家出・自殺を匂わせているのに
教師たちの連絡がなかなか取れずにいる。
いちいち現場に足を運ばなければならない。それが
昭和というものだ。

また「夢の島」の事が引き合いに出された。
昔のドラマは時々ごみの埋め立て地だったこの土地の
ことが取り上げられる。中にはあのゴミの中に証拠の
品が捨てられたので探しに行くとかいうドラマが
有ったよな。

ドラマを見て不自然なのは10月の時期になって職員の
異動が有ったことか。坂本先生が余程受験期の生徒の
扱いに長けているのか。前の学校で問題を起こしたのか。
素晴らしい教師だということで校長から引き抜きされた
のかと思ったけど、公務員だし個人でどうにか出来る
ものではない。

●初回のエピソード

取り合えず初回なので自己紹介的なものも多かったで
しょうか。第一シーズンは全23話構成なので、生徒が
一人ずつメインとして扱われていった場合やや余る
ので二・三人同時にメインキャラとして扱われるエピソ
ードも有りそうだ。

生徒の名前と顔を覚えるのが難しいので細かく言及
するなら見返す必要があるけど、そこまでしなくても
良いかなと思い覚えていることを掻い摘んで書いて
行くスタンスで行こうかと。

今回のエピソードのメインは吉村孝岡村一男
吉村は両親が子供の成績を過剰に心配していて自分の
子供にも関らず子供そのものにはあまり関心がない。
偏差値によって夫婦喧嘩が始まる環境下にあり、成績
至上主義者による愛情の欠如な家庭。

それに失望した吉村は何故勉強しなければならない
のかを自問自答するようになり、家出し、新しく赴任した
坂本先生に承認欲求を満たしてもらう為の行動を
起こし、生徒側から教師を試す行動に出る。

作文がヒントになって居場所を見つけ出すという刑事もの
さながらのエピソードだった。
その際に荒川の下流は「夢の島」だとしてゴミの集積・
埋立地として歴史を感じさせるセリフとなる。

「未来図だとされた夢だけど、ゴミを見て夢の島だと
呼ぶ時代で、夢までもが親のものだ」

と吉村は主張している。

そして当時はそれ程大事にはなっていないと思うが
生徒に対して教師がビンタするというシーンが挿入
された。今時だと虐待だ暴力だと言われそうですね。

私事ですが忘れもしない小学4年生の時に教室に遅刻して
入った際に女性の教師に思いっきりビンタされて頬が
真っ赤になるくらいに抓られたことがあります。
そこまで酷いことをしたのかまるで理解出来ず殴られて
頭が暫くショックと痛みでボーっとなり、私と騒いで
いた人は号泣していました。
あの教師を探して当時のことを改めて聞いてみたい所
ではあります。本人は覚えていないんでしょうかね。
教室内がものすごい静けさに包まれたことはよく覚えて
いる。

●教師も癖がある

教師の性格や行動習性なども長いスパンとなるので
覚えて行かねばならないようだ。

田沢先生と天路先生は特に際立って美人。
坂本先生だけでなく生徒からの受けがいい人だ。
天路先生の居る保健室が生徒のたまり場になっていて
当時は良い雰囲気だなと思ったものだ。

社会科の服部先生は坂本先生のよき理解者となりそう
だ。

財津一郎さんが演じている左右田先生役は少々
「きびしー」(<- お約束) 。正論を言っているのだけ
ど、少しだけとげがある。

翌日の54年10月27日に英語の授業の際、生徒たちに
対して語る言葉は突き刺さるものがある。

「君らはよく平気でいられるな。何故誰も吉村の事を
尋ねてこないのか。」

■メモ

・池内商店

坂本先生がタバコを購入すると、店主からは、

「徹マンだろ?世の中働いているっていうのに・・」

というような言葉を言われた。

・警察官

津軽弁でお馴染み大森巡査。
坂本先生もなぜか大森巡査が絡むとテンションが上がり
漫才のような言葉のやりとりがある。

・坂本先生の教育方針

知識についての授業はやるつもりがない。人は言葉・文字
が無くてもその気になればどの国の人とも身振りで心を
伝えられる。お前らは文字を教わっているのに同じクラス
の吉村の気持ちや俺の最初の挨拶も理解していない。
入試よりも人間として他人の苦しみを分かる・感じると
いうことだ。

・岡村一男

吉村と共にがり勉タイプだ。
坂本先生のやり方に正論で反発し牽制するが、後になって
坂本先生があれだけ熱心に吉村と向き合っている姿を
見て、自分にも同じことをしてくれるのかを問う。

・沢村正治と山田麗子

この二人はかなり癖がある。
シーズン1のラスボス感が一話から漂う。
そして席が近いのでツーショットでフレームに収まるシーン
も多く、意見を同じくして色々と言動を共有している。
吉村が自殺しようとした際にはこの二人は、

「単に意気地がない。最後までやり遂げればよかったのに」

と憎らしい言葉を発していた。ここでは特に大事にはならな
かったが・・

■出演者

坂本金八 …… 武田鉄矢 (3-B担任、国語科担当)
天路里美 …… 倍賞美津子 (養護教諭)
田沢悦子 …… 名取裕子 (美術科)
国井美代子 …… 茅島成美 (3-D担任、理科)
野村孝一郎 …… 早崎文司 (教頭)
伊東 …… 福田勝洋 (体育担当)
遠藤伊知子 …… 宇田川智子 (体育担当)
服部肇 …… 上條恒彦 (3-A担任、社会科、学年主任)
池内友子 …… 吉行和子 (家庭科)
池内シカ …… 都家かつ江 (雑貨店 “池内商店”)
大森巡 …… 鈴木正幸 (千住東警察署北千住派出所・津軽弁)
左右田 …… 財津一郎 (3-C担任、英語科)
君塚美弥子 …… 赤木春恵 (校長)

校長の夫 …… 和沢昌治 (電話の声)
吉村ふみ …… 沢柳廸子 (孝の母)
吉村孝 …… 小山渚 (生徒、1話で家出)
岡村一男 …… 高橋幸喜 (生徒、メガネ)
平山英吉 …… 茂木昌則 (生徒、
鈴木良夫 …… 羽沢匠 (生徒、
沢村正治 …… 田原俊彦 (生徒、
九十九弥市 …… 大堀英樹 (生徒、
横山敏子 …… 深野いずみ (生徒、
神保文子 …… 山口仁子 (生徒、
瀬戸克江 …… 長谷川純代 (生徒、
東條絹子 …… 平山裕美 (生徒、
安恵美智子 …… 小林聰美 (生徒、
野球部員 …… 松田辰也

● 3年B組生徒

鶴見辰吾(宮沢保)、杉田かおる(浅井雪乃)
志茂由佳(福田茂子)、野村義男(梶浦裕二)
荒井恵美子(園田エミ子)、土屋到(志岐誠)
三原じゅん子(山田麗子)、一番ヶ瀬容子(屋島みゆき)
岩谷健司(安藤卓)、小室和代(江崎花代)
新井つねひろ(田中康一)、金久保美幸(大野正枝)
館川喜年(高倉勇)、石川よし子(笠原ユカリ)
近藤真彦(星野清)、芹沢安比沙(梅原明)
藤島ジュリー景子(越智はるみ)、田島理司(池野国広)
大綱めぐみ(畑中マミ)、土屋かおり(阿部トシエ)

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