過保護のカホコ 第1話 自立するのが早いのか遅いのか

過保護のカホコ
(2017年7月期・日テレ・水曜22時枠)

脚本 – 遊川和彦
チーフプロデューサー – 西憲彦
プロデューサー – 大平太、田上リサ
演出 – 南雲聖一、日暮謙、伊藤彰記、明石広人
音楽 – 平井真美子
主題歌 – 星野源「Family Song」

http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko/

第1話

【ストーリー】

根本正高の家族が住むマンションは4階にある。20年前に購入
してあと5年でローンは完済。妻の泉と一人娘の加穂子。
娘は稜青大学・文理学部社会学科の4年生ということも有り
就職活動をしていた。妻の泉は娘に面接の練習をする。
細かく指導する母は完全に娘に対して過保護だった。
正高が帰宅する。娘は20社以上受けたが内定はまだ。
正高はお土産のケーキを買ってきた事を告げると、毎日日課と
なっている幼少期のDVD鑑賞をする。この頃が一番可愛かったね
と自ら言う。娘はサッカーで一番下手なのに一生懸命ボールを
追いかけていたことを思い出す。
それを思い出しては涙する正高。娘から大好きだよと言われる
と何でそんなに可愛いのかと感じる。

娘は未だに着ていく服も母親頼み。
しかも大学まで車で送り迎えをしてもらっていた。
今日は学生課に行くことになっていた加穂子。
父は妻があまりに過保護に娘に接する為に何か相談したいこと
が無いかと尋ねる。

大学の学生課へ。
するとこの時期エントリーシートで全て落とされているのは
君くらいだと言われる加穂子。
そこに麦野初がやってくる。芸術学部・美術学科の学生。
進路登録を出していないと言われるが自分は就職する気がないと
いう。
加穂子はそんな彼が絵の具を落として行ったことに気がつくが
声を掛ける前に行ってしまう。

しかしすぐに食堂で彼を見かけた為にその赤い絵の具を渡す。
麦野は彼女が母親から作ってもらった弁当を食べていることを
見て今でも親頼みなのかと呆れる。しかも送り迎えまでして
いることを見て驚く。

■感想

常に期待してしまう遊川和彦さんのシナリオ。
やはり昔からコンスタントに面白いドラマを作っているからね。
ただつまらないドラマを作る時もたまにあるので、素材によって
はつまらなくなりそうだなと思った。

キャストは好きな人が多いけど、黒木さん、三田さんと子育てに
失敗した人物をドラマの中でも子育てに於ける主要キャラに
据えるところはある意味大胆過ぎるところもあるか。

加穂子は要領は悪いけど一度決めたら努力する子。
その不器用さと純粋さがもの凄く好感度の高いキャラクター像
を作り上げている。
昔から日本人は言われれば目標に向かってやるけど自分からは
なかなかやろうとはしないとは言われていたような気がする。

言い方は悪いが操縦する人物が彼女を正しく導けばある意味
努力は実を結ぶような結果が待っている感じ。
そんな彼女が母親からの言葉ではなく自ら「働くこと」の意味
を掴んで行動を起こしていく。

この枠は働く女性の物語が多いので年齢設定的には就職の頃なん
だろうけど学園生活でそれを気づかせても良かったんじゃない
かな。寧ろこの子の大学生活を見てみたかった。

怖いのはそんな彼女の純粋さを利用する人物が今後幾らでも出て
来てもおかしくないところか。それが社会というもので、
甘やかせて育てられたみたいな結果を以て結論づけたいところ
なんだろうけど、彼女の純粋さがそれを上回り相手の価値観を
変えていくってところも見え隠れしているな。この子なら殺人犯
にも説得しそうな感じもするし(笑)

寧ろ利用されるよりも甘やかされて育つことへの妬み・辛みを
ぶつけられていきそう。その中で加穂子は自分には足りない何かを
見つけて自らの糧としそして社会で必要なものというのを掴み
取っていきそうだ。

しかし人間なんだから腹が減ることは有るけど、エネルギーが
切れたら何処でも寝てしまうとか、少々癖が強いところもある。
またこのドラマは顔芸が一つのポイントとなっていて自分では
言葉にしないところは何でも親がしてくれたことでの弊害なのか。

父親も言いたいのに言えない現状が有り、少なからず自分に
足りない言葉を語ってくれる麦野に期待していくことになるのか。
話を聞いていると両親はなく、奨学金で大学に通っていそうだ
けどね。

■出演者

根本 加穂子 …… 高畑充希 (22歳、稜青大学・文理学部社会学科)
麦野 初 …… 竹内涼真 (24歳、芸術学部・美術学科)
根本 正高 …… 時任三郎 (54歳、父、双葉生命)
根本 泉 …… 黒木瞳 (51歳、加穂子の母、専業主婦、不妊治療)
国村 衛 …… 佐藤二朗 (47歳、交番勤務、環の夫)
国村 環 …… 中島ひろ子 (48歳、次女、身体が弱い)
根本 多枝 …… 梅沢昌代 (74歳、正高の母)
根本 正興 …… 平泉成 (77歳、正高の父)
根本 教子 …… 濱田マリ (50歳、正高の妹、出戻り)
富田 厚司 …… 夙川アトム (41歳、節の夫、看護師)
富田 節 …… 西尾まり (44歳、三女)
富田 糸 …… 久保田紗友 (18歳、節の娘、チェリスト)
並木 初代 …… 三田佳子 (72歳、泉の母)
並木 福士 …… 西岡徳馬 (74歳、泉の父)
矢部 …… 飯田基佑 (双葉生命・部長、正高の同期で上司)

横山祥二、宮川浩明、保榮茂愛、落井歌歩子

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