未解決の女 警視庁文書捜査官
(2018年4月期・テレ朝・水曜21時枠)
原作 – 麻見和史『警視庁文書捜査官』
脚本 – 大森美香
音楽 – 村松崇継
主題歌 – 平井堅「知らないんでしょ？」
ナレーション – 増田晋
ゼネラルプロデューサー – 横地郁英
プロデューサー – 服部宜之、菊池誠、岡美鶴
演出 – 田村直己、樹下直美
http://www.tv-asahi.co.jp/mikaiketsu/
第8話 さらば矢代!! 三億円事件…文書改ざんで殺人連鎖!?
【ストーリー】
・2003年・秋、東京豊島区の路上で現金輸送車が3人組に
襲われ3億円が強奪される。現金を輸送していたEver警備保障
の水口栄一と戸塚正秀。
・2018年(15年後)、当時強奪された時に2千円札が殺された
現場に落ちていた。死亡したのは藤枝信也(44歳)、秋田昇
(41歳)が捜査線上にあがり、百々瀬佐智(29歳)を拉致して
逃走する。しかし逃走中の佐智は所々で英単語のカードを
残して行く。
そこには「RISK.HELP」「Abduct!ion」「MJG」というカード
を残して居た。佐智の父はMJG社長の博明で金なら幾らでも
払うという。佐智は指定された場所で助けられるが、取引した
金入りのバッグを持って一人逃げる秋田を矢代が追いかけ、
銃で互いに向き合う。先に発砲したのは秋田の方で、矢代は
銃弾を受けて倒れる。銃声を聞いて駆けつけた草加や川奈部
桑部、古賀、そして岡部。急いで救急車を要請する中、
矢代に当たったかと思った銃弾は懐の辞書に当たっていた。
生きて居て良かったとみんな安堵する。
無事に戻ると財津から無謀なことはするなと叱られる。
鳴海は多分撃たれたことも知らないとし今日はまだ出勤して
いないのだという。佐智は病院に運ばれたが全く問題はない。
後で話を聞き込みに行くことになる。
4日前に藤枝が撃たれた銃と矢代が撃たれた銃は同じだった。
矢代は秋田が犯人であることを報告。
吉田は科捜研で調べるという。銃は15年前に晴海東署で登録
されたものだという。つまり警察の銃なのか。
庄野は紛失して何らかの方法で補填していたんだと語る。
それを聞いた古賀は先日元警視庁刑事局長の野々村慎太郎から
気になることを言われていた。
「15年前の事件に深入りするな」ということ。
■感想
この枠らしさが最後に出た感じ。
「DOCTORS～最強の名医～」辺りの流れを汲んでいるんだ
ろうけど、あのドラマでくせ者だった沢村一樹を今度は
ヒール側に添えて描いたものだった。
まさか8話で終わると思っていなかったので意外なんだけど
この調子でいけばこのシリーズもまたテレ朝としてのシリーズ
化に成功していきそうな感じ。テレ朝は長期シリーズの作り
が上手いテレビ局になったね。
小説なんかで読むとダイイングメッセージならぬ残して行った
文字を読み解いていく流れは面白そうなものがあるけど
こう即席な流れが有ると明らかにカードは意図した所が
あるなと思っていた通りの流れ。
矢代に関しても文字の神様は色んなイミで彼女の中にも降りて
来たのだろうか。刑事ドラマによくある辞書に銃弾が当たって
助かることとなった。しかしこう言ってはなんだが先週の時点
で犯人が凶器としての銃を持ち警察官も銃の携行を前提とした
流れが有るので防弾チョッキくらいは着ていこう!
謎として残っていたのは
・引退している野々村慎太郎が絡んでいること。
・鳴海が関俊文の件で【筆跡の変化】に気がついて別行動を
起こしていたこと。
・秋田が殺害されたが何故秋田の居場所を知るものが居た
のかということ。(三人組だった犯人Cなのか)
秘書の証言から社長の下に秋田が面会に何度も来ていたこと
を知り、問い詰めることで自供するも、博昭自身の文字を見て
緻密な計画を立てられる人が居ないということを前提に捜査
を継続した。
難しくなるかと思っていたのが引退した警視庁の人間が
絡んでくることで危険が迫るのかと思って見守っていたが、
思った程の圧力はなく、結果として第6係が独立した部署で
あるために上手く機能したものだった。
最近のドラマはどうもこういう流れが多く、「シグナル」に
於いても刑事の上層部が関与している流れがあるし、
今週の「特捜9」もこんな感じの流れですよ。
水口の証言と復讐した後に自殺をしようとしていた戸塚を
防いだことで何とか対処することが出来た。
戸塚は【センソリーデプライヴェイション(感覚遮断)】の
状況で、「解凍」、「変革」、「再解凍」というテクニック
が使われて居た。その計画をしたのが犯人C
お遍路デカのお陰で過去、イタリアンレストランのチェーン
展開をしていた博昭は、藤枝を三鷹店、秋田を中野店で
起用していたことが判明。
10年で事業を立て直す過程で借金の返済と共に、それを立て
直すだけのスキルを持つ人物が背後にいることが判明して
いく。
15年前の事件で、
秋田が銃を撃った犯人A
藤枝が金を運んだ犯人B
犯人Cは当初博昭ではないかとされたが、上述したようにして
真相に迫っていく流れが有る。
そこには中学生だった頃の佐智が含まれていたけど、その
彼女は鳴海と似た所が有って対象的な存在だった。
文字や録音に拘っていた理由付けというものも行われていて
それなりの説得力は有るものの最後まで証拠を見つけることが
出来ずにクリフハンガー的なオチを用意した。
この流れはスペシャル版で描くのではなくシーズン2に繋げて
欲しい。
「COLD CASE」っぽいドラマになったけどやはり過去の事件の
掘り下げは当時の事情も重なり面白いと思う。
■出演者
警視庁捜査一課
矢代朋 …… 波瑠 (28歳、特命捜査対策室第6係・巡査部長)
鳴海理沙 …… 鈴木京香 (48歳、特命捜査対策室第6係・警部補)
古賀清成 …… 沢村一樹 (50歳、特命捜査対策室・室長・警視)
草加慎司 …… 遠藤憲一 (53歳、特命捜査対策室・主任・警部補)
財津喜延 …… 高田純次 (58歳、特命捜査対策室第6係・係長・警部)
川奈部孝史 …… 光石研 (55歳、強行班・第5係・係長・警部)
岡部守 …… 工藤阿須加 (32歳、第6係・強行班・第5係・巡査部長)
桑部一郎 …… 山内圭哉 (44歳、強行班・第5係・警部補)
庄野仁 …… ペ・ジョンミョン (35歳、第2係、ヒゲ)
吉田治郎 …… 西銘駿 (25歳、第2係)
由比雄一 …… 植木祥平 (30歳、第2係)
大岩純一 …… 内藤剛志 (56歳、警視庁捜査一課・一課長)
小山田大介 …… 金田明夫 (54歳、警視庁捜査一課 庶務担当管理官)
百々瀬佐智 …… 谷村美月 (29歳、大手コーヒーチェーン”MJG”経営企画部)
12歳の佐智 …… 池田朱那 (関東スペリングビー大会で優勝)
百々瀬博昭 …… 石黒賢 (55歳、大手コーヒーチェーン”MJG”社長)
野々村慎太郎 …… 岩城滉一 (70歳、元警視庁刑事局長)
戸塚正秀 …… 大谷亮平 (当時25歳/40歳、Ever警備保障/Betond Sports)
秋田昇 …… 岡田浩暉 (43歳、調布市在住の無職・)
藤枝信也 …… 長谷川朝晴 (享年44歳、ネットで中古品転売・銃札)
水口栄一 …… 梨本謙次郎 (当時45歳/60歳、Ever警備保障)
関俊文 …… (15年前の事件調書にサイン)
玉川記者 ……
草薙和輝(アナ)、池田朱那、井上あかね、大塚加奈子
高橋正臣、五味良介