ロシアワールドカップ、ポーランド戦とアン・ジョンファン

日本の人はアン・ジョンファンと言う選手を覚えているだろうか?
2002年ワールドカップで象徴的な活躍をし、当時は韓国だけ
でなく日本や東南アジアにもファンが多い選手だった。
人気の一つがアジアで不足する攻撃力を備えていた選手であり、
骨太さはないがパンチのあるシュート力を備えた選手だった
ことと、何よりもその要因の一つは”テリウス”というあだ名
をつけられる程の甘い顔したイケメン選手だったこと。
顔が良くて技術力が有れば人気が出ない訳が無い。
なるべくして人気が出た選手ということになる。

2002年、ワールドカップで象徴的な活躍をし、イタリアの
セリエAにも進出した韓国の選手となった。しかし結果的に
イタリアでは差別的な態度を取られた挙げ句放出され、
その後は当時の金額では破格の値段でJリーグに移籍し戦った
ことが有る。悲しいことだがセリエAでのアン・ジョンファン
選手の扱いは聞こえてきた報道だけでも可哀想な感じがした。

その後彼が結婚したとかそういう話題は聞こえてきていたが、
日本でも余程のサッカー通でなければ彼が何をしていたのか
知らない人が多いだろう。

彼は選手としての晩年にはサポーターの野次に対してケンカを売る
行為を起こす姿が有り、その様子はテレビカメラにも映し出されてしまった。
サッカー選手を辞めてから当時のイケメンな顔にもかげりが見え始めて、
1999年度ミスコリアを獲得していた妻のコーディネートで
必死に年齢に抗い体面を保ってきた。マスコミから意見を
求められることが多くなりテレビ出演が多くなるにつれて再び
脚光を浴び、最近ではMBCなどの解説者やバラエティ番組でも
人気を博している。

彼はロシアワールドカップでもMBCの解説者として活動し、
独特の言い回しで評判が高かった。
韓国では驚くべきことに3大ネットワークの全てが日本戦を
中継していた。この傾向は今に始まったことではなく、
ワールドカップでは全テレビ局が日本の試合を放送することが
有る。
覚えているのは2002年のワールドカップの時に韓国は日本の
試合を全て放送したのに、日本は韓国の試合の全てを放送した
訳では無かった事。その為に共同開催した国の試合を放送
しないとは何事かとお叱りを受けたことがある。
(テレビ放送料金が常識を越えた額だったので日本は全試合の
放送が難しかった。)

日本の対戦する相手を露骨に応援する解説者が居る中で
(一番酷かったのはイ・ヨンピョ解説者だと言われている)一番
中立的な判断をしていたのがアン・ジョンファンだという
意見が多かった。彼はインタビューの中で
「もっとも懸念することは国民が日本の結果と比較すること
で非難が起こること」
と語っている。
その彼は最終戦の日本とポーランドの試合に於いて、ついに
日本が予選を突破したことでブチ切れてしまった。
「韓国は美しく敗退したが、日本は醜く16強に進出した。」
日本人としては突っ込み処が多いところだろう。
自分が懸念していた言葉を結局自らが使用して日本を比較して
非難してしまっている。
例え成績が悪くとも両チームとも予選落ちしていればアン・
ジョンファン選手も自尊心が傷つくことは無かったのだろう。
中立に近い解説をすることも出来た筈だ。
しかし韓国はこの大会に於いて自尊心がメチャクチャにされ
続けてきた。
初めて南米を倒したのが日本であること。そしてアジア最多の
ワールドカップ出場を誇ってきた韓国にとって、1998年に
初めてワールドカップを経験した日本が16強に3度勝ち上がった
ことで名実共にアジア王座を奪われてしまったのである。

それだけならば本来は良かった。
韓国はドイツに勝利したことで体面が保てた事が有り同時に優越
意識が一瞬生まれたこと。それがこのポーランド戦で崩れて
しまった。
残り10分までは解説者のアン・ジョンファンは中立を貫こう
とした。
しかし10分の間日本が失点せず、またセネガルが得点を決め
なければ日本の予選の突破が決まってしまうのだ。

日本も初めから守備的布陣を敷いていれば自分もあまり褒めら
れる試合ではないなと思っていたが、長谷部が投入されてから
は結果的に無気力だがエキサイティングな時間帯となった。
自力での勝ち上がりがまだ残っているのに、そこで歩みを止めて
相手頼みの試合となるというのは今までに有っただろうか?

普段から日本では戦い方に於いて色んな意見が分かれる。
最後までボールを追えと言うのはもちろんのこと。勝つ姿勢を
見せることが本来の試合の意味合いなのだろう。
しかしどんな形でも勝利しなければいけないという試合も
時にはある筈でその一つが勝利という形ではなく「負けはする
けど結果として見ると勝利になる」という試合が存在すること。
もの凄い矛盾だらけの論理に近いものだが結果として16強に
残ることになったのは日本だった。

翌日の夕方のニュースで元鹿島の秋田さんとホラン千秋さん
のやりとりがバヂバチしていた。最後まで戦って欲しかった
派のホランさんとどんな形でも16強に行く方が良いという秋田
さん。まさにこの試合を象徴している所だった。
経験者で威圧感の秋田さんに一歩譲ることになったホランさんだが
両者の気持ちは共に分からないでも無いという。日本人に
とっては何れにしてもモヤモヤ感が凄かったのだろうね。

面白いことに日本はコロンビア戦に勝利した後に、動画で日本を
馬鹿にする騒動となった。
韓国ではメキシコとの間でファウルが汚過ぎるとか、得点を得る
プロセスで審判のジャッジミスだということでFIFAに意見書を提出
するみたいな騒ぎにもなった。
しかし結果として見ると日本はコロンビアに助けられた格好で、
メキシコは韓国に助けられた。

ところで今まで順位決定に於ける優劣はどういうプロセスを経て
居たのか?
日本とセネガルは勝ち点数が同じ、総得点数、当該チーム同士の対決
の全てが一緒だった。今までだとフェアプレイは省いて抽選になって
いたのだっけか?

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