[新] 半沢直樹 1話 子は親を越えていく。狡い親にはどうする?

半沢直樹
(2020年7月期・TBS・日21時枠)

原作:池井戸潤
脚本:丑尾健太郎
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
ナレーション:山根基世

https://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/

第1話 子会社VS銀行! 飛ばされた半沢の新たな下剋上が始まる

【ストーリー】

時期頭取候補の大和田を目標にし尊敬していた伊佐山泰二は
彼の下で働き役員目指して努力してきた。

「しかしアイツのせいで全てがぶち壊しだ。」

頭取会議の後に会議室に行くと大和田が誰も居ない部屋で
土下座している姿を見て怒りがこみ上げる。組織に楯突いたら
どうなるか。人事として丸く収まったものの伊佐山は許せない
ものが有った。半沢は東京中央銀行から東京セントラル証券
に出向になる。

・1ヶ月前

東京セントラル証券営業企画部の森山雅弘の営業のお陰で
「電脳雑技集団」が話し合いの交渉に立つ。この日は責任者
の半沢や企画部次長の諸田祥一も同行して、電脳雑技集団
の経営陣と会う。電脳雑技集団はIT企業で日本でこそ3位だが
世界ではTOP20にも入ることが出来ない業績。そこでセント
ラル証券にアドバイスを受けることになる。彼らは検索エン
ジンで近年話題に上がり始めた業界5位のスパイラル社を
買収したいという。全てはネット戦略の為で傘下に入れれば
アジアでもTOP3に入る規模になる。買収の為のアドバイザー
を東京セントラル証券に任せたいとのことだった。
買収にはスパイラル株の50%を取得する必要があり、現在価格
にして1500億円。銀行出向組の諸田は二つ返事でokを出すが、
半沢は慎重に精査する問題だと語る。そんな半沢に平山社長は
モットーを尋ねる。

「スピードが企業にとって最も重要なものである」
ビルゲイツが語った言葉を引用する平山は急いでスキームを
練るように頼む。

●東京セントラル証券

企画部会議の中で、電脳雑技集団のスパイラル買収案件の
話し合いになる。
スパイラルは6年前に小さなアパートで3人で始めた会社。
社長の瀬名洋介、戦略部の加納一成、財務部の清田正伸。

半沢は今考えるべきは提案するかではなく、そもそもこの
案件を引き受けるかだという。勢いのあるスパイラルに
買収を申し入れても反発を受ける。そうなれば敵対的買収
になる可能性が高い。森山もそこを心配するが、諸田は
やる気があるのか?として偉そうに語る。
森山はいつもは電脳雑技集団になんて相手にされる訳が無い
として俺の営業をバカにしていただろうと上司に楯突くが
三木がそれを止める。スパイラルはそんなに簡単では無い
という森山。最近社長の瀬名は苦労を共にした役員の加納
と清田と経営方針の違いから衝突して仲間割れしたのだと
いう。加納は、
「いつまでも検索エンジン一本でやっていけない」
と主張するが、瀬名はあくまでウェブ技術で戦っていくと
語る。すると加納だけでなく清田もまた突然出て行ってしま
う。社風の違う企業の傘下に入るとは思えないというのが
森山の考えだった。
しかし諸田は買収は食うか食われるかであり、1500億円に
ビビったら負けだという。
我々が銀行に居た頃はこんな大型案件はいくつもあり、
プロパー社員組(※新卒入社から在籍している生え抜き社員)
とは経験が違うという。
原田は半沢部長の意見を求めるが簡単に決められるものでは
ないが、ただし「石橋を叩いているだけでは成長は無い」。
ここは踏みだそうという。
しかし問題は契約に於いて「買収案件は成功報酬で受ける」
と諸田は主張。手数料が割高なので収益になるという。
半沢は失敗したら一円も入らないことになるとして難色を示
す。

●東京中央銀行

子会社の東京セントラル証券の社長の岡光秀は伊佐山部長が
来ないことに苛立つ。野崎になるとこちらの証券営業部が
抱えている案件をいくつかそちらに回すという。それを見た
半沢はこんな案件は全く利益にならないとするが、セントラル
証券は営業収益目標を三期連続で達成していない為、強くは
反論出来なかった。中野渡頭取からももっと子会社の面倒を
見て回れと言われているというが・・

■感想

日曜日は早くに寝るので見るつもりは無かったけど、やはり
社会現象になるのは必至って感じだし、ドラマ好きなら
リアルタイムではないにしても追いかけて見なければならない
ドラマだろうという事で見てみました。このドラマ枠は時間
を全く守らないので最近は見ないことが多いけど、今回は25分
の延長で来週は15分の延長だそうだ。

しかしここに来てまた雲行きが悪いことに東京でコロナが
流行りだして来たのでドラマ撮影はどうなるのかが気になる。
特にこのドラマ、人対人のぶつかり合いが多いので、これ
以上東京に感染者が増えたらグダグダになりかねない。

さて2013年版は細かい内容は忘れているのだけど、不条理な
仕打ちをされ続けて最後になって倍返しって展開になるのが
爽快だった。そして何よりも銀行そのものの利益も大切だが
投資・融資に来た店舗の将来性を見極める作業やその企業を
育てる手助けをするというのも必要なスキルである事を
示していった。

出向組となってしまった半沢は巡り巡って何時かは銀行マン
に戻れるのか。それとも巡り巡っている間に銀行マンでは
出来ない小回りの効いた企業再生に手を貸していくのかは
楽しみなところ。段々と銀行マンが馬鹿らしくなっていく
のかも知れない。
この辺の人事の流れ方は繰り返し放送されている
フジテレビの「GTO」とかテレ朝の「ドクターX」を思い出す。
必ず島流しにされても戻ってくる。必要とされるスキルが
有れば結局収まるべきところに収まっていくものだ。

このドラマの面白さはなんと言っても信念のぶつかり合い。
その人が持つモットーが成すものとは一体何なのか。
この二つの要素がより強くそのキャラクターを形作る原動力
となっており、色んな価値観があるけど、やはり出世、立場
金、名声、プライドなどが絡まると非常に複雑なものとなる。

半沢が最初にモットーは何かと問われた際には答える事が
出来ずに居たが最後にその答えを語る。

「この借りは必ず返す。やられたらやり返す」

半沢は武術/剣道を習っていたこともあって信義には敏感だ。
信義を通さない行動に納得がいかない彼は、自分の立場を
顧みずに出向組で無能な諸田祥一に一喝したし、大和田を
裏切り寝返った伊佐山泰二に食いかかる。

伊佐山も半沢を意識したセリフだろうけど自らのモットー
として

「一生施されたら施し返す。恩返しです」

“一生のもの”ということを考慮すると瀬名の信念にも似て
いる。今回の万年筆に込められた万年使える技術の如く、
ウェブ技術に一極集中しようとする瀬名に対して、多角化
を求める対立の構図。
どちらが正しいのか。

最後の方は展開は読めたかな。
情報システム部の監査が行われると言って誰がスパイなの
かをあぶり出すというオーソドックスな流れ。しかし
サーバーのデータを勝手に削除してしまうというのは
有りなのか。

■ドラマの見所

・対立の構図

・東京セントラル証券

銀行出向組 vs プロパー組の構図。

銀行出向組のリーダーの諸田祥一は非常にゲスな立場だ。
プロパーの森山が取ってきた電脳雑伎集団のアドバイザー
契約だけでなく、森山の親友である瀬名のスパイラル社を
酷い扱いで買収しようとした。

・東京中央銀行

大和田の勢いが衰えたがまだまだどうなるかは分からない。
ただ頭取の座を巡り、現職の中野渡と副頭取の三笠洋一郎は
ライバル関係にあるようだし、頭取引退後のその位置
を狙っているのかも知れない。
伊佐山が大和田を裏切り三笠の傘下に付いた。
諸田からのメールで自分の存在感を確固とする為に大型案件
であるスパイラル社の買収を画策しようとする。

・東京スパイラル社

社長の瀬名と加納、清田組に分かれている。
社長の信念に二人は納得がいかないが、調べてみればこの
二人は投資に失敗して資金が不足している。
資金が有ったとしたならば二人は経営の多角化の主張を
したのだろうか?

・今後

・スパイラル社はこのまま買収されなければならないのか。
・親会社、子会社の関係とはいえ子会社の情報を勝手に流出
させて計画を奪った諸田と伊佐山の処分は?
・東京セントラル証券は営業成績がイマイチ
・対応の遅れで契約を破棄されるのと銀行からの横やりで
破棄されるのではまるで意味合いが変わってくる。
・証券会社と銀行では規模の違う土壌。一度味わった大きな
市場での戦いを捨て、小さな仕事をこなせるのか。

■出演者

半沢直樹 ……堺 雅人 (東京セントラル証券・営業企画部長・銀)
半沢花 ……上戸 彩 (直樹の妻)
渡真利忍 ……及川光博 (東京中央銀行本部融資部融資課)
森山雅弘 ……賀来賢人 (東京セントラル証券・営業企画部・プ)
浜村瞳 ……今田美桜 (東京セントラル証券・営業企画部・プ)
諸田祥一 ……池田成志 (東京セントラル証券・営業企画部次長・銀)
広重多加夫 ……山崎銀之丞 (太洋証券、スパイラルのアドバイザ)
三木重行 ……角田晃広 (東京セントラル証券・営業企画部調査・銀)
玉置克夫 …… 今井朋彦 (電脳雑技集団・財務担当役員)
尾西克彦 …… 粟島瑞丸 (東京セントラル証券・営業企画部・プ)
平山一正 …… 土田英生 (電脳雑技集団・社長)
清田正伸 …… 加藤 啓 (東京スパイラル・財務部)
苅田光一 …… 丸 一太 (情報システム部)
原田浩平 …… 持田将史 (東京セントラル証券・営業企画部・プ)
岡光秀 …… 益岡 徹 (東京セントラル証券・社長)
加納一成 …… 井上芳雄 (東京スパイラル・戦略部)
野崎三雄 …… 小久保寿人 (東京中央銀行本部証券営業部次長)
平山美幸 …… 南野陽子 (電脳雑技集団・副社長)
三笠洋一郎 ……古田新太 (東京中央銀行・副頭取)
智美 …… 井川遥 (小料理屋女将、東京中央銀行の株主)
瀬名洋介 …… 尾上松也 (東京スパイラル・社長)
伊佐山泰二 …… 市川猿之助 (東京中央銀行本部証券・営業部長)
中野渡謙 …… 北大路欣也 (東京中央銀行・頭取)
大和田暁 …… 香川照之 (東京中央銀行・京橋支店長)
本多照長 …… 本人 (東京セントラル証券)
光永聖 …… 本人 (東京セントラル証券)
駒水健 …… 本人 (東京セントラル証券)

横山 …… 信太昌之 (東京中央銀行人事部)
…… 夏目三久 (東京中央銀行イメージキャラ)
中学時代の森山 …… 山崎雄大
中学時代の瀬名 …… 清水大登 (父は町の万年筆の工房)

右近良之、稲健二、綾乃彩、牧佳子、岡島遼太郎
大西統眞、川角圭弘、伊東大地、駒水健、塩谷南
猿渡亮太、宗和篤史、円谷優希、中里圭介、長岡秦一郎
本多照長、本多静、松元飛鳥、光永聖、春山清治
早乙女猛雄、永吉幸一郎、白井杏菜、橋田洋平、葉月ひかる
三枝あかね、安藤雅哉

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