MIU404 第4話 最後に(夢に)見た光景は?

MIU404
(2020年7月期・TBS・金22時枠)

脚本 – 野木亜紀子
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 米津玄師「感電」
プロデュース – 新井順子
演出 – 塚原あゆ子、竹村謙太郎、加藤尚樹
編成 – 橋本孝、渡瀬暁彦

https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/

第4話 ミリオンダラー・ガール

【ストーリー】

陣馬、志摩、伊吹たちは行きつけの飲み屋に行く。
陣馬にとってはここは第三の我が家。1.機捜、2.分駐所だと
いうと自宅は入っていないのかと問う。陣馬は仕事に魂を
捧げた男のなれの果てだという。
伊吹はずっと先日本人から聞いた隊長の子・桔梗ゆたかに
ついて聞きたがる。

「旦那は誰なのか?」
「相手は警察官じゃなく、飲食店経営者」
「ご主人は既に事故で亡くなった」
「亡くなった後に妊娠に気がつき子供を産んで一人で育てた」
「子供は妹みたいな人が見ている」

●銀座西

裏路地で発砲事件が発生。女性(青池透子)が追いかけて来た
暴力団住之江組の間下から撃たれるが、もう一人の構成員の
金田はこんなところで発砲するなと阻止する。

・居酒屋を出て車に乗る伊吹と志摩

伊吹は隊長のパパに立候補しようかなと告げ、子供は可愛い
という。前にあった「タイガーマスク現象」に於いてランド
セルが施設に贈られることが社会現象となったが、肝心の
施設ではランドセルばかり贈られて逆に余った状態だと
マスコミの前で発言し、3つのランドセルを贈った伊吹は
ショックを受けたという。
志摩は、当時こんなに良いことをした人物が居たんだなと
思って居たという。しかし良いことをするには「心の余裕」
と「金銭的余裕」が必要だという。しかしそれでも金に
まつわる事件は発生しているところを見れば、事件は尽きない。

・ヤマガタ薬局

青池は撃たれた傷口をふさぐために薬局に入り、店員に
手伝ってもらい応急措置をする。
後に捜査官がやってくるとその事実を伝えて上着を売ったと
語る。もの凄い大金を持っていたという店員。防犯カメラ
映像(2019年5月17日11時57分)にはスーツケースに大金が入って
いた。約1億・・「1億円の女だ」と。

・指紋照合

鑑識が指紋を照合した結果、女性は青池透子(35歳)、前科
1犯。2年前(2017/1/11)、裏カジノ事件で逮捕されている
のをゆづるは勿論、他の捜査官も覚えているものが居た。
池袋の10億円規模の違法賭博場が摘発され客には上場企業の
役員、完了まで居て話題になったという。

■感想

不幸な人生を送ってきた女性は、とことん死ぬ直前まで
運が悪い。水商売に足を踏み入れたが最後。人生転げ落ちる
ところまで転げ落ちて、最後は自分と同じようにスタート
ラインから不幸な人生が確定しているような女性を助ける
為に最後の力を振り絞っていく。

現代に蘇った義賊のような人物・・とは言い過ぎかも知れない
けれど、決して平等では無い世界で生活している現代人に
とって不自然な世界を少しでも良い方向に風向きを軌道修正
したかったのかも知れない。それも目には目を
いやそんな大それた目的ではなく、恐らく伊吹が語ったような
「足長おじさん」的行動を起こしたかったのだろう。
警察側の立場としては、我孫子さんが語っていたセリフが
象徴的に写る。

「暴力団の資金源を絶つ、より多くの人間を救え為、私たち
は常に多い方を取るしか無い。」

そんな選択のシーンがその後に訪れることは明らかだった。

そしてドラマとして興味深いのは「目」とか「視線」
強調された所が有る。

ポスターに描かれた目、監視カメラの目、色々と訴えかける
ものが多かった。そして最終的にはうさぎの目の中に不正資金
で購入した宝石が入っていた訳だけど、残念ながらそれも
見つかってしまった。国際便で発送されたものだけど、止めよ
うと思えば止められるよな。海外に渡ったからと言っても
不正なもの。ただ不正の不正だから取り締まることは出来ない
ものなのか?みんな誤魔化す人の多いこと。正直者というのは
バカを見る世界にだけはなって欲しくは無い。

・ゆづるの件・過去の事件

ゆづるの私生活の件ではいくつか隠されているような情報が
あるようで不明瞭な所がある。旦那は飲食店経営者だという
が、どういう所で事故死したのか。

しかし前回登場した麦さんは今回の事件に繋がっていた。
2年前(2017/1/11)に裏カジノ事件で一斉捜査に踏み切り、
当時の池袋のカジノは10億円規模だとされる事件の情報提供
者。元々はピアノバーで働いていた。

オーナーのエトリを捕まえるというのが条件。
私は今回のPC店のオーナーがそれに該当するのかと思って
いたけどどうやらそれとは違う感じ。

今回の被害者の青池は何とか負の連鎖から抜け出そうと
必死にもがくが、簿記の資格が有ってもなかなか仕事が見つ
からず、就職したPC店はなんとマネーロンダリングをして
いる。

・気になるいくつか

・人間の本性は死の直前になって分かるもの。
それに関連して志摩は被疑者の冴羽が銃を突きつけた際に
死を恐れることなく嘘をついて犯人と交渉した。

・暴排条例が出てから携帯電話の契約するのも難しい。
その為に店ごと買い取ることで契約する。背後にはそれなり
の資金源のあるヤツか。

・糸巻さん活躍。
バスターミナルに居る逃亡者を発見。更にスキンヘッドの
犯人がそのバスに搭乗しているのを知る。で、彼らはどうや
ってバスに乗ったのを知ったのだろうか?ヤクザネットワーク
か?

・スーツケースに金は無い
この二段オチが面白く出来ていたね。
そしてネットでのSNSの会話の意味をかみ砕いて、
「逃げることの出来ない弱くてちっぽけな少女たち」を
連想していく。
簿記のスキルは意外なところで役に立ってしまったのか。

・今回の青池は2年前のカジノの時にも居た人物
そして羽野麦もまたそのカジノの情報提供者だ。
既に居場所は知られているのか?
日本は司法取引制度が既に2年前から施行されたが、
証人保護プログラムのようなものは無い。
冒頭の会話のやりとりから情報提供者はゆづるしか知らないのかな。
ただ裏カジノ摘発時に指揮を執っていたのは我孫子豆治だった。

■出演者

伊吹藍 …… 綾野剛 (第4機動捜査隊)
志摩一未 …… 星野源 (第4機動捜査隊)
九重世人 …… 岡田健史 (第4機動捜査隊・キャリア)
陣馬耕平 …… 橋本じゅん (第4機動捜査隊)
特派員REC …… 渡邊圭祐 (WEB動画チャンネルの運営者)
糸巻貴志 …… 金井勇太 (第1機動捜査隊・解析班)
我孫子豆治 …… 生瀬勝久 (警視庁刑事部のトップ)
桔梗ゆづる …… 麻生久美子 (機動捜査隊隊長)
羽野麦 …… 黒川智花 (ハムちゃん、情報提供者)
桔梗ゆたか …… 番場天嵩 (息子)

男 …… 菅田将暉 (ドーナツEPの売人?)
矢島 …… もらいくや (警視庁・通信指令本部)
本間 …… 土井玲奈 (警視庁・通信指令本部)
鈴木 …… 笠田康平 (警視庁・通信指令本部)
谷山 …… 坂田聡 (機捜の捜査官)
桔梗ゆたか …… 番家天嵩 (息子)

青池透子 …… 美村里江 (35歳、被害者、前科1、PCショップACE)
林優子 …… 佐々木史帆 (PCショップACE)
小田美咲 …… 榊原有那 (PCショップACE)
冴羽克己 …… 福田転球 (PCショップACE・店長)
孔雀 …… 長谷川稀世 (柘榴宝石店・店主)
ヤマガタ薬局 …… ふるごおり雅浩 (透子が治療、防犯カメラ)
中島好子 …… 七海映子 (“こどもみらいの家”施設長)
間下 …… 関ヒロユキ (坊主頭のヤクザ・住之江組)
金田 …… 蔵原健 (発砲したヤクザ・住之江組)
シティーコモンズ法律事務所弁護士 …… 真下有紀
山崎 …… (組織対策課の副部長、我孫子のライバル的存在)
山本竜一 …… (衆議院議員)
宅配業者 …… 小早川俊輔 (宝石入りのうさぎのヌイグルミ)
Girls International …… 大山きか (女性・子供を助ける財団法人)

大川ヒロキ、荒川大三朗、ぶっちゃあ、才藤了介、中倉隆道

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