半沢直樹 第4話 IT社会に必要なアナログ技術

半沢直樹
(2020年7月期・TBS・日21時枠)

原作:池井戸潤
脚本:丑尾健太郎
演出:福澤克雄、田中健太、松木彩
プロデューサー:伊與田英徳、川嶋龍太郎、青山貴洋
ナレーション:山根基世

https://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/

第4話 半沢、絶体絶命!カギは因縁・大和田!?
(勝ったのは大和田!? 負ければ再出向の逆境から倍返しなるか!!)

【ストーリー】

三笠が頭を下げたことで500億円の追加融資はほぼ確実。
窮地の半沢。伊佐山はそんな半沢に対して「お前の負け」と
語る。伊佐山は大和田を裏切り三笠の配下について買収を
進めていたが、実は二人は裏で手を組んでいた。
今回の買収騒動最大の謎・・それは電脳の金庫番である玉置
だった。その彼を呼び出すがやってきたのは電脳雑技集団の
経営者夫婦、平山だった。玉置のことを尋ねる半沢だが
彼は先ほど一身上の都合によって辞表を出してきたという。
それをわざわざ社長夫妻が伝えに来たというのか?
あなたは頭取の前で徹底的に叩きつぶすと言ったのでしょ
と。

玉置の件で会話していたあの場所に居たのは頭取と大和田
と岡社長だった。
一体誰から情報を聞いたのかと問う半沢。
しかし電脳側はルールを守らないでウチの財務部長を勝手に
呼び出して一体何をするつもりなのか?と告げ、この事は銀行
に報告するという美幸に対して、銀行に知られて困るのは
お宅では無いか?と問う。財務部長まで必死になって
隠したのを見て確信した。あなた方には相当な秘密を持って
いること。必ず暴き出すという半沢。

●電脳雑技集団の元財務部長・玉置の家

原田と浜村は一晩中玉置の家を見張るが家は不在だった。
半沢はもうここしかないとして、電脳電設のある現地・静岡
に行こうと語る。

●静岡県・富士宮市

社長に話をしたいとして半沢は名刺を見せる。しかし
対応に出てきた男は不在だとして敵扱いに森山も呆れる。
電脳の子会社だから仕方が無いという犯罪。

しかし工場の方を覗くとトランス内部のコイルを手作業で
巻いていた。電源全体の電力効率があがるというもので、
半沢は大阪の町工場に居たときに同様の職人を相手にした
際に基礎知識を得ていた。あなたが社長の玉置伸介・・
正道の父でしょと言うと、息子さんに聞きたいことがあると
告げる。もう一人ここに居たのではないかとし、その証拠
としておそろいの弁当箱があるのを指摘する。
電脳からの指示なのか?問うと、隠れていた玉置が出てくる。

半沢たちはお父様の特許についてあれから調べたが実用化
すれば全てのACアダプタをカードサイズまで小型化軽量化
出来る凄い技術だという。2年前に電脳傘下に入ることを
決めたのはこの開発を電脳が約束したのではないか?。
しかし未だに実用化していないこと。電脳は元々特許には
興味が無くあるのはゼネラル建設をある目的の為に利用する
ことにあるのだろうと。父親の権利は全て電脳が持っている
ので逆らえないのだという。

●飲み屋

苅田らと飲みに行き今回の件を話し合う。
玉置の気持ちは分かるという苅田は特許を人質に取られている
のだという。権利が戻れば玉置も口を開くだろうと。
後れて渡真利がやってくる。その渡真利は半沢に問題だとして
出向になるだろうとのこと。今度の役員会議で伊佐山が後押し
するはず。今やるべきことは銀行の人事権・資金力を振りか
ざそうがスパイラル社の買収を阻止する。銀行の人事が怖くて
サラリーマンは出来ないという。しかし渡真利は今回は政府
も口を出してくる可能性を示唆する。的場一郎内閣の支持率
は下がる一方からだった。毎朝新聞の友人によると一発逆転策
を打ってくるだろうとのことだった。

■感想

いよいよ1部は終わりということかな。

個人的に実家に帰っている時に見たので内容を微妙に忘れ
ていることと、5話の放送が既に終わっていますが、これを
書いている本日はまだ最新話を見ていない状況です。

1部に出てきた会社は・・・
「東京中央銀行」、「セントラル証券」
「スパイラル社」「フォックス社」「電脳雑技集団」
「電脳電設」「ゼネラル建設」「浜畑電子」「太洋証券」
「コペルニクス社」。

そして最後になって東京中央銀行がメインバンクであり
現在的には不良資産の一つである「帝国航空」が登場するが
大型な分だけ大赤字の案件であり、そして的場内閣やら
政権などの政治が絡んでいきそうなところがある。
二部のメインのネタになりそうだ。
この帝国航空案件をご褒美のように扱うが正直大変なもの
だと思う。

一部の総括的な感想で言えば、コペルニクス社が都合良く
出てきたなという感じで、タイミング自体が早かったと
思う。寧ろ今回のエピソード後に登場すれば分かるのだけど
あの状況の中で認められるには相当前から接触していないと
巨額の支援・投資を受けられないようにも感じる。

■ドラマの見所

それぞれに思惑があるが、端的に言ってその先にある「目的」
が何かということがこのドラマの興味深さだ。

前回からの流れからして、最後に発覚したのが、電脳の
金庫番の玉置を巡る流れがあったこと。
そしてドラマの中で確か半沢自身が語っていたように、
何故買収案件のアドバイザー契約を親会社である東京中央銀行
ではなく子会社のセントラル証券に任せたのかということだ。

更にドラマが進むに従い色々と疑惑が出てくる。
玉置の父親が持つ会社だった電脳電設の特許である
ACアダプターの小型化・軽量化。その特許がまだ実用化され
ていないという現実は何を意味するのか。2年も経過している
ので、競合他社が居れば正直追いつかれて開発されている
ことだろう。

・キーワード

今回のキーワードは、このドラマに共通するものかも知れない
が、昭和・日本を象徴するようなものの様だ。

職人的技術の誇示。

電力効率をあげる為のトランス内部のコイルには手巻きによる
人為的な経験が必要であり、マシンでは出来ないこと。

これはシナリオの内容からして実際には逆のことを主張して
いる。IT企業同士の対決の構図の中に、昭和の代名詞とも
言える職人的な技術の誇示と、人と人の付き合いによる
アナログ的なものの重要性だ。

・親会社と子会社

「人を刺すときは準備は念入りに、仕留めるのは一瞬で」

ドラマの中で森山が語ったセリフだ。

自分一人の売り込みのために上司を裏切る行為を銀行員は
行っている。

そして部下や顧客のためを考えて行動していた半沢の対比
するような内部構造の違いが有った。

「信念さえ持っていれば問題は無い。」
「組織が腐れば世の中が腐る」

●3つの形

・正しいことを正しいと言えること。
・組織の常識と世間の常識が一致していること。
・ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価されること。

・勝ち組・負け組・謝罪組

・伊佐山

大和田と手を組んでいるのかと思えば実際には過去の大和田
が取った土下座という行為そのものに衝撃を受けて本当に
裏切った。

・三笠

副頭取で中野渡の座を狙ってこの一見での成功を企んでいた。
しかし当然ながら悪事が明らかになり、電脳の社長夫婦の
自供によって一連の流れの不正のロジックが発覚する。
事業譲渡の流れの中で起きている粉飾決済。架空の売り上げの
計上があり、裏帳簿の存在で全てが明らかになった。

・諸田

セントラル証券に左遷されていたがこの人物がプロパーを
馬鹿にして、そして数々の裏切りによって銀行に再び復帰
していた。

・勝負を分けたもの

役員会議での稟議により500億円の追加融資が出来るかどうか。
これを阻止できるかどうかが問題であり、人質に取られて
いた電脳雑技集団・財務担当役員の玉置と、そして昨日の
敵は今日の友ならぬ手を結んだ大和田の協力も有って、
半沢たちにも取り入る隙が生まれた。

そして何よりも一部の最後は森山による説得も功を奏した。
加納と清田のことを瀬名は今でも席を用意して待っている。

「真に優秀な人材が必要」

中野渡さんのセリフは二部を予感させるものだったね。

■出演者

半沢直樹 ……堺 雅人 (セントラル証券・営業企画部長・銀)
半沢花 ……上戸 彩 (直樹の妻)
渡真利忍 ……及川光博 (東京中央銀行本部融資部融資課)
森山雅弘 ……賀来賢人 (セントラル証券・営業企画部・プ)
浜村瞳 ……今田美桜 (セントラル証券・営業企画部・プ)
諸田祥一 ……池田成志 (セントラル証券・営業企画部次長・銀)
広重多加夫 ……山崎銀之丞 (太洋証券、スパイラルのアドバイザ)
三木重行 ……角田晃広 (セントラル証券・営業企画部調査・銀)
玉置克夫 …… 今井朋彦 (電脳雑技集団・財務担当役員)
尾西克彦 …… 粟島瑞丸 (セントラル証券・営業企画部・プ)
平山一正 …… 土田英生 (電脳雑技集団・社長)
清田正伸 …… 加藤 啓 (スパイラル・財務部)
苅田光一 …… 丸 一太 (東京中央銀行情報システム部・飲み友?)
原田浩平 …… 持田将史 (セントラル証券・営業企画部・プ)
岡光秀 …… 益岡 徹 (セントラル証券・社長)
加納一成 …… 井上芳雄 (スパイラル・戦略部)
野崎三雄 …… 小久保寿人 (東京中央銀行本部証券営業部次長)
平山美幸 …… 南野陽子 (電脳雑技集団・副社長)
三笠洋一郎 ……古田新太 (東京中央銀行・副頭取)
智美 …… 井川遥 (小料理屋女将、東京中央銀行の株主)
瀬名洋介 …… 尾上松也 (スパイラル・社長)
伊佐山泰二 …… 市川猿之助 (東京中央銀行本部証券・営業部長)
中野渡謙 …… 北大路欣也 (東京中央銀行・頭取)
大和田暁 …… 香川照之 (東京中央銀行・京橋支店長)
郷田行成 …… 戸次重幸 (フォックス社・社長)
高坂圭 …… 吉沢亮 (スパイラル社・システム開発部)
黒崎駿一 …… 片岡愛之助 (金融庁検査局・証券取引等監視委員会事務局証券検査課統括検査官)

…… 夏目三久 (東京中央銀行イメージキャラ)

矢崎広、石田剛太、奥村アキラ、こくぼつよし、綾乃彩
山崎浩子

信太昌之、山本圭祐、稲健二、右近良之
廣川三憲、仲義代、相田雄一郎、林健太、佐藤裕、堀丞、
仲村慎祐、鶴ケ崎好昭、神谷有樹彦、奥村アキラ、
蓮見孝之(アナ)

伊東大地、駒水健、塩谷南、猿渡亮太、宗和篤史、円谷優希、中里圭介、長岡泰一郎、
本多照長、本多晴、松元飛鳥、光永聖、春山清治、早乙女猛雄、永吉幸一郎

大塚友則、長田陽、冨田颯希、秋定くるみ、望月雅行、
荒井大輔、南條裕貴、黒島美佳、市原洋
森川龍慶、兼田智寿、浅野たかひろ、羽田公、久保田大希
堤勇気、山尾祐喜、李圭寛、小川拓也、森上慎介、高島怜央
齋藤暢人、名富空、友永英輔、小澤輝充、澁江真、廣瀬剛
清水健志、内藤聡、安田仁、澤田和哉、平塚うどん、Gaku
服部令子、小西亨、大槻博、稲垣悠馬

紀本平八 …… 段田安則 (債権管理担当常務、元NY支店)
田島春 …… 入江甚儀 (審査部からの異動)
曽根崎雄也 …… 佃典彦 (審査部)
玉置伸介 …… 高橋長英 (電脳電設代表取締役社長)
白井亜希子 …… 江口のりこ (国土交通大臣、元アナ・進政党)
箕部啓治 …… 柄本明 (進政党の幹事長)
神谷巌夫 …… 木場勝己 (帝国航空・社長)
山久登 …… 石黒賢 (帝国航空・財務部長)
永田宏 …… 山西惇 (帝国航空・財務担当役員。東京中央銀行から出向)
的場一郎 …… 大鷹明良 (内閣総理大臣)

鈴木壮麻

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