アンサング・シンデレラ 6話 働く人は地域コミュニティから外れる

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋
(2020年7月期・フジTV・木22時枠)

原作 – 荒井ママレ
脚本 – 黒岩勉
主題歌 – DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」
音楽 – 信澤宣明
プロデュース – 野田悠介
演出 – 田中亮(1)(2)(5)、相沢秀幸(3)(4)(6)

第6話 病気に大きいも小さいもない

【ストーリー】

月経困難症で苦しんでいる遠藤倫、風邪の症状で通院して
いる小川早苗。

●コミュニティセンター

荒神、販田、葵、くるみ、そして小野塚ら地域の調剤薬局
を含めて高齢者の為の服薬指導教室をする。荒神がマジック
を披露して住民たちの心を掴んだ後、一人ずつ高齢者たち
に薬剤師は指導しようとするがその殆どが世間話。
しかし病院に来ていない患者ともコミュニケーションをしな
がら地域の現状を肌で感じたかったという葵。
そんな中パッチワーク教室の前で突然女性が倒れ、葵は
救急車を呼ぶ。

●萬津総合病院

瑠衣は患者・小川早苗(70歳)の容体を見る。
38度、頭痛、腹痛、下痢・・と風邪だけではない症状がある
として回復まで入院を告げる。葵は早苗に整腸剤のラクトミン
と抗生剤のレボフロキサンを飲むことになる事を告げ、
患者本人に今、飲まれている薬について尋ねる。一緒に飲む
と効果が薄くなるものも有り時に害になるものもあるとの事。
早苗は薬は何も飲んでいないことを語る。

刈谷は井上という患者に服薬説明をする。
井上はネット情報から別の薬にしてほしいというが、ネット
情報よりも目の前の薬剤師の意見を聞くべき事を告げ、
薬は安全性が確立され異常行動との関係性も立証されていない
ことを語る。

くるみと工藤は刈谷について語り合う。
彼女の強気は自信から来るものだが、その自信の裏付けは何か
が気になる。刈谷はここに来る前には大手の調剤薬局に居た
こと。普通は逆で病院で経験を積んでからいくものだという。
薬局では売り上げも断トツで20代で副店長・・後の幹部候補
だったという。「何故止めたのか?」。それは葵でも聞いたこと
がなかった。しかし病院の薬剤師でもがん治療の認定薬剤師の
資格を取るなどのキャリアアップが出来るという。

そんな中刈谷がやってくるとくるみにがん専門・診断レジデン
トのマニュアルを持ってくる。そしてくるみに対して服薬指導
に行ってきてくれという。依頼してきたのは産婦人科の
勝俣直人で、患者は遠野倫(20歳)だった。

■感想

「患者は嘘をつく」

海外ドラマ「Dr.House」のハウス医師の決まり文句ですけど
まさに患者たちのわがままに振り回されて治す気のない
患者たちの心の癒やしまで求められるという薬剤師の難儀
さを通り越えたドラマを見せられた。

今回ばかりはこのドラマの役柄の範疇からは相当外れて
自分たちの役割を越えた流れが有り、葵の主張のうざった
らしさといったらこの上無かった。
彼女の主張は正しい言葉なのだが、それを行うのが薬剤師
の仕事なのか。

そもそも今回の案件にしても、早苗に必要なのは心療内科
とか医療ソーシャルワーカーの分野ですよ。何で抗生剤
を飲まなければいけないのかが訳が分からない。

調剤師が患者の病気について考えるなんてことはあるのか
な。いやあるのでしょうけど医者に助言する程度で、まず
直接医者のように判断するような行動は起こすはずは無い。

それとよく分からないのは薬剤師って大手の調剤薬局だと
儲かるものなのか。
私の同級生の母親が薬剤師で実家では父親が血圧の薬を
もらうときにそこを訪れるし、私が幼い時に風邪で
処方された薬・抗生剤?があまりにも強すぎて顔の引きつけ
みたいなものを起こした事が有ったので、その薬につい
て調べてもらったことがあるんだけど、今にしてみると
タミフルみたいなものを飲んだのかなぁ。

そしてもう一人の患者は女性特有のものではあったけど、
男性ベテラン調剤師が臆するようなことなのか?
海外ではジェンダーレスの傾向から生理なども男性への理解
を求めるために情報は相当開示されていて、日本は寧ろ
女性の方が男性に知られまいとしてそれを隠して、男性も
知ろうとしないところに問題があるのではないかと感じる。
誰にでも起きることで、動物だってあることでしょう。
男性にはその苦労は分からないとする前に、やはりその苦労
を女性の方から発信する必要もあるのではないかと感じる
ところが有った。

■患者

・小川早苗

70歳の女性で独身、友人、親類無し。
定年まで事務職で働き、退職金で中古マンションを購入して
老後を楽しもうとしたが、既に地元のコミュニティはグループ
が出来ていて入る余地がない。(これは男性会社員に言えるよな)

処方されていた薬はラクトミン(整腸剤)とレボフロキサン
(抗生剤)

本人はお薬手帳も持っていないし、病歴なども話そうとは
しない。小野塚経由で地域の薬局で処方されていないか
調べてもらうと彼女は長崎病院にかかっていて、

七尾から多剤耐性菌の可能性を示唆される。
「多剤耐性アシネトバクター」「カルバペネム耐性腸内
細菌CRE」。更に「クロストリジウム腸炎」などの多剤耐性菌
の腸炎にかかっているのではないかと。多剤耐性菌が広がれ
ば抗生剤が現代人には効かない人が増えてしまう。

区民センターの人たちに早苗のことを聞いたりしたがなかなか
彼女を知るものがなく、上述した小野塚ネットワークを
使ってスルタミシリンという抗生剤が処方されていることを
知る。
CDトキシンが検出され、メトロニダザールを投与して回復さ
せた。

根本的な問題は薬ではなく彼女の心の問題で有る。

・遠野倫

24歳のOLの女性。
月経困難症というものを患っていて、女性にしか分からない
もの。しかも生理ということで意外と誰にでもあることなの
で適当にあしらわれていた過去があるみたいだ。
本人もまた生理痛くらいで相談することにかなり臆する所が
有ったし、薬剤師のくるみと葵の間でも同様のものがあった
ので患者の遠野にとっては障壁は高いのかも知れない。
話を聞くと両親も周りのみんなも同様に話を聞いてくれなか
ったこと。

冒頭ではピルであるヤーズという薬が処方。
それが効かないとされると今度はジエノゲストという
子宮内膜症の痛みにも効く薬が処方された。

今回はくるみが彼女の担当医のようになり服薬指導から始まり
なんと生活習慣から色んな私生活の指導係的役割まで求め
られた。

インスタに掲載されている写真からサプリメントの中にある
ハーブの一つ、セント・ジョーンズ・ワートという抗不安障害
の薬
として使われていて、それがピルなどの薬の効果を
打ち消す作用が有ったことが分かる。

しかしそもそも遠野は自ら病気を理解せず、生活習慣もバラ
バラで治るような生活をしていなかったのも一因。
今後も困ったことが有れば相談係になることを約束して
彼女は体調を治していく。

・刈谷の過去

今回は珍しく刈谷の過去が描かれた。
ただ今回の流れの中でそれを組み込んでも効果はあったの
かな。売り上げのために彼女は酸化マグネシウムを長期間
服用させたことで腎機能を低下させてしまった。
そこでこのままの環境はよくないと感じて病院に移ってきた
様だ。

■出演者

萬津総合病院薬剤部
葵みどり …… 石原さとみ (薬剤部)
相原くるみ …… 西野七瀬 (薬剤部・新人)
刈谷奈緒子 …… 桜井ユキ (薬剤部・主任)
羽倉龍之介 …… 井之脇海 (薬剤部・メガネ)
工藤虹子 …… 金澤美穂 (薬剤部・メガネ)
販田聡子 …… 真矢ミキ (薬剤部・)
七尾拓 …… 池田鉄洋 (薬剤部・副部長・治験担当)
荒神寛治 …… でんでん (薬剤部・魔術師、DI室)
瀬野章吾 …… 田中圭 (薬剤部・副部長)
小野塚綾 …… 成田凌 (ナカノドラッグ薬剤師)

豊中瑠衣 …… 臼田あさ美 (救急センター医師)
久保山竜也 …… 六角慎司 (小児科医)
金城圭 …… 遠藤史崇 (薬剤部SPD:医薬品管理者)

外来患者
辰川秀三 …… 迫田孝也 (中華料理”娘娘亭”、イライラ型)
簑島心春 …… 穂志もえか (20歳、白血病)

市原茉莉、不破りこ、長谷川恒、中村文也
佐々木ちあき、加賀美茂樹、小財真樹、山口真央

小川早苗 …… 高林由紀子 (70歳、風邪の症状で通院していた)
遠野倫 …… 山谷花純 (24歳、月経困難症の患者)
長崎浩 …… 佐戸井けん太 (長崎病院の医院)
神戸 …… 小貫加恵 (パッチワーク教室の生徒)
勝俣直人 …… 若杉宏二 (産婦人科医)
井上 …… 大津尋葵 (患者、ネット情報で薬の心配)
安達 …… 竹本純平 (長崎病院の患者)

青島千尋、峯石桃花、乃上桃、安達雪乃
ふくまつみ、福井裕子、中條サエ子

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