3年B組金八先生
(1979年・昭和54年、TBS、金曜20時)
演出 竹之下寛次(1)、佐藤虔一(2)、高畠豊(3)
プロデューサー 柳井満
主題歌 「贈る言葉」 海援隊
挿入歌 「てんびんばかり」 河島英五(1)
「チャンピオン」アリス(2)
「八十八夜」岸田智史(3)
第3話 君は裸のビーナス
1979年11月9日
■ストーリー
■校門
朝は生徒も時間ギリギリでやってくる子が多い。
ジャージ姿の遠藤先生はそんな生徒たちに発破をかける。
次々と生徒が校門をくぐる中、一人の生徒は一向に
学校に向かう気配がない。
生徒の名前は梶浦裕二。彼は他の学校の生徒が登校する
のを看板の裏から見ていた。
三人の生徒の真ん中にいる女生徒。彼女を一目見てから
学校へと向かう。
●教室 11月5日(月)
・坂本先生の授業
5日連続して遅刻してきた裕二を叱る坂本。
坂本先生は先日生徒が書いてくれた作文の返却を行う。
作文として素晴らしいものが有ったが、なんだこれは
という内容のものもあり、平均して38点だという。
ある生徒のものの中には「お前には関係ない」という
ものも有った。坂本はそれに対して怒らず寧ろ独創的
なものだとして褒める。それを書いたのは沢村だった。
「作文は演説と同じで長いだけが能じゃない」
後にもう一度同じ題名で書いてもらうとし、それを文集
にすることを語る。二つの作文で成長を見たいこと。
来春には義務教育は終わる。進学もよし、社会に出る
のも良いことを語る。
坂本は生徒に「児童」とは何歳までのことか知っている
かを問う。生徒たちから色んな発言がある中で
児童は辞書には子供と書かれていること。
学校教育法によると6歳から12歳までを学齢児童だと
している。児童福祉法では満18歳までの事をいう。
君たちは今宙ぶらりんの所に居るのだという。
・
遅刻が続いている裕二のことを幼稚園から一緒だった
女生徒は心配していた。
■職員室
坂本先生に対して国井先生は裕二の身に何か有ったのか
を尋ねる。理科の実験の時にヒヤっとすることが有った
こと。あの子は実験には熱中するタイプなのに、ボンヤ
リとして上の空だったという。乾先生もまた瞬きしなく
なったとし恍惚としていることを語る。
坂本もまた先週から5日連続で遅刻しているので気にな
ってはいることを語る。朝の学活ギリギリで飛び込んで
くるのだと。
●放課後
・銭湯「松の湯」
ここは遅刻が多い裕二の実家。
両親が変わる変わる番台を務めている。
両親も裕二の異変に気が付いていた。
母・トシは、息切れしたのかと呟く。大抵夏休みから
やる気になる人が多く今頃息切れするものだと説明会
で聞いたという。
その頃部屋のベッドに寝そべりラジオを聞き、漫画
を読む裕二。DJの岸田智史はリスナーから送られて
くる悩み相談のハガキを読む。大田区の松沢からの
相談はそのまんま裕二が抱えている問題と同じだった。
■11月6日(火)
朝、坂本先生は下宿している店の前の掃除をする。
田沢先生から朝食の話があり一緒に食べることになる
と知って坂本先生も元気が出る。
そこに生徒の一人、宮沢保が自転車で牛乳配達をして
いる所に出くわす。彼によると今年卒業した放送部
の先輩のピンチヒッターであるという。
それを聞いて坂本は自転車の彼に同行して手伝うとの
こと。届け先の一つは浅井雪乃の家だった。
●登校
坂本先生は田沢先生と一緒に会話しながら登校する。
しかし裕二の姿を見かけると彼は田沢先生を先に行か
せて、不審な行動を取る裕二の事を遠くから観察する。
視線の先に居たのは同じ年ごろの三人の女生徒で
真ん中にいる女性に惚れたであろうことを知るのだ
った。
■感想
まだ3話の段階ですが・・
「やべっ昨日の続きを見ようとしたらもうTVerでの無料
放送が終わっている。」
もう少し長く公開されているかと思ったけど消される
のも早い。
毎日一話ずつ確実に更新されると共に順に消されている。
その心境を例えると「銀河鉄道999」の最終話の星野鉄郎
のことを思い出す。
惑星メーテル(アンドロメダ)の中で星を構成する核に異物
を混入させる事で惑星自体が崩壊したけれど、逃げる
最中にある橋の敷板が一枚ずつ崩れ落ちていく。鉄郎と
メーテルが急いでその中を逃げるのだけど、そのスピード
の速さが故に一段ずつ確実に崩れていく様はまさにそれを
味わっているような崖っぷちの状況である。
TVerの有料放送ではやっているのかな。
この機会に第三シーズンくらいまでは更新したかった。
まぁ仕方がない。取り合えず分かっているエピを書いて
行こう。実家に帰ればテープが残っている筈だけど。
今回は中学3年生に恋愛関係について教える話だった。
好きになった相手に対してどのような行動を起こすのか。
恋は予測して起こるものではない。
今回の主人公である野村義男さん演じる梶浦裕二が
誰だか分からない女性に突然恋をする。
こういう指導は家庭よりも学校で教える方が教えやすい
のかな。男女に於ける性教育というよりも、恋愛その
ものに対する感情・行動論だったしね。
ただその陰では次のエピソードを意識していると思わ
せる数々のシーンが有り、ドラマ史上でも話題となった
宮沢保と浅井雪乃の物語に繋がっていく流れとして
形成されている事は言うまでもない。それ故に二人の
言動に自然と目が向けられるのも仕方がない。
これから起きる二人のエピソードはインパクトが有った
ので今回の流れは実にカワイイものだ。
一歩間違えればストーカー。しかしこの時代にそんな
言葉が使われた試しはなく、寧ろ一途な愛情として
捉えられるかも知れない。
相談する相手がラジオの恋愛相談だというところも
如何にも昭和だ。
例えに出した万葉集などに見る恋愛模様は、時代と
関係なくして共通するものとして存在する人間本来の
感情である。
それ故に今回は坂本先生と田沢先生の愛情的感情にも
触れるようなところも有ったし、老若男女が恋愛する
っていうのが本来の人の生き方だ。
■生徒に問題が生じた時、先生は何をするのか。
生徒の問題はデリケートなもの。
坂本先生は雑な性格に見えるけれど、その辺の生徒との
関係に於いては情報が漏れないように気を遣う。
二度に渡って田沢先生との癒しの時間を犠牲にして
生徒の為に使っている。
そしてその理由を田沢先生に話すことはなかった。
・朝の学活
ディベートはあまり日本人が得意とする所ではない。
しかし坂本先生はテーマを定めてそれについて生徒
たちの意見を自由に戦わせる。
「恋愛」がテーマ。
中学での恋愛は早いのか。
早いと語る生徒に坂本先生は奈良時代のことを引き合い
に出して語る。
「15歳になると昔の男は元服させられ一人前として責任
を取らねばならない」
更に彼は伊藤左千夫の小説「野菊の墓」を取り上げた。
「野菊の墓」と言うと当時松田聖子さん主演で映像化
されたことも有る。
「民さんは野菊の様な人だ」
というセリフは今でも思い出すところ。
この物語では16歳の少女が年下の恋人の将来を案じて
自分から身を引いて他人の元に嫁いでいく話である。
・国語の授業
意外と国語の授業はテンションが下がりガチで、特に
古文に関しては好き嫌いが分かれるのではなかろうか。
しかし坂本先生の授業は活気がある。
教頭はそれを問題視して校長は寧ろ歓迎する。
しかし隣で授業をしている乾先生はあまりいい顔をして
いない。
●15歳の子供たち
昭和の日本の銭湯は「時間ですよ」に見るように出入り
口に番台が有って料金を回収するようなシステムである。
観ようと思えば男湯・女湯を番台から見ることが出来る
が実際にそこに入ったことが無いのでどの程度見える
ものなのかは分からない。
ただドラマで何度も目にする番台では着替えの所を
見られる仕様であり、少なくとも背中が見える。
ちょうど坂本先生が一郎くんを連れて銭湯に来ると
そこでは番台に立つのは梶浦裕二だった。
そして対面の女湯には彼の意中の相手が風呂に来て
いる。年ごろの女性はそのような場所を気にしなかった
のだろうか?
後々分かるが彼女は実家の屋根のリフォームの間に
親戚の家から千代田区にある白百合学園に通っていた
とのことで一週間だけ彼女の姿を見ることが出来た。
余談だけど私も昔同級生の実家が経営していた
銭湯に何日か通ったことがある。一度はリフォームした
時で、一度は中学時代の同窓会に出席した際に二次会
がてら銭湯に行った。
■メモ
・万葉集 / 引用部
「葦垣の中の和草、にこやかに、我れと笑まして、
人に知らゆな」
・住所を調べる
池内のおばちゃんがそういう話を聞き出すのが上手い
ので彼女に任せると住所と名前が分かる。
名前は遠野町子。しかし彼は彼女の無事を知るだけで
住所まで聞くことはなかった。
・坂本先生の恋
博多の中州で中川が流れている場所で生まれ育った
坂本先生。そこで友達と歩いて居た女性に恋した
ことがある。学校に行くのが楽しみになり、ニコっと
笑ってくれるだけでメロメロとなった坂本だが、
その笑顔は彼の友達に向けられたものだった。
その友達とその女性は結婚し、後に女の子が生まれた。
その女の子の名前をつけたのが坂本先生で、名前は
博子だという。まさか森口博子さんか・・
■出演者
坂本金八 …… 武田鉄矢 (3-B担任、国語科担当)
天路里美 …… 倍賞美津子 (養護教諭)
田沢悦子 …… 名取裕子 (美術科)
国井美代子 …… 茅島成美 (3-D担任、理科)
野村孝一郎 …… 早崎文司 (教頭)
乾友彦 …… 森田順平 (数学科)
伊東 …… 福田勝洋 (体育担当)
遠藤伊知子 …… 宇田川智子 (体育担当)
服部肇 …… 上條恒彦 (3-A担任、社会科、学年主任)
池内友子 …… 吉行和子 (家庭科)
池内シカ …… 都家かつ江 (雑貨店 “池内商店”)
大森巡 …… 鈴木正幸 (千住東警察署北千住派出所・津軽弁)
左右田 …… 財津一郎 (3-C担任、英語科)
君塚美弥子 …… 赤木春恵 (校長)
川村用務員主任 …… 三木弘子
吉村孝 …… 小山渚 (生徒、1話で家出)
岡村一男 …… 高橋幸喜 (生徒、メガネ)
平山英吉 …… 茂木昌則 (生徒、
鈴木良夫 …… 羽沢匠 (生徒、
沢村正治 …… 田原俊彦 (生徒、
九十九弥市 …… 大堀英樹 (生徒、
横山敏子 …… 深野いずみ (生徒、
神保文子 …… 山口仁子 (生徒、
瀬戸克江 …… 長谷川純代 (生徒、
東條絹子 …… 平山裕美 (生徒、
安恵美智子 …… 小林聰美 (生徒、
梶浦裕二 …… 野村義男 (生徒、銭湯「松の湯」)
梶浦トシ …… 大方斐紗子 (裕二の母)
梶浦清一 …… 芦屋雁之助 (裕二の父・銭湯)
DJ …… 岸田智史 (ラジオ、若者のお悩み相談)
遠野町子 …… 池上真智子 (白百合学園2年生)
● 3年B組生徒
鶴見辰吾(宮沢保)、杉田かおる(浅井雪乃)
志茂由佳(福田茂子)、野村義男(梶浦裕二)
荒井恵美子(園田エミ子)、土屋到(志岐誠)
三原じゅん子(山田麗子)、一番ヶ瀬容子(屋島みゆき)
岩谷健司(安藤卓)、小室和代(江崎花代)
新井つねひろ(田中康一)、金久保美幸(大野正枝)
館川喜年(高倉勇)、石川よし子(笠原ユカリ)
近藤真彦(星野清)、芹沢安比沙(梅原明)
藤島ジュリー景子(越智はるみ)、田島理司(池野国広)
大綱めぐみ(畑中マミ)、土屋かおり(阿部トシエ)