相棒22 第10話 サイレント・タトゥ

相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋本一(1)(2)(6)(8)(9)、権野元(3)(7)(10)
守下敏行(4)(5)
脚本:神森万里江(1)(2)、岩下悠子(3)(5)、森下直(4)
光益義幸(6)、瀧本智行(7)(8)、輿水泰弘(9)(10)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、古革昌実、
土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第10話 サイレント・タトゥ

【ストーリー】

■鶴巻記念ホール / 北大崎駅近く

本日は南北小学校の文化祭・南北祭が開催される。

子供や保護者たちが次々とホールにやってくる。

そこには警視庁次長の甲斐峯秋の姿が有った。
学校の教師・小河原楓は、そんな峯秋に場所取り
はご遠慮くださいと語る。しかしすぐにやってくる
として会場を眺めると社美彌子娘のマリアの姿が
有った。更に亀山夫婦と右京の姿も有る。

峯秋たちの元に挨拶に行く亀山夫婦と右京。

美和子はマリアの姿を見ると旦那さんは外国の方
なのかとするが未婚・・シングルマザーだった。
東洋人か西洋人かと言われれば間違いなく西洋人だ
が父親については謎だった。

今日の文化祭では峯秋の孫でありカイトの息子で
ある笛吹桔平と母の悦子が主役だった。

右京は桔平たちが演じる2年生は「新シャーロック・
ホームズ / まだらの紐」。おなじみのミステリー
がどのように脚色されているかワクワクしていた。

桔平の誕生日の時に右京から一冊ずつアーサー・コナン
・ドイル原作の本をもらっていたが峯秋はそれ程
好きならば全巻買ってやると言ったもののあっさりと
断られたのだという。

そこにカイトの兄で峯秋の長男である秋徳が来ていた。
秋徳が父親のような役割を果たしており、桔平からは
“パパっち”と呼ばれていた。

・開演

舞台袖にいる生徒や教師たち。
落ち着く方法を子供に教える。

「手のひらに文字を書くことで交感神経の興奮を
抑えられる」

しかしその会話に割って入るのは担任の姉小路仁。

「プラシーボ効果だ」

悦子は担任に秋徳を紹介する。

そんな中いよいよ始まる。
井ノ瀬喜和美は息子の大翔にホームズがお似合いだ
という。ワトスン役に富家谷翠

既に子どもたちは舞台上で演技をする中、突然
舞台の上では何処からともなくフラフラって姉小路
が出てきて倒れる。背中にはナイフが刺さっていた。

すでに舞台は閉幕し右京は血痕跡を辿る。
薫は応援を呼んでいた。

姉小路が居た場所の近くに出番を待つ井ノ瀬喜和美
と井ノ瀬大翔の姿がいた。
彼らに怪しい音を聞いていないか尋ねる。
背後を誰かが通っても気が付かなかったのか。
喜和美はお耳に入れたいことが有ると語る。

●警察官が到着

警察車両が多くやってくる。

殺された姉小路について話を聞いていくと、

「熱血教師で指導は熱心だった。しかし女性には
だらしがなかった」

秋徳にも話を聞く。
「今日蹴りをつけてやる」と言っていたこととの
関連性を聞く。
しかし開園直後は下手の間にいたという。
彼は私が侮辱されたことに腹を立て彼女に言い寄って
いたという。服役中のトオルの存在をみんなに知られ
たくなければ言うことを聞けとし悦子に解決を迫って
来たのだという。それを聞いて怒りが込み上げ
つい口走ったこと。
しかし秋徳はこれでも自分は財務官僚。文科省のツテ
を頼りに彼に圧力も出来る事を語る。

・マリアと桔平

マリアは桔平に声をかけていた。
桔平にパパが居ないと聞いて彼女もまた居ないこと
を語る。
桔平は現場に居たので事情聴取されるだろうが警察に
しか言えないとのことだった。

●鑑識

益子は鑑識作業が終わったことを語る。
凶器は刃渡り七寸の出刃。背後から一突きし肺まで
達していた感じだという。解剖結果を見ないと正確
には言えないが死因は出血多量によるショック死。
包丁からは指紋の採取も幾つか出来たとのこと。

●現場にどのようにして現れた?

上手袖にドアはないのでロビーから入ることは
出来なかった。しかし下手袖の扉から入ってきて
かみて袖に回ったのだろうという。
これから気が付かれずに犯人のもとに現れることは
出来るか実験するとのこと。
ホリゾントの間は隙間が出来ていて人が通れるスペー
スがある。薫がその隙間を使って外部から入って殺害
し外に出る方法を実践する。

■感想

正月スペシャルの2時間15分。
このドラマの放送が始まる少し前に能登半島地震が
発生(16時10分)し、M7.6、津波も発生した。
その後この日は余震(M6.1)が一度、震度5強の地震
なども起きて他の局ではバラエティ番組は放送を
中断したものの、このドラマは放送していた。
そして放送も2時間10分ごろ。クレジットが終わる
ところで突然放送は不自然な形のままで終了。
変に気を持たせる形となった。

最初から放送は中止しても良かったし、放送する
なら残りの2、3分の放送が終わるまで報道特番への
切り替えは待てなかったのか。

何を非難できるものでもないのだけど、もう少し
方法論は無かったのかと考えさせられる。

放送し続けて非常識扱いされるのも不本意なこと
だろうし難しい決断が現場では起きていたのだろう。

●今回のエピソード

前回復讐に対するヤクザの物語が一部描かれたが、
意図して今回のエピソードの下地を作ったのではないか
とも思う。無意味に思えた事件だったが、視聴者の
頭の柔軟性を解して置くための準備運動だったのかも
知れない。

今回のエピソードを集約すると家庭料理店”こてまり”の
女将の小出が語ったことが全てではないか。

男女問題に於いて、

「男は女を恨み、女は女を恨む」

男性は相手が浮気した場合、自分の彼女を罰する。
女性は自分の男を奪ったとして男を誘惑した女性の
方を恨み・復讐する。

この思考が成り立つ流れの中には犯人・栗原の
歪んだ生育環境が有り、両親との間に何か有ったで
あろうことが考えられる。

そして栗原によって操られている教え子の男性も
またその生育環境は最悪で有った。

●パワハラのオンパレード

相手の弱みに付け入るようにして自らの欲求を
満たそうとする。

他人の個人情報が流出してしまうとこれだけ
酷いことが行われてしまうということを体現する
ような話だ。マイナンバーカードがどれだけの
情報を引き出せるようになるのか。
アホな行政が個人情報をアウトソーシング任せ
でリスキーな事をしているからね。
通信アプリLINEも韓国を通して漏れてます。

姉小路は様々な女性に手当たり次第関係を持とうと
する。そして悦子にはカイトという世間を賑わせた
夫がいることを知って早速彼女を操ろうとした。

更に姉小路の妻になるはずだった栗原も同様に
カイトの存在が世間に知られた時の悦子の家庭が
大変になることを知って何度も利用する。

今回面白く使われたのは土師くんだ。
彼も右京らによって半ば強引に利用された。断れない
立場にいる人物は可愛そうだね。

●相当面倒くさい殺害方法

これを全て計算通りに行えたとしたら大したもの
だけど、そこまで国際的に渡っての大捜査線を起こす
必要は有ったか。姉小路を殺すのであればあの舞台上で
なければいけなかったのか?
男を恨むのではなく女を恨むのであれば悦子を殺す
というのが一番手っ取り早いし、姉小路を殺さずに
済む。

●警視庁のお偉いさんたち

彼らの私生活上の欠点があると必ず色んなところ
で利用されてしまう。
問題が有ると分かった時点で役職から降りるべき
ではないのか。

興味深い流れとして、マリアと桔平の間に父なし
の絆が生まれたこと。

一見すると栗原と黒須真士の間で強引に母と子と
いう関係を作った感じなので、この二人の関係を
崩してまでも行うべきことだったのか。

●スペシャル感

ドラマでは外交問題も大いに関わる案件で、実名
で描けば色々と角が立つ。しかし相手の国は
人権も法律もまるで機能していない中国である
ことは明らか。東亜民主共和国、首都・ペイリョウ、
焼き物の中心地・シャンリェン。
一部韓国のハングルのような文字も見られたし、
青磁ということも有りどちらとも言えないものがある。

●最後はそれぞれの相手と酒を酌み交わす

ほぼ全員がクレジット直後からアルコールを飲んで
いたシーンが目についた。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (フリージャーナリスト)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティ)
階真 …… 辻本祐樹 (東京地検検事)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監。階級は警視監)

社美彌子 …… 仲間由紀恵 (公安調査庁)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長)
甲斐享 …… 成宮寛貴 (犯罪者)
笛吹悦子 …… 真飛聖 (40歳、客室乗務員)
甲斐結平 …… 森優理斗 (享と悦子の息子、南北小学校)
甲斐秋徳 …… 新納慎也 (峯秋の長男、享の長兄)
社マリア …… 土方エミリ (美彌子の娘、18歳)

姉小路仁 …… 福澤重文 (結平の担任)
栗原志津子 …… 美村里江 (元南北小学校教員)
黒須真士 …… 阿佐辰美 (浪人生・「はちどり運輸」アルバイト)
小川原楓 …… 皆本麻帆 (南北小学校・音楽教師)
井ノ瀬喜和美 …… 中村早香 (大翔の母)
栗原 …… 岡田謙 (志津子の父)
栗原 …… 泉晶子 (志津子の母)
…… 高原知秀 (東国警察官)
…… 蔵本康文 (骨董品屋の店主)
井ノ瀬大翔 …… 大場りと (南北小学校2年生)
…… 津田健次郎 (謎の領事館員(声))

綾乃彩、椎名葵、新野アコヤ、依田真一、小林美萌
大場りと、るあん、さゆり、今泉奏平、村上裕樹
上原健太、榊原加萌、松本悠希、山田海人、後藤志暢
駿之介、有山実俊、右切山莉央
伊藤佐之介、花鈴、小松優里亜、塩田宙、染谷彩良
立花利仁、常澤結心、仲佐ののか、中村彩乃
野澤心寧、羽山由一郎、宮本明日翔
ローフトハンス芳雄、吉村冴加、座間富士夫、サリーK
所博昭、白井雅士、荒川浩平

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