相棒22 第7話 青春の光と影

相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋本一(1)(2)(6)、権野元(3)(7)、守下敏行(4)(5)
脚本:神森万里江(1)(2)、岩下悠子(3)(5)、森下直(4)
光益義幸(6)、瀧本智行(7)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、古革昌実、
土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第7話 青春の光と影

【ストーリー】

■音楽スタジオ

ロックバンド”DEP CREW”のメンバーはツアーのリハー
サルの練習をしていた。
ボーカルの矢崎浩輔(42歳)、ドラムの佐光隆吾、
ベースの安本早苗、ギターの林田晃司。

彼らは20年ぶり再結成

矢崎の芸能事務所”Leggiero”の社員でマネージャー
である沢村香音は、社長の吉澤佳代に対して
ツアーのチケットが即完売だと報告する。
すぐに追加公演の準備をしなければ・・と大忙しだ
った。

●現場 / 渋谷区石橋3丁目

・捜一の三人が現場にやってくる。

現場では男性が路上で後頭部から血を流して倒れて
いた。
発見したのは田上酒店の主人。

鑑識課の益子によると死亡推定時刻は昨夜24時から
25時の間。死因は脳挫傷だという。
一見するともみ合って頭をぶつけたような状況だった。
殺しではなく傷害致死ではないのかという出雲。

しかし益子は被害者の遺品である免許証を見せる。
板橋区峰崎のポピーメゾン峰崎203号室に住んでいる
名の知れたミュージシャンらしいこと。
それを見ると芹沢は元人気アイドルの白河優実(40歳)
と結婚した男・矢崎浩輔だという。

・特命係の二人が現場へ

特命の二人は自然に捜一との会話の中に入り込む。

見た目からしてロックミュージシャンなのか?
昔「DEEP CREW」ってバンドのボーカルをしていた
人物で当時は凄い人気だったこと。バンドの解散の後
に結婚。バンドを解散したのは20年前。その後は
ソロ活動をして産金ではバンド再結成の話をニュース
で聞いたという出雲と芹沢。
被害者が倒れている近くに何かのケースのようなもの
が落ちていた。しかし伊丹によって現場から追い出さ
れる。

■警視庁

・任意の取り調べ

被害者の妻・矢崎優実(当時白河姓)に話を聞く。
彼女は別居してから2年が経ちそろそろ離婚の話を
しようとしていたところだという。離婚の原因を
尋ねると、彼は音楽しか眼中になく、その音楽も
パッとせずに、いつもイライラしていたこと。
彼女のアリバイを尋ねると不機嫌そうに一晩中
自宅にいたが、一人暮らしなので証明する人は居ない
と語る。

優実は席を外して電話をする。
別居しているとはいえ旦那が亡くなったにも関わらず
大笑いしながら電話する姿があった。

「昔は可愛いかったのに残念な感じになった」
と芹沢はつぶやく。

・特命係

バンド再結成の時のインタビュー映像を見る。
「再結成緊急記者会見」の映像で公式ページに
動画が掲載されていた(2023年10月20日公開)

「色々有ったがもう一遍集まってやりたい」
「リハーサルで分かり合える・・”友情”は良いものだ」

・角田がやってくる

「この人は有名なのか?」
「22年前にロックシーンに彗星の如く現れ、僅か2年
で解散したことで日本のロック史に伝説を刻んだ
バンドだ」

今月からツアー公演がある予定だったことを語る。

角田は四十過ぎた大人が”友情”というのも嘘くさい
と語る。
右京はアリストテレスの言葉を引用し、彼の功績に
ついて語りだす。
薫もまたそれに関して意見を述べる。

「友情が果実だとしたら熟した後は腐ってしまうのか」

■感想

芸能・音楽業界の人間が殺害される。
かつては人気のロックバンドを組んでいた4人組
のヴォーカリストの死。
再結成によるツアーのリハーサル中に起きた事件
だった。彼の死に隠されていたものとは一体何が
あるのか。

歳月の流れは人をどれ程変えるものなのか。

友情がテーマとなった今回の案件。

殺害された矢崎浩輔の人物像に迫る内容で、
冒頭で描かれる人間関係の雰囲気とは逆に少しずつ
彼の本当の顔が浮かび上がってくるところなどは
面白く出来ている。

冒頭からいくつかの謎が提示されているがそれが
殺害の動機に繋がるものなのか。
もっとも複雑なのは人間関係だったりするのだけど、
現状に満足していない人ほど、過去に拘る。
過去に残る遺恨が現代になって蘇ってきたのか。
被害者は相当ワンマンな性格であり、自分で勝手に
色々と決めてしまうとする証言が有る。

過去に遡って見た場合、自分が一番輝いていた頃と
現状を見比べて、学生時代に感じていた有り余る
情熱を燃やしていた頃とは何がどう変わっているの
か。そこには勝手に周りが騒ぐ為にイメージとして
定着していた事も多く、それが誤解されていたこと。

仲間で有ったとしても、私生活までは知らないと
することに対して「友情」という言葉は当てはまる
ものなのか。

視聴者にも同様の気分を味わわせるようなものと
なっていて上手く視聴者を取り込んでいる。
しかしそれが少々在り来りなドラマとなってしま
っているところも感じる。

[事件]

被害者 : 矢崎浩輔
発見現場 : 渋谷区石橋3丁目の路上
死因 : 脳挫傷
死亡推定時刻 : 昨夜(12月14日)深夜の24時から25時
職業 : 「DEEP CREW」ボーカル
備考 : 被害者は既婚者。バンドメンバーは彼を
含めて4人。それぞれに職業を持っている。

■容疑者になり得るものたち

殺すほど動機には見えないがトラブルが起きても
おかしくはない部分を取り上げてみる。
バンド結成・解散は矢崎が勝手に行ったもので
置き去りにされたバンドのメンバーの中には相当
遺恨に残っているものは多そうだ。

・吉澤佳代 / 事務所社長

金の亡者で着服している。
とにかくSNSを使って儲かるためにはなんでも仕掛けて
いる印象だ。所属しているアーティストの体調とか
状態はほとんど把握していない。

・佐光隆吾 / バンドメンバー

彼は矢崎とよく衝突する人物で、今回の中でも一番
彼が怪しい人物として写っていた。
現在の彼は清掃員として働いていて、挿入された
映像でも薄暗いところでの仕事をこなしていて
不満が募っていたようにも感じる。
彼の場合、誰かを庇っているのではないかなと
思わせるところも有った。

・安本早苗 / バンドメンバー

被害者と男女関係に有った過去がある人物。
サングラスをしていて目にアザがあるのを右京だけ
でなく薫も着眼していた。
現在BARで働いている。

・林田晃司 / バンドメンバー

彼は学生時代に作詞・作曲をしており、佐光の話では
矢崎がソロになった後に彼の曲を無断に使用している
とのこと。
現在は音楽教室”MUSE SCHOOL of MUSIC NO3″で講師
として働いている。

・矢崎優実 / 被害者の妻

元人気アイドルだった彼女。
彼女との結婚を機に被害者はバンド活動を辞めたの
かと思われたし、彼女の立場からすると逆にアイドル
を辞めて彼との結婚を踏み切ったのかの疑問がある。
アリバイについても嘘をついていることが後になって
分かる。

国会議員/衆議院議員・日本民友党の
高橋将弥(46歳)との密会だった。父親も議員・高橋源三

●事件を解く鍵

バンドの練習は23時半まで行われていて、スタジオ
を出たのはみんなバラバラだ。
最後にスタジオを出たのか被害者の矢崎だった。
その矢崎を見送ったのがマネージャーの沢村香音だ
った。

彼女によると矢崎は「誰かと飲み屋にいく」
ことを示唆していたという。

・一体誰と飲もうとしていたのか。

○矢崎の持ち物からも謎が残る。

・現場に落ちていた補聴器
・彼の部屋に有った領収書 (Patisserie Nocturneの
もので、ケーキ屋で¥32400分も購入している。)
因みに領収書は12月6日に書かれたもの。

○彼の仕事・彼の人格について

・ソロ活動時代にKOH名義の作詞・作曲で3枚のシングル
曲を発売している。
(実は林田とは正式に契約していた。権利関係はクリア)
(平成23年9月2日に締結)

・今になって何故矢崎は再結成しようとしたのか

○安本の顔のあざ

男運の悪さ。ギミック的に視聴者を彼女に向けさせた
もののようだ。

○本来三人組のバンド

元々バンドは高校時代に矢崎を除いた三人で行われた
ものだった。
最後に入ってきた矢崎が色々とバンドをかき回して
二年で解散に追い込むところなど自己中なところが
有ったことは否めない。

しかしそのオリジナルメンバー三人もほとんど連絡
を取っていないところを考えると、音楽だけで
繋がっていた関係なのかなと考えさせられる。

●結末

彼は聴覚を失うところだった。
聴力を失うのは右耳か左耳かという議論こそ有った
ものの、実際には既に右耳は聴力のすべてを失われて
いて左耳は補聴器をしていた。

インタビュー映像をしきりに見ていたのは右京だけど
その画面に映るメンバーの視線の中に不自然な流れ
が有るのかと思って見守っていた。

必ずしも熱意・誠意・愛情が伝わる訳では無い。
殺したことになる人もまたそれが伝わらないこと
への憤りだったが、実際には伝わっていない訳
ではなかった。
彼の性格は誤解されることがあろうとも音楽に
向ける情熱は人一倍有ったようだ。
それでもいろんな障壁が有って活動が出来なかった
り、活動しても必ずしも売れる訳では無い。

明日が誕生日だという女性。
悲しいけれど彼からの愛情のつまったケーキが届く
ことになる。そしてフライングだがバースデーカード
はその場で手渡されていた。

■その他

・「友情はゆっくりと熟す果実」

アリストテレスの言葉。

アリストテレスは古代ギリシャの哲学者で知的探求
を指していた。当時の哲学を形而上学や自然学、
心理学に及ぶまで体系的に学問として確立した人物。

・劇中歌「虹の色」

作詞 : さいとういんこ
作曲 : 大山泰輝

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (“こてまり”見習い)

矢崎浩輔 …… 金子昇 (42歳、「DEEP CREW」ボーカル)
佐光隆吾 …… 川野直輝 (「DEEP CREW」ドラム担当)
安本早苗 …… 細野今日子 (「DEEP CREW」ベース担当)
林田晃司 …… 江頭勇哉 (「DEEP CREW」ギター担当)
沢村香音 …… 木村葉月 (DEEP CREW」マネージャー)
吉澤佳代 …… 中原翔子 (「Leggiero」社長)
矢崎優実 …… 加賀美早紀 (40歳、矢崎の妻・元アイドル「白河優実」)
…… ラブ守永 (芸能記者)
…… 久保雄司 (早苗の同棲相手)
…… 浅野夏実 (レポーター)
…… 滝晃太朗 (音響スタッフ)

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