相棒22 第15話 マッターホルンの殺人

相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋本一(1)(2)(6)(8)(9)(15)、権野元(3)(7)(10)
守下敏行(4)(5)、川崎龍太(11)、徳永富彦(12)、
片山耀(13)(14)

脚本:神森万里江(1)(2)(13)、岩下悠子(3)(5)(14)、
森下直(4)
光益義幸(6)、瀧本智行(7)(8)、輿水泰弘(9)(10)
田村孝蔵(11)(12)、川﨑龍太(15)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、古革昌実、
土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第15話 マッターホルンの殺人

【ストーリー】

■警視庁・特命係

土師が得意げな顔をして特命係にやってくる。
特命係の二人に対してとっておきの事件を用意した
とし、完全犯罪が起こったものだという。
しかもその場所とはスイスのマッターホルン。

その事件のことは動画サイト “Vision Stream”
“善ちゃんねる”で配信している人物。
2日前の夜にマッターホルンを登山中の男が山頂付近
で生配信中にそれは起きた。
土師はその時の動画をネットで拾い、その動画は
一般公開されていないお宝映像であること。

その動画を右京と薫が見ている中で再生して見せる。

・”善ちゃんねる”の配信

「”宗介見ているか”」
「今日はビバークして明日の朝に改めて山頂にアタ
ックしたい」

それを発信した後、彼は何かに気がつく。

「なんで?」

そう言うとテントの外に出る。そして暫くすると
苦しそうにしてテントの中に入り倒れ込む。
そこで動画配信は終わっていた。

スイスでのことなので捜査一課に事件のことは
話していないとし、素性も分かっていないので特命に
話を持ってきたという。

土師は言う。
「これは完全犯罪でしょう」
「遺体を埋めれば遭難に有ったと思われて事件にも
ならない」
「さすがの右京さんでもこの事件の犯人を突き止める
のは不可能でしょ?」

右京は動画を見て、
「犯人の誤算は男がどうかの配信中だったこと」
「失礼ですよ土師っちは。不可能化どうかはわかり
ません」

・改めて動画サイトを見る。

チャンネル開設は半年前。マッターホルン頭頂の過程
を記録している様だった。最後に公開されていた動画
は空港から出発する様子を写したものだった。

右京は善ちゃんの家については見当がつくとして
動画に映っている家の窓の外を見るよう告げる。

“江戸の湯”の煙突が見えていた。

■墨田区大村 ヴェラ大村

善ちゃんの本名は善家光明。アパートの管理人から
話を聞く。彼は大菅エージェンシーという芸能プロ
ダクションに勤めているという。

部屋は201号室。
ドアの隙間に挟まれているメモ紙が有った為に
右京はそれを手にして見てみると

「帰ったら連絡ください 宗介」

と書かれていた。
更に特命係の行動を遠くから見ているメガネの子供
の姿が有る。

「宗介くんですか?」
と声をかけるが彼は逃げるようにして立ち去る。

■大菅エージェンシー

社員の一人・加藤敏志に話を聞く。
善家はマッターホルンに行くと言って先週から2週間程
休みを取っている。半年くらい前から突然登山の
トレーニングを始めたこと。
入社は6年前からで、正直仕事が出来るタイプではない
が”愛されキャラ”、”いじられキャラ”として1月に
デビューするアイドル「さんくすがーるず」などから
親しまれていたとのこと。

・レッスン場

大菅泰平はアイドルたちをレッスンする。
子供たちだけでなく親たちも同様の練習をさせる。

「叶えたい夢が有る場合、必ず言葉にしてください。
ポイントは自分の夢を一日十回口にすること。
そうすれば「叶う」という字になる」

その大菅から善家について話を聞く。
彼は履歴書を持って押しかけてきたという。

“夢を追う若者を支える仕事に就きたい”。そういって
頭を下げてきたこと。ハートに熱いものを持つ人間を
個人的には嫌いではないので採用したという。

履歴書を見ると27歳まで聖洋大学の大学院にいた。
理科系の学生だった。そして(株)瑞穂食品の営業部
経て今に至ること。宗介という名前については
心当たりはない。善家にトラブルが有ったのかを尋ねる
と一週間前に足首を捻挫していたとし、おでんを
食べながら歩いていたら歩道橋から落ちたようだと
語る。

■感想

マッターホルンへの頭頂についてネット配信をして
いた男が、配信中にトラブルに巻き込まれたのか、
突然意味ありげな発言し、カメラのフレームの外
に出て戻った頃には怪我をして戻ってくる光景
が映っていた。果たしてこれは事件性のあるもの
なのか。

内容は凝っていたわりには意外と普通の内容だった。

とっかかりの部分に於いて、ネットの動画映像の
中から被害者の素性の割り出しを行うのは楽しい
ものがあるし (昔日本テレビの「鉄腕ダッ
シュ」の中で、一枚の写真から写した場所を探し
出すという企画が面白かった)、一連のドラマ
では子供が関わってくることもあり、そう悪いような
展開は用意されていないだろうことを考えると
安心して見ていられる。

どの人物が他人のことを思って行動しているのか。

子供に過干渉している大人の姿があり、すれ違いの
構図が度々起きている。
どの人物も自分が叶えられなかった夢を次世代に
託したい思いはあるのだろうが、その中には子供
自身の意思が尊重されなければ意味がない。

寧ろ中には子供に自分の夢だと思わせる様に誘導
させていくところは大人の悪いところだ。

■メッセージ性はハッキリとしている

人間は誰もが夢を持ち、それを目指す権利がある。

何者かがそれを邪魔しようとしたり、夢を叶える為だ
と称して子供をそそのかしたりする。

今どきの子供は分からないが、少し前の子供は
親の期待に応えうとして、自分の気持を押し殺して
まで努力しよう光景は有った。親が目指していた
のを目にして子供もなりたいと考えることはあるかと
思うが逆にそれが足かせとなるようではいけない
ことだ。

・2つの家庭が今回対象的な姿として登場する

1つは子供の夢を親が引き止めて現実的な道を歩ませ
ようとするもの。

1つは親の夢を子供の夢に転嫁して叶えさせようと
するもの。

その中には、本当に夢を応援したくて努力する人が居る。
血の繋がりの無いものには、子供の人生に責任を負う
義務は無いが、自分のことを犠牲にしてまで
子供の為に行動を起こすものの姿がある。
しかしそうした姿も近年ではプライベート的なことを
含めてなかなか他人のことや他の家族のことについて
は踏み込めないところがあるのかも知れない。

親の役割は、子供が何をしたいのか。
どんなことに才能を持っているのかを生活の中で
見極めて、その分野を伸ばしてあげることにある
のだろう。

●事件が終結するまでの幾つかの事象

・善家が歩道橋(西小原歩道橋)から落ちて足の捻挫
をしている。
(2月4日の20時18分の防犯カメラ映像が残っている)

・現場に落ちていたブレスレットの欠片
(パワーストーンはダルメシアンジャスパーで新田神社
で売られている)
(垣原法律事務所の写真の中にブレスレットが映る)

・現場に付着していた血痕
・消えた遺体?(被害者)の姿。
(血痕は善家のDNAで間違いない)

・ダルメシアンジャスパーの宝石言葉は「永遠の愛」

・有紗がストーカーを受けていた

・右京と天才将棋青年・宗介の対決

・善家の経歴詐称

●意思を表明する勇気、人生を決断する勇気

何処かで子供が親に自分の心を話すことができれば
事件の流れは止められたかも知れない。

最後に被害者だと思っていた善家は夢を追いかける
人生で後悔していないかを問われる。

自分で決断したからこそ後悔することはない。

しかし肝心の事件もまた意図せずにして、歩道から
滑り落ちたり、倉庫の中でも滑って頭を打ち付けて
いたりする。

●その他

●”さんくすがーるず”

・ななみ(青)
・ありさ(赤) …戸嶋有紗
・ひかり(黄)
・こころ(緑)
・みずき(橙)

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、特命係)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (“こてまり”見習い)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティ)

善家光明 …… 加治将樹 (“大菅エージェンシー”、社員)
垣原宗介 …… 伊奈聖嵐 (小学生、将棋名人)
戸嶋佐奈子 …… 柊瑠美 (有紗の母親、元アイドル)
垣原駿作 …… 越村友一 (宗介の父親・弁護士)
垣原七恵 …… 真下玲奈 (宗介の母親)
大菅泰平 …… 平野貴大 (“大菅エージェンシー”、社長)
根室和晴 …… 園岡新太郎 (“両国将棋センター”、席亭)
加藤敏志 …… 渡邊聡 (“大菅エージェンシー”、社員)
戸嶋有紗 …… 松岡美那 (“さんくすがーるず”、メイン)
…… 久田幸宏 (アパートの管理人)
…… 岡田樹里、美杏、松田夏波、村越莉桜 (“さんくすがーるず」メンバー)

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