相棒22 第3話 スズメバチ

相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)

監督:橋本一(1)(2)、権野元(3)
脚本:神森万里江(1)(2)、岩下悠子(3)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、古革昌実、
土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第3話 スズメバチ

【ストーリー】

■特命係

右京は語る。
亀山が特命係に戻り一年が過ぎた事。
一年が過ぎたのに顔を見せない第三の男がいるという
薫。右京は誰の事かと言うと、

「おっちょこちょいで思い込みの激しい男」

すると特命の窓から中の様子を見ている男がいた。

噂をすれば影・・捜査二課に異動した陣川公平だった。

互いに意地を張って挨拶に来るのを待っていたという。
薫は自分が居ない間に右京に迷惑を掛けてはいないか
と皮肉る。
陣川は”難事件を共に解決してきた”とし、三人が
揃ったことだしまた一緒に力を合わせて頑張ろうと
語る。

それを聞いた薫は嫌な予感がするとして、またいつも
の早とちりなのではないか?と薫。

・角田が来る

陣川が来ているのを見た彼は、

「また美女に惚れて事件に巻き込まれでもした
のか」

と問う。

角田はニュースがあるとして来ていた。
世田谷区にある「西の丸公園」で遺体が発見された
が現場検証が不可能だという。
その理由は遺体の近くにスズメバチが大量に飛んで
いるからだった。

■西の丸公園

捜査一課トリオは遺体から離れて会話する。
芹沢の知り合いの蜂駆除業者は2時間後、出雲が連絡
を入れた業者も現在作業中の現場が済んでからだと
いう。

・特命係が現場入り

伊丹は二人の登場に苛立つ。
出雲によるとかかりつけた巡査の話ではスズメバチ
が草の中から何匹も出て来たとのこと。

化学防護服などを着て近づけないのか。

そういう芹沢に対して、薫は蜂に対する知識を述べる。

『巣は茂みの奥にある。そういう場所に巣をつくる蜂
はオオスズメバチ。蜂だけでなく昆虫界の中でも最も
危険な存在の一つ。大きさはスズメバチの中でも最大
で毒針の長さは7mm近くもある』

それならば遺体は他殺ではなく蜂に刺されたことに
よるショック死も考えられないか?と出雲。

・公園管理人と香里台交番勤務・佐川倫之助

彼らが現場にやってくると、佐川が急いで報告する。

「犯人を名乗る人物からの電話がたった今、管理
事務所に入った」

電話対応をした管理人に話を聞くと、現場に駆け付
けた警察官に変わる様に言われて佐川が出たと
いう。ボイスチェンジャーを使った声で語る、

「あの男は死んでいない。眠っているだけだ」

それを受けて本当に生きているのであれば救護師
無しで近づく方法は無いのか。

すると右京が無鉄砲にも何も身に着けずに近づく。
薫が後を追って右京に白いネットの帽子を被せる。

『蜂は濃い色を攻撃する。頭と目が一番危険。
蜂は垂直方向に見づらいので、なるべく姿勢を低く
すればそれだけ認識されづらい。歩き方でも巣に
振動が伝わらないように・・。蜂が飛んで来ても
横方向の素早い動くに反応するので手で振り払わ
ないで』

と語る。

・遺体

確認すると男は出血量が多く死んでいた。
スーツの内ポケットから財布だけを取ってくる。

■村岡めぐみの家

ナイフを手にする村岡めぐみ。
携帯の音が鳴ると恐る恐る待ち受け画面を見ると
陣川からの電話だった。

『今からそっちに行っても良いですか?』

■遺体を調べる

遺体の遺留品を調べる。
被害者の名前は加藤星也世田谷区の香里台の
マンション、レジデンス701に住んでいた。
勤めている先は六本木。飲食店のレシートはどれも
六本木で時刻は昼時だったから。

捜査一課は自宅から捜索することを語る。
特命係は右京の提案でお茶をしようという。
「珈琲サロン -紗-」という店のレシートに目に
留まる。それは他のレシートと違って下北沢に
店があるものだった。
自宅からも勤務先からも離れている為に、彼が
何の目的で来たのか調べることから始めようとする
ものだった。

■感想

陣川くん出演エピソード。
なんだかんだ言って陣川くんは長いスパンで見ていく
と微妙に昇格しているのは気のせいか。

このドラマのパターンは、重要なシーンに於いては、
捜一が行く所に特命係の2人が既に居たりするが、
この陣川くんが出てくるエピソードでは、その特命係
よりも先に彼が居たりして脅かされる。

亀山くんが右京さんを上回る程の甲虫の博識ぶりを
披露していく。今回のタイトルはスズメバチなので
自ずと蜂に対する習性を知らせて右京をアシストし
相棒としての役割を果たしていた。

殺人事件の捜査に於いてはどうしても洞察力の鋭い
右京が独壇場になりがちなのでこのすみわけの仕方
は悪くないし、今回は捜査に於いても亀山くんの
解説によってこれから動こうとしている右京の意図
などの解説を担当していたので分かりやすい。

無謀に振舞う様は亀山くんの専売特許だが、今回の
ドラマでは右京さんが亀山くんのような行動を見せる
ところも有り、面白い役割のいじり方だった。

事件捜査のとっかかりは、陣川くんからもたらされる
かと思っていたが実際には角田からの情報で、
スズメバチが遺体付近を飛び回っているので捜査どころ
か遺体の検視すら出来ない状況だという話から始まる。

ドラマではあらゆる事象に対して偶然性は決してな
いことが後半に進むに従いに段階的に真相として明か
されていく。その辺の様子・流れがとても上手く作ら
れている。

・万引きの瞬間。
・パトロールの時間に通報。

そしてめぐみが現場付近に居たのは偶然なのか。

[事件]

被害者 : 加藤星也
発見現場 : 世田谷区の西の丸公園
死因 : 胸部を刺された事による出血性ショック死
死亡推定時刻 : 10月16日(月)、午後23時30分
職業 : IT企業大手
第一発見者 : 女性だったが姿が居なくなる(サングラス)
備考 : 遺体は別のところから運ばれて来た痕跡がある。
被害者の家の換気口の中に盗聴器が仕掛けられていた。

●捜査上の違和感と鋭い観察眼

・財布の中にある数々のレシートの中には一枚だけ
違うものが有る。それにいち早く気が付くかどうか。
その違いは生活エリア内では有りそうだが日常ルーチン
からは外れた場所にある下北沢にある珈琲サロン。

・めぐちゃん(村岡めぐみ)の自宅に初めて訪れた際に
警視庁の人間だと名乗っても驚きが無く、その訪問の
目的にも興味を示さなかった。

・陣川くんは既にめぐみと面識がある。
そんな陣川くんを追求する右京の優越感的やりとり。

・めぐみが店を辞めた理由。

・めぐみの万引きに対して藤巻英子が目の前にいる
のに実行したこと。

・身を守るための擬態。
亀山が小料理屋で話したカミキリ虫とスズメバチの
擬態の話が人間関係でも適用されるのではないか。

・盗聴器を仕掛けた人物は女性。

・何故リスクを冒して遺体を殺害現場からうつしたのか。

●人の気質、性格、習性

人の性格とか気質というのは変わらないものなのだ
ろうか。殺された男はDV男であり過干渉する神経質
な男性だ。そんな男性が他に被害者を出していない
筈はない。

8年前にストーカー被害に有っていた女性が居ること
が発覚する。

ストーカー的気質について右京が説明したシーンが
有る。

・拒絶型

交際相手から別れを切り出されると自分の全てを
否定されたように感じて報復する。
歪んだ自尊心の塊。

・被害者が悪態をつき、加害者は低姿勢を貫く

彼女の行動は世間に助けを求めるシグナルであり、
彼女はカトーカーの彼氏の自尊心を傷つけること
なく自分の存在自体を低めることで、相手の方から
去っていくような面倒を起こす女性を演じようとした。

シグナルを発した人たちは彼女が犯罪を振われて
いることに気が付かない。

・ストーカーは一人では終わらない

このドラマでは、めぐみ以外の女性の影が終始漂って
いる。これがちょっと分かりすぎるくらいに分かり
過ぎた。今回出て来た女性は二人であり、喫茶店の
店員と研究職の女性だけである。

警察官は民事不介入とはいえ、扱いの中に親身な
ものがなかったと被害者に感じさせたことで
少し複雑な展開を用意する。

●キーアイテム

「盗聴器」「ナイフ」そして「携帯電話」
重要なものだった。

盗聴器を仕掛けたのは誰なのか。

ナイフを護身用の為に持っていただけとのめぐみの
主張。

「いつ危害を加えられるか分からない恐怖」

●説明のつかない違和感

・めぐみは最初に加藤の本性を語らなかった。
・加藤が公園で夜に待っていた理由
・彼女は現場に向かうが、そもそも共闘していた
ものなのか。人生を壊されたと感じる人の方が
恨みを持ちやすいが、最初の被害者の方は彼から
逃れて成功者となっている。逃げたことで他の人物
が被害を受けたことに罪悪感も有ったのだろうか?

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (“こてまり”見習い)

陣川公平 …… 原田龍二 (捜査二課・警部補)

村岡めぐみ …… 生越千晴 (加藤の交際相手)
藤巻英子 …… 鮎川桃果 (“KB&KD”武蔵野研究所研究員)
佐川倫之助 …… 俵木藤汰 (香里台交番巡査)
加藤星也 …… 一ノ瀬翔太 (“デジタルノアソリーションズ”事業企画部)
小山紗栄子 …… 良田麻美 (珈琲サロン「紗」店長)
…… 岡安泰樹 (スーパーの店長)
…… 三上剛 (公園管理員)

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