特捜9 S3 7話 Gメン2020

特捜9 S3
(2020年4月期・テレ朝・水21時枠)

第7話 万引きGメンの死
(狙われた女 万引きGメンの死!!)

【ストーリー】

国木田は誰も居ないオフィスのデスクの掃除をする。
食べっぱなしの部下たちに呆れている中、特捜班宛に事件
の通報がある。

・2020年5月10日
●中央区・新晴海1丁目 / 事件発生現場

女性が自転車にもたれかかるようにして死亡していた。
志保と村瀬は爪痕がある事からも強く抵抗した事は確かだ
という。
直樹は少し遅れて現場入り。
遺体の状態を見て『絞殺されたもの』なのか?と尋ねる。

第一発見者は散歩中の主婦。
『死亡推定時刻』は午後19時から21時の間。
矢沢と青柳は社員証から被害者は相澤麗美(29歳)、中央セ
キュリティ・保安警備課だという。

被害者の上着のポケットから『指輪』が見つかる。
ダイヤの指輪で37万3920円のもの。しかし値札が付いている
のが不自然だった。盗品なのか?

新藤が現場にいないことに気がついた直樹。
電話してみると彼は既に被害者の携帯の通信記録を調べて
おり、最後の着信は「5月9日・19時7分」。殺害された前日
の夜。新藤は既にその発信者の勤務先に向かっているという
ことを聞いて直樹は先走るなといつものように叱りつけ、
自分が到着するまで待つよう語る。

●中央セキュリティ / 被害者の職場

青柳たちが会社を訪れると対応に出た片岡守は、相澤は
万引きGメンだったという。昨日は休みの日であり、優秀な
人物だったこと。犯人の検挙率も常にトップだったという。
トラブルを抱えていたことは無かったかを尋ねると、
2ヶ月前に男が尋ねてきて、もの凄い剣幕で怒鳴っていった
という。訪問者記録に書いてあるという片岡。捕まえた万引き
犯リストもあるというが、令状を求められる。これはあくまで
個人情報なので・・ということで青柳たちは仕方なく一時
退散する。

■感想

色んな要素満載で、今回出てきた容疑者全員に犯罪者として
の嫌疑・可能性を持たせたところが良く出来ていた。

表面的なところだけ観ていると正しいことをしている万引き
Gメン・相澤がまるで悪い人のように描かれている所も有り、
人は身勝手な生き物だと思わさざるを得ないところがある。

最後までホンボシを見つけるのが難しく、逮捕者リスト
(正確にはセキュリティ会社なので逮捕ではないのか)
を手に入れてそれぞれの人物を調べていく内に、色んな
人生模様を通して負の連鎖が存在しているところを観ると
考えさせられるけど、そういう不幸な人物を更に陥れようと
する男の人間性があまりにゲス過ぎて消化不良だったところ
も有った。

おれおれ詐欺同様に多くの人の人生を散々振り回して狂わせて
いく犯人の男・宮坂の人格障害的な楽天さに怒りを禁じ得ない
し、小さなことでも本人に取ってみればトラウマのようにして
何年・何十年と心をむしばんでいくものなんだなと感じさせる。

身から出た錆びというにはちょっと悲しい人生の糸が後を
引きずりすぎた。

しかし正直冒頭の段階で相澤は万引きGメンをしているだけ
有って護身術にも長けている。その彼女は爪に傷跡が付いて
いたよね。あの段階でDNA捜査で色々と分かりそうなところ
が有りそうな気がする。

・事件関係者 / 検視

先週同様に一見被害者だと思って居たものが加害者だという
ことを示唆する流れに繋がっていた。
殺された相澤は万引きGメン。その人に捕まった人は人生を
狂わされる人も居るのだろうが、本来は捕まった人物そのもの
が悪いことをしているという所になかなか加害者の家族は
目が行き届かない。

・飯倉秋代(53歳・清掃員)

被害者の相澤と最後に通話した形跡があったことでその時の
会話内容が真相をつなぎ止めるピースの一つとなる。
息子・悠馬を12年前に亡くしていること。
悠馬が万引きしているところを相澤に見つかり逃走している
最中に階段から落ちて亡くなってしまった。
ピースを埋める要素として当時のガラケーを修理した所、
その中には日記が書かれていた。当時何故万引きしたのかが
書かれていた。

・大森月子・総一郎

この二人の関係が夫婦関係という意外に何か有ると考えるの
は自然の流れだった。虐待しているのだろうなと思って居た
けど、虐待というよりも洗脳に近く、旦那は教育評論家の
様なことをしているので人身掌握術に長けているのかな。
月子の方は万引きがクセになっていて、真澄さんによると
窃盗症/クレプトマニア(kleptomania)の可能性を示唆する。
女性に多いとのこと。
指輪の流れは彼女が万引きしようとしていたところを相澤
に見つかっており、当時のアリバイが鍵となる。

・松浦秀人

鈑金塗料社で働いている人物。
相澤が勤務する会社に2ヶ月前に怒鳴りに来たということで
調べることになる。彼には松浦梨々子という妹が居て
保育士として働いたが、後に依願退職となっていた。
ただし園長によると辞めた原因は梨々子がAVビデオに出ていた
ことが原因。ただ何故そんなビデオに出ていたのかが鍵となる。

・第2の事件

相澤のことを恨んでいた飯倉秋代が襲われる事件が発生。
ただしこの件は後に分かるが犯人に対して包丁を振りかざして
いたので正当防衛になりそうな案件だ。

・それぞれの役割

・直樹と新藤

新藤が掴んできた情報を元に相澤と最後に連絡を取っていた
飯倉秋代周りを調べていた。

その後彼女には息子がいたことがわかり、万引きしたとされる
本屋に話を聞きに行った。

・志保と村瀬

宝飾店に行き、そしてそこの防犯カメラから指輪を盗んだ人物
を特定し大森家へ。アリバイを尋ねると銀座の映画館で
「愛と裏切りのレクイエム」を観ていたとしチケットの半券
を出してきた。しかし別の防犯カメラ映像からすぐに彼は
妻ではなく母と言っていたことが判明。

志保と村瀬の間に今回、良いシーンが有った。
志保は月子の件では感情的になるシーンがあるが、過去に
親友が似たようなことになったのが原因。村瀬がそんな志保
を励ますシーンがあり、とても良い場面に繋がる。そろそろ
二人を結婚させてあげてくれ!!

・青柳と矢沢

相澤の職場を訪れたりしていた。
そこでトラブルにあった鈑金工の元を尋ねる。
後々のことになるが、ドラマでは「ベンガラ」という天然塗料
が事件現場の全てで検出される。
「神社の朱塗り」「成分は酸化鉄で建築塗料・文具・化粧品・
工業用・窓ガラスの磨き粉(研磨)に使用されている物質」

・国木田

この人は必要なのか?
志保が激怒していたけど捜査はしないし、校正だけしかして
いない。

■クローズド

2008年の悠馬のガラケーの復元などから、ウエダという人物
が万引きの件で絡んでいることが判明。
ウエダという人物が彼の同級生だったであろうことを知って
名簿を調べる。難航したが難しい名字「女部田」と書いて
ウエダと読む人物がいた。裁判所で8年前に改名し父方から
母方の名前(宮坂)に変えていた。
一方で「坂上唯」という人物も事件に関与していることが
判明する。それは梨々子を無理矢理「太陽と光の会」から
連れだしAVに出演させたことを上手いこと利用された格好
だった。

犯人は宝飾店の店主の宮坂。色んな人の人生を狂わせ間接
的に人を殺害している。なかなか罪に問えないもどかしさに
繋がった。

■出演者

浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (特捜9・主任)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (特捜9)
青柳靖 …… 吹越満 (特捜9)
矢沢英明 …… 田口浩正 (特捜9)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (特捜9)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (監察医)
新藤亮 …… 山田裕貴 (特捜9)
浅輪倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の妻)
神田川宗次朗 …… 里見浩太朗 (警視総監)
佐久間朗 …… 宮近海斗 (鑑識)
広岡巧 …… 新貝文規 (監察医)
三原達朗 …… 飯田基祐 (刑事部長・広域捜査担当・審議官)
国木田誠二 …… 中村梅雀 (警視庁・総務部・広報課)

相澤麗美 …… 水沢エレナ (29歳、中央セキュリティ・保安警備課)
飯倉秋代 …… 中島ひろ子 (53歳、清掃員、12年前息子の死)
宮坂(女部田)宏 …… 橋本淳 (宝飾店”BRIDGE”・店長)
大森月子 …… 山下リオ (29歳、専業主婦、万引き常習)
大森総一郎 …… 大内厚雄 (47歳、教育評論家)
松浦秀人 …… 栄信 (滝野川鈑金塗装)
松浦梨々子 …… 平口みゆき (ひまわりの花保育園・保育士)
片岡守 …… 清水伸 (中央セキュリティ)
山本誠一 …… 野仲イサオ (元・山本書店)
滝誠一 …… 菊川浩二 (現場立ち会い)
藤木 …… (宝飾店”BRIDGE”・店員)
光子 …… 高橋珠美子 (万引き自助グループ”太陽と光の会”)
飯倉悠馬 …… 永嶋玲 (当時17歳・高校生)
園長 …… 後藤ひろみ (ひまわりの花保育園・園長)
大村寛三 ……