特捜9 S3 第8話 Wの殺人

特捜9 S3
(2020年4月期・テレ朝・水21時枠)

製作総指揮、大川武宏
プロデューサー、神田エミイ亜希子、金丸哲也、丸山真哉、
森田大児
脚本 – 徳永富彦(1)、稲葉一広(2)、瀧川晃代(3)、山岡潤平(4)、
丸山真哉(5)、岡崎由紀子(6)、森山まゆみ(7)、たかひろや(8)
監督 – 田村直己(1)(2)、兼崎涼介(3)(4)、(5)、上堀内佳寿也(5)
(7)、田村孝蔵(6)、細川光信(8)
音楽 – 吉川清之
エンディング V6 「It’s my life」

https://www.tv-asahi.co.jp/tokusou9_03/

第8話 Wの殺人
(内なる敵…1000円格安チラシ捜査マンション密室殺人)

【ストーリー】

・2020年7月2日
●被害者・桜井のアパート / 江東区西大島

直樹が到着する頃、鑑識やチームの面々は全て到着していた。
新藤は直樹に状況を説明する。
遺体はここの401号室に住む桜井梨花(30歳)。ロープで首を吊
った状態で発見される。部屋を見るが荒らされた様子は無し。
玄関の鍵はかかっていたという村瀬。
新藤は自殺の可能性を示唆するが、志保によると洗濯物が
洗ったままの状態だったのでそれを否定する。
自殺が偽装ならば密室殺人事件ではないかと新藤。
単純に合鍵を持つ人が居るのでは無いか?と。

第一発見者は長谷岡幹子(55歳)。
被害者が所属していた団体 NPO「For W(omen)」の代表理事。

早速幹子に話を聞く。
団体は女性の労働環境改善の目的の為に活動しているもので
梨花は役員だったという。大事な会議を無断で休んだので
見に来たという。今までには休んだことはないとのこと。
鍵がかかっていたので帰ろうとしていた所、室内から電話の
音が聞こえたので合鍵を使い中に入って現場を見たという。
部屋の合鍵は持っているとし、あの子が学生の頃から面倒を
見ているという。

室内を見て回る直樹。
電車で痴漢の犯人逮捕強力によって江東中央署から感謝状が
贈られている写真と賞状が飾られていた。
平成22年7月3日の1日に帝京線内で3人の犯人(36歳、24歳、53
歳)を逮捕・協力していた。
そんな彼女の部屋にはアルタイル観光と書かれた彼女の社員証
が見つかる。

直樹は室内の床に白い粉末が落ちているので朗に頼んで調べて
もらう。新藤は管理人に頼んで防犯カメラ映像を見るという。

●アルタイル観光

志保たちは梨花が社員証を持っていた会社へ。
そこで岡崎美緒(25歳)から話を聞く。すると彼女は課長の
黒木亮(42歳)から『セクハラ』を受けていて梨花が助けてくれ
たという。社長の小坂順也(52歳)に報告して黒木は辞めたとの
こと。

応接室にいくと社長の小坂がやって来る。
名刺を差し出すが彼は志保ではなく村瀬に渡す。
そして彼は黒木は首ではことを告げ、あくまで自分から辞めた
という。セクハラと言っても多少の言葉遣いの問題と宴会での
ハメを外したことがあった程度だという。この言葉に志保は
怒りを覚える。

マンションを調べていた新藤と直樹。
防犯カメラは壊れていて使えなかった。
そんな状況の中直樹は被害者の部屋でも探っていたが、
マンションのゴミ箱にもまた広告の『チラシ』が入っている
ことに気がつく。しかもエアコンクリーニングが1000円だと
いう格安チラシ。

●検視局

真澄によると『死亡推定時刻』は昨日7/2の午後1時から4時。
『死因』は頸部を圧迫されたことによる窒息死。自殺の可能性
はなく「首の後ろにロープ痕がある」ので自殺では付かない
跡だという。青柳はもう一つ調べて欲しいものがあるとして、
「指の爪の間」を指摘する。

■感想

今回もなかなかトラウマ的復讐の連鎖の構図が豚のしっぽ
の如く繋がっていて、殆どの人が過去の事件に関わっている
流れがある。
刑事ドラマとしてよくあるテーマの中に「正義の為の犠牲」
がこのシナリオの中にも含まれており、誰かの復讐をすれば
被害者は救われるのかも知れないが、その正義は完璧な
ものでも無ければ、時に人が行う正義の鉄槌なので誤った
方角へと向かってしまう。

国木田さんは非常にもどかしい存在になってきたが、
今回はそれを教えてミスを無くす為の刑事としての心得みたい
なものを教えてくれた貴重な存在だったのだろうね。

容疑者は沢山出てきて殺害する程の動機がある人物も何人か
居たような感じ。社会的信用を失うことは日本では死に値
するようなものだし、性的虐待・暴行を受けたものに取っては
そこでトラウマのようなものが発生してもおかしくはない。

女性を救うための組織だが、それも度が過ぎるとこのような
事が発生する。

今回は珍しく倫子ちゃんが登場。いつもながら尻に敷かれて
いる直樹だけどやはり彼女との会話でヒントをもらうことは
お約束だ。そして直樹が徐々に前任者の主任たち同様に
初動捜査の着眼点がかなり変わってきていることもまた
このドラマの特徴を反映してきたのかも知れない。

・事件関係者 / 検視

・桜井梨花

被害者の女性。学生時代から長谷岡に助けられて育ったみたい
だけど両親はどうしたのかな。
大学時代の平成22年・彼女が20歳の時に痴漢3名を一日に逮捕
した過去が発見され、その中の一人がえん罪を主張していた
ということから事件捜査の幅は広がりを見せる。
また長谷岡とはNPOでのやり方・方針について対立関係に
有り、梨花は過激な方法を使ってでも女性を助けようとして
いた。その件で長谷岡とは少し険悪な関係にある。

・長谷岡幹子

NPOの代表で被害者の桜井梨花をよく知る人物。
NPOを立ち上げた人物なので梨花が理事の座を狙っている事
で容疑が出る。
今回は倫子ちゃんが直樹に対して、「外のことにはよく
気がつくのにウチのことには気がつかない」
と言った様に
梨花への異常性には見過ごしていたところもあるようだ。
梨花が亡くなった時のアリバイがポイントとなった。
また彼女の右腕に傷跡があったのを青柳は見逃さず、被害者
と争って付いた傷だとみて最後まで”内緒”で追いかけていた。
アリバイを調べる中でボルタリングジムに通っていたことも
あり、そこでアリバイトリックを使っているのかと思われた
がDNA鑑定には協力的だった。

・黒木亮

社員の岡崎美緒をセクハラしたことによって会社を辞めた
人物。葛飾区の就労紹介センターで彼と会った際に、色々と
話を聞いた。
その中で梨花からメールが届いたことを知る。

「エイブル(Able)・マイク(Mike)・アイテム(Item)」

旅行業界だとアルファベットの読み方が違い“エイブルベー
カー”
というコードを使う様だ。AからZまで違う読み方が
有って、「Able=A、Mike=M、Item=I」=「AMI(アミ)」。
不倫の相手のようで、会社を辞めないと家族にバラすと
脅した様子。

・小坂順也

黒木の上司で旅行会社の社長。
元々この人物が岡崎のことを執拗にセクハラしていた様子。
梨花は会社に潜入して社員になってまで彼を懲らしめようと
していた。

・えん罪の男性

痴漢の罪で有罪にされたが、常に無実を訴えていた。
そして既に自殺している。
自殺していると分かるまでは、えん罪の罪を着せられた人物
が誰なのかというところに興味を覚えたが、現実にはその
関係者が復讐に走っていた様だ。

・それぞれの役割

・直樹と新藤

現場周辺で色々と調べていた。
エアコンクリーニングのチラシには最後までこだわって居たし
現場に落ちていた粉末に気がついたのも直樹だった。

・志保と村瀬

梨花が勤めていた旅行会社のことを調べていた。
ここの社長は名刺を差し出す際に志保ではなく村瀬に渡して
いたところを見ると余程ジェンダー差別がある。

・青柳と矢沢

爪の間に挟まる皮膚片を見つけた青柳は、チームに内緒で
行動を起こす。通常真澄の所には志保さんとか直樹が行く
ことが多いけど青柳さんたちが訪れる機会が多かった。
後にNPO団体を調べる際には長谷岡の髪の毛を無断で持ち帰っ
た。

・国木田

青柳の捜査は不法捜査だとして令状を取ってから捜査する
よう告げ、青柳は激怒していた。この人やることやってない
からね。

■クローズド

結局えん罪になった息子の無念を晴らすために犯罪を仕組ん
だ梨花を問い詰めるが、この人は反省していないと見て
現在の梨花が行っているように「新たな被害者を止める」
いう名目を以て殺害を行った。
息子はロープで首を吊って自殺したので、同じ殺し方をした
のだろうか。
梨花の存在は偶然の出会いであり、まさかのものが有ったの
だろう。
青柳たちが疑っていた皮膚片は空振り。
そして直樹が疑っていたチラシの流れとボルダリングで使う
滑り止めの「炭酸マグネシウム」が落ちていたのが結果とし
て決め手となる。「ルート」というキーワードを強調して
いたし、粉が道筋を示唆するものだったり
窓側からの進入方法という虚をついた格好だった。

最後に特捜係のものたちは無念を晴らすには殺害では無く
無罪の証明だとしていたが、痴漢のえん罪の無罪を晴らす
のはまず無理だろう。しかも平成22年の事件だからね。

ただ梨花の復讐の流れで小坂社長は問い詰められそうな感じ
だったね。

■出演者

浅輪直樹 …… 井ノ原快彦 (特捜9・主任)
小宮山志保 …… 羽田美智子 (特捜9)
青柳靖 …… 吹越満 (特捜9)
矢沢英明 …… 田口浩正 (特捜9)
村瀬健吾 …… 津田寛治 (特捜9)
早瀬川真澄 …… 原沙知絵 (監察医)
新藤亮 …… 山田裕貴 (特捜9)
浅輪倫子 …… 中越典子 (パティシエ、直樹の妻)
神田川宗次朗 …… 里見浩太朗 (警視総監)
佐久間朗 …… 宮近海斗 (鑑識)
広岡巧 …… 新貝文規 (監察医)
三原達朗 …… 飯田基祐 (刑事部長・広域捜査担当・審議官)
国木田誠二 …… 中村梅雀 (警視庁・総務部・広報課)

桜川梨花 …… 小林涼子 (30歳、NPO”Fow W”職員)
長谷岡幹子 …… 千葉雅子 (55歳、NPO”Fow W”代表)
小坂順也 …… 松澤一之 (52歳、アルタイル観光・社長)
布江浩一 …… 荒谷清水 (エアコン清掃、ボルタリング)
竹本雅代 …… 赤澤ムック (NPO”Fow W”職員、江清ビル)
岡崎美緒 …… 川添野愛 (25歳、アルタイル観光)
黒木亮 …… 児玉貴志 (42歳、アルタイル観光・課長)
布江信司 …… 内藤光佑 (順也の息子)
ボルタリングジム・スタッフ …… 桜田航成 (事情を聞く)
301号室の男 …… 金重陽平 (401号室は梨花の部屋)

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