アンサング・シンデレラ 2話 分かる、それ分かる!!

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋
(2020年7月期・フジTV・木22時枠)

原作 – 荒井ママレ
脚本 – 黒岩勉
主題歌 – DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」
音楽 – 信澤宣明
プロデュース – 野田悠介
演出 – 田中亮、相沢秀幸

第2話 薬剤師は薬を渡して終わりじゃない

【ストーリー】

病院の調剤室の薬の種類は1200種。全て置いてある所を覚えて
いかないと・・。万年人手不足の薬剤部に相原くるみが
やってくる。みんな歓迎するも、くるみはあくまで自分の
意思を優先するという。いつもここは戦争状態で忙しい。
遅延でクレームを投げかける患者もいる。しかしくるみは
葵が人を助けたのを見て「薬剤師も患者の命を救うことが
有るんですね」と語るも、瀬野からは否定され「救ったのは
医者だ」と。HELPP症候群を疑った葵は産科医の林に提言する
が薬剤師が意見したことに林は問題があるとして「医療安全
委員」の議題にすると言われる。そこでは葵は問題には
ならなかった。しかし七尾は「葵のやり方は間違っている」
と語る。外来の辰川の中華店で食事している中、葵に対して
小野塚という人物が話しかけてくる。薬剤師は患者を守る
最後の砦なので見落とし・失敗は絶対に許されない。

みんな病院の人にはそれぞれ大切な日常があってこれからも
それぞれ未来が続く。守って行くのが薬剤師の仕事だ。

●萬津総合病院

・大宮清は右上腕骨折で入院してくる。

・一方外来で息子・礼央を連れてくる母・山口真央は職場と
電話連絡しながらやってくる。自宅でできる仕事ならば
どんなに振ってもらっても大丈夫であると。
息子の礼央はマスコプラズマで通院していた。

●萬津総合病院・調剤室

販田部長は焦った顔をして調剤部に向かう中、葵は目隠し
して味見した薬の名前を当てていた。工藤やくるみ、羽倉
が見ている中、最初のは「メイアクト」で後のは「フロモッ
クス」だという。羽倉は2択だし偶然だと言うが、葵は
甘味の種類が全然違うという。メイアクトはバナナで
フロモックスはイチゴ風だという。新薬が出たら臭いと味を
確認するのは当然だという葵。

刈谷はそろそろ外来が始まることを告げる。
「重要なのは素早く正確により多くの患者に薬を渡すこと。」
「味の知識など必要はない」

販田がやってくる。
本日厚生労働省の麻薬取締官が12時頃検査に来るが管理は
大丈夫か?と。
色々と医療用の麻薬を改めてチェックする。モルヒネ、
オキシコドン・・調剤室は問題なし。麻薬管理室はどう
なのか工藤と高橋に一緒に確認する事を求める。

●萬津総合病院・診察

葵とくるみは薬物指導の為に病室を回っていく。

簑島心春はこのままちゃんと薬を飲んでと語る。
新しく入院した大宮の病室では女性・篠原麻利絵と言い争い
をしているようだった。
「どうしてなのか?」「母も大宮さんに来てもらえと言って
いた」と。
そこに葵たちが割り込むようにして入ってくる。
薬のことで来た事を告げると、昨日の夜に階段から落ちて
腕を骨折したのですねとし、飲んでいる薬は現在無いのかと
問う。しかし検査では肝機能の数値が上がっていることが
有った為に何か最近治療や薬を飲んだということはないかと
尋ね、持病とか体の不調は無いのか尋ねるがないという。
その大宮は少しトイレにいくとして、袋を持ったままベッド
から立つ。
不在の間に麻利絵から話を聞くと複雑な家庭の事情がある
ことがわかり、一応父親だと語る。

そんな中大宮がトイレで倒れたという声が聞こえ、救命セン
ター処置室に運ばれることになる。

■感想

ドラマは安定飛行中ですけど、少し色々なエピソードを混ぜ
過ぎて散漫化しているかな。これだけ問題などを混在させて
いれば逆にナースの仕事・・ならぬ調剤師の現状を伝えるの
に十分なものは有るけれど、その分個々のエピソードの流れ
を同時進行させてはスイッチャーさん大忙しって感じの演出
では有った。

問題は大きく分けて3つ有る。

・麻薬取締官の監査
・シングルマザーの子供の病気の苦悩とサポート
・患者の飲んでいる薬と病院の既往歴の調査

一番残念なのはマトリのエピソードが実に安っぽい。
調剤師や病院にとって「薬一錠の大切さ」を伝える為に
挿入されたのかも知れない。銀行員の物語で言うところの
「1円の計算違い」の様だけど、医療麻薬の扱いだからね。

それ以外のエピソードはかなりシリアスな流れを保っていた
ので、この流れでバランスを調整しようとして失敗したのか
というくらい場違いさは否定できないところ。
「荒神さん」を冒頭で変に際物的キャラとして持ち上げた
ところにかなりの使いづらさみたいなものを感じる。
その荒神さんが起こしたミスでも有ったしね。

どのエピソードでも薬一錠の重みは一貫して描かれている。

薬と薬の科学反応的流れなんかも興味深いし、3つ目の
エピソードは患者からは聞き取れない薬の服用歴を生活環境
の中から見つけ出していくところは完全に「Dr.HOUSE」
なものが有る。
ただ薬ってちゃんと水で飲めとか言われるよね。子供だから
飲みやすいように・・との事だけど、チョコアイスとの食べ合わせ
で薬を飲んでも大丈夫なのか。

また共通するものとして「時間稼ぎ」的流れがある中で、
時間の大切さを描いて見せた。
「時間」と言っても一分・一秒の瞬間的なものから
20年に渡るスパンの長い時間の経過・単位が存在する。

■患者

・大宮清

右上腕骨折で入院してきた患者。
娘に篠原麻利絵がいるが20年前に事業に失敗した際に父親は
家から逃げ出してしまった。
そんな娘から結婚式に出席して欲しいとの願い。
それを拒否する父親。
葵たちが来た際にトイレに行くと抜け出した後、トイレで
薬を飲んで廊下で倒れて発見。

救命センターに運んでアミオダロンを打つ。

ずっと不整脈が続いていて抗不整脈薬を打ったが効果無し。
葵は病室を出る際に薬を持っていたので何かを飲んだで
あろうことを臭わせる。
こうしている間にも頻脈になっていく。昇圧剤を打って繋ぐ
中で葵に頼んで彼が飲んでいた薬を調べてもらう。

自宅を調べるとロペラミドのような薬の欠片が机の中から
出てきた。その場合拮抗薬のナロキソンの投与が必要。

しかしロペラミドを本当に飲んだのかは処方している医師か
病院の確認が必要だった。病院の診察券を元に色んな病院
に電話して大宮清が通院していないかを尋ねる。

彼は大腿部骨肉腫を患い、術前化学療法の為の抗がん剤に
シスプラチンを使用し、その副作用の下痢を抑える為に
ロペラミドを使用していた。

助かった後に、彼はアドリアマイシンやイホスファミド
などの抗がん剤治療が必要となる。シスプラチンで副作用
が出ているくらいなのでこれらで副作用が出る可能性は
多く苦しいリハビリになることは必至だ。

・山口礼央

マスコプラズマで通院している子供。
痰を切る為のカルボシステインと抗生剤のクラリスロマイシン
を処方され、朝食と夕食の後に一袋ずつ飲む毎日。
母・真央は副作用を気にする。
抗生剤は強いから大人でも大変だが子供だと心配は尽きない
のだろう。副作用に幻覚や意識障害が出る場合があるという
ネット情報を気にするが、これは安全性の高い一般的な処方
だと納得させる。

ただジュースと一緒に薬を飲ませるがとても苦いので子供は
嫌がる。
苦い薬の時にジュースを飲むと余計に苦さが増す。
ただチョコアイスに混ぜて飲めばそれを打ち消すことが出来る
という事で刈谷が教えることになった。

・調剤室

フェンタニルが1本足りない状態だった。
鎮痛剤でモルヒネの50倍の強さ。
ペチジン、オキシコドンは問題なかったが、フェンタニルが
無いのは問題だった。
マトリが来る中、その薬は実際には胸部外科の本村医師が
病変の急変の為に胸部外科の金庫に入っている。
都合良く本村医師は医師会の診療連携会に行って連絡が
付かない。
葵2号のくるみが潜入し、なんとか本村に直接アポを取って
厚労省が待つ間に薬を滑り込ませた。

■刈谷と葵の意見の相違

辰川秀三が働く中華料理店へ主要メンバーだけ連れて行った。
いつも病院の調剤にクレームを入れるのでさりげなく
「倍返しだ!」とまではいかなったけど、「時間」的概念を
すり込んでやった。

ここで刈谷と葵の間で意見の違いが生まれる。
服薬指導一度で薬剤管理指導料の診療店数325点。
つまり病院には3250円が入る。時間をかけてそれだけしか
入らない。利益がなければ部署の縮小になり、調剤は院外
となってしまう。困るのは患者で長い目で見ると一人の患者
よりも全体の患者に迷惑がかかる。
葵は薬剤師の仕事は薬を渡して終わりでは無いことを告げる。

その会話を聞いて真矢ミキさんは

「分かる!!、諦めないで(嘘)」

小野塚は刈谷さんの意見を支持し一番患者のことを考えて
いて感動したことを語る。

・頑張れ

山口親子に次々とみんなは「頑張れ」という言葉を投げかけ
る。悪気はないし、とても良い言葉だが、既に頑張っている
人の場合は、頑張っていないと思うのか?と反発心を抱く。

■出演者

萬津総合病院薬剤部
葵みどり …… 石原さとみ (薬剤部)
相原くるみ …… 西野七瀬 (薬剤部・新人)
刈谷奈緒子 …… 桜井ユキ (薬剤部・主任)
羽倉龍之介 …… 井之脇海 (薬剤部・メガネ)
工藤虹子 …… 金澤美穂 (薬剤部・メガネ)
販田聡子 …… 真矢ミキ (薬剤部・)
七尾拓 …… 池田鉄洋 (薬剤部・副部長・治験担当)
荒神寛治 …… でんでん (薬剤部・魔術師、DI室)
瀬野章吾 …… 田中圭 (薬剤部・副部長)
小野塚綾 …… 成田凌 (ナカノドラッグ)

豊中瑠衣 …… 臼田あさ美 (救急センター医師)
久保山竜也 …… 六角慎司 (小児科医)

外来患者
辰川秀三 …… 迫田孝也 (中華料理”娘娘亭”、イライラ型)
簑島心春 …… 穂志もえか (服薬を勝手に辞めたりしている)

篠原麻利絵 …… 大後寿々花 (大宮清の娘、20年ぶり父と再会)
大宮清 …… 小林隆 (右大腿部骨肉腫で通院)
山口真央 …… 佐藤めぐみ (シングルマザー)
山口礼央 …… 高木波瑠 (マイコプラズマで通院)
本村惣一郎 …… 吉成浩一 (胸部外科医)
高野 …… 木川淳一 (厚労省・麻薬取締官)

松野果音、牧佳子
石川啓大、柿弘美、堀池直毅、木下桜、市原茉莉
佐藤侑梨、加賀美茂樹、不破りこ、長谷川恒、中村文也
松井貴香、山口真央、市原文太郎、岩田愛理、大河原紗礼
津田恭佑、松山傑

河本千明、阿部朋子、岩本淳、大滝明利、にしだまちこ
桐山浩一、石川啓大、池浪玄八、市原茉莉、藤原智之
中沢喜一、井上翔太、関沢美紘、大山陽翔
不破りこ、中村文也、長谷川恒、林加奈子、松井貴香
廣岡聖、桜まゆみ、山口真央、岩田愛理、市原文太郎
白川朝海、東山あさの

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