監察医 朝顔
(2020年10月期・フジTV・月曜21時枠)
原作 – 香川まさひと(原作)、木村直巳(画)、佐藤喜宣(監修)
脚本 – 根本ノンジ
音楽 – 得田真裕
主題歌 – 折坂悠太 「朝顔」
プロデュース – 金城綾香
演出 – 平野眞、阿部雅和、三橋利行
https://www.fujitv.co.jp/asagao2/
第2話 双子の少年が突然死!2人が隠した悲しい秘密とは
【STORY】
●万木家
休日寝ている際に朝顔の携帯が鳴り、遺体が出たので法医学
教室に来て欲しいと茶子に言われる。
本来ならつぐみと一緒に水族館に行く予定だった。
つぐみは落ち込む中、真也は娘に一緒に行こうかと言うが
「うん」とは言わなかった。「ママと一緒が良い」。
●現場/横浜市上塚区大井山
・5月21日(水)
現場は野球グラウンドの近く。
被害者は矢野諒(14歳)、朝7時頃近所の人が犬の散歩をして
発見したとのこと。現在父親・浩史に連絡し向かっている
最中だという。
鑑識の丸屋によると死亡推定時刻は5時から6時。
みぞおち付近に皮下出血があること。恐らく殴られたのだろう
という。遺留品は被害者のものだと思われる帽子とグローヴ。
ボールが金網に挟まっていることも何処か気になる。
●興雲大学法医学教室
光子と涼介は薬学部から逃げ出したとされるハムスターを
捜す中、絵美と雅史が仕事にある。そして朝顔がやって
くると、みんな彼女が休暇中だと知っていたので驚く。
茶々が呼び出したのだという。
遺体の詳細が判明・14歳・男性だと言うと、中学生かと。
・検視解剖
9時に始まる。切開前に外傷などを調べていく。
手のひらに付着していた土を採取。結節に何か傷のような
ものが出来ていた。野球をしていたのでバッティングの時に
出来たマメなのか。
またみぞおちに蒼白帯が有る。
鑑識の丸屋はそれは二重条痕ではないかと語る。
棒状のもので殴ると二本の筋のような傷跡が出来るとの
こと。また絵美は口腔内を調べると損傷は無く、虫歯一つ
ないことを語る。
いよいよ全てが調べ終わると内臓の損傷を調べる為に切開
が始まる。
みぞおちを殴られて死んだのではないかと丸屋は結論を
急ごうとする。しかしまだ殴られたどうかは分からない
とし、あくまで可能性があるというだけだという法医学教室
の面々。丸屋は殴られたかどうかの結論をつけてもらわない
と捜査ができず犯人が逃げるとして争いになる。
恐らく心臓振盪だろうとのことだった。
・病院
諒の父親が運ばれてくる。なんと階段から落ちて意識不明
の重体だった。母親は他界して現在祖母の咲江が杖をついて
来ていた。
・遺体安置室
解剖が終わり咲江と一馬がやってくる。その姿を見て一同
驚く。なんと被害者の諒と一馬は一卵性双生児・・双子だ
った。一馬は遺体の確認はしなくて良いとし、祖母が目に
すると、思わず諒の名を呼んで号泣する。一馬は待合室で
拳を握り何かに踏ん張っているのを平は目にする。
・用具室
野球部”野毛山ファイターズ”の監督をしている三輪博和
(45歳)から話を聞く。諒は大人しくて良い子だったという。
事件当時何をしていたのかアリバイを尋ねると家で一人で
寝ていたとのことだった。野球は二人共やっていたがどちら
が上手かったのかを尋ねると一馬だという。エースで4番
だったとし、諒は補欠だったとのこと。
■Impression
子供が親に求める愛情。
子供が複数人いればどうしても同じように扱っていても
違いが出てきてしまうものだし、父親と母親に対する子供
の視線というものもまた違うものが有ってなかなか難しい。
幼い頃は意外と母親と一緒にいる時間が長い傾向にあるので
母親と一緒に居るのを好む子が居たり、寧ろ逆に父親との
状況を幼心に感じて、父親を選ぶような子供が居たりもする。
今回のつぐみと両親とのエピソードはまさにそんな感じで
あった。
今回の事件は双子の間で起きた事件・事故を扱ったもの。
昭和の人なら双子で野球をしていてその二人が入れ替わって
しまったとするなら、あだち充さん原作の漫画「タッチ」を
思い浮かべるだろう。入れ替わったなんて言うと「転校生」
みたいだけど、幾ら一卵性の双子でも見る人が見れば簡単に
見分けがつく。同じような体格をしているのは分かるが、
レギュラーの選手と補欠の選手ならば。それぞれの間接なり
肉体に於ける筋肉量が変わってこないか?
ドラマでは殺人だと仮定した場合、色んな可能性が広がる。
双子故の葛藤とか、親が一方を子供としてかわいがり、一方
をネグレストのような扱いをしている事からくる
嫉妬による殺人の可能性。父親がそんなできない息子に
対するストレス的な殺人。そして途中で安っぽい挿入の仕方
ではあったが、過去に父親の高校時代に先輩・後輩の間で
金属バッドによるしごき的な部活内の事件による県大会辞退
を余儀なくされているのでその関係性を臭わせるものがある。
■心理学的見地、生物学的見地
こういう双子の案件でこそ心理学などの教授のアドバイスが
有っても良さそうなんだけどね。
双子に於ける見分け方はDNA型では難しい。
しかし歯科記録や虹彩、指紋による違いからも分かることが
語られる。ただしそれらのことはあらかじめ生前のデータが
無いと比較すべきものがないとして否定された。
ただ指紋くらいは見分けがつくと思うぞ。
■法医学教室の力
法医学教室のメンツは取りあえず現場に行くのは稀なのかな。
随分朝早くに起こされていたので朝顔も現場入りするのかと
思って居たが、それはなく初動は鑑識や刑事たちに任せる
ほかない。
一番最初に不自然さに気がついたのはヒントをくれた茶子
先生だけど彼女には入れ替わりは分かっていたのか。
遺体が運ばれて来た際に付着していた土の中の塩化ビニール
がついていたこと。
手のひらの傷もまたバッドを繰り返し振った際のマメかと
思われていたが実際には電線を掴んだことによるヤケドで
有ったこと。
電線の絵がどうとか色々と理由は付けていたが、
ここまで来るとバッドによる傷が死因と考えるのは不自然
な感じがする。
■気になる要素
・前回のラストに気になることが語られていた。
まだこの時には分からないみたいな日常の平和な生活に
ついての言及だったが、前回はお爺ちゃんが亡くなるのか
なと思って見ていたけど、今回の展開を見ていると父親で
ある真也が亡くなる展開が用意されているのではないか
という気がしてならない。そもそもお爺ちゃんが亡くなって
も現状では精神的苦痛はあるけど生活のリズム自体は
変わりが無い。父親が移住するにしてもまぁ想定の範囲だ。
しかしもしも真也が亡くなったとしたならどうか。
かなり真也の影の役割の大きさというものが大きくなって
いくにつれてその可能性もあるのかなと思わせる。特に
彼は捜査一課の前線で働いている刑事であり、今回は
大捕物があるとか何とか言っていたし大変なことが起こり
そうでなんとも不気味である。
■Cast
万木朝顔 …… 上野樹里 (興雲大学法医学教室・新人)
万木平 …… 時任三郎 (野毛山署強行犯係・朝顔父)
桑原真也 …… 風間俊介 (野毛山署強行犯係・朝顔彼)
安岡光子 …… 志田未来 (興雲大学法医学教室・学生)
高橋涼介 …… 中尾明慶 (興雲大学法医学教室・検査技師)
森本琢磨 …… 森本慎太郎 (野毛山署強行犯係)
沖田宗徳 …… 藤原季節 (鑑識)
岡島浩司 …… 斉藤陽一郎 (野毛山署強行犯係・メガネ)
愛川江梨花 …… 坂ノ上茜 (野毛山署強行犯係・新人)
熊田祥太 …… 田川隼嗣 (医学部、実家は歯科医)
渡辺英子 …… 宮本茉由 (鑑識)
富澤 …… 辰巳雄大 (神奈川県警・捜査一課)
桑原つぐみ …… 加藤柚凪 (娘、4歳)
山倉伸彦 …… 戸次重幸 (野毛山署強行犯係・係長)
藤堂絵美 …… 平岩紙 (興雲大学法医学教室・歯科)
伊東純 …… 三宅弘城 (離婚して山梨県警・検視官)
丸屋大作 …… 杉本哲太 (鑑識、伊東純の変わりに来た)
藤堂雅史 …… 板尾創路 (興雲大学法医学教室)
夏目茶子 …… 山口智子 (興雲大学法医学教室)
嶋田浩之 …… 柄本明 (里子の父、釜石地区・仙ノ浦)
万木里子 …… 石田ひかり (朝顔の母)
中村一郎 …… 相島一之 (神奈川県警・捜査一課)
鈴木 …… 大内厚雄 (神奈川県警・捜査一課)
忍 …… ともさかりえ (声のみ・姉)
若林 …… 大谷亮平
山口真央、山口タツヤ、塩崎竜海
渚紗、小幡良祐、山田優弥、廣瀬この香、UNA、桑野将春
三輪博和 …… 金ちゃん (45歳、少年野球チーム”野毛山Figters”監督)
矢野諒(双子) …… 池田優斗 (14歳、中学生・弟・被害者)
矢野一馬(双子) …… 池田優斗 (14歳、中学生・兄・野球上手)
矢野咲江 …… 柳谷ユカ (73歳、諒・一馬の祖母)
矢野浩史 …… 西山聡 (妻は他界、配送業者)
寺内勇貴、米本奏哉