監察医 朝顔 第5話 それぞれの道

監察医 朝顔
(2020年10月期・テレ朝・木曜21時枠)

第5話 朝顔東北で解剖!? 桑原夫妻は…

【STORY】

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朝顔とつぐみはじぃじの居る釜石地区・仙ノ浦へ。
朝顔は沼には行かないと言うが・・室内のハンカチに包まれ
た歯を見つけてしまう。浩之は聡子のものだという。
一方、茶子の元には若林という人物が接触。
「答えをはぐらかさないで」
「僕にはあなたが必要です」
と言われて渋々協力することになる。
真也は夜に聖奈という人物からメールを受け取る。
「会いたい」・・と。

●横浜サイド／被害者アパート

男の遺体が室内で発見される。
全身が傷だらけ。名前は宍戸慶介(31歳)、昨夜強風でガラス
が割れたことによる傷だと思われた。取りあえず解剖に任さ
れることになる。

●仙ノ浦サイド／被害者の自宅

朝顔は自転車で現場に行くと、鑑識の丸屋と岩手警察の
佐山が言い争いをしていた。無くなったのは甲田雅子(71歳)。
丸屋は解剖の必要性を訴えるが、逆に佐山はそれを嫌う。
そもそも70歳を越えた人間の体を今更切り刻むということ
に嫌悪感を覚えていた。
そんな状況の中、娘の甲田奈々子が出てくる。
佐山は奈々子が可哀想だとし、8年前に脳梗塞で倒れて以来
ずっと娘が面倒を見て奈々子が亡くなったのを見つけて
通報したのだという。
朝顔の見解によると室内にエアコンがついていることから
見て死後2日は経過しているという。しかし娘はその一日後
に通報していることに違和感があった。
疑いを持つ丸屋に対して、佐山は幼い頃から知っている娘だ
としてそんな子では決してない事を告げる。
それなら解剖しましょうと語る。

●興雲大学法医学教室

遺体を調べると胸の傷が少し大きく、手のひらにも傷が
多かった。ガラス片を握ったのでは無いか。
太ももの大腿動脈は太い血管なので、止血するのは難しい
こと。

平だけは何処か様子がおかしかった。
忍から遺体発見時の現場写真を見せてもらう。
飛んできた看板が窓を突き破っていた。
ガラスが刺さり右太もものガラスを自分で引き抜きそれで
失血死してしまったのではないかという。
伊東は事故という事で決まりかと確認すると藤堂雅史はそれが
自然な見解だろう事を告げる。

■Impression

元々「捜査」と「解剖」と二つに分かれていたけれど、
今回は「横浜サイド」と「岩手サイド」という地理的二元的
な形でドラマ設定を分けて描かれた。

一つはコロナでドラマ現場の蜜を避ける意味があるのかなと
思うし、ドラマ自体少し構成人数が多い為に、死亡案件を
分けて役割分担させた感も受ける。

またそんな状況は夫婦それぞれが別の時間・別の場所の
流れの中で何を思いどう感じているのかを今一度感じさせる
為に一拍置いたのかとも感じさせる。

それぞれの場所で見てはいけないものを見てしまった感が
この所このドラマの中で見られるシーンだ。
その辺はこの感想の最後に書くけれど、流石にまだ夫婦生活
を考えるには早いと思うし、それでいて面白く夫側に不倫
疑惑を臭わせる。

今回共通するのは遺体に付着したものの真相・真意である。
横浜サイドの遺体には無数の傷があった為に、直接的な
死因の見分けが難しかった。しかし隠された一つの傷が
実際には死の流れに繋がっていくものである。

一方岩手サイドにも遺体に黒い付着物が有った。
それが意味するものとは何か。

二つの遺体を調べることによって人となりの人生が分かる
謎解き以上の奥深さは今回も存在する。ただ二体の遺体を
調べると内容は散漫化してしまう。
解剖医メインの流れなので仕方が無いのかも知れないが、
普通は亡くなった人物の人間関係を調べるだろう。
まだ帳場が立っている訳ではないのでなんとも言えない所
だったのかも知れないが・・
横浜サイドとして描かれた宍戸慶介の流れは、看板が飛んで
きてガラス片が・・というような強引な流れだが、殺害した
とされる恋人は自分が殺人を犯したということを意図して
隠そうとしたのか、それとも本当に偶然に神風が吹いて
事故かどうかの偶然性に繋がったのか。死亡した男が
ロクデナシな奴なら言うことも無い。

そして岩手サイドのエピソードは老人介護が絡んでくる
エピソードだった。子供の事を思う余り親は子供に負担を
かけまいとして自死してしまったのだろう。日本人の価値観
に精通している。ただケアマネージャーが間に立っていた
こともあるのでそこまで負担はかかって居るのかな。

以上のことを踏まえると、
男女関係の縺れからの殺人事件は真也周りのエピソードを
感じさせるし、親子愛から来る自死については、まさに朝顔
と母、じぃじと娘、妻と夫のことを示唆しているように
見える。

朝顔家は遺体のパーツを捜して回っている(パーツと言うのもあまり
良い表現では無いが・・)。
そして今回証拠品(ガラス片や30錠の睡眠薬)もパーツを
つなぎ合わせて一つになるということが描かれている。

■事件概要

・横浜サイド

現場:自宅アパート。
日時:深夜。
被害者:宍戸慶介(31歳)
室内の状況:風で飛んできたと思われる看板。それによって
破壊されたガラス片。それに伴いついたと思われる体の無数
の傷。
通報者:

・解剖

29ヶ所の傷が有ったのかな。
そしてガラス片は相当数あり、パズルのように組み立ててか
ら、改めて傷口を調べて動脈を貫き、骨にまで達していた
傷跡を調べることになった。

興味深いところは傷の順番を調べたということ。
人間心臓が動いていれば血液が体中を回る。生活反応と呼ばれ
ることが多いけれど、死んでから付着した傷は心臓がポンプの
役割は果たさないので血が流れ落ちない。
更に生きて居たら傷を付けても自然治癒力が働くために酵素
が活性化する。

・岩手サイド

現場:自宅・ベッド内
日時:一昨日
被害者:甲田雅子(71歳)
室内の状況:室内にエアコンで温度設定
通報者:娘の奈々子

・解剖

胃の中から睡眠薬の大量(30錠)。
(何故そんなに所持していたのか。口内炎から判明)
顔に黒いシミ(マスカラ)の付着。

■刑事の仕事

平さんは被害者の胸の傷が流れる方向に着目した。
そしてこの部屋が傾いていること。
あのナイフは隙間の中に入っていたということなのか。

逆に岩手サイドでは警察官は個人的感情を持ち込んでしまっ
た。知り合い故にその人となりの性格というものが分かって
いると思い早急に結論を付けようとする。また知り合い故に
体を傷つけたくない気持ちも分からないでもない。

■クローズド

■気になること

・平は仕事を辞めるのか。妻の遺品を何処まで捜すつもり
なのか。
・じぃじが持っていたのは本当に妻の歯なのか。それは
いつ見つかったものなのか。
・忍の登場は平の居場所を奪うものなのか。
・桑原が抱えている問題
・忍を演じるともさかりえさんが体調を崩しているという報道

以上は前回にも書いた気になること。

いつ歯が見つかったのかということについては手袋が見つかっ
た場所の近くで3月に見つけたという。

今回は桑原の相手の女性が出てきた。
そして発砲してしまうところに繋がった。相手が銃を持って
いるという事はその女性もただものではない。やはり潜入
していたと見るのが自然か。

・平が辞表願を出した(預かり扱い)
・桑原は朝顔への愛情表現(居なくなったらどんな事をしても
捜す)
・桑原は聖奈に発砲
・クマちゃんは歯科医の為の国家試験

■Cast

万木朝顔 …… 上野樹里 (興雲大学法医学教室・新人)
万木平 …… 時任三郎 (野毛山署強行犯係・朝顔父)
桑原真也 …… 風間俊介 (野毛山署強行犯係・朝顔彼)

安岡光子 …… 志田未来 (興雲大学法医学教室・学生)
高橋涼介 …… 中尾明慶 (興雲大学法医学教室・検査技師)
森本琢磨 …… 森本慎太郎 (野毛山署強行犯係)

沖田宗徳 …… 藤原季節 (鑑識)
岡島浩司 …… 斉藤陽一郎 (野毛山署強行犯係・メガネ)
愛川江梨花 …… 坂ノ上茜 (野毛山署強行犯係・新人)

熊田祥太 …… 田川隼嗣 (医学部、実家は歯科医)
渡辺英子 …… 宮本茉由 (鑑識)
富澤 …… 辰巳雄大 (神奈川県警・捜査一課)
桑原つぐみ …… 加藤柚凪 (娘、5歳)

山倉伸彦 …… 戸次重幸 (野毛山署強行犯係・係長)
藤堂絵美 …… 平岩紙 (興雲大学法医学教室・歯科)
伊東純 …… 三宅弘城 (山梨県警から野毛山署・検視官・室長)
丸屋大作 …… 杉本哲太 (鑑識、伊東純の変わりに来たが・・)
藤堂雅史 …… 板尾創路 (興雲大学法医学教室)
夏目茶子 …… 山口智子 (興雲大学法医学教室)
嶋田浩之 …… 柄本明 (里子の父、釜石地区・仙ノ浦)
万木里子 …… 石田ひかり (朝顔の母)

中村一郎 …… 相島一之 (神奈川県警・捜査一課)
鈴木 …… 大内厚雄 (神奈川県警・捜査一課)
桑原忍 …… ともさかりえ (38歳、真也の姉、捜査一課)
若林 …… 大谷亮平 (新聞記者)
奥寺美幸 …… 大竹しのぶ (仙ノ浦食堂を経営)

山口真央、山口タツヤ、塩崎竜海
渚紗、小幡良祐、山田優弥、廣瀬この香、UNA、桑野将春

甲田奈々子 …… 池津祥子 (雅子の娘・第一発見者)
甲田雅子 …… 田内周子 (71歳、遺体で発見された女性)
馬場 …… 野添義弘 (北上医大・馬場研究室・解剖医)
佐山 …… 才勝 (岩手県警の刑事、メガネ)
宍戸慶介 …… 竜二 (31歳、多数のガラス傷がある遺体の男性)
田村聖奈 …… 中村里帆 (桑原がカフェで会っていた女性)

坂ノ上茜、田川隼嗣、隅田洸太郎