相棒22
(2023年10月期・テレ朝・水曜21時枠)
監督:橋本一(1)
脚本:神森万里江(1)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広
第1話 無敵の人〜特命係VS公安…失踪に潜む罠
【ストーリー】
■レストラン (過去)
シェフの末次広平は客に食事を作って持ってくる。
広平の妻・佳代は女性と待ち合わせしているであろう
男性客に声をかけ、先に飲み物でも出しますかと
尋ねるが、男性客は待っていることを告げる。
そこで佳代は誰かが置いていったハンドバッグに
気が付く。誰の忘れ物なのか。次の瞬間、中に入った
爆発物によって店は爆発する。
■亀山家へ
小出と右京は休日に亀山家に向かう。
二人は薫の妻・美和子に招待されたもの。
亀山家の美和子は帰国してからというもの、料理
に目覚めて小料理店を手伝いながら料理教室に通
っていた。
薫は二人に対して”罰ゲーム”に来てもらったこと
に謝罪する。しかし彼女は料理教室に通って
張り切っているので楽しそうにしてあげて欲しい
という。
右京らは土産を手渡すと、テーブルに座る。
テーブルにはここにいるメンバーよりも一人分
多い食器が用意されていたので他にも誰か来るのか
尋ねる。
料理教室で仲良くなった人がもう一人来るとの事。
そう言っている間にも上原阿佐子がやってくる。
彼女はやり手の弁護士とのこと。
阿佐子は既に右京と小出の事は美和子から聞いて
よく知っていた。
「小料理店を営む小粋な女将と和製シャーロックホー
ムズと呼ばれている警視庁イチの刑事」だと。
■事件現場
捜査一課の面々は品川にあるマンションに居た。
鑑識の益子によると、被害者は平井蓮(30歳)。
自宅ベランダから転落して死亡したものだが、
本人は睡眠薬を飲んでいるのだという。
転落事故なのか・・
しかし益子は部屋の床には引きずった跡が見つかっ
ているとのこと。
■亀山家
テーブルについた所で”新美和子スペシャル”が
振舞われる。見た目凄い料理を目にすると
人間の可能性は底知れないと思う右京。
みんなナイフで肉を切り裂き、そして口の中に入れ
る。しかしなんとも微妙な顔。
「初めての味だ」「個性的な味です」
■事件現場
芹沢は床に引きずった跡があることを確認する。
睡眠薬を飲んで(飲まされて?)意識が混濁している
所をたれかがベランダまで引きずり突き落とした。
出雲は写真立ての中にあるエンブレムのようなマーク
を観て明らかに表情を変える。そして近くに有る仏壇
の扉をあけると驚くと共に伊丹の名前を呼ぶ。
「これは微笑みの楽園だ」
平井蓮は信者だったのか・・
■亀山家
右京は紅茶を入れる特技を見せる。
阿佐子に対して特技があるか尋ねると、彼女は
自らを弁護士なので
「いかにももっともらしい話をすること”が得意」
「それって嘘をつくこと?」
「綺麗ごとだけでは済まないので」
そんな阿佐子から一つ思い出した話があるという。
「答えの分からない相談を受けた」
「杉下さんはこの謎が解けますか?」
「”知り合いの話”、一年付き合った彼がプロポーズ
してくれた。でもその彼は2週間前から急に連絡が
取れなくなり家にも帰っていない。何故だと思うか?」
それぞれに見解を述べる中、右京は得意の洞察力・
考察力で話の内容を分析し始める。
「これは知り合いの話だとしているが、阿佐子さん
自身の話ではないか?」
■感想
時間が無かったので感想が遅れました(ToT)すみません
急いで書いたので少し簡易的になりましたが逆に見やすい
かも知れません。
気が付けばシーズン22。
何時の頃からかドラマも終盤に近付くと必ず発生する
のが、このシーズンもって最後ではないかという説が
流れ始めて世の中の「相棒」ファンの肝を冷やす様な
現実だが、そろそろそれも現実を帯びて来ているの
が怖い。
今回を観ている限りではまだまだスタッフたち
の心意気次第で継続できそうな気がするけど、
一つのドラマであまりに縛り付けてしまうのは酷な
気がしてくる。
初回は延長枠であり、そして後半に続く・・という
事で、かなりの情報を公開した中での前半だった。
幾つかの捜査機関が動いているので、何度も同じ
ような事件の流れの説明が有った印象もあり、
またこの事件の説明があるのかと少々ウンザリする
ところも有った。
●幾つかの考察
・人物の役割
導入部は一人の転落死と、一人の弁護士が語る
クライアントからの話と称して、一人の失踪者の謎
を右京への相談することから始まる。
過去のエピソードで似たような流れは何度となく目に
したことが有り、宗教/施設が関わってくる話など
何処かで見たなと思うも、シーズン22まで放送され
ればある程度は仕方がない。(森の中を逃げる
シーンは特に既視感が・・)
まず不利に働く点は、失踪しているのが俳優の
市川知宏さんであり、単なる失踪・殺害されたという
過去や結末ではないことは容易に想像が出来る点だ。
また大きな組織が関与している場合、どんなに
凄い人物で有っても狙われたらそれを避けるのは
難しい。
特に今回の事件に於いては、不自然に事件や証拠
がもみ消されている為に幾つかの可能性が考えら
れる。
・幅広い部署が動員される
一連の事件には、警視庁の刑事部、組織対策課、
公安部、内閣情報調査室が関わってくる。
これらを構成する人物たちの相棒での過去の役割を
考えるとどれも癖があるし、一筋縄ではいかない。
利益の為にもみ消す人も居るし、大義の為には
一人の殺人事件をもみ消す事なんてことも上層部
の人にしてみれば出来ないものではない。
・時事との連動なのか
ドラマの内容からすると、宗教施設と化学兵器、
名称を変えて活動していることを総合すれば
「オウム真理教」のことを思い出させる。
パソコンがMS-DOSベースからWindowsへの転換機に
秋葉原にいけば、オウム系の子会社が
割安で売っていたのを思い出すが、少し異様な
雰囲気も有ってなかなか入れなかった記憶もある。
組織への捜査が一向に進んでいないところを観れば、
現在世間を賑わせる「統一教会」を想定している
ものと思われる。
メディア・雑誌社が世の中で信用を無くしている
のは今に始まったことではないが、自民党一党が
支配する日本では献金、浪費はやりたい放題で、
誰も追及しなくなってしまった。
このドラマの中でも警視庁の上層部を中心となって
宗教集団からの金の受け渡しがあるのではないか
との疑惑が浮上する。
・モノと人を繋ぐもの
アメリカのドラマが入れ墨の流れで人間関係を
探っていくのだとすれば、日本のドラマでは
宗教組織のエンブレムがそれに当たる所がある。
昔から秘密結社では共通するアイテムを持つのが
子供たちの間でも流行ったけれど、こういうのは
日本特有のものなのか。
ドラマの中で面白い要素として、内通者の存在と
いうのが有った。
情報はこぼれ落ちる砂のようなものなのか。
隠そうとしても必ずどこかで漏れて求めるものに
伝わっていく。
・人を誘導する
ドラマは宗教が関係してきた。
どのようにして信者として入信させるのかは
ケースバイケース。世の中スイーツとコーヒー
には目がない人が多い事からも、ドラマの中では
店舗の中で優しい言葉を使って心疲れたものたち
の心を解いて信用させていく。
マインドコントロールにかかりやすそうな人物
を次々声をかけていく。
昭和時代ではなく平成時代ではあるが、私も
駅前を歩いて居る時に女性に声をかけられ、それが
宗教の勧誘だったという事を経験したことがある。
このドラマを観ていくと、色んな場面で人を
自分の都合で誘導しているシーンが多くある。
それは冒頭での美和子スペシャルで事件捜査に
巻き込んだ上原阿佐子でもあるし、内村完爾の性格
を知っている衣笠藤治は公安部長・御法川誠太郎に
対して入れ知恵する。
「世の為・人の為・正義の為と言っておけば取り合
えず間違いない。」
宗教組織もまた特命係が違法に内情を知る為に
立ち入り禁止の施設内に入ることを想定して
掴まえようとする。違法捜査となるので、掴まえ
られても仕方がない。
また逃走時に少々滑稽にも映るが、岩を使って
敵からの追跡を交わすシーンが有った。
青木くんの取り扱いについては右京さんが心得ている
ので問題無しか。
・殉教者
人にとっては最大限の利益をもたらすもの。
人にとっては最大限の被害をもたらすもの。
殉教者という言葉は、見る者の立場や角度
によって全く違う意味合いになる。
・目に見えるものだけを信用するな
これは捜査するものには特に気を付けて欲しいもの。
転落死のことを調査する中で、なぜか犯人は単純
な殺害を複雑なものとして照らし出していた。
室内の指紋を全て消す程に周到な犯人は、ビルから
落として誰かに発見させる。
そしてその流れに於いて爆薬製造の薬品を見つけさせ
る。
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁警視庁・特命係)
亀山薫 …… 寺脇康文 (1と5代目相棒、)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (警視庁捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (警視庁組織犯罪対策五課)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視庁警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視庁警視正・参事官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊から捜査一課)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁次長・警視監 警察庁のキャリア官僚)
亀山美和子 …… 鈴木砂羽 (フリージャーナリスト、”こてまり”見習い)
上原阿佐子 …… 栗山千明 (弁護士)
牧村克実 …… 市川知宏 (フリーライター、実は・・)
御法川誠太郎 …… 田中美央 (警視庁公安部部長)
成増孝徳 …… 松田賢二 (警視庁公安部捜査員)
末次広平 …… 俊藤光利 (レストランオーナー)
坪内吉謙 …… 伊東孝明 (「微笑みの楽園」幹部)
村岡 …… 浅見小四郎 (民家の主人)
太田 …… 栗原功平 (「微笑みの楽園」信者・社美彌子を銃撃)
江端 …… 安村のりひさ (「微笑みの楽園」信者)
…… 釆澤靖起 (レストランの客)
迫水 …… 池原丈暁 (暴力団員・拳銃密造グループの元締)
末次佳代 …… 佐野啓子 (末次の妻・平井のテロで死亡)
平井蓮 …… 永澤洋 (平井翔の兄)
平井翔 …… 桐矢一 (信者・爆破テロ、自殺)
風間義晴 …… 東龍美 (社会学者・平井のテロで死亡)
…… すわいつ郎 (「微笑みの楽園」検査係)
坂本慎二 …… 浅木信幸 (「あおい出版」編集長)
…… 加部アカネ (「anea cafe」店員)
「あおい出版」編集者
あいだあい、岡本直也、 森川大輝
佐藤智美、津阪雄一、住吉晃典、肥田野俊
田中瑛祐、船附藍丈、竹井梨乃、牧野湊、宮田博一
柳川公輔、西沢智治、保科光志、浜田大介
原布助、宮崎圭祐、関田宗史、松岡逸平、塚越靖誠
酒井和真、菅野充、坂田翔悟、大岩剣也、五味涼子