熱中時代 第3話 UFOと謎の男の正体

熱中時代
(1978年10月~1981年3月・日テレ・金21時枠)

企画:梅谷茂
プロデューサー:清水欣也、永野保徳
脚本:布勢博一、松原敏春、桃井章、大和屋竺、森崎東
演出:田中知己、吉野洋、梅谷茂、矢野義幸
音楽:平尾昌晃

脚本 : 布勢博一 (1)(2)(3)
演出 : 田中知己 (1)(2)(3)
オープニング/原田潤「ぼくの先生はフィーバー」

第3話 UFOと謎の男の正体
(10月20日)

【STORY】

・前回まで

途中採用ではあるが教師となった広大。
しかし次の日にはPTAの母親たちから軽く見られ自信
を無くして酔いつぶれる。先生を辞めたいと校長の
前で語ると彼は涙しながら広大をビンタする。
そのことに感動した広大。
次の日に最初の授業で国語の授業をしようとして
いた所、出席簿を忘れて職員室にいくと、そこで
小糸桃子教師が先日の渋谷の映画館で電話していた
であろう相手と再び電話しているのを知る。

「どうしてそんなことを言ったって来ないで。
どうしてそんなことを言うのか?私の事なんて
分かってくれない」

■3年4組

・10月20日(金)

広大は国語の授業を始める。
「おしゃれな牛」という題材を取り上げる。

黒板に文字を書くだけで生徒たちは不思議と笑い
始める。広大は気になり、「おかしくもないのに
笑うものじゃない」と生徒に語る。

すると生徒はみんなして面白いからだと語る。
生徒の一人が箒と塵取りを持ってくる。
広大は知らない内に授業に力が入り、持っていた
チョークを破壊しながら黒板に文字を書いていた
のである。散乱したチョークの跡を見てみんなが
笑っていたことを知る。

・教室の外

一人の生徒が教室の外から3年4組のクラスの様子を
観ていた。
たまたま通りかかった校長は生徒に事情を尋ねると
「宿題を忘れたので立たされている」のだという。
校長は一緒に先生に謝ってあげるとして3年4組の
扉を開ける。しかしその子は3年3組の生徒だった。

・授業

広大は生徒に「おしゃれな牛」を朗読させた後に
牛の鳴き声を聞いたことがある人に挙手を求める。
牛の鳴き声には色々とあるとして生徒たちにそれを
教えて一緒に声を出して真似をするよう求める。

・授業が終わる

授業が終わるが、広大は生徒を教室に留まらせる。
広大はこの学校に来てまだ間もないことを告げ、
みんなことを教えて欲しいと語る。

生徒たちに質問する。
「大きくなったら何になりたいのか。夢を教えて
欲しい」ということ。

ある女の子はスターになりたいとしてピンク・レディ
を例に挙げる。男の子は新幹線の運転士、父の家業
の跡継ぎ、副社長など・・
しかし何故社長ではダメなのかと問うと、責任が
重いからだという。また温泉地で活造りを毎日
食べて暮らしたいと語る生徒もいた。

■職員室

隣の小嶋田徳次教師から牛の鳴き声の件で広大に
クレームを入れる。ウチの生徒が落ち着かなくなる。
しかし校長が入ってくると逆に広大の真に迫った
素晴らしい授業だとして称賛される。
一方小糸桃子は広大に謝罪する。廊下に立っていた
生徒は彼女のクラスの生徒だった。

桃子は校長に相談があるとして彼の元へ。
すると小嶋田は広大に放課後に話があると語る。

・放課後

体育館で小嶋田は広大と会話する。
小嶋田は今でもまだ下宿をしているのか?と問う。
もうしばらくお世話になろうと思っていること。
居心地が良いのか?という小嶋田。
悪くはない。24時間監視されると言っていたが
自由だという。
自由と見るか管理体制の中に甘んじてると見るか
主観の問題だという。

小糸の話をしようとすると、そこに彼女が入って
来たので話を一時止める。そして彼女が居なくな
った後、小嶋田は彼女の元に電話がかかって
こないかと問う。学校には男性から2、3度かかって
きたこと。それを聞いた広大は、誰かと電話で
話しながら泣いているのを目撃したという。
しかも相当深刻で、「死ぬ」と言っていたことを
口にする。声からすると中年男性。恋愛問題の
縺れだろうと小嶋田は推察するが・・

【感想】

広大は紆余曲折の末、ついに初の授業・教壇に
立つ。最初の授業は国語。
生徒たちとは次第に打ち解け合い、広大の授業は
隣のクラスにも聞こえるほど騒がしいものとなり
クレームが入るが、校長はご満悦だった。

そんな状況の中、生徒たち複数名が放課後
に家に帰らない事態が発生する。広大のクラスだけ
でなく小嶋田や小糸のクラスの生徒も数名居なく
なった事を知り心当たりを探るが・・
果たして子供たちは何処に行ってしまったのか。

今回は大きく分けて2つの事件が発生した。

・生徒たちが放課後何処かに行ってしまう
・小糸が涙していた理由が分かる

子供の問題だけでなく大人の事情も取り入れた格好
で、とにかく忙しいものがある。

気がついたこととして幾つか有るけど、やはり
大人が発する子供を引き付ける言葉というのは
存在すること。そこに夢やロマンを感じてほしい
ところだろうけど、なかなか子供で有っても
現実的な考えしか見せないところもある。

また校長の貫禄さというか心の広さというか・・
何故広大を始めとして彼が下宿を兼ねて
教師を家に住まわせているのかの一端を知る。

■いつもの展開とは逆に・・

警察官の小宮との絡みは大抵誤解を生じて喧嘩に
なったりする。立場的には警察官の方が上から目線だ。
今回は誤解される側になるのが小宮になり
3話目にして初めてその立場が逆転した。

妹の青空が木を相手にラブシーンの練習をしている
所に小宮が来て会話しているシーン。
青空が女優の卵になったとして練習相手になって
欲しいと小宮に頼んだところ、それを広大が目撃
してしまう。

「田舎の娘に何をしている!!」
「警察は聖職なんだろう」

更に夜の巡回で代田7丁目の神社に回った時のこと。
子供はUFOを見に来たことを語ると当初は注意して
いた小宮も一緒になって光の元を探そうとする。
しかしそこに駆けつけた広大らにやっぱり小宮は
責められることになる。

■小糸の問題

毎回何者かと電話しては桃子が涙している。
それには当然理由が有り、今回はそれが判明する。
まるでパターン化された涙の流れは、
「ドリフ大爆笑」で見る志村けんさんのコントの
ように感じる(<-例えが古い)

桃子の父親・源三は救いようもない詐欺師であり、
投資詐欺での連帯責任者になることを求める。

「東北6県に12のチェーン店を出す。一年で借金を
併催します」

その詐欺師相手に校長は騙されていることを知って
いても彼のことを信じようとしている感じだった。

彼は校長の教師になった最初の生徒だった人だった。
情を使って相手に漬け込む。
特殊詐欺の昭和版というところだろうか。

小嶋田先生は小糸先生のことが好きなのだろう。
広大が小糸の近くにいるのを快く思ってはいない。

また今回は最後に広大は小糸に対して、
渋谷の映画館から下北沢までついて行った件を
話した。
小糸先生はストーカーだと思い込んでいた件だった
けど、実際には心配してついていったことを語る。

■何気なく話した興味深い話

天体観測が趣味の八代徹がいつものようにベランダで
天体望遠鏡を覗いているとUFOを見つける。
校長や広大も巻き込んでの騒動。
校長もフィルムカメラでとりあえず撮影した。

その事を翌日の授業の中で広大が生徒に話したことが
発端で生徒が帰宅せずに申し合わせのようにして
集合してしまい、中には学習塾をサボって見る子
まで出てきた。
またしても広大が問題にされるかと思ったけれど、
そこは校長が間に立って収めてくれた。

■それぞれの夢

子供たちがスケールの大きい夢を語ることがない。
教師は夢を持たすことをしたいが、逆に早苗などは
夢を持たすことの罪悪さを述べる。今の世の中、
夢がかなうことはない。

しかし綾子は夢を持つからこそ辛いことも忘れられる
としてチェーホフの桜の園のセリフを引用する。

・広大の夢

父と妹とひとつ屋根の下で暮らしてジャガイモや
サトウキビ、牛を飼って乳を沢山だす。
しかし今は子供に好かれる先生になりたい。

・恵子の夢

お嫁さんになること。

・育民の夢

変わった子だとされているけどなんか不気味。
彼は計算高いセリフを語る。
理想としてお母さんに60歳で死んでもらうこと。
あと12年で自分は30歳。そろそろ結婚を考える。
お袋が居ると嫁さん゛可愛そうだから・・
飯を食べている時にコロっと逝ってもらうのが良い。
病院にかからず苦しまずに眠るように死ねるなんて
最高だろう。

「両親からは顔色一つ変えずに親を殺す息子」(母)
「私が育て方を間違えた」(父)

■その他

・チェーホフの「桜の園」

綾子は「夢」というテーマに官憲して、学生時代
に演じたセリフを引き合いに出す。

「さよなら古い生活、こんにちは新しい生活」

・広大の危険な行動

今回は色々とミスをおかした。
一番危ないのは風呂の空焚きだった。
炊飯器のスイッチも入れ忘れる(コンセントが抜けて
いた)。

・小糸の校長への恩義

彼女が大学3年の時に父親の事業が立ち行かなくなっ
た。残り一年だからということで校長が費用を
出してくれた。

・父の偉大さ

桃子が父親に失望していたので広大は慰める。
そして自分が小学4年生の時の父のことを語る。
一緒に風呂に入った。手拭いをぎゅーっとした。
しかしその後に父が手拭いをぎゅーっとすると
沢山出てきた。

「親父ってたくましいもので、何処か良いんですよ」

【CAST】

若葉台小学校

北野広大 …… 水谷豊 (北海道出身、若葉台小学校教師)
天城順三郎 …… 船越英二 (校長)
安達勝也 …… 小松方正 (教頭)
天城綾子 …… 草笛光子 (順三郎の妻)
天城育民 …… 太川陽介 (順三郎と綾子の息子・高校生)

小糸桃子 …… 志穂美悦子 (3年3組の担任)
八代恵子 …… 音無美紀子 (5年2組の担任)
前田きく …… 執行佐智子 (3年1組の担任・学年主任)
小嶋田徳次 …… 小倉一郎 (3年2組の担任)
魚津早苗 …… 島村佳江 (大森の小学校教師)
八代徹 …… 山口崇 (綾子の弟、中野の中学校教師・理科)

小宮新八郎 …… 谷隼人 (上代田八丁目派出所・警察官)
北野青空 …… 池上季実子 (広大の実妹)

小糸源三 …… 南原宏治 (桃子の父、順三郎の最初の教え子)

スナック「蜘蛛の巣」従業員

市川正、水岡影宏、額賀見知子

三年四組の児童:

池田 …… 池田進 (イタズラ好き、蛙、窓から小便)
橋満コウジ …… 橋満耕司 (怪我した子)
藤森 …… 藤森政義 (跳び箱の石)
谷田 ……
茂木 ……
ミハラ ……
アイバ ……
ノザキ ……
シミズ ……
ヨシオカ ……
ノブコ ……
ヒデジ ……

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