熱中時代 第5話 ぼくの先生はフィーバー

熱中時代
(1978年10月~1981年3月・日テレ・金21時枠)

企画:梅谷茂
プロデューサー:清水欣也、永野保徳
音楽:平尾昌晃

脚本 : 布勢博一 (1)-(5)
演出 : 田中知己 (1)(2)(5)、吉野洋(3)、矢野義幸(4)
オープニング/原田潤「ぼくの先生はフィーバー」

第5話 ぼくの先生はフィーバー
(11月3日)

【STORY】

●早朝

寒い時期になり、布団からはみ出て寝ていた広大は
寒さと共にトイレに行きたくて目が覚める。
時計に目を向けるとまだ朝の5時だった。
トイレに行こうとすると女性・牧村英子の姿を目に
する。育民の部屋から出てきた女性。
広大は彼に誰なのかと問うと友達だとし昨夜泊めた
のだという。親父には話すなよと広大に口止めする。

・朝

綾子は食事を作り、育民は食卓で新聞を読んでいた。
綾子は弟の徹を起こしに行く。
40歳になるのに遅くまで星を見ているから起きれない
のだと呟く。
その隙をついて育民は冷蔵庫から急いですぐに食べら
れる食事を持っていく。
急いで食事と共に部屋に戻ろうとするが途中で広大
とぶつかり林檎を落としていく。

・育民の部屋

牧村英子はいつまでも私がここに居たら不味くない
かと問う。

・食卓

徹は寝坊して来る。
その場にいた者たちはみんなで八代先生にお祝いの
言葉をかける。

「40歳の誕生日おめでとう」

「30代と40代ではずいぶん印象が変わってくるもの」

という恵子に対して育民は、

「20代と30代も違うという」

それを聞いた恵子は嫌なことを言うとして育民に
告げる。
校長は広大の誕生日を尋ねる。

「12月14日です」

育民は来月にもケーキが食べられる事に喜びを
感じていると、親子からは、

「うちは一人ひとり誕生日パーティーを開く」
のだという。
パーティーは今夜7時からだというと、徹はプレゼント
は要らないことを予め語る。

・桃子は玄関の外で物音を聞く。

育民の部屋から荷物から放り出され、女性が降りて
くる。

■学校の授業

11月2日(木)

今日の授業は『球根の育ち方』だった。

「球根を知っているか?」と生徒に尋ねる。
ひまわりは種、クロッカスは球根。
玉のような形をしているのでそこから球だとされて
いる。
球根を知っている生徒が意外にも少なくて挙手する
人も少なかった。

広大は生徒たちにある提案をする。

「先生は質問した時にみんなに手を挙げて欲しいと
思っている。だからグー・チョキ・パーで挙げて
みよう」

「パーは絶対的に自信がある人、チョキは多分
そうではないかと思った人、グーは全然分からない
が偶然当たっちゃうんじゃないかなという人」

そして広大は再び同じ質問をする。

『普段食べているもので球根なのはどれか知って
いる人は挙手を・・』

スズキは大根だと答える。しかしそれは種。
アカネはヒヤシンス。球根だが食べ物でない
ショウコは人参。それは種。

広大は切ると目が痛くなる食べ物があるだろうとし
それはタマネギだという。

■職員室

桃子は電話に出る。
すると吉祥寺のディスコに北野先生と来てくれと
いうもの。くれば分かるという相手に、桃子は
困惑する。その事を広大に話す。

「6時に吉祥寺のマシンガンってディスクに二人
で来て欲しい」という女の人からの電話が有った
こと。

イタズラ電話ではないかというが、桃子によると
はっきり北野先生と桃子の名前を言ったのだと
いう。そして一つだけ気になっていることがある。
今朝育民の部屋から高校生くらいの女の子が出て
来たのだという。広大も見たことを告げる。

・校長室

校長にも電話が鳴る。育民が3日間、何も言わずに
学校を休んでいること。

電話中に広大が校長室にやってくる。

カットベルトの
『児童の健全な発育のための体育学研究パート3』
の本を借りたいとのこと。
明後日にある体育研究会の事で前田先生から相談
を受けていたので有った。

【感想】

秋も深まり11月ともなると寒さが目立ち始める。

最高学年の生徒たちは少しずつ受験を意識する時期
になり、進路について思い悩む人が多くなる。

自分の進路はもちろんの事。
大学受験を意識する人たちの難しいところは
受験生は親の保護下にある為に、自分の目指したい
進路に関しては親の意向が強く働くケースがあると
いうことだ。

逆に親の期待に答えたいが為に自分のやりたいことを
抑える人もいれば、親に反抗してでも自分の道を
貫こうとするものも居る。

今回は教育に対する親子関係を描いたものだった。

親子関係の事は下の項で取り上げるとして、学校で
は生徒たちが全員授業に参加出来るように手を挙げる
サインみたいなもの(グー・チョキ・パー)を決めて
いたね。
私の小学時代の教師もこれを生徒にやったんですよ。
多分このドラマ見ていたのだろうね(笑)

■今回のメインは育民

育民の女ともだちの牧村英子が進路に関して父親
と揉めている様だ。彼女は高校を出たらデザイン
スクールに通いたいと思っているが、両親は彼女
を東大へ進学させたいと考えている。
彼女の兄と姉は一流大学に進学しているようで
彼女だけが何処かはみ出しもののような不当な
扱いを受けている。
父親は高等小学校の土建屋で相当苦労してきたの
で娘にそんな思いはさせたくないのかも知れない。
ある意味学歴コンプレックスを持つ。

・男の約束?

5時に起きた広大は英子の姿を最初に見てしまう。
育民は広大に対して親父には言うな(告げ口するな)
みたいな形で語るけど、先日のエピソードでは
彼は広大との約束を破って話していたよね。

更に小糸先生も育民の部屋から出てくる姿を目に
してしまう。

この時代のドラマって二階の部屋のマドから出入り
するシーンってなにげに多い気がする。

更に時間の経過と共にヘアピンが育民の部屋に落ちて
いるのを綾子が見つけていた。

・ディスコに呼び出される。

吉祥寺にあるディスコ・マシンガンに唐突に呼び
出される。今朝、桃子も広大もその件でのことだ
ろうことは察していた。

育民の友達がとっぽい兄ちゃんばかり。

育民は二人を呼び出し汚い手を使う。
ポラロイドカメラで二人がディスコに共に通う様子
を写して協力しなければPTAに写真を送ると言い出す。
しかしもちろんフェイクであり、意外と育民は
フリだけしている感じだ。

今夜彼女が泊まる場所を確保する必要があるし、
解決策には親とトコトン話すしかないというアドバイ
スしか出来ない。

・ディスコで踊る

広大と桃子が二人で踊るシーン。
このシーンは昔はドラマを扱うバラエティ系番組
なんかでも映像として取り上げられた記憶がある。
踊りは「フットルース」(Footloose 1984年)っぽい
けど、やはり「サタデー・ナイト・フィーバー」
(Saturday Night Fever 1977年)っぽい雰囲気
を感じるな。

■父親としての対応

英子を助けるために育民は学校を休んでいた。
その事で校長が学校に呼び出されるという・・

17歳から18歳の頃はよくあることだという先生も
いたが、ズル休みは汚いことだとして、校長も
ご立腹。

「校長でも自分の子供のことは駄目だね」

とは徹。

誕生日パーティーをしようとしている所で校長は
育民を自分の書斎に呼ぶ。
最初は皮肉を込めて・・

「弁当は何処で食べましたか」
「代々木公園」

育民の情けないところは、成績が悪いことを父親の
せいだと語ること。50人中49位。
先日のエピソードでもその事を告げていたよね。

「そんなに学校に行くのが嫌ならば辞めなさい」

その父親の言葉から育民も学校は辞めることを
口にする。更に学校を辞めて働くとし、自分は
もう一人前であり自活していけるとしていたこと
から家を追い出されそうになる。

「一度男が口に出したら覚悟はある筈だ」

どんどん息子を追い込んでいってしまう。

妻は夫が言いすぎだとして育民の方の肩を持つ。

・人形の家

先日のエピソードでも学生時代に演じた役として
語っていた。そのときの芝居のセリフを持ち出して
「さよならあなた」として妻までもが一緒に出て
いこうとする。

■最後に・・

体を張って育民の行くのを阻止したのは広大だった。

「行くならば俺を倒してからいけ」

素手での喧嘩になる。育民はボクシングを習って
いて強いが、北海道の農家仕込の力強さを持つ
広大がねじ伏せた。

これぞ男同士のコミュニケーションだ・・とは言え
ないほどに傷ついていた気がするけど(笑)

最後に二人が体を鍛える中、非番の小宮が乱入して
一緒に筋トレ。小宮は柔道、県道、空手、鎖鎌
など占めて段位は合計13の男。元国体の体操選手
でもあるという。体操選手の筋力って凄いんだよね。

■その他

・八代徹先生の誕生日

40歳の誕生日。
みんなで用意していたけれど、育見のエピソード
の流れで脇に追いやられた
職員室で桃子と広大が誕生日について話していたので
小嶋田先生は桃子先生の誕生日だと勘違いしてしまう。
ケーキに挿さるロウソクの本数も多かったしね。

・広大先生の授業

今回の授業は「球根の育ち方」
この授業はリアルで3年生で教わるものらしい

意外とこの歳になっても植物や野菜などの収穫時期
開花時期の姿は知っていてもその過程を知らない事
が多い。

【CAST】

若葉台小学校

北野広大 …… 水谷豊 (北海道出身、若葉台小学校教師)
天城順三郎 …… 船越英二 (校長)
安達勝也 …… 小松方正 (教頭)
天城綾子 …… 草笛光子 (順三郎の妻)
天城育民 …… 太川陽介 (順三郎と綾子の息子・高校生)

小糸桃子 …… 志穂美悦子 (3年3組の担任)
八代恵子 …… 音無美紀子 (5年2組の担任)
前田きく …… 執行佐智子 (3年1組の担任・学年主任)
小嶋田徳次 …… 小倉一郎 (3年2組の担任)
魚津早苗 …… 島村佳江 (大森の小学校教師)
八代徹 …… 山口崇 (綾子の弟、中野の中学校教師・理科)

小宮新八郎 …… 谷隼人 (上代田八丁目派出所・警察官)
北野青空 …… 池上季実子 (広大の実妹)

牧村英子 …… 竹井みどり (育民の友達、)

育民の友達:
斉藤薫子、小熊英樹、小林英樹、高崎桂子、山田芳一

スナック「蜘蛛の巣」従業員

市川正、水岡影宏、額賀見知子

三年四組の児童:

池田 …… 池田進 (イタズラ好き、蛙、窓から小便)
橋満コウジ …… 橋満耕司 (怪我した子)
藤森 …… 藤森政義 (跳び箱の石)
谷田 ……
茂木 ……
ウエノ …… 上野郁己 (メガネ)
高田 …… (高尾山にいけない)
小宮山 ……
岩崎 ……
木村 ……
鈴木 …… (大根は球根ではない)
高原 ……
菊地 ……
カオリ …… (手紙を書いてくれる)
アキコ …… (手紙を書いてくれる)
トシヒロ …… (手紙を書いてくれる)
アカネ …… (ヒヤシンス)
ショウコ …… (人参)

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