相棒19
(2020年10月期・テレ朝・水曜21時枠)
監督:橋下一(1)(2)
脚本:輿水泰弘(1)(2)
エグゼクティブプロデューサー – 桑田潔
チーフプロデューサー – 佐藤凉一
プロデューサー – 高野渉、西平敦郎、土田真通
編集 – 只野信也
音楽 – 池頼広
https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
第2話 プレゼンス（後篇）
【ストーリー】
●警視庁
中園が会議の場で発表する。
昨夜犯行の銃が押収されたこと。それも捜一の伊丹・芹沢
のお手柄であると。一気呵成に証拠を突きつけて自白を
取り付けるところだが被疑者の万津は死亡している。その為
裏付け捜査を行うよう捜査官たちに告げる。
・上層部
衣笠藤治は社美彌子と話し合う。
藤治は美彌子に対して一連の件では責任を取れとは言わない
が君のKGBの次の会合に一度参加出来ないか?と頼む。
将来有望な女性陣と一度話し合いたいという。美彌子は
その際には甲斐さんも誘っても良いのかと問う。
●家宅捜索
特命係の二人は被疑者の部屋を調べる。
そこには朱音静らも立ち会う。彼女はNeoZipangの国民で
有ったこと。そこで右京はバーチャルな世界に入るが入国
のパスワードで入国を阻まれる。3回エラーだと国外追放に
なる。
(加西の自宅へ行った時の回想)
右京らはパスードシステムについて話を聞きに行くと、
入国パスワードはクレジットカードなどと同じで密入国を
防ぐ為だという。
・捜一2人と益子がやってくる。
右京らに嫌みを語る捜一たち。
家捜ししている彼らを横目に右京は壁に飾ってあるパイプ
オルガンの絵に目を向ける。立派なものだが音楽好きには
見えない。
伊丹らは益々ライバルむき出しで口撃して来たために右京は、
「銃の物証は得られたが幸矢の犯行は伝聞の域である」
と語る。
伊丹は幸矢の家にもガサ入れされている事を告げる。
●品川区首都近未来センター
右京たちは被疑者・幸矢が登ろうとして落下していたビルの
現場に来ていた。ボルダリングは未経験なのに、予行演習
でもしていないとムリだという冠城。
記者の風間に現場を見てもらう。
先日会ったNeoZipangの中心街はお台場の商業施設だった事。
厳罰にある風景がテキストとして取り込まれている。
そしてここもNeoZipangに取り込まれているのだという。
写真を見せてパイプオルガンのある施設を見せる。
風間はこの事を調べるので特命の方も疑問に答えて欲しい
と交換条件を出す。風景しか分からない場所を捜すのは簡単
ではないこと。発見したらokですと右京。
すると風間は既にこことそっくりの場所に行っていると
語る。”嵐が丘”だと。
■感想
かなり時間が経過してしまい、私自身がこのドラマの2話目
を見た時間もかなり経過しているし、視聴の仕方も途切れ
途切れの気力がある時にだけ見ていた事も有り、細かい
内容までは頭に入ってこない且つ、内容を忘れている。
それを前提にして書こうかと。
ドラマでは前回に引き続いてネットを使った犯罪を描いた
もの。
・白バイ警察官に発砲したのか誰なのか。
・その銃をどのようにして手に入れたのか。
被疑者については前回の流れから万津幸矢だとされていて
基本的には被疑者死亡のまま送検することを前提に裏付け
捜査を行う。
VRの世界と現実の世界を行ったり来たりして、
二つの世界に於ける乖離的状況、交錯的な感覚、そして
一体感という三つの状況を描き、完成度は決して高くないが
精神的構造を描いているかのようだ。
現実の世界で証明されないことがVRの世界で証明される。
もちろん現在はネットに繋げばIPだの、その人が移動すれば
車や携帯に搭載されているGPSなどがその人物を特定する
のに役立ちアリバイについては証明しやすくなっている
ことも有るけれど、やはりその仮想現実の中で起きている
行動については未だに把握しづらい。
今の時代はポケモンGOに見る拡張現実(AR)の研究がかなり
進んでいる。かつて仮想現実の世界を構築しようとして
いた頃にはハードがついてこなかったし拡張現実と見るには
一体感はなかった。
そんな仮想世界の中で発生しそして次回解明の為の証拠を
見つけたとしたならば果たして現実の世界でも証拠として
認められることになるのか。
■一体何がっ・・
ドラマとして興味深く写ったのはそのARを設定に取り入れた
というところに有るようで、その現場の特定にあった。
完全にミラー的世界観を描こうとしている訳では無いだろう
が、不自然な流れとしてみると・・
1) 被疑者とされる男が何故ボルタリングのようなことを
して転落死したのか。
右京の記憶から当時の現場の状況の不自然さに気がついた。
人の流れが逆方向にあったこと。右京の表現ではコンサート
が終わった会場に居たようだったとのことだが、私なら
徹夜明けに通勤・通学する人たちとは逆の方向に進んでいる
である。とまぁどうでも良いことだけども(笑)
2) パスワードの入力
2回までは安全、3回目にトライした理由は何なのか。
パスワードを入力したのは当時転落死した幸矢の母・蒔子で
ある。しかし彼女は2度までしか入力していない。
人生には三振法だの仏の顔も三度までだのと3にまつわる
やり直しのチャンスがあるようだが、その3度目のチャンス
を行ったのは「故意」か「過失」なのか。
3) 金にまつわるエトセトラ
過去にこの世界(NeoZipang)の創造主・加西はSNS上で
「意味も無く一億円をあげちゃうキャンペーン」
を行っている。まるで元ZOZOTOWN社長の前澤友作さんだ。
気前よく人に金を振りまいていた頃、急激に経営が傾き
大損失を与えた後に救世主・孫さまが現れて結局都合良く
その立場を退いた。
■心と感情
ネットの世界はとにかく感情が無機質のように伝えられ、
絵文字や顔文字を駆使してそれを表現しようとするが、
それ自体を嫌う人が居たり、また誤解を与えたりで難しい。
そもそも日本人はあまり感情を表に出さないと言われて
いる。
今回の白バイ警察官の出雲麗音は撃たれたことで白バイ隊
からは永遠に外れることになるし、更に取調室に於いて
感情をむき出しに肌を見せていたが、体を実質的に傷物に
されてしまった。動機は何か。後々の推論で、麗音が
見張っている位置を通る加西は邪魔だと感じて金の力を
使い排除を試みる。
・KGB
今回の事件を見てみると意外と多くの場面が女性により構成
されていることにも気がつく。
警視庁内での女性たちの集まりとして社美彌子を筆頭と
するKGBという女性警察官たちのことが抽出された。
世界を構成しているのは男性だが、その中では人を操って
いたのは女性が多かった。
被害者は女性、そして加害者と思われていた幸矢だが、実際
には女性の麗音が金欲しさの犯行だった。
そしてその彼女は自分の犯行を幸矢になすりつけただけで
なく証拠隠滅の為にログインしたのは幸矢の母親だと思わせ
る。
先日の感想の中で上下関係のことに言及したが、それでも
世界は男性社会を臭わせる大きな力は全ては男性であり
最終的決定もそこにある。
・人間を実験させる金持ちの悪趣味
1億円の当選者は3名いた。
ズバリ言ってこの1億円を配ったのは社会実験的なもの。
ZOZOの元社長もそんな話をしていたことがあるが、人と金を
使って社会実験することなど気持ちが悪い人格者としか思えな
い。
3名の一億円当選者のウチの一人・鯨岡聡子が関係してくる。
彼女に対して加西はもう一億円を与える代わりにストリー
キングのようなことをさせようとする。
人はどのくらいの金を与えれば常識外の人をするのかの
実験。
ほりえもんが先日マスクの件で餃子店といざこざになり
店には被害が及んだ。ほりえもんに直接的な非はないが、
彼の社会的影響力を考えるとメディアは確実にそれを
取り上げる。その後終息に向かいそうな感じだが、
過去の2chの西村博之がメディアでコメントしたことにより
再びこの問題に脚光が浴びてしまう。
・人生の勝ち組・負け組
この言葉自体が嫌いだけどそれが出てきたので仕方が無い。
加西が一連の事件に関係していることが判明するが、
そこにやってきた右京と冠城に加西は6億円の金を積む。
この6億は人生の勝ち組になる為の勝負に出るかどうか
の境目っぽい。
「正義」「道徳」「倫理観」を振りかざしたところで世の中
は変わることが無い。
ただ正直公務員且つ警視庁の刑事に6億円は勝負するには
いささか少ない(笑)
・気になること
・君主イザナの正体は?
・加西は逮捕されず上からの圧力がかかる。
・KGBの会合は今後も行われるのか。
・”こてまり”の女将の今後の役割
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー)
益子桑栄 …… 田中隆三 (警視庁鑑識課員)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警視庁警務部首席監察官)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (警視庁総務部広報課課長)
衣笠藤治 …… 杉本哲太 (警視正・警視庁副総監)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (警察庁長官官房付)
土師太 …… 松嶋亮太 (サイバーセキュリティー対策本部)
風間楓子 …… 芦名星 (葉林社「週刊フォトス」編集部・記者)
八津崎奨 …… 橋本拓也 (葉林社「週刊フォトス」編集長)
小出茉梨 …… 森口瑤子 (家庭料理店”こてまり”の女将)
加西周明 …… 石丸幹二 (IT長者・仮想国家「ネオ・ジパング」設立者)
出雲麗音 …… 篠原ゆき子 (警視庁 交通機動隊隊員・捜査一課に異動)
朱音静 …… 日南響子 (繊維会社勤務・万津の恋人)
万津蒔子 …… 松永玲子 (万津の母)
虎太郎 …… 田中俊介 (扶桑武蔵桜 組員)
万津幸矢 …… 櫻井圭佑 (元派遣社員・ビルから転落死)
鯨岡聡子 …… 轟もよ子 (40歳クラブ経営者・加西の「1億円キャンペーン」当選者)
越塚学、池田倫太朗、馬場康平、原布助、千代川孝