嘘の戦争 第3話 嘘の強要刑事に30年分の復讐

嘘の戦争
(2017年1月期・フジTV・火曜21時枠)

脚本 – 後藤法子
演出 – 三宅喜重、宝来忠昭
プロデューサー – 三宅喜重、河西秀幸
音楽 – 林ゆうき、橘麻美
ナレーション – おかなつこ

http://www.ktv.jp/uso/index.html

第3話 嘘の強要刑事に30年分の復讐

【ストーリー】

30年前の実行犯の一人五十嵐を破滅させ、嘘の供述をした三輪
刑事、そして家族殺害を首謀したのが二科興三だということを
知り浩一は悔しがる。「地獄を見せる。必ず全てを奪ってやる」。
そう誓う浩一は仁科家に近づくために長女の楓に接近していく。

楓とキスした浩一に戸惑う彼女。病院からの呼び出しの電話
だとして楓はその場を後にする。

隆は興三に対して何かがおかしいことを語る。五十嵐に続いて
六反田先生までハメられたこと。30年前の関係者がやられて
いることにおかしいと思わないかと。千葉陽一・・五十嵐が
言っていた人物だという。30年前に生き残った少年かと。
しかし七尾は千葉はオーストラリアに居ること。てっきり
金欲しさに来たかと思ったが・・・千葉について調べてみると
いう。あの事件が公になったら今のニシナCorp.は立て直せない
という隆。

一方浩一は次の段階に入っていた。
自分に30年前嘘の供述を強要したのが当時刑事だった三輪郁夫
だと分かったからだった。三輪は今でも刑事として現役で
59歳、藤波署で警部補として働いていた。そしてその傍らで子供
たちに空手を教えていたのである。
そんな光景をベンチで監察していた浩一。
そこにカズキが自転車に乗ってベンチにバッグを置いて行く。
忘れ物ですよと近くに居た人は大声をあげるが自転車は走り去る。
気がついた三輪は刑事という立場で対応する中バッグの中身が
爆弾のようなものだと知り、すぐに子供たちや公園内に居るもの
たちを避難させ、その爆弾入りのバッグを公園の噴水の中に
投げ込む。それを見届けた後に浩一は起爆装置のボタンを押すと
爆弾がタイミングよく爆発する。

そんな一連の行動を周りにいたものたちは一部始終携帯動画に
撮影してはインターネットなどに掲載して情報拡散していた。
テレビでも取り上げられて三輪は一躍ヒーローになる。
しかし浩一は一度ヒーロー扱いされる程に不祥事が出た時には
叩かれるのだという。人間は褒めた後に叩くのが好きなのだと。

■感想

いやいやなかなか面白い展開になってきましたね。

日本ドラマだけに限定せず海外ドラマもみて居る人ならば、
まずこのドラマを見て思い出すのが「リベンジ」でしょうか。
つい最近まで無料チャンネルのDlifeで放送していたし、今でも
時々繰り返し再放送しているのを目にする。
このドラマでは幼少期に父親をテロリストとして無実の罪を着せ
られて終身刑になり、全て奪われたアマンダという
少女が大人になってエミリーという偽名を使って事件の真相
を解き明かすと共に復讐していく物語である。

相手が巨大のグループの総裁であることとか近づく為に結婚
していき、その過程で新たな感情が芽生えるとか、外的要因が
作用してピンチを迎えていくという内容だった。

http://itawind.web.fc2.com/kaigai/r/revenge.htm

現在のこのドラマに於いては視聴者にとっては一番見やすい時機
だと思う。浩一の正体がきな臭いとされつつも、まだまだバレずに
淡々と影の存在の中で復讐者としての行動を取れる状況なので、
多少の困難はあれど、自由に行動が取れて、一人の人間を陥れる
のがこんなにも容易なのかというくらいに外郭から巨悪に対して
立ち向かえる状況だからだ。

それに手を貸す人物や本人自身の感情も現在は復讐という単純な
ものだけで進めていけるので、一直線である。

スピード感が有って楽しいのだけど、ドラマとしてより深く長く
楽しむ為にも、浩一には隆らグループと晃&楓グループの仲を裂く
ような行動を取って欲しいなという感じがする。浩一を叩くほどに
隆が悪者にされるという状況は間接的では有るが面白い要素で
有る。

今後上述したように、外的要因が複雑に絡んでくると復讐に
対する迷いや、周りがそれを阻止する為に別の感情が芽生えて
くる可能性は否定出来ない。感情とか厄介なもので、目的を
曇らせる存在となり得る。
浩一自身の復讐的感情だけならまだしも、ハルカが早くも心を
揺さぶられる愛情的感情を持つこと。またカズキという何処まで
信用出来るか分からない人物が欲望の感情を張り巡らされれば
容易に崩壊する可能性は有る。この復讐劇では一人でも
役者が足並みを乱すと途端に成立していかない綱渡りの状態でも
有るからね。

今回は一話の頃から何度となく回想シーンの中で描かれた
「嘘はつくな」とする父親の教えを強引にねじ曲げた人物との
直接対峙するものだった。

みて居て視聴者の気持ちを揺さぶるのは、浩一が復讐している
人物との接点を探して社長の隆が嗅ぎ回っていること。

詐欺事件なんかを見ても一人を相手に騙すのであればそう難しく
無いのかも知れないが、複数人を騙していく程にリスクは増して
いく。それは顔を直接つきあわせている限りは浩一が別人に成りす
まそうとしても、避けられないリスクである。

そして今回明らかにされたリスク要因としては、現代の世の中
に於いてはあらゆるメディア・媒体の進化によって容易に
意図しないところで、人の行動が記録として残存してしまうこと。
スマホなどで容易にネットに投降できるし、今回などカメラマン
が三輪邸を囲んでいる状況なので、その中で浩一が接点を持てば
何処かで姿を写される可能性は否定出来ない。全てのメディアを
コントロール出来ない以上は相当なリスクではなかろうかと。

しかし一緒に捜査していく中で上手いこと、三輪という人物の
中に浩一の苦しみや悲しみということを知らしめることが出来た
という点はシナリオとして見事なものが有った。

盗撮を疑われた三輪は警備員から・・
「嘘をついてはいけないよ、あんた」

三輪との関係を含める過程で浩一がポロっと語る「報い」という
言葉が、マジメな三輪の中で消化されたことで、最後のピンチも
上手いこと乗り切った。

■出演者

一ノ瀬浩一(旧名:千葉陽一)…… 草彅剛 (家族を殺された詐欺師)
二科隆 …… 藤木直人 (次男、二科コーポレーション社長)
十倉ハルカ …… 水原希子 (浩一の仲間?)
八尋カズキ …… 菊池風磨 (ユウジの甥)
百田ユウジ …… マギー (バー”800″オーナー、浩一の師匠)
七尾伸二 …… 姜暢雄 (会長の秘書)
四谷果歩 …… 野村麻純 (社長秘書)
三瓶守 …… 大杉漣 (宮森わかばの家の園長、元医師)
二科楓 …… 山本美月 (興三の娘、慶明医科大、救命救急医)
二科晃 …… 安田顕 (長男)
二科興三 …… 市村正親 (二科コーポレーションの会長)
二科桜 …… 吉澤梨里花 (娘)
二科梨恵 …… たくませいこ (妻)

三輪郁夫 …… 六平直政 (59歳、藤波署、警部補)
千葉 …… 迫田孝也 (慶明医科大学、陽一の父)
幼少期の千葉陽一 …… 小林颯
千葉一恵 …… 中島亜梨沙 (陽一の母)
千葉大輝 …… 齋藤絢永 (陽一の弟)
春一 …… 伊藤歩夢(施設の子)
光也 …… 水野哲志 (施設の子)
祐樹 …… 庵原匠悟(施設の子)
三輪梨恵 …… 宮地雅子 (郁夫の妻)
五十嵐久司 …… 甲本雅裕 (大学病院准教授)
一ノ瀬浩一 …… 小松利昌 (オーストラリア暮らし)

中川慧、生越千晴、長谷川公彦、佐藤由美、江端英久
杉島光盛、川庄美雪、岡村優、小林元樹、土井きよ美、平野貴大
鈴木隆仁、七枝実、浜凛杏

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