[終] 嘘の戦争 第10話 復讐劇完結!華麗なる詐欺師最後の嘘と真

嘘の戦争
(2017年1月期・フジTV・火曜21時枠)

脚本 – 後藤法子
演出 – 三宅喜重、宝来忠昭
プロデューサー – 三宅喜重、河西秀幸
音楽 – 林ゆうき、橘麻美
ナレーション – おかなつこ

http://www.ktv.jp/uso/index.html

第10話 復讐劇完結!華麗なる詐欺師最後の嘘と真

【ストーリー】

浩一は家族の復讐の為に興三や一族に罠を仕掛けていく。
隆は反撃に出て浩一の詐欺仲間を利用し事件の重要証拠となる
録音テープを奪い返すという。その裏で浩一に脅迫された興三
は会見を開いて告白するというが、それはニシナcorp.が粉飾決算
をしていたことを認めて謝罪するが、浩一がニシナcorp.の
子会社から2千万円をだまし取り、更に脅していることを告げる
ものだった。
ダマされたとして浩一は警察に追われることになる。

逃げ込む浩一は三瓶の元に行く。
興三が罪を告白している録音データが有ったが消されてしまったと
し自分が油断したミスだと語る。守に対して30年前に父親から
受け取ったという証拠は何だったのかと尋ねると、晃が死亡
させたOL女性・八嶋寛子の解剖所見のコピーだという。
何か有った時には警察にこれを渡して行動を調べればOLを殺した
のが誰だかすぐに分かるとされていた。しかし事件は時効として
処理され、今更この件で警察は動くはずはないという。
録音や手紙でも残っていれば・・という。
その時、浩一は六車との会話を思い出し、彼もどういう証拠を
持っているのか分かっていないんだと気がつく。

「証拠はなくてもあると思わせれば良い。あの口ぶりだとどんな
ものなのかは分かっていない」

守は協力させて欲しいとし、浩一の為だけでなく自分の為でも
あるという。償いをさせて欲しいとのこと。そんな六車は浩一
のことをずっと監視していた。

興三は復職決算の件で銀行とは話したが新規融資は望めないが、
借入金の一括返済は免れたという。手術支援ロボットに対する
反応が寧ろよく資金援助してくれる投資者は多いとのこと。
ニシナcorp.の膿は出した。法的責任は全て私が受けるので
隆に会社は頼むと語る。

そんな隆の元に浩一は電話する。
録音が無くなったので安心しているんだろうとし別の証拠を見つ
けたとい。父が30年前に友人に預けたもので、OL殺人の隠蔽を
興三から求められた記録だという。友人が証言してくれるとし
今度こそお前らの嘘を暴いてやるという。
隆は興三に語ると、一ノ瀬の父と関係が有った人物かと呟く。
隆は心当たりが有るのでこの件は任せて欲しいとし六車には
手を出させないでくれと約束させる。興三は隆には約束すると
するが、実際には七尾に告げて始末させろと命じる。

■感想

いよいよこのドラマの最終話。
個人的には義賊のような形の詐欺ではなく自らの復讐の為の詐欺
だったのが良かった。
その執念で最後まで食らいつく浩一と、新たな世代となり会社を
守る立場で動いている二科の面々との攻防戦は楽しく見られた。
そして大局的立場に居る興三もまた決して謝らないというその
執念は憎さ100倍だけど役に徹すればある意味その執念は凄かった。

このドラマが面白く写ったのは、その時々の浩一ら主人公の心情
を表す為に利用された「嘘」に対する定義が変わっていくところ
にも見られた。変わっていくというよりも角度を変えて見ると
嘘は決して一つではないという事なんだろう。

最初の嘘は30年前に無理矢理付かされた嘘。
その嘘が憎しみを生んで行き、嘘を憎んでその嘘を使って復讐す
る。嘘によって人生を壊され自分を壊されたが為に嘘は嫌いだけ
ど、その嘘を使わなければならないこと。

次第にその嘘は角度を変え、時を越えて、嘘自身が人を助ける為
の一面を持ち始めたところも面白く出来ていたし、最終的には
嘘が人を助けるという全く正反対の一面を持つ事も有るという
ところを示したところも興味深い。

嘘は人を蝕む。その嘘が人を殺していく。
「嘘・嘘・嘘」というキーワードが東亜プランのゲーム
「鮫・鮫・鮫」の如く、酸っぱくなる程飛び出した内容だった
けど、本当に嘘への拘りが凄かった。

嘘から出た関係から人の絆など結ばれるハズもなく、詐欺師に
信頼が結ばれる訳もないのに、その嘘の中からでも信頼関係
なり人間関係が結ばれていくところのシナリオの妙。
その人の口から出た言葉以上にその人となりの性格を見せられた
ところが有ったのだろうね。

ネットを使ったトリックは何処かで使われるかと思ったけど、
楓の死の偽装のところで利用された。もの凄く分かりやすい
詐欺で安っぽ過ぎて泣ける(笑)でもああいう状況なら嘘だと
は気づかないものなのかな。

最終話も比較的早い段階から復讐のロジックが自分の頭の中で
は導きだされていたので、最終話の流れも想定出来るところは
有った。

サスペンスドラマの定番。
崖っぷちで真実は語られる。まさに事件の解決が名実共に崖
で決まったものだった。

一つ難を言えば、このドラマは口が災いの元になるところが
大きかった。詐欺師としては自分のカードは最後まで明かさない
のが定番だろうに、30年前の証拠があるなんて言葉を自分から
話す辺り、冷静にみて居る方としては、浩一の中での万策が尽き
ている感じがして何とも言えなかったな。

「復讐なんて別の悲劇と憎しみを生むだけだ。」
毎回隆は形勢が不利になった際に浩一訴えるけど、それって
“お前もナー”って感じにしか見えない。

ドラマ「半沢直樹」の「倍返しだ!!」とまでは行かなかったけど
一応同じ気持ちを味わわせたし、罪を背負って生きてきたもの
たちは、形は違えど罪を償おうとして行動を起こしたという点で
は良かったのではないかな。

■出演者

一ノ瀬浩一(旧名:千葉陽一)…… 草彅剛 (家族を殺された詐欺師)
二科隆 …… 藤木直人 (次男、二科コーポレーション社長)
十倉ハルカ …… 水原希子 (浩一の仲間?)
八尋カズキ …… 菊池風磨 (ユウジの甥)
百田ユウジ …… マギー (バー”800″オーナー、浩一の師匠)
七尾伸二 …… 姜暢雄 (会長の秘書)
四谷果歩 …… 野村麻純 (社長秘書)
三瓶守 …… 大杉漣 (宮森わかばの家の園長、元医師)
二科楓 …… 山本美月 (興三の娘、慶明医科大、救命救急医)
二科晃 …… 安田顕 (長男)
二科興三 …… 市村正親 (二科コーポレーションの会長)
二科桜 …… 吉澤梨里花 (娘)
二科梨恵 …… たくませいこ (妻)
鳥の声 …… ゆりやんレトリィバァ (バーのオウム)

千葉豊 …… 迫田孝也 (慶明医科大学、陽一の父)
幼少期の千葉陽一 …… 小林颯
千葉一恵 …… 中島亜梨沙 (陽一の母)
千葉大輝 …… 齋藤絢永 (陽一の弟)
春一 …… 伊藤歩夢(施設の子)
光也 …… 水野哲志 (施設の子)
祐樹 …… 庵原匠悟(施設の子)

六車了司 …… 神保悟志 (暴力男、興三の息がかかる)
三井研治 …… 杉野遥亮 (二科コーポ・開発)

岩田知幸、松田慎也、吉澤梨里花、井上浩、森本のぶ
伊藤慶徳、中田敦夫、小林元樹、松野果音、Gil、Greggory Q

スポンサーリンク
レンダグル大336
レンダグル大336

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レンダグル大336