嘘の戦争
(2017年1月期・フジTV・火曜21時枠)
脚本 – 後藤法子
演出 – 三宅喜重、宝来忠昭
プロデューサー – 三宅喜重、河西秀幸
音楽 – 林ゆうき、橘麻美
ナレーション – おかなつこ
http://www.ktv.jp/uso/index.html
第7話 宿敵長男に復讐!一族崩壊へ
【ストーリー】
首謀者の興三への復讐を誓い一族に近づいた浩一。
興三に対して楓との結婚を申し込むと父は大事な娘を幸せにする
と約束するかと言われ約束する。しかし全ては晃が起こした罪を
もみ消すために行ったことが分かる。
「罪を逃れてのうのうと生きてきたヤツは相応の償いをしてもら
う」と浩一は改めて復讐を決意。しかし隆だけは浩一が仁科家
へ復讐に関わっていると確信し正体を暴こうとしていた。
「嘘は最後はつききった方が勝ち」。
そんな中興三と二人で話し合う機会に恵まれ、興三は浩一が
関わっていることをおぼろげに感じ、お前の望みは何なのかと
問う。しかしその瞬間彼は心臓を押さえて倒れてしまう。
浩一は見捨てようとするが、「あっさりと死なれてたまるかと
し、生きてもっと苦しめ!、生きて俺の復讐を見届けろ」として
心肺蘇生を行う。
病院に運ばれる中、隆が飛んでくると浩一に対して何をしたのか
と問う。しかし晃や楓は浩一は命の恩人だとし、心筋梗塞が再発
したのだという。医師から話を聞くと、ストレスが重なったのだ
ろうとし近くに人が居たのが幸いだったという。あの方がいなけ
ればお父さんを救うことは出来なかったとのことだった。
汗だくで心臓マッサージをしたこと。救命士も七尾もそれを確認
しているという。晃は隆に対してあとで浩一に謝れよと語る。
医師並みに適格な心マだったという。浩一はかつて心肺蘇生の
講習を受けたことがあったとし役に立てて良かったと。
当たり前のことをしただけですと隆にも告げる。
そんな中七尾は六車が来ていますという。
駐車場で隆は六車了司と会う。
会長は無事だとしどうするかと問う。隆は監視してくれとし、
例の録音は浩一が知っているハズだという。六車は録音毎この世
から抹消するのが一番の手だとすると隆はそれは困るという。
しかし炉車は命令できるのは会長だけだという。
■感想
なかなか駆け引きの綱引きが面白くなってきた。
浩一の正体が分からない中での復讐劇も当然面白さを極めていた
けれど、浩一に監視の目をつけられている中での復讐劇はその
難易度も一層上がり、それは敵対心を持つ相手だからという理由
だけでなく、核心に近づくに連れて愛するものに危険が迫ったり、
また復讐の為に内部に近づいたが為に少なからず相手に感情移入
をしているところもあって、過去はどうであれその人となりの
人生とか心情にも触れている相手に復讐することの難しさという
ものを体現していくことになるのかなと。
復讐/怒りは感情の中でも強いものだと思うけど、時間が癒す
ものだって時にはあるし人との触れ合いで和らいでしまうこと
だってある。
その感情を維持することがどれだけ難しいことなのか。
浩一一人だけなら別に復讐の為に興三を殺そうが、浩一が刺され
ようが一向に構わないのだけど、やはり協力してくれている
仲間を巻き込んでしまうことには肩入れするのも難しいところが
出てくる。
そういう意味では今回、取りあえず仲間には選択肢を持たせて
ここで自分とは離れるべきことを示唆する点は悪くない。
今回は晃への復讐だったけど、意外とあっさりとした感じで引っ
かかったなと思った。
しかし当然それは隆にも織り込み済みの所が有り、2千万円は
仕掛けた罠であったこと。金額的なことよりも浩一が復讐して
いることを確認する意味でも大切な所が有ったのだろうし、
予め楓には晃が狙われるということを予測していただけあって、
上手いこと全幅の信頼を寄せていた浩一に対する疑惑の種を
植え付けたかなと。
また監視しているパソコンの流れが隆に伝わってしまい今後
互いに化かし合いの構図があるかと思うけどどのような展開
になっていくのか想像が難しくなった漢字。
更に晃は追い出されて格好だけど、隆は全てのことを晃に伝えて
ニシナcorp.が如何に苦しい状況に立たされているのかも
知らされた。そのお陰も有って晃が絶望しながらも弟に対する
敵愾心を持つのではなく、不甲斐ない自分へ責任を向けさせた
のも悪くは無いのかな。
シナリオも上手いこと出来ているもので、リレー形式のように
晃の口から、キャバ嬢に化けて近づいたハルカにニシナcorp.の
現状が知らされたこと。そこには最大のウィークポイントが
含まれているけれど、果たして会社を潰すことが最大の復讐に
なったりするのかな。
「六車」と聞いた隆のリアクションは面白かったけど、滅茶苦茶
使えネーって感じ。監視しているとか言いつつ監視している
シーンが殆ど無い。しかも監視していることが素人目にも分かる
程度のものだった。
隆と六車が会話するシーンがあり隆に次の行動をどうするべきか
を尋ねるシーンが有ったけど、「命令出来るのは会長だけ」と
いうならいちいち隆に判断を仰ぐなと小一時間だったな。
興三が五十嵐状態になっている中で、一応薄れ行く意識の中では
浩一の話を聞いていたってことなのね。
しかし浩一は楓とハルカに挟まれて羨ましいですな。
■出演者
一ノ瀬浩一(旧名:千葉陽一)…… 草彅剛 (家族を殺された詐欺師)
二科隆 …… 藤木直人 (次男、二科コーポレーション社長)
十倉ハルカ …… 水原希子 (浩一の仲間?)
八尋カズキ …… 菊池風磨 (ユウジの甥)
百田ユウジ …… マギー (バー”800″オーナー、浩一の師匠)
七尾伸二 …… 姜暢雄 (会長の秘書)
四谷果歩 …… 野村麻純 (社長秘書)
三瓶守 …… 大杉漣 (宮森わかばの家の園長、元医師)
二科楓 …… 山本美月 (興三の娘、慶明医科大、救命救急医)
二科晃 …… 安田顕 (長男)
二科興三 …… 市村正親 (二科コーポレーションの会長)
二科桜 …… 吉澤梨里花 (娘)
二科梨恵 …… たくませいこ (妻)
鳥の声 …… ゆりやんレトリィバァ (バーのオウム)
千葉 …… 迫田孝也 (慶明医科大学、陽一の父)
幼少期の千葉陽一 …… 小林颯
千葉一恵 …… 中島亜梨沙 (陽一の母)
千葉大輝 …… 齋藤絢永 (陽一の弟)
春一 …… 伊藤歩夢(施設の子)
光也 …… 水野哲志 (施設の子)
祐樹 …… 庵原匠悟(施設の子)
五十嵐久司 …… 甲本雅裕 (大学病院准教授)
千葉陽一 …… 小松利昌 (オーストラリア暮らし)
六車了司 …… 神保悟志 (暴力男、興三の息がかかる)
四方田直樹 …… 宮本大誠 (四方田建設)
医者 …… 吉満寛人
村本明久、高井宏樹