相棒15 第16話 ギフト

相棒15
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

プロデューサー:伊東仁、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第16話 ギフト

脚本/真野勝成 監督/内片輝

【ストーリー】

帝都総合病院、2月26日。
医師は末期がん患者の北幸一に対して術後の経過が順調なこと
を語る。北は先生の才能に感謝しながらも、突然”先生は何人
を切り刻みましたか?”という。才能は経験によって熟練する。
私も随分と人の体を切り刻んだ事を告げ、私の場合は女性の顔
専門だという。

その発言を受けて病院の捜査管轄権のある千代田警察署の
警察官が北の病室を監視することになり、この日は田上孝一
巡査長と部下の潮崎良純が監視することになる。連続殺人犯
が優雅に治療を受けるなんて・・被害者が浮かばれないという。
しかも何で俺たちが見張りをするのかとし刑務官にやらせれば
言いとして田上は文句ばかりを分の潮崎にぶつける。
田上は潮崎にちょっと席を外して良いか?と問うと、潮崎は
“またいつものこと”だと思い、それを了承し一人で病室の前
にいた。しかし一人になり暫くして突然病院の電源が落ちる。
電源のシステムが落ちたとし、非常電源も作動しないため
看護師たちは復旧を急ぐよう連絡を入れる。そして暫くすると
電源は回復した為に、看護師は安全の確認のために病室を
回るよう告げる。すると見張りをしていた警察官が両手を
縛られて顔の皮膚が切り刻まれていた。田上は急いで病室に
駆けつけると潮崎が殺され、北が逃げたことで急いで緊急配備を
敷くよう連絡する。

病室には鑑識や捜査一課の捜査官たちが来ていた。
芹沢は顔を切り刻まれるなんて・・
右京ら特命係もやってくる。一年前の北の事件では借りがある
ので特命の捜査にも深くは言及しなかった。伊丹の元に電話
が鳴ると北の担当弁護士と名乗るものからの電話だった。
右京は遺体を見てこの切り刻み方は北によるものだろうと語る。

弁護士の連城建彦は北の担当弁護士だった。
芹沢たちが事務所を訪ねると、私宛にこんなものが届いたとして
封筒を渡す。伊丹刑事に渡して欲しいというものだった。
中を開けるとスマホが入っていて、同時に残されていたという
メモには「この電話を捜査一課の伊丹さんに渡して下さい。
24時に電話します」と書かれていた。
そうしている間にも北からスマホに電話が鳴る。何処に居るのか
と尋ねると私にはやるべくことがあるという。神は居ると思うか?
という北は神にはユーモアがあるのだという。殺人鬼の私にも
贈り物である夢の続きを見る機会をくれたこと。夢はこの手で
叶えてこそ夢。最後の一瞬まで夢を諦めないという北。

捜査本部が設置される。
北は過去に6人の女性を殺害していること。被害者の顔を殴り
殺害した後に独自のやり方で切り刻むことに執着すること。
快楽殺人犯だという伊丹。北は捜査一課の陣川警部補の友人だっ
た矢島さやみさんの遺体損壊でも対話され、北は矢島殺害の
加害者の生木に事件現場で遭遇していること。生木にシンパシーを
覚えて逃亡幇助し自らの犯行に見せかける為に遺体を切り刻み
始めたという。
「陣川が日本に居なくて良かった・・」
中園は北は裁判中に末期がんの治療の為に入院し見張りの潮崎
を殺害し逃亡したという。犯行当時病院のシステムダウンが
11分起きていること。防犯カメラでは逃走経路を確認出来ない
という。計画的で共犯が居る可能性が高かった。入院中に接触
したのは病院関係者と捜査官と北の弁護士だという。
再び北がリストアップした女性たちを狙う可能性があるとし
その数は67名もいた。そのウチの8人と連絡が付かなくなって
いるという報告を受ける。

■感想

S14-12の殺人犯の北幸一が再度趣向を変えて殺人を変える物。
http://itawind.web.fc2.com/2015/aibo1412.htm

とは言っても殺人の手口自体が変わったのではない。
当時の彼も別の殺人鬼によってインスパイヤーされて自分の殺人
の手口を確立していったが、自分の欲求の為ではなく、名目的
には他人の為に殺害するという名目の下で彼らの為に殺人を犯す
ことで喜びを覚えるという感じに進化しての登場だった。。
人の価値観もそれぞれって感じで、何に感化されるのか分から
ない。

こういう犯人を見るとどうしても、元相棒で3代目のカイトの
ことを思い出してしまうな。
こっち側の人間、あっち側の人間なんて分け方する人が出ると
特にそう思う。

司法とか捜査機関の人間がこういう殺人鬼に少なからず手を
貸すことで防げるものも防げない。
セキュリティの問題もそうだし今回は所轄のバカな刑事のせいで
犯人を逃がした人的責任も大きい。

人の顔の皮を剥がすという残虐な行為の中には犯罪心理学的
見地から見れば、色々と犯人を分析するのに役に立ちそうだけど、
人には誰でも忘れたい思い出があるし、それとは反対の意味を
持つターゲットの過去を掘り出して本性を引き出すという意味
合いもありそうだ。
殺された段原とかいう男が、あまりに容赦なさすぎて、
人間の皮を被った動物レベル。その人間の皮を剥ぐ

ドラマのポイントとなったのは、意思疎通の問題なのかな。
そのロジックを解き明かすことがとても難しいものとなった。
そこには弁護士と依頼人、殺人鬼夫婦としての守秘義務、
何よりも被害者や捜査官のハズのものが犯人に手を貸している
訳だからね。

また「才能」というワードも抽出された。
才能が終結して再び殺人鬼を地獄の底から引き上げてこの世に
放ってしまったところもある。
医師のスキル、弁護士のスキル、殺人鬼としてのスキル。
女性としてのスキルを使って、殺された有村は全く知らない
潮崎の復讐に協力する形となった。それぞれの間には全くの
繋がりが無く、それをつなぎ止めているのが殺人鬼であり
弁護士であったりと、一筋縄ではいかない状況として描かれた。

犯人は「神」を連呼していたけど、結果的にはその流れを
掴んだのも神の元で約束を交わした「結婚」という神聖的なもの
が決め手となった。

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
陣川公平 …… 原田龍二 (捜査一課、ロンドン出向・研修)
綿貫肇 …… 児島功一 (捜査一課メガネ)

北一幸 …… 野間口徹 (連続殺人鬼、末期がん)
連城建彦 …… 松尾諭 (弁護士、検察を嫌う)
有村みなみ …… 片山萌美 (27歳、図書館司書)
潮崎良純 …… 橋本淳 (28歳、千代田署警察官、巡査)
潮崎加代 …… 三谷悦代 (良純の母、息子の心は女性だった)
田上孝一 …… 山上賢治 (千代田署警察官、巡査長)
段原亮 …… 宇賀神亮介 (ワル仲間、不動産業者)
宮島和生 …… 廣瀬裕一郎 (段原の同僚、不動産業者)
中山肇 …… 末広透 (段原のワル仲間)
向山真一 …… 青山隼 (段原のワル仲間)

石坂晋輔、宮本多喜人、浅田光、野村ゆき、小林音子
上田高嗣、河嶋はるか、ライアン

矢島さゆみ …… 黒川智花 (被害者・写真のみ S14-12)
生木拓 …… 草野イニ (犯人・写真のみ S14-12)

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