嘘の戦争
(2017年1月期・フジTV・火曜21時枠)
脚本 – 後藤法子
演出 – 三宅喜重、宝来忠昭
プロデューサー – 三宅喜重、河西秀幸
音楽 – 林ゆうき、橘麻美
ナレーション – おかなつこ
http://www.ktv.jp/uso/index.html
第8話 暗殺者に復讐…衝撃の真実が
【ストーリー】
楓と婚約して仁科家に入る込む。そして会長と対峙することに
なるところで会長は持病で倒れるが敢えて救命で救う。
晃に罠を仕掛けて破滅に追い込む。隆は幸一の嘘に翻弄される
がついに詐欺に関与した証拠を掴む。
一方30年前の実行犯で興三の手下の六車に罠を仕掛ける。
罠に気がついた六車はゴミ箱の中身を漁ることはなく、更に
カズキが仕掛けた車の発信器を六車は気がつく。
しかし浩一は顔写真は撮れたので五十嵐に見せれば実行犯が
六車かどうか確かめられるという。
そんな中百田は浩一に対して会長に何を求めるのかと問うと、
懺悔と絶望だという。興三に望むのはその二つだと。
浩一が出て行った後、百田はハルカは告白したのにねという。
結局私は便利なだけの詐欺仲間でありそれ以上の意味はないと
いう。変わりなんて幾らでもいると。
楓は隆に千葉陽一って誰なのか・・浩一に関係が有るのかと
問うと、もうすぐ終わらせるので心配するなという。
隆は興三の元にいくとあの日一ノ瀬との間で何が有ったのかと
尋ねる。興三はまだ完全には話せなかったが、一ノ瀬が千葉だ
と告げる。
浩一は退院した五十嵐の元にいく。
五十嵐は怯えながら君が望むものは何もかも無くしたという。
六車の写真を見せると会長の部下であることを認める。オレは
子供まで殺すつもりはなかったが俺はアイツに従うしかなかった
という。それを効いた浩一は彼にも傷つけられる人間の痛みを
教えるという。
ハルカの元に隆が接触し取引したいという。
一ノ瀬の正体は知っているとし、録音データさえ始末すれば千葉を
傷つけるつもりはないという。このままだとアイツは死ぬぞと。
浩一は施設で春人の誕生日会をしていた。俺もここで誕生日を祝
ってもらったこと。家族を亡くしてから守さんだけが味方だった
という。そんな中隆から浩一に電話が鳴る。父と話したとし君の
正体は分かったという。警察に突き出すだけの証拠は揃っている
こと。兄に渡したUSBメモリでパソコンを乗っ取り偽のメールで
2000万円をダマしただろうと。警察を突き出せるが、楓を傷つけ
たくないとし妹には何の罪もないだろうと。それなら話し合いだ
として今夜8時に俺の事務所でと語る。
昼間から飲んでいる晃は浩一から電話。大事な話が有るという。
そこに楓がやってくると晃が飲んでいることを心配する。
隆から社長なんてなりたくなかったと言われたこと。俺が不甲斐
ないのが原因だったと語る。
■感想
いやいや面白いですね。
今回のネタばらしによる復讐劇が一番浩一の怒り、悲しみ、
苦しみを相手に伝える機会となったことで、相当盛り上がる
内容だった。
相手に対する復讐に於いて、このケースで一番相手にダメージを
与えるにはどんな事かなと考えた際に、身内が酷いことをして
いた事実を知らない相手、知られたくない相手にその事実を
伝えることではないかなと。
興三に取っても隆にとってもその相手が楓で有り、父親が過去に
相当な悪事を働いていたことが伝わり、そしてそれを知りつつ
隆がその後をついでクリーナー的仕事をしていたことを通して、
楓による怒りのリアクションが一番の興味深く写った。
また晃にとっても今まで邪険に扱われていると思っていたが、
実は隆がそんな重い十字架を背負いつつ社長という座に就いて
行動していたことには相当な思いがしたことだろう。
こういうシナリオを見てしまうと、その後の展開で例え仁科家が
どれだけ没落したとしても、正直視聴者的にも何処まで楽しめる
か不透明だ。
やはり隆っていうのは金持ちの発想を持ち合わせている。
何でも金で解決しようとする。まずは金の話が出てくる。
妹のことを傷つけたくないとか言いつつ、浩一の一家は惨殺され
て傷ついている処の騒ぎではない。家族を守ることに勢力を
注ぐけど、結果的には相手に対する謝罪も罪悪感もこれっぽっち
も存在していないことが伺えて、尚かつ嘘に嘘を重ねるかのように
して現在も悪事に手を染めている訳だからね。
そして今回は六車との対決。
怖い相手とか言いつつも何処か滑稽に写るところがあるのは
気のせいか。
ハルカのことを助けた浩一。Whitney Houstonの音楽が流れれば
浩一がKevin Costnerに見えただろうか。
防弾チョッキを着ているなんて反則だ。こういう時には父親や
家族の写真の入ったロケットが銃弾を防ぐのだ(笑)
いよいよい三瓶くん登場です。
事情を知っていたのに家族を守る為に警察に話す事が出来ません
でしたとのこと。
正直三瓶に復讐しても爽快感は皆無だろうし、何か一癖ないと
なかなか最終話に向けた流れの中で盛り上がりに欠ける話に
なってしまう。把握していた犯罪を話さずにただ見守っていた
だけの相手。実行犯とは違い、父親の気持ちや事実を託された
相手。
私はこのペースでシナリオが進んでいることを考えると、実は
意外と浩一の父にも何か非のある行動を起こしていたみたいな
裏が隠されていて最後にそれを浩一が知るみたいなところが
あるのではないと勘ぐってしまう。
今まで復讐していたことは何だったのかみたいなところに繋がる
ような気がして怖い。
■出演者
一ノ瀬浩一(旧名:千葉陽一)…… 草彅剛 (家族を殺された詐欺師)
二科隆 …… 藤木直人 (次男、二科コーポレーション社長)
十倉ハルカ …… 水原希子 (浩一の仲間?)
八尋カズキ …… 菊池風磨 (ユウジの甥)
百田ユウジ …… マギー (バー”800″オーナー、浩一の師匠)
七尾伸二 …… 姜暢雄 (会長の秘書)
四谷果歩 …… 野村麻純 (社長秘書)
三瓶守 …… 大杉漣 (宮森わかばの家の園長、元医師)
二科楓 …… 山本美月 (興三の娘、慶明医科大、救命救急医)
二科晃 …… 安田顕 (長男)
二科興三 …… 市村正親 (二科コーポレーションの会長)
二科桜 …… 吉澤梨里花 (娘)
二科梨恵 …… たくませいこ (妻)
鳥の声 …… ゆりやんレトリィバァ (バーのオウム)
千葉 …… 迫田孝也 (慶明医科大学、陽一の父)
幼少期の千葉陽一 …… 小林颯
千葉一恵 …… 中島亜梨沙 (陽一の母)
千葉大輝 …… 齋藤絢永 (陽一の弟)
春一 …… 伊藤歩夢(施設の子)
光也 …… 水野哲志 (施設の子)
祐樹 …… 庵原匠悟(施設の子)
五十嵐久司 …… 甲本雅裕 (大学病院准教授)
六車了司 …… 神保悟志 (暴力男、興三の息がかかる)
医者 …… 吉満寛人