[終] 過保護のカホコ 第10話 素晴らしい言葉の連発は逆に不感症になる。

過保護のカホコ
(2017年7月期・日テレ・水曜22時枠)

脚本 – 遊川和彦
チーフプロデューサー – 西憲彦
プロデューサー – 大平太、田上リサ
演出 – 南雲聖一、日暮謙、伊藤彰記、明石広人
音楽 – 平井真美子
主題歌 – 星野源「Family Song」

http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko/

第10話

【ストーリー】

初代から亡くなる前に姑からもらったとする指輪を加穂子に
手渡され、これからはあなたがこの家と家族を守って欲しいと
言われる。どんなに辛くても寝て、食べて、好きな人の手を話さ
ないこと。そんな初から加穂子にプロポーズがある。こんな
時だからこそ一緒になるんだとし、「病めるときも健やかなる時
も一緒にいると言うだろう」と・・。

加穂子は福士/じぃじの元にいく。心配だから来たというと
何も無かったかのようにして元気だった。加穂子の誕生日でしょ
というとみんなが集まっていておめでとうと言われる。
社会人になって初めての誕生日会だとして死んだハズのばぁばの
姿も有った。毎年みんなで誕生日をしましょうというばぁばに
対して無理だとし、これは夢だと。ばぁばもその通りだとして
いつでも見守っていることを告げる。

加穂子は夢から目覚める。
指輪がないことに気がつき急いで探すが指にはめたまま寝ていた
ことが判明しホッとする。夕べ初から言われたプロポーズを
思い出す。問題は両親にどう伝えるかだった。
母・泉は夏風邪を引いていて声が出ずにいた。父・正高が妻の
声を代弁する中、加穂子はじぃじが心配なので行ってくるという。
その前に一つ初くんとの結婚のことを告げる。こんな時だから
こそ結婚したいのだというと、ママは今まで通り反対だとし、
勝手に婚約届けを出せば勘当だという。加穂子は駆け落ちしよう
と思ったけどばぁばからも言われた様に認めてもらう為に頑張る
と。

じぃじの家にいくが家の中にはダレも居なかった。探し回るが・・
電話してみるとじぃじはばぁばと会いに行ってくるとし思い出が
沢山詰まっている場所だとしてもう探さないでくれという。
まるで自殺するかのような発言に加穂子もパニくりすぐに初に電話
する。するとみんなにじぃじとばぁばの思い出の場所を聞くのだ
とし、念のために衛叔父さんにも連絡しておくべきだと言われる。

■感想

いよいよ最終話。

自分の決めたエリアを離れた途端に口数が少なくなってしまう
という泉の態度を見ると、今思うと佐藤二朗さんが主演だった、
「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役を思い出す。
自ら引いた境界線から越えることの大変さ。
かつて韓国が戦後のどさくさ紛れに決めてしまった李承晩ライン
の如く、一度引いたラインを乗り越えることは他人に自分にも
他人にも難しい。

娘を守る為のハズの壁が逆に乗り越えられない壁として存在して
しまった。それに気がついた時には自分自身にとっても険しく
高い壁として存在している。
壁は崩さずとも加穂子にはみんなの心のドアを開ける鍵をもって
いるということで、出会う人を幸せにしたいという気持ちと
相まって上手いこと加穂子の存在感と将来への道筋を立てた
格好だった。

ただ最終話周辺はやたらと説教臭くてセリフ過多で、
「すっばらしい」を連発した分、どうも押しつけがましい愛が
邪魔くさく見える。加穂子の可愛らしさでカバーしたものの
なんだかNHKのドラマかアナウンサーが語りそうなキャラクター
を見ている感じ。

家族として欠けてしまったピースの一つが家族として一番支えと
して存在していたばぁばだった。
その苦労を知った加穂子の「今日のこんなのはじめて」は、ばぁば
の凄さ・偉大さだった。初めて似た様な環境に置かれて知る事実。

奇しくもばぁばも両親とは駆け落ちのような格好をしてきていて
今の加穂子とは似ているけど、そんな苦労を乗り越えてこんな
素敵な家族を築いていた。

面白かったのはやはり奇抜だけどコミュニティの取り方だった。
今回の正高はいつもの物言えない彼と違い妻の代弁という形で
色々と話していたこと。以心伝心のように伝わる二人が最後に
なって離婚を口にするも、その姿を見れば別れる必要性なんて
何処にもないことに気がつく。
ただ現実として子育てが一段落した後に離婚する人っていうのも
多いと聞くし、定年までは夫を支えてそこで妻は離婚を切り出す
なんて話も近年は多い。
定年制度が延長になることで世の中の夫に不満を持つ妻たちに
とっては大変になっているのか。

■出演者

根本 加穂子 …… 高畑充希 (22歳、稜青大学・文理学部社会学科)
麦野 初 …… 竹内涼真 (24歳、芸術学部・美術学科)
根本 正高 …… 時任三郎 (54歳、父、双葉生命)
根本 泉 …… 黒木瞳 (51歳、加穂子の母、専業主婦、不妊治療)
国村 衛 …… 佐藤二朗 (47歳、八ッ川交番勤務、環の夫)
国村 環 …… 中島ひろ子 (48歳、次女、身体が弱い)
根本 多枝 …… 梅沢昌代 (74歳、正高の母)
根本 正興 …… 平泉成 (77歳、正高の父)
根本 教子 …… 濱田マリ (50歳、正高の妹、出戻り)
富田 厚司 …… 夙川アトム (41歳、節の夫、看護師)
富田 節 …… 西尾まり (44歳、三女)
富田 糸 …… 久保田紗友 (18歳、節の娘、チェリスト)
並木 初代 …… 三田佳子 (72歳、泉の母)
並木 福士 …… 西岡徳馬 (74歳、泉の父)

保 …… 横山歩 (児童養護施設”翔光園”)
岩崎 …… 柳谷ユカ (児童養護施設”翔光園”。施設長)

横山祥二、菅野周平、山本美紀子

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