相棒16 第2話 検察捜査~反撃

相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第2話 検察捜査~反撃

脚本/輿水泰弘 監督/橋本一

【ストーリー】

1人目の亞矢はバスルームで感電死(H19/2/16)、2人目の加世子は
プールで溺死(H28/9/6)、3人目のめぐみは階段から転落死。
社美彌子は冠城に対して地検の検事が調べていると語る。
検事・田臥は平井事件の担当を私に変えて欲しいという。衣笠
は峯秋に対してあなたに特命係の指揮統括をして欲しいという。
平井は無実だと主張し脅されて自供したと訴えたとし、
田臥は特命係の2人に対して僕の指揮下で捜査をするので捜査権
のない特命係は参加させられないという。

鑑識の益子に話を聞こうとするが、上からの命令で特命係には
捜査資料は一切見せられないという。ヤツは本気で俺たちを捜査
から閉め出す気なのか。しかし右京は「”するな”ということは、
“しろ”という事かも知れない」としてお笑いの”習慣”的なことを
例に出す。社が言っているように田臥には何か魂胆があるのだろ
うと語る。右京は1人目、2人目の供述調書を詳細に暗記していて
スラスラと語りだす。1人目の彼女は風呂上がりに身体を
拭かないまま髪の毛を乾かす癖を利用したこと。2人目の彼女は
夕食後に必ず自宅プールで泳ぐ為に排水溝の事故をヒントにし
彼女の長い髪の毛が排水溝に引っかかるようにしたこと。
冠城も供述調書を読んでいるのでしょという右京に、僕の記憶
の補完をしているのだと語る。

田臥は喫茶店に伊丹、芹沢を呼び出す。
二人に謝罪すると、平井の告訴状に基づいて捜査しているので
捜査対象から告訴されている為に外すというポーズを見せた
だけだという。伊丹はそんな田臥に何を企んでいるのかと問うと
脅迫での告訴の件は今回は無関係で標的はあなたたちではないと
語る。

平井は殺害を認めているのは確かだった。状況的にも矛盾点は
なくそう判断して送検されたのだという。しかし自白を無理強い
される場面は有ったのでしょうという冠城に対して、右京は
どの程度の真実と嘘が混じっているのか気になるという。

田臥は2人を違法捜査で立件するという。伊丹はそれが本気なら
ば余程の暇人だなと語る。警視庁に協力者が欲しいのだという。
敵になられると困るのだと。

一方右京と冠城は平井邸の中にフットボールの球を投げ入れる。
そして弁護士の与謝野慶子を呼び出して、庭にボールが入った
のでゲートを開けて欲しいという。慶子は呆れるような理由だ
として、本題にうつりましょうという。魂胆が知りたいこと。
ここに呼び出した理由。屋敷に入るだけなら私は必要無いとし
犯行現場なのだから”特命最前線”なら警察としての権限で入れる
でしょと。しかし深読みされても困るが鍵をかけてもらうだけ
だと語る。

■感想

ドラマは検事を巻き込んだ警視庁と法曹界の利害関係とその対立
の構図を描いたものだった。
この流れはシーズン16の主柱となるべきテーマとして存在して
行きそうなので今後も注視している必要が有りそうだ。

1話目で既に話が脇に反れて起訴出来そうもないところで難癖
をつける構図が発生。検事はその提訴とはまるで違う所
で提訴する為に動いていく流れが有るという違和感極まりない
不自然な流れでドラマが回っている。その流れの不自然さが
どうも最後まで自分の中では一切消化されるところが無かった。
特命係がきっかけで犯罪が広がったりミスしたというのであれば
分かるんだけど、”唐突”な感じは否めない。

正直この検事がそんなことをして何の意味・得が有るのか。
今回はそんな感じで、至る所で「何の意味が有るのか」を探る
流れが有ったのは確かだ。

今回の流れをみると右京と日下部の争いを発端にして、警視庁内
では政治的駆け引きが行われているが、それがまたくだらない
んだよね。
検察庁と警視庁が持ちつ持たれつだとしても、それでも司法の
独立は確立しなければならないものなのに、法曹界に於ける
利己的な主張も相まって結局司法に独立性などないという感じ
で描かれている。
田臥はグレーゾーンが嫌いだというのであれば、推定無罪が
荒唐無稽化している流れを正せと言いたい。

先日のエピソードにも書いたけど、責任の所在をはっきりさせる
ことは組織としては重要だ。
その為だけに色んな上層部を登場させたけれど、右京は田臥を
通してその背後にいる日下部に対して受けて立つとしていた。
また峯秋にしても、相手の意図は明らかなものがあるのに対して
それでも特命係を自分の責任の元で引き取る流れが有る。

・平井事件

さて今回は、平井の3件の事件の解決を図るというもの。
3件の事件に於いて共通するものとは何なのか。そして共通
しないものが何かを選り分けていく。これは連続殺人事件に
於いては重要な要素。
3件目の事件にだけ、平井らしさのない状況証拠が有り、
少々違和感は有ったけど、このシーズンのテーマにもなりそうな
人の持つ”習慣性”というものを利用して、犯罪に於ける綻びと
いうものを探していった。

しかし不要品だから捨てるという平井の行為。
これは母親が父親から不要品だから捨てられたということを
意味していたのかな。その母親も大事そうな人形を不要品だから
として燃やしている光景が一話で描かれている。

今回見ていて懸念すべきは、既に前シーズンから関係している
事だが鑑識が六角さんではなく、益子さんになったことで容易に
捜査資料が特命に見られなくなってしまった。変わりに重要と
なってくるのが青木な訳だけど、このキャラクターも実に分かり
づらい所で画策していそうな感じだし、彼も今回は”習慣”を
利用して捜査一課に動きを知られてしまった。
しかし今後も青木は必要不可欠なキャラクターになっていきそう
だし、どうなっていくんでしょうかね。

平井の律儀な性格が結果として犯行の協力者をあぶり出すことに
なったけど、与謝野慶子は使いようによっては面白いキャラクター
になりそうだな。

結局あの風呂敷をベッドの中に入れた人って誰だったの?

大風呂敷を広げたシナリオを終息させたという意味では上手い
アイテムの使い方でまとめ方ではあったけどね(笑)

また月本が今回浴衣/着物を見に来ていたけど、彼女専門的って
訳でも無いだろうに・・

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)

日下部彌彦 …… 榎木孝明(法務事務次官)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二(警察庁・長官官房付)
衣笠藤治 …… 大杉漣 (警視副総監)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (警視庁総務部広報課課長・警視正)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識)
大河内春樹 …… 神保悟志 (首席監察官・警視正)
谷崎莊司 …… 柴木丈瑠 (イバーセキュリティー対策本部)

平井陽 …… 中村俊介 (妻殺しの被疑者、自白を強要されたと告訴)
(幼少期の平井 …… 田崎伶弥)
田臥准慈 …… 田辺誠一 (検察庁・検事)
与謝野慶子 …… 中村ゆり (平井の弁護士)
平井加世子 …… 向里憂香 (2人目の妻、昨年9月、プールで溺死)
平井亞矢 …… 八代みなせ (1人目の妻、10年前(H19)に感電死)
平井めぐみ …… 五十嵐令子 (27歳、8月15日バルコニーから転落)
檜山栄子 …… 小島みなみ (検察事務官)
羽鳥功郎 …… 佐野元哉 (東京地方検察庁・公判部・検事、)
刑務官 …… 永井博章 (平井らを護送)

野本侑季

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