相棒16 第13話 いわんや悪人をや 前篇

相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)

EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広

http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

第13話 いわんや悪人をや 前篇
300回記念スペシャル(前篇)

脚本/輿水泰弘 監督/兼﨑涼介

【ストーリー】

●2016年
桜が散る季節の夜。
家の中で社とマリアの写真を見る男が居た。

●現在
・千葉中央刑務所
カメラで横領罪で懲役10年、仮出所する元法務大臣の
瀬戸内米蔵のことを望遠で撮影する人物・風間楓子が居た。
出所に合わせて兄弟弟子である尼僧の蓮妙が赤いNISSAN
フェアレディZに乗って颯爽と現れる。戒めの気持ちを忘れ
ないようようにと蓮妙は法衣を贈っていた。

二人の前に週刊フォトスの記者だと名乗る風間楓子
が名刺を差し出し、出所の感想、そしてツーショット写真
を求める。風間は蓮妙に対して米蔵との関係を尋ねると
コスプレ仲間だと交わす。

・特命係
週刊誌の情報から元法務大臣の瀬戸内米蔵が出所したと語る
冠城。右京は隣に写ってのは蓮妙さんといって兄弟弟子
だと語る。瀬戸内を捕まえたのは右京さんでしょと冠城。

○回想
「強請っていた金で人助けしていたのか?と亀山薫。
きれい事を言う間に失われる命があり、救う命があることを
語る瀬戸内。しかし法務大臣のあなたは法を犯して許される
べきではないと右京はヘリコプター内で語る。」

結果的にそうなったが瀬戸内と出会ったのは随分前だという。
蓮妙さんとはひょんなことで知り合う事に・・。

【不思議な掛け軸が有り幽霊が出るとの噂】で見に行った
時に出会ったものだった。

瀬戸内は横領で10年だが【大義名分で賛同者】も多いこと。
政府の腐敗で支援物資が飢えた民衆に届けてやむを得ない犯罪
だとネットでは同情論がある程。冠城は世間ほど評価はして
いないと語る。【死刑制度】に反対するのに執行命令書に
サインしないのなら法務大臣を引き受けるべきではないと。
それも随分昔の話だと右京。

・徹正院

抹茶を入れる蓮妙とそれを飲む瀬戸内。気にかけてくれてた事
に感謝するという彼に、それでも結局行き届かなくて荒れて
いるという。しかし瀬戸内はこの寺は死んではいないとし
再興を求めて余生を送るという。

そこに片山雛子がやってくると突然出家したいという彼女。
瀬戸内は嫌なことがあったのだろうが一時的な迷いということ
もあるのでよく考えた方が良いとすると、彼女は決心は変わ
らないと語る。

○回想
「もう28歳になったと片山。小松原が急に死んだ訳は
知らないが、多分オレは今のあんた以上に参っていると瀬戸
内。あんたの父が初当選以来30年になる。小松原はオレに
耳打ちした。あなたの事を案じていたと。父が選挙区を引き
継がせたのは失敗だと後悔していた。そんな瀬戸内に対して
失敗かどうか結果が出るのはずっと先ですと片山」。

蓮妙は政治の世界とはそういう所で、瀬戸内もそうだったと
語る。そんな片山の得度を引き受けたことを語る。

・右京と冠城が徹正院へ

右京は雀蓮の消息について尋ねる。すると元気にしている
とのこと。

○回想・・

○回想・・美彌子
ロシア語講座、日本モスクワ交流協会
手紙、Y.A(ヤロポロク)、繰り返し送られてくる。

■感想

300回スペシャルか。令和になって見るシーズン16。
シーズン20が始まる前に見られなかったエピソードを埋める
作業をしているのだけど、このドラマでも面白い役割を
果たしていた元政治家で住職役の津川雅彦さんや雑誌社の
記者役の芦名星さん。そして警視副総監役の大杉漣さんは
もうこの世には居ないのだから寂しいところ。
時の流れの寂しさもあるし、コロナウイルスが世界中に蔓延する
なんてこの時点で誰が考えて居たのでしょうかね。

前後半に分かれている物語の前編。
冒頭ではまだ事件は発生していない。

みんな瀬戸内が出所したことを受けて突然現れる。
元法務大臣の出所にしては寂しいところだけど、風間、
片山、そして何よりもスポーティーな真っ赤な車で現れる
尼僧の蓮妙さんはギャップが有って面白い。

それぞれが持つ正義と定義は、普通の人以上に枠を越えた
大義の名の下で成り立たせようとしているところがある人ばかり。

そして常盤臣吾の突然の登場もまた偶然という名の必然なのか。
瀬戸内と共に草取りをしていると、まるで右京さんばりに
鼻が利くようで、養分のある土地だとして掘り起こすという
行動力に脱帽だ。

■捜査本部

阿伎高市徹正院地内遺体遺棄事件捜査本部。
平成30年1月20日に通報。

状態は土に埋まっていたので骨だけの状態。

性別は男。
推定年齢は20代から30代。

身ぐるみを剥がされて埋められ、身元を示すものが何もない。

死因も不明。

寺だから懺悔のつもりで遺体をそこに埋めたのか、それとも
元政治家の関係者だから埋めたのか。

行き当たりばったりで遺体を発見するハズもない。

土地勘のあるもので無いとピンポイントで境内に遺体が
埋めることが出来るのか。

右京が考えたのは、
住職が長期で不在にしていること。
遺体を埋めるスペースがあることを知っている人物。

■何処に着眼点があるのか

今回はパっと見、白骨遺体の流れと片山の得度の件、
そして檀家総代の息子だとされる常盤臣吾が出てくる。
更に冒頭で社美彌子の親子の写真を見ているものの姿が
有ったよな。

罪を背負っているものたちは何故か出家したがる。
そんなに簡単にできるものでも無さそうだけど・・

・風間楓子

突破口となりそうな人物なのはやはり記者が持つ行動力と
嗅覚だろうか。
出家しようとする片山のことを何故知ったのか。
そもそも瀬戸内の出所の日程を事細かに知っているのは
何故か。
しかし右京は風間から話を聞く前に情報源が片山である
ことを突き止めていた。ただの確認だけって流れ。

・片山雛子

瀬戸内米蔵がスマホを手に入れたことも有り、片山が
しようとしていることが分かる。彼女は「新世界の秩序の
実現」を求めている。それを見た瀬戸内は片山に不信感
を抱く。
「幼稚で見ていられない」

この時は自分を見失っていた。
「絶望的な挫折感を味わされたのは生まれて初めて。
何かにすがりたいと思った事も・・」

・常盤臣吾

遺体の第一発見者。
しかも特殊なケースで遺体を掘り出すだけのスキル的な流れ
があり、そのスキルはまるで最初からそこに遺体が埋まって
いるのを知っていただけの様な感じ。
片山は常盤臣吾を始めて目にして、何処かで目にした
ことがある事を語る。
そもそも彼が何故この寺に来たのか謎だ。

・杜美彌子

ロシアとのコネクション。
美彌子とその娘を守っているという人物の存在がある。
坊谷一樹という人物が行方不明になっている。
国家公務員・公安調査庁の人物。
すぐに冠城にはその手紙のことを話し、坊谷一樹の事も
語る。手紙の内容はなんと遺体がこの人物のものだという
こと。

■終盤

坊谷の部屋を調べる捜一。
DNAの検査結果、坊谷であることも判明。
捜一に部屋を調べさせた理由を話さなければならず、美彌子
の存在を語る。
美彌子もまた大河内に事実を話さなければならない。
ヤロポロクという人物存在。
美彌子の話では亡命してアメリカに居るはずだという。

「一通目」「二通目」の手紙。
二通目は美彌子を坊谷が監視していた為に殺されたらしい。
坊谷は法務事務次官・日下部彌彦の差し金。そして検察の
田臥准慈も同じ。冠城にも監視を頼んでいたが裏切られた
という日下部。
美彌子を監視していたのは公安調査庁の不要論を支持してい
る為のもの。更にロシアのスパイと通じていたら大変である。

「一般行方不明者」「特異行方不明者」。
坊谷は一般行方不明者の扱いとされていたので見つからず。
日下部なりの大義のため。

警視庁側でも警視副総監を中心として事件はロシアや美彌子の
流れについて疑いを持つ。
仲介者を通して連絡を取っていたり送っているものがいる
のではないかと疑う。

平成24年夏、常盤臣吾はロシア警察に拘束されたことがある。
その時に片山が写真を見たという。
外務省経由で写真
トルジスタン政府の傭兵として戦っていた。
バイト感覚で殺し合い。

ヤロポロクはアメリカ側に問い合わせたが日本再入国はあり
得ないとのこと。入管の記録にもない。

後半に全ては託されることになり、取りあえず前編は前振り
感と、過去の映像を取り出しては300回記念をアピールした
感が高い。政治的な流れや美彌子のロシアとの関係など興味
深いところもあることはあるが亀山くんを回想シーンだけで
登場させたというのも寂しいね。

■参照

シーズン2 第21話「私刑」
シーズン3 第1話「双頭の悪魔」
シーズン3 第2話「双頭の悪魔Ⅱ~堕天使」
シーズン3 第3話「双頭の悪魔Ⅲ~悪徳の連鎖」
シーズン7 第1話「還流~密室の昏迷」
シーズン7 第2話「還流~悪意の不在」
シーズン13 第1話「ファントム・アサシン」
シーズン14 第10話「英雄~罪深き者たち」
シーズン15 第1話「守護神」
シーズン15 第18話「悪魔の証明」

■出演者

杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)

伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
衣笠藤治 …… 大杉漣 (警視副総監)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (総務部広報課課長)
日下部彌彦 …… 榎木孝明 (法務事務次官)
甲斐峯秋 …… 石坂浩二 (長官官房付・警視監)
大河内春樹 …… 神保悟志 (警務部人事第一課首席監察官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識課)

瀬戸内米蔵 …… 津川雅彦 (元法務大臣・横領罪で懲役10年・照妙和尚)
片山雛子 …… 木村佳乃 (元衆議院議員)
蓮妙 …… 高橋惠子 (瀬戸内の兄弟弟子である尼僧)
常盤臣吾 …… 矢野聖人 (檀家総代の息子)
風間楓子 …… 芦名星 (週刊誌の記者)
社マリア …… ギラルド沙羅 (美彌子とヤロポロクの子)
ヤロポロク …… (ロシアンタイム誌)

杉山亮樹

回想シーン
亀山薫 …… 寺脇康文 (特命係)
雀蓮 …… 高橋由美子 (慈妙院”の尼僧)
小松原 …… 中村方隆 (片山の秘書)
音越栄徳 …… 西村和彦 (元内閣官房長官)
坊谷一樹 …… 蔵原健 (公安調査庁職員)
田臥准慈 …… 田辺誠一 (検察官)
小野田公顕 …… 岸部一徳 (長官官房室長)

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