相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)
EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
第10話 サクラ
脚本/太田愛 監督/内方輝
【ストーリー】
学校のチャイムが鳴る中、鯛焼きを食べる学生の上条喬樹。
喬樹は(トモ)椎名智弘の名前を呼ぶ。
トモの祖母・椎名春子は居なくなったトモの為に食卓には
大好きなハンバーグと写真を並べる。
ドシャブリの公衆電話。内閣官房副長官の折口洋介に電話
するすのは山脇重弘(48歳)。折口は彼に気をつけろという
とカバン一つを残して居なくなる。
翌朝のニュースで多摩川の東玉堤で参議院議員・山脇重弘
の溺死体が発見され玉堤では調べているという。
・花の里
右京と冠城は月本に弁当をつくってもらう。
月本は株価は上がっているのにその恩恵を感じないと語ると
冠城は僕と右京さんが居るとはに客を見た事が無いことを
語る。月本は二人に歳末パトロールについて気をつけるよう
声を掛けられる。
・江東区・東有明ショッピングモール・アトリウム広場
サンタが特別に客との対応をして人々が多く存在していた。
パーカーを被った男は突然コートの男(安田英治)に向けて
発砲する。店内はパニックを起こす中、近くでパトロール
していた右京たちはすぐにモールへと向かう。
現場には血痕があるが被害者も犯人も居なかった。
店員に話を聞くと被害者は自力で逃げたこと。犯人の性別
や特徴などを尋ねると、店員は興奮していた。若い男で身長
180cm、やせ形で青いパーカーに黒いコートを着ていたと
いう。
社美彌子は娘のマリアと共に祖母のクリスマスパーティー
に行く為の準備をしていた。しかし美彌子の元に電話が鳴る
と娘も察したのか先に行っているとし家政婦に任せる。
テレビニュース(KBM)でも報道される。
2時頃江東区・東有明ショッピングモールのクリスマスイベ
ント会場で発砲事件があり逃走中とのこと。
右京ら捜査一課は店の防災センター内で防犯カメラ映像を
見る。芹沢は犯人の顔がフードで見えないこと。伊丹は
銃を使っているので組関係ではないかということ。しかし
それを否定する右京。組関係のものならば脚を狙わずに直接
殺害するだろうこと。それならどうやって銃を手に入れた
のか。
伊丹たちも緊急事態で気が立っていた。駐車場まで血痕を
追いかけたが途絶えていること。何故被害者は救急車を
待たなかったのか?もう一人だれかが車で待っていたのだろう
こと。
そんな中鑑識の益子桑栄は弾が見つかったという。
しかし彼は「これは不味い・・”サクラ”から撃たれた弾だ」と。
つまり制服警官に支給される銃弾だった。
捜査本部が設置され、中園も内村もその事実を受けて全所轄
に確認させる様告げる。
警視庁広報課では石川大輔と堀部保は社美彌子広報課長
に対してメディアから会見を要求されている事を告げる。
今は何も掴めていないので銃のことは話さないようにする
という。
右京は日勤の警察官のことも調べる様に指示してくれと語る。
犯人は銃の扱いには慣れていないこと。警察の銃で民間人の
死者が出てからでは遅いという。
木場南交番の警察官の新田と堺は風間さんが無線に応じない
として署に戻るとそこには拳銃自殺したと思われ遺書が
残されていた。「あと3ヶ月、もう生きるのに疲れた」という
もの。ホルダーから銃が無くなっていることに気が妻。自殺
した警察官の銃を誰かが持ち去ったのだという。
しかしそんな中一斉に携帯のアラートオンが鳴る。何者かが
気象庁の緊急災害メールをハッキングしたもの。
すると直後に動画が送られ、2017/12/15 15:03に木場南交番
で起きたことの一部始終が撮影されていた。投稿者はQTES689。
右京は現場で動画の撮影角度からしてパソコンのwebカメラを
ハッキングしたものだろうと語る。
■感想
年末親子連れで溢れるショッピングモールで
発砲事件が発生する。その際一人の男の脚を打ち抜くが
不思議なことに被害者は消える。しかしその後鑑識は現場で
銃弾を見つけ、その弾は制服警官に支給される銃(サクラ)から
発砲されたものであることが判明。一体誰の銃による誰の
発砲事件で被害者は誰なのか。
2時間越えのドラマの割には思った程面白さは無かった。
怪しい動きが至る所で動いていて今後を予感させるところも
あるんだけどね。
「サクラ」と言えば何を思い出すだろうか。
真っ先にその言葉を意識させるのは桜田門にある警視庁を
思い出すし、春の特定期間に全力で花開く日本人が大好きな
花。そして何よりも歌舞伎などで使われるその場を盛り
上げる為の偽装工作員が想像されるかな。
最近東京駅前が商業ビルだけでなく道路自身が恐ろしく整備
されてスッキリしたのだけど、それとは反対側にある皇居側に
いくと左手には霞ヶ関/警視庁、そして国会議事堂がある。
大抵ウチの方では小学や中学の社会科見学で一度は、この経路で
皇居・国会議事堂を見に行くし、個人的に警視庁にも知り合い
のおじさんが勤務していたので見学に行ったことがある
(過去にそのことに触れた)。
サブタイトルにある「サクラ」の意味を当てはめたとして
以上のどれでも成り立つようなドラマになっていたのは凄い。
日本では一度の罪で人生が終わるような国になっているけ
ど、その罪も程度というのがあるとは思う。個人的には人を
殺したりしなければまだやり直しは利くのではないかと思っ
ているが、その状況の中では情状酌量されることなく大人
の罪で裁かれようとしていたけれど、ハッキングしてしまった
きっかけは三人が関わっているし、発砲の件では死人は
出ていない。機密情報にアクセスした重大性での罪ならば
三人が同様のことになるし、三人共脅されて不正アクセスを
続けていた経緯もあるがその辺はあやふやのままだった。
セキュリティを破ることが出来るスキルを持つものが見ては
いけないものを見てしまった風に脅されて、それらしい人
によって操られる。指揮を執っていたのは内閣情報調査室・
内閣審議官だったが、もう少しこの人が語る、正義と大義が
上手く正論として伝わってくるときっと面白かったのだろう
と思うが、有馬武人が行っていることは
まさにエゴ以外の何者にも見えなかった。
「個人か組織」か、「一人が大勢か」という葛藤もまるで
成立していないところでドラマを成立させようとしている
ところがあって何とも消化不良なエピソードだった。
単純に警察への不信感が増したことと、テロリストを未然に
封じるものが実際にはテロリストのような活動をしていると
いう皮肉だけが残る。
梶原善さん演じる安田英治が凄いゲスなんですよね。
何なんでしょうこのぶん殴りたい感(笑)
でも一発脚を撃ってくれたから良いですわ。
自殺した現場をカメラで見てから銃を回収に行ったという
流れはかなり強引で、更に銃を手にして厳重警備の中、
ジャック・バウワー顔負けにセキュリティの厳しい施設内
に入っていく高校生の姿を見ると「あり得ない度」が高すぎて
萎える。
唯一気になったのは脅しのネタにされていた冠城の流れの
中には何が含まれていたのかということか。
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識)
社美彌子 …… 仲間由紀恵 (警視庁広報課長)
大河内春樹 …… 神保悟志 (監察官)
衣笠藤治 …… 大杉漣 (副総監)
石川大輔 …… 林泰文 (警視庁広報課)
堀部保 …… 出光秀一郎 (警視庁広報課)
南 …… 岸田真弥 (サイバーセキュリティー対策本部)
谷崎莊司 …… 柴木丈瑠 (サイバーセキュリティー対策本部)
椎名智弘 …… 小原唯和 (半年前から行方不明の高校生)
上条喬樹 …… 健太郎 (セキュリティー)
富樫航太 …… 山下真人 (セキュリティー)
折口洋介 …… 篠井英介 (官房副長官)
安田英治 …… 梶原善 (フィクサー)
広瀬篤 …… 石原良純 (内閣情報官・トップ官僚)
有馬武人 …… 鶴見辰吾 (内閣情報調査室・内閣審議官)
椎名春子 …… 島かおり (祖母)
小島麗子 …… 草刈麻有 (春子の隣人)
山脇重弘 …… 山脇重弘 (内閣人事局長)
綿貫肇 …… 児島功一 (警視庁)
田中茂 …… 稲健二 (南洋工務店、山脇の件での目撃)
社マリア …… (娘)
新田 …… (江東警察署・木場南交番)
堺 …… (江東警察署・木場南交番)
風間博 …… 俵木藤汰 (江東警察署・木場南交番・自殺)
上条沙紀 …… 西辻こずえ (母)
秦野直之 …… 檜尾健太 (公安)
堤貴志 …… (田中家の近所)
ヤロポロク ・アレンスキー …… (ロシア諜報員、社との間に子供)
岸田研二、宇井晴雄
河野達郎、剛州、蒲生純一、東拓海、関口あきら
落合由佳、阿部友彦、安奈ゆかり、西原誠吾、西健太
柾賢志、ギラルド沙羅、坪田ヒロキ、栗原遊子、わかばかなめ
足達美咲、世志男、和田圭市、荒川浩平、東遙貴、濱仲太
白仁祐介、松木研也、赤池高行、大岩主弥、すわいつ郎
宮田博一、平川勝、森正博、白井雅士、高澤硯太
板垣克
大元組、湯澤元一、稲垣優、佐々木彬、島大稀、小池晃大
豊間根晶、渡辺香里、工藤未来