太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第151話 刑事の妻
脚本/小川英、加賀美しげ子 監督/小澤啓一
【ストーリー】
ゴリは急いで待ち合わせしている喫茶店にいく。
そこにはゴリのフィアンセの小林道代が待っていた。彼女の
水を飲み干すゴリは店を出て山村家に行く。ゴリは山村家に
行くまでの間、山村夫婦が如何に理想的なのか、そして山村
の人格のすばらしさを説いて、気さくな人なので緊張しない
様告げるが、彼女は十分落ち着いているとしてゴリに微笑む。
・山村家
山村夫婦にゴリはフィアンセの道代を紹介する。
山村の目にダマされた妻という話を聞いていたのでその話を
する。すると逆にゴリと道代がどうやってこのようになった
のか聞きたいとして逆に質問される。すると道代はゴリさん
からいきなり山村さんに仲人を頼みたいというプロポーズの
仕方だったと語る。あまりに驚いてついハイと答えてしまった
と語る。ゴリは山村に引き受けてくれるかと問う。ボスは独身
なので仲人は難しい。しかし山村もそういうことを引き受ける
タイプでも無かったが、妻の高子から喜んで引き受けると
言われる。先のことになるがその節はよろしくとゴリ。
そんな山村の元にデンカから電話が鳴り、死亡案件が発生した
とのこと。発見時に被害者は死んでいたが頭を強く打って
いたという。場所は山手通り近くとのこと。
・現場へ
デンカは十中八九ひき逃げ事件だと後から来た山村とゴリに
語る。ガイシャの顔を見てくれと言われると、そこで死亡
していたのは指名手配犯の尾崎政男だった。皮肉だなとして
人を2人も殺して300万円を奪った凶悪犯がこんな形で死ぬな
んてと。
テキサスもこんなヤツ・・というが、山村は誰だろうと人が
死んで居るので殺人事件だと語る。
・七曲署
ボスに事件の報告をすると共にライトバンによってひき逃げ
されたことを語る。近くの運送屋の男がチラッと目撃したと
いう。被害者はコンクリートの電柱に頭を打ち付けて即死。
車は無傷じゃないだろうと山村。
そこに長さんがやってくると被害者のヒザに付着して居た
青い塗料は車のものだとのこと。ボスはこれで車種が分かる
なと。
・小野家
その頃、画家を目指していた夫の小野勝は自首するとして
怯えていたが妻の幸子はそんなの駄目だという。勝は人を
殺してしまったんだとして号泣する。しかし幸子は私たちは
チャンスを掴んだのだとし夢は目の前にあるとして、この
ままでも誰にも分からないと語る。
捜査官たちは聞き込みすると共に青いライトバンを探して回る。
・太陽出版社
そこに勤務する道代は退社する。同僚2人の女子社員から
土曜日だから彼とデートのことを考えて居るんでしょと言わ
れる。しかしゴリは聞き込みしていた。そんなゴリの姿を
目にする道代だが声を掛けられずにいた。
・(株)夢の国社
デンカはそこでついに傷のある青い車を見つける。
社員に話を聞くとその車を乗って帰って来たのは小野勝だと
し、朝早くに車だけ返して何処かに行ったという。彼は新人の
登竜門である新光会第43回展覧会に入選したとのこと。
彼の絵が使われた絵本が社内にあり
「ローマののらねこものがたり アンナちゃんのねこ」を
目にする。
■感想
前回デンカの恋愛物語だったけど、間髪入れずに今回は
ゴリさんの恋愛事情が描かれた。
どのようにして二人が出会ったのかは謎。自分が見ていない
エピの中で何処かで出会っているのか?
ドラマのシナリオとしては刑事ドラマにありがちなもので、
貧しくても善良に生きて居るものが成功を手にする直前に
凶悪犯をひき逃げしてしまい、恋愛・家庭を夢見て努力
してきた妻が内助の功とばかりに夫の罪を隠し、発覚した
後には一緒に逃亡するというもの。
愛するものを犠牲にしてそれぞれの役割を演じる内容で、
これまで家庭を持つ山村家が妻との間で旅行を中断させ
られたりするシーンも多かったが、今回は何と言っても
ゴリさんである。
先日のエピソードでボスの家でテキサス、ボス、ゴリで独身
同士で飲酒した際にはゴリさんに女っ毛はないような感じだ
ったけど、いつの間にそんな抜け駆けを・・って感じだった
かな。
ドラマとしては愛するものが愛する人の為に犠牲にする献身
的な姿が有るのだけど、展開が強引で引き延ばし感がもの凄く
途中で、こんな無能な刑事達なら逃げられてもおかしくない
なと思い始めてきた(笑)
もう最初の段階でこの彼女は完全に司法妨害で捕まっても
おかしくない。
簡単に尾行はまかれるし、一体何人の捜査官が幸子によって
振り回されれば気が済むのだろうかという・・・
一番ありえないのがスーパーでの万引きシーンでテキサス
と長さんが鉢合わせになって会話している間に逃げられる
シーン。また冒頭で容疑者の車種が特定された後に、手当たり
次第に聞き込みしているようにしか見えなかったシーンは
もう少し説明が必要だった。
ゴリさんが捜査ばかりでフィアンセとなった道代に全く
連絡を取らずにいる。プロポーズをokしたのも早かったけど
NOを突きつけるのも早かったな。信頼関係はまるで生まれて
いないし、これだけ即断即決の関係なら例え結ばれても
長く話さそう。
山村からは
「俺たち夫婦を模範的だと思っているがやってこられたのは
立派な自分が刑事でも夫でもなく月並みな夫婦ゲンカを
繰り返して来たからだ」
と。ただこの頃の刑事は無愛想で無骨であったり、仕事モード
に入ると一直線の所が有るからなぁ。
結局ゴリさんとこの彼女は続くのかな。
■出演者
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
山村高子 …… 町田祥子 (山村の妻)
小林道代 …… 武原英子 (ゴリさんの婚約者)
小林静子 …… 露原千草 (道代の母)
小野幸子 …… 二宮さよ子 (宇都宮の旧家の娘)
小野勝 …… 五木繁則 (宇都宮の貧乏画家)
尾崎政男 …… (指名手配犯)
東陽画廊のスタッフ …… 吉田柳児 (新光会第43回展覧会)
スーパーマーケット警備員 …… 広田正光
丸山詠二、鹿島信哉、湯川尚子、前田未来