太陽にほえろ! 第149話 七曲藤堂一家

太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ

プロデューサー(日本テレビ):津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー(東宝):梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平(共同ペンネーム)
原案:小川英
音楽:大野克夫

http://www.teletama.jp/drama/index.html

第149話 七曲藤堂一家

脚本/鎌田敏夫 監督/竹林進

【ストーリー】

ボスは同期で現在検察庁で働く検事の神原と会食する。
すっかり差をつけられたなというボス。すると神原はボスに
対して検察庁に来ないかという。副検事の試験はお前ならすぐ
に受かるとし3、4年すれば私が必ず検事にするという。
現場のたたき上げからの検事は大変だが私の力で何とかする
とし今がチャンスだという。現場を熟知している人間が欲しい
のだという。君が出世主義ではないことは知っているが今日は
エサを用意したという。検察庁に来れば七曲署の係長のイスが
空くだろうとし山村という優秀な部下が居るそうなりで、何か
大きな事件を解決させて後釜に据えれば誰も文句は言わない
だろうと。人の上に立つものとして部下の出世も考えないと
いけないのではないかと言われる。

ボスと山村は署で語り遭う。
昔は事件が無い日が続くと不謹慎にもパっと派手な事件でも
起こらないかと考えたが最近はノンビリしている方が良いという
山村。ボスは山村に対して何歳になったか?と問うと、突然
どうされたのかという。山村はボスに対して今日も事件が無け
れば2、3日休暇をもらいたいとし妻を空気の良い所に連れて
行きたいと語る。

ボスは図書館で刑法概論を読んでいると、テキサスがやってき
て何をしているのかと詮索する。法律本を読んでいるのを知っ
てテキサスは検事の試験を受けるのかと問う。

テキサスはゴリと長さんと飲みに行く中、ボスは検事の試験を
受けようとしていると語る。ゴリはボスだっていつまでも一
警察署の係長でも無いだろうという。現場の苦労を知る人が
検察庁に居れば助かるじゃないかという長さん。
しかしテキサスはああいうボスの元に来られて良かったと思っ
ていたのに自分だけ出世なんて・・と。しかしこのままここに
居てもせいぜい署長止まりだというと、家庭でもあれば別に
それでも良いだろうがボスは独り者だとし出世を選んでも
良いのではないかという。テキサスはそれならボスに嫁さん
を探せば良いと語る。そういうボスが好きなんですよとし
彼の様な人に現場を指揮してもらたい事を語る酔ったテキサス
にゴリも長さんも困り果てる。

ボスは自宅で神原が話していたことを考えていた。
深夜も1時半になりボスはマンション下のゴミ捨て場に行く。
すると女性も紙袋を持ってゴミ捨て場に捨てに来ているのを
目撃する。この時間に捨てに来たことに不信感を覚えるボス
はそのゴミの中身が切り刻まれた布に血のようなものがついて
いていた為に、鑑識に調べてもらうと、人間の血で間違い無い
という。そして中身は切り刻まれたシャツであること。
署員たちもそのゴミについて話し合う。怪我しただけかも知れ
ないが、何故Tシャツをこんなに切り刻む必要が有ったのか。
ゴリはボスが目撃した女性のモンタージュが出来たとして持っ
てくる。これは俺のマンションの住民ではないとしマンション
周辺を虱潰しに探してくれと命じる。

聞き込みする中で、テキサスはゴリに対して電車で捨てに来た
のではないかというが、午前1時半に電車が走っているハズが
ないという。車で来たのではないかというと、女性はサンダル
履きだったんだという。
そんな中テキサスはゴリにまずはラーメンでも食べて腹ごしら
えしようと誘う。お前は食うことばかりだなというが、ゴリも
同意して中華”増田”に入る。
食べ終わった後、出前持ちの女性とすれ違うとゴリは何かに
気がつく。何か似ている・・というゴリに対してテキサスは
似てないですよという。ゴリはあの目だとし、ボスを連れて
来て確認してもらうと確かにあの子だという。モンタージュは
全体の印象より一部がドンピシャって場合が多いのだという。

■感想

ボスの人生・運命の分岐点の一つでしょうか。
同期のものが自分よりも出世していると焦ってしまうものだけ
ど、ボスと同期の神原は方向性は似ているけど、土俵は違う
んだよね。ボスとして目指すべきところは検察庁ではなく
所轄から警視庁本部へ・・じゃないのかなって感じもする。
正直刑事が法務のことに関わるなんてちょっとあり得ない感じ
がするぞ。
前回のエピソードを見ると、ゴリさんも言っていたよね。
自分たちは動機はともかく犯人を捕まえるまでが仕事で後は
検事や裁判官の仕事だってことを。

人生に於いて一番大切なものは何か。更に突き詰めると仕事を
していく中で一番大事なものは何かということを今一度考え
させてくれるお話だった。

試合に勝って勝負に負けたという感じで、家族と呼べる仲間と
働けることに生き甲斐を見出すのも悪くない。

家族のとらえ方が千差万別として描かれるところは、近年よく
あるものだけど、よく出来ていたね。

その分独身組と所帯持ちの間でもちょっと分かれてしまう所も
有った。最後は特に独身三人がボスの家で飲み合う姿は
ちょっと寂しい。

さて今回の事件は警察官の立場を悪くするような内容だった。
夫婦が自ら手を下さなければならなかった罪と罰。
警察官が不正に手を染めて女癖が悪いだけでなく恐喝にも手を
染めていて、当初はこの警察官のストーカー行為が問題なのか
と思わせたが、実際には更に酷い事件が隠されているという
二段オチ。妻が妙に早い段階で自供/逮捕されたなと思ったけど
それは囮であり、結局の所本命は子供を轢き殺した人物に復讐
すること。
ちゃんとした捜査をしていれば余計な犠牲を払うことはなかった
のに、こういう捜査をする人がいるからこそ、テキサスはボス
には現場に残って欲しいと感じたのだろうね。
今回のテキサスはやたらと勘ぐってウザったらしかったけど
それは何時ものことと言われると否定出来ないし(笑)

それにしても九州と絡む流れとか多いな。

おとり捜査と言えば古沢和江を捜し出す為に新聞広告に出した
アイデアは悪くなかったね。
またテキサスに銭湯/砧温泉に行かせて容疑者に傷跡がないか
を調べさせるという山村の指示が的確だった。
以上のことを考えると女性捜査官がチームに必要だよな。
古沢の電話に出たのも何処からともなくやってきた婦警だった
し、容疑者の妻側も銭湯の中で傷跡がないか見る必要は
有ったからね。

ボス自身が言っていたけど、まだ殺人事件とゴミの件に繋がり
が見いだせないのに休みを取って旅行中の山村を呼び戻すって
いうのはちょっと解せない気がするぞ。

■出演者

藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)

宮野麻里子 …… 服部妙子 (九州から上京、中華店”増田”で働く)
宮野陽一 …… 住吉正博 (麻里子の夫、如月運送の運転手)
今井正彦 …… 小林尚臣 (九州の大病院の息子、東京の医科大生)
城北署刑事 …… 大矢兼臣 (滝森の死を調べる)
城北署刑事 …… 永井玄哉 (滝森の死を調べる)
鑑識課員 …… 今井和雄 (ゴミを調べてもらう)
神原検事 …… 中谷一郎 (藤堂の同期、検察庁・検事)
古沢和江 …… 原田あけみ (元バー「加奈子」ホステス、現「京」)
滝森 …… (九州・相田署の元刑事、宮野の2歳の子の捜査)

井上由紀夫、野路きくみ、宇野壬麻、森本三郎、上木美佳

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