相棒16
(2017年10月期・TV朝日・水曜21時枠)
EXプロブューサー:桑田潔
チーププロデューサー:佐藤凉一
プロデューサー:高野渉、西平敦郎、土田真道
音楽:池頼広
http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/
第17話 騙し討ち
脚本/金井寛 監督/権野元
【ストーリー】
稲葉芳郎のマンションのドアが開くとマスクをした男性
(瀧川洋)が出てくる。室内では稲葉の遺体が床に血を流して
倒れていた。
・特命係
青木は冠城に対して知り合いが被害者だと語る。区役所に居た
頃に人事管理システムを請け負ったことがある。相手はアス
トラルシステムの営業マン。IT技術にも詳しい人で僕は役所
側の担当で随分と世話なになったという。冠城はアストラル
システムと言えばTIシステムの開発では最大手だと。右京は
あらゆるシステムを開発していると。そこの営業マンが殺さ
れたのかと。青木はあまりに不運すぎる殺され方をしていて
・・・と語ると冠城はわざと気になる言い方しているなと。
案の定右京が食いつく。稲葉さんはいつも残業近くまで働いて
おりたまたまその日に限って早く帰ったこと。そして侵入者に
よって殺されたのだという。
芹沢は午後9時2分にこの部屋から叫び声がするという通行人
からの110番通報があり近くの公衆電話からのものだった
こと。凶器は花瓶かと伊丹。益子はこのドアはピッキングの跡
があるが、このドアをピッキングするのは相当難しい種類の
シリンダーを使っていること。窃盗が侵入して部屋に居た
こと。被害者と遭遇して花瓶で殴って逃げた・・一課はそう
見ているという青木。
個人用のパソコンが無くなっていること。システムのやり手
営業マンのパソコンなら本体よりもデータが狙いかもと冠城。
伊丹は被害者稲葉の婚約者だとする小山菜穗子から話を聞く。
秋には挙式する予定だったこと。最後に有ったのは先月の
30日だというと2週間も前から会っていないのかと芹沢。
お互いに仕事が忙しかったこと。
捜査本部”豊島区男性会社員殺人事件”の本部が設置される。
右京たちはそこで証拠を見ていると一課の伊丹達と鉢合わせ
る。「警部殿~」といつもの伊丹愚痴を聞いたところで
青木君から事件のことを聞いたと語る。匿名の110番通報
を聞かせてもらえないかということ。
「今、豊島区西千川のクラルテマンションの前を通りかかった。
一階”奥の部屋”から叫び越えがした」とのこと。
冠城は寧ろ証拠品の中に小学校の国語の教科書があることに
気づく。子供は居ないはずなのに何故なのか。
・千川警察署
後藤聡は梶健介という男と事件について会話しているのを
耳にしてしまう特命係の二人。証拠は今の所特にないがピッ
キングの腕確かだと。
梶が立ち去った後特命の二人は後藤に声を掛ける。あの人は
記者なのか?現場情報を流すのは不味いのではないかと。
しかしあの方は本庁の捜査二課の刑事・梶健介だという。
半年前の代引き詐欺事件の資料をみたいと来たついでに今回の
事件のことを耳にして単なる興味を感じたのでは・・と。
・喫茶店
そこにいる二課の梶に特命係の二人が接触する。
■感想
突然の大杉漣さんの訃報。日本の芸能界では現役の俳優さん
の中でも相当惜しい人物・人材の損失に他なりませんね。
相棒でもこれから・・って時だったのにまさかの突然死。
事件では詐欺事件を扱う二課の捜査官が絡んでくることで
ドラマとしては色んな事件の流れを想定して楽しめるもの
だったのではないか。
殺されたのがIT最大手の人物だった為に企業スパイが関わって
いるのか、それとも痴情のもつれなのか、それとも二課の
刑事が関わったことで経済事件の関係を臭わすものが有り
何が起きていたのかを精査していく。
ドラマでは久しぶりに事件に於ける人権への配慮と共に
組織を守る為に個人を犠牲にするのかという右京が最も
忌み嫌う相手との対決となった。
弱い立場の相手を利用して容疑者への潜入とか情報の収拾に
手を貸してもらうことになる。この流れは理屈から考えても
そんなに不思議なことではなかった。
ただやり方は完全に違法で証拠としてなり立つものなのかと
いうことか。
悪い事を密告しようとしていたものたちがみんな悪い者の
ように犠牲になってしまうというもの。それでも二課の
捜査官としては捜査部署を縮小する訳にもいかず
中央省庁の官僚やら新規事業の入札を巡る贈収賄事件の流れ
が有り、一つずつ疑問な点を探っていく。
瀧川が拘っていたマンション。
その瀧川は自分がマークしていた人物が室内で倒れていた
事を知って知らせずには居られなかった。
「スーツ / Suits」S3E15の中で、犯罪者の心得として
「死体は動かすな」という主張が有ったけど、良心からなのか
通報せずには居られなかった。
意外とポイントごとに証拠が残されていて、ある意味定石通り
の捜査が求められるオーソドックスな刑事ドラマだった印象
だ。
最終的には現場にいたとする証拠の一つディクソニア・アン
タルカというシダの胞子が証拠の一つとなる。
二課は人材不足なのか色々な人を使い回してついには特命係
や捜査一課まで道具として扱おうとしている流れが有り、
10桁以上のパスワードを解くために利用したけれど、
そんなことをする必要が有ったのか。そもそもパスワードの
解き方がアナログチック過ぎて信憑性を感じないという。
2020年からデジタル教科書導入についての情報も盛り込まれて
教育界に於ける現状も相棒らしくさらりと紹介した格好
だった。
■出演者
杉下右京 …… 水谷豊 (警視庁・特命係)
冠城亘 …… 反町隆史 (4代目相棒、総務部広報課->特命係)
月本幸子 …… 鈴木杏樹 (2代目”花の里”)
伊丹憲一 …… 川原和久 (警視庁刑事部捜査第一課員)
芹沢慶二 …… 山中崇史 (捜査一課。伊丹の後輩)
角田六郎 …… 山西惇 (組織犯罪対策五課)
大木長十郎 …… 志水正義 (組織犯罪対策部)
小松真琴 …… 久保田龍吉 (組織犯罪対策部)
内村完爾 …… 片桐竜次 (警視長・刑事部長)
中園照生 …… 小野了 (警視正・参事官)
青木年男 …… 浅利陽介 (サイバーセキュリティー対策本部特別捜査官)
益子桑栄 …… 田中隆三 (鑑識課)
梶健介 …… 矢島健一 (警視庁刑事部捜査第二課刑事)
瀧川洋 …… 山中聡 (大田区板金工場の元従業員)
岸和田啓吾 …… 阪田マサノブ (“ASTRAL SYSTEM”営業開発部長)
稲葉芳郎 …… 斎藤悠 (“ASTRAL SYSTEM”営業マン)
小山奈穂子 …… 広澤草 (稲葉の婚約者)
田崎茂 …… 松林慎司 (文科省、冠城と目が合う)
城島忠彦 …… 西ノ園達大 (文科省総合教育局教科書企画課・課長)
佐伯 …… 名越佳代 (瀧川の元妻、中本に脅された?)
篠崎 …… 五宝孝一 (警視庁刑事部捜査第二課長)
中本 …… ルパン・J・葉山 (ヤクザでなく詐欺師)
…… 志賀正人 (伊吹不動産の社員)
…… 松嶋健太 (千川警察署交番巡査、マンション前で見張り)
黒岩純一 …… (黒岩重工、2年前に贈収賄)
後藤聡 …… 永澤洋 (千川警察署、梶に情報流出)
…… 赤石ノブ (技術班/110番の録音記録)