グッド・ドクター 第5話 天才少年の歌声が病魔に!湊、小児外科医をクビ…?

グッド・ドクター
(2018年7月期・フジTV・木曜22時枠)

第5話 天才少年の歌声が病魔に!湊、小児外科医をクビ…?

【ストーリー】

天才ソプラノ歌手・羽山響(10歳)の事が取り上げられる。
ドイツベルリン国際音楽堂で日本人として初めてコンサート
が行われることで注目されていた。父の徹郎も厳しく息子を
指導する。
その報道を見ていたものたちは「あんな息子が居れば・・」
と愚痴にも近い言葉をかけあう父親たち。
病院でも響の歌声は話題になっていた。
湊は【声の周波数がf分1ゆらぎ】なので聞くことで【交感
神経】の興奮を抑えてリラックス出来る効果がある事を告げる。
倫太朗はずっと前から彼のCDを聞いている事を告げる。
湊によると同様のリラックス効果を得られるのは「電車の
揺れ方」「小川のせせらぎ」「螢の光り方」だと。
子供たちは「お楽しみ会」が週末あることに期待していた。

その頃響も最終練習をしている中で突然咳き込み始める。
夏美の元に患者としてやってきた響。炎症を起こして膿が
溜まっている。血液検査とCTをしてくれと丸井に告げる。
するとリンパ説に酷い炎症があること。中島は一般的な
膿瘍なのか?とするが甲状腺炎ではないかという丸井。
しかし高山はそれを否定すると湊に診断してみろと語る。
【下咽頭梨状窩瘻】を指摘する。梨状窩に穴が空いているもの
で先天性の難病。上気道感染や甲状腺の痛みを誘発することを
語る。やはり正確に診断出来た彼に画像診断科に転科させ
ると語る。夏美は彼の気持ちはどうなるのか?誰よりも患者
と向き合おうとしていると。しかし高山はその度にトラブル
だという。しかし夏美はそれでも湊のことを理解してあげて
欲しいと語る。

■感想

天才少年の手術を行うエピソード。
これまでの別のドラマの中でも芸能活動とかモデルを目指して
チャンスを得る目前の若者が手術する必要があり、傷をつけ
ないように切開しなければならないというエピソードを見た
事があるので既視感はもの凄い。

「夢」と「現実」いうのがテーマになっていることは誰の
目から見ても明らかで、夢を取るのか現実を取るのかの選択
に迫られる。
これは子役の響の問題だけに非ず、湊の夢にも言及される
もので、「夢」を叶える為にはどうすれば良いのかという
ことが描かれた。

今回のエピソードは色んな見方が出来るものだった。

・病院経営の流れを通して見る小児外科医の存在。
・親子関係、兄弟の関係に於けるトラウマに近い精神的な
脅迫概念と夢の境目を描いた流れ。
・才能が有っても必ずしも本人の願いとは違う周りが
勝手に本人を型取ってしまうことでの不本意な流れ。
・落ち込むもの・喪失感を持つものに対してどのようにして
コミュニケーションを取っていくのか。

「夢」を守る為に必死になって守ってくれる人が居る事の
ありがたさを感じる。

依然として湊の存在は微妙なものとして映る。
ちょっと大袈裟に騒ぎすぎている感が有ってみて居ると
萎える部分があるのも事実だが、自閉症に対する偏見と
固定観念によってやれるべきことを周りが潰してしまうと
いう部分はまさに響の流れと同期している所が有る。

ただ自分だけが不幸だと思い込んでいる響に対して、それ
以上に不幸を甘受しなければならない小児科で入院している
子供たちを見せることで、色んな人に力を与えて価値観にも
影響を与えていること。

また今回絶妙に感じるのは湊は兄を失い、高山は弟を失って
いるという初期設定である。まさに二人の関係は過去に
失った兄弟を互いに補完するようにして設定されており、
複雑な視線で相手のことを眺めることが出来る。

湊は自閉症だが確実に高山が語っていた言葉を守っていた。

「医者は神じゃない。根拠ない希望を与えるな。」

またコミュニケーションのことに言及したが、適時適切な
人には固く心を閉ざした人物にも伝わるものがあるという
こと。

・今回は取り分け意固地になった歌嫌いの少年に対して
倫太朗たちの存在が見えない声として伝わった。
・決して自分の意見を曲げることはないような湊や高山の
間に割って入る夏美の存在感。
・再び病気の再発によって絶望に陥る倫太朗に対して、
還元するようにして響たちが歌を使って元気づけた。

これらは長い時間をかけて信頼関係を築いたものという
よりもまさに必要な時に必要なものが居たことによる
運命のようなものだと思う。

お父さんの使い方などがどうにも安っぽく考え方が浅すぎて
泣けるがその辺は仕方が無い。
しかし湊が今回功績を挙げたのであれば、父親の航だけで
なく、この病院にも融資してくれる銀行などが出て来ても
良いのではないかと思ってしまうのは気のせいか?

■出演者

新堂 湊 …… 山﨑賢人 (26歳自閉症スペクトラム障害、サヴァン症候群)
瀬戸 夏美 …… 上野樹里 (小児外科医)
高山 誠司 …… 藤木直人 (小児外科医のエース)
間宮 啓介 …… 戸次重幸 (小児外科長)
東郷 美智 …… 中村ゆり (理事長)
橋口 太郎 …… 浜野謙太 (看護師)
猪口 隆之介 …… 板尾創路 (副院長)
司賀 明 …… 柄本明 (院長)
野々村 勇 …… 池岡亮介 (小児外科医)
中島 …… 浅香航大 (レジデント)
中谷裕子 …… 池津律子 (46歳、看護師長)
丸井 …… 松居大悟 (レジデント)
松田佳子 …… 井上苑子 (25歳、看護師・お団子)
倉本若菜 …… 夏目かな (21歳、看護師)
綾瀬奈緖 …… 川島夕空 (9歳、一卵性双生児・患者)
武智倫太朗 …… 斎藤汰鷹 (8歳、2015年から入院・白血病)
富岡圭太 …… 小島怜珠 (9歳、卵アレルギーの患者)

新堂奏太 …… 田中奏生 (湊の兄、雨の日に・・?)
幼少期の湊 …… 伊藤駿太
森下伊代 …… 松風理咲 (汐里の妹、入退院を繰り返す)

羽山 響 …… 城桧吏 (10歳、天才サプラノ歌手。ベルリン音楽堂でコンサート)
羽山 徹郎 …… 三浦誠己 (響の父、妻を亡くし息子に肩入れ)
高山の父 …… 遠藤たつお (雅也が自立を反対)
高山の母 …… 金沢きくこ (雅也が自立を反対)
高山 雅也 …… 吉村界人 (自閉症、誠司の弟、自動車が好きだった)
新堂航 …… 遠山俊也 (テレビで湊の存在を知る父)
武智桃子 …… まりゑ (倫太朗の母)

天現寺竜、渡邊美依、日高実花、岩寺真志、鈴木孝之
渡邊智依、中原蒼子

市原茉莉、藤中里彩、鈴木悠貴、錦戸梨絵、永坂有理
鈴木葵椎、佐藤侑梨、小俣里奈、渡部純一、高谷心也
安達雪乃、吉田陽登