太陽にほえろ!
1972年7月21日から1986年11月14日・全718話
日本テレビ
プロデューサー:津田昭、岡田晋吉、清水欣也、山
口剛、川口晴年、中村良男、酒井浩至、服部比佐夫
プロデューサー:梅浦洋一、梶山仗佑、新野悟
企画・原作:魔久平
原案:小川英
音楽:大野克夫
http://www.teletama.jp/drama/index.html
第161話 話したい!
脚本/桃井章、小川英 監督/児玉進
【ストーリー】
今回のヤマは早くに終わったとして軽く署内で祝杯をあげる。
ゴリに対してテキサスは道代さんとデートか?と問う。
そんな中一係には安岡不動産から電話が鳴るとゴリは自分
宛だとして電話に出る。マンションが見つかったという知ら
せ。引っ越しするのか?というテキサス。
みんなはいよいよかと語り合う中、山村は巣作りを始める
んだなと。
・矢追マンション
マンションを見に行くゴリと社長の安岡。1DKで月2万円。
この辺では奇跡的な値段だという。しかも家具付き。
そんな中ドアを開けると電話が鳴る。急いで出ようとするが
切れてしまう。
こんな物件は滅多にないとイチオシされ、子供が出来れば
近くに遊び場もあるとして窓を開けて説明しようとする
が・・突然窓を開けた瞬間に向かいのアパートから狙撃
される。
ゴリは逃走する犯人/スナイパーの車を急いで追いかける。
夜道ということも有って難しい状況の中、ゴリの車は
スリップして衝突してしまう。犯人はゴリが事故ったのを
確認してから逃走する。
・病院
ゴリが目覚めるとベッド脇には長さんが居た。あれだけの
事故で脳しんとうを起こしただけだという。犯人はどうなり
ましたか?というゴリに対して長さんは今日は一日安静に
しているんだと語る。医師もあれだけの事故で軽症で済んだ
のはゴリの運動神経が発達しているからだろうとしていたと
いう。あまり気にするなと長さんはゴリに話しかける。
良い人だったんだとして不動産仲介業の安岡のことを語る。
あのオヤジが人の恨みを買うとは思えない。俺の身代わりに
殺されたのかもとゴリは語る。
・七曲署
被害者は窓を開けた瞬間に撃たれていること。顔を確認する
間もなくだと山さん。狙われたのはゴリさんかとテキサス。
デンカは犯人の車は盗難車だったという。その車に残って
いた指紋にはマエがあるとし須藤利男(32歳)。大阪で4年前
に恐喝で逮捕。しかし本来の容疑は殺人だったこと。金で殺し
を請け負った容疑が有ったが決定的な証拠が出なかった為に
別件の恐喝で逮捕だけ。その結果初犯なので執行猶予で
済んだという。殺し屋ならば益々狙われたのはゴリさんっぽい
という。須藤は指名手配にするんだとボス。
・須藤は依頼主に電話する。
言った通りにやった結果がこれだとして須藤は依頼主に憤怒
する。もう一度やるが金は払ってもらうという。10時に例の
場所で逢おうという黒幕。
しかし須藤が約束された場所で待っていると車に轢かれて
殺されてしまう。
・現場検証
長さんとデンカは先を越されたことに悔しさを語る。
須藤を逮捕出来ればイラ犬派の名前も狙いについても分かった
のだというデンカ。山さんはこうなったら安岡とゴリの
両方の件で調べていくしかないと語る。
・安岡の葬儀
現場で七曲署の捜査官は聞き込みして回る。
山岡ほど気の良い人はいないとみんな口を揃えて語る。
ゴリもまた現場にやってくる。運転して帰ろうとするが長
さんが運転すると語る。まだ脳しんとうが完治した訳では無い
からだった。しかし知って居る人が見れば俺が運転する
と思いますかね?と。
狙われたのはもしかするとここに住んでいた前の住民ではない
のか?事件前日まで男が住んでいたとされている。殺し屋は
男の顔を知らなかった。須藤を雇った男はまだ殺意がある
筈。前に借りていた住民は電話で部屋を引き払うと言って
来たのだという。名前は坂東紘
【感想】
ゴリは新居を探して不動産屋のオヤジから紹介された物件
を捜している途中に突然その家でゴリの目の前でスナイパー
の男によって銃殺される。窓を開けた瞬間発砲している
ことから見て誰を狙ったのか分からないが、プロの殺し屋
である以上はゴリが狙われる確率の方が明らかに高い。
しかし視点を変えてみると、ここに住んでいた元住民が
狙われていたのではないかという。部屋中探し回ったが
ここに元住民の坂東紘が住んでいた痕跡はサッパリ無い。
契約している間の半年間、殆ど外出せず月に一度程度何処か
に出かけるだけの男だった。
なかなか面白いエピソードだった。
前回のエピソードもそうだが、影で操り表に出てこない
黒幕がいて二段オチのような形になっている。
部屋で何かが見つかるのかと思っていたけど、実際には
何も無い。黒い電話が有るだけだけど当時の電話って
逆探知は出来ないのだろうか?交換士を通しているので
何処かで見つかりそうな気がするけどね。
全ては電話に集約されていた。
この時代もしかすると「電話」が流行していた時期なのでは
なかろうか。
電話のコードが長い部屋を見て、気がつくゴリさんが終始
ドラマの捜査の流れを主導していたが、電話によって
人生は救われ、人生を破滅に追い込んだ感じの出来事。
ウチの実家にもつい何年か前まで黒の固定電話があった。
NTTからレンタルしているのを知らずにずっと家に埃を
被って起きっぱなしになっていた。有るとき自分が請求書を
見て気がついたのだけど月180円程度。一体何年借りていた
んだか・・
そういえば昔大学生の時に独り暮らししていた際に固定電話
の権利を購入したけどその時の電話ってどうなっているのか
な。
今回はひたすら聞き込みと張り込みが有って、前の住居人が
見つかることでドラマが動いた。
実はドラマに作るに当たって一つのアイデアがある。
引っ越しをする人ならばどの程度気になるか分からないけ
れど前の住民のことをテーマにして毎回ドラマを作れば
面白いドラマが出来そうだけど・・
結局混線したことで専務が社長を殺したことが伝わり、
逃げている前の住民はその専務を脅して金を得ていた。
ただこういっては何だけど混線して話を聞いただけでは
何の証拠もない。寧ろその専務から金をむしり取っていた
金は病気の治療費に充てていたことで相殺されていた感は
あるのだけど、恐喝罪はどうなるんだ?って感じで、寧ろ
こっちの方が振り込みの記録が残っている訳だし逮捕される
可能性が高くないか?
ゴリさんは孤独と戦った男の気骨心を引き立てては
最後に自殺しようとした男に孤独の辛さを語り共有感を
示して助けようとした。皮肉にもゴリさんと坂東は頭の
怪我繋がりも有る。
ただゴリさんは愛の巣作りの為にマンション探しをしていた
身だからな。退屈だったというのは分からないでも無いが
意味としては全然違う。
テレフォンメイトなんて一般的なものだったのかな。
昔Q2とかいう凄いサービスが有ってよくこんなボッタクリ
システムが認可されたなと思ったけど・・・それだけテクノ
ロジーがまだ未発達の時代だね。
電話代が新宿のマンションの一ヶ月の電話料だと考えると
今回の脅迫していた男は本当に病院に金を払えていたのだ
ろうか?
【出演者】
藤堂俊介 …… 石原裕次郎 (七曲署・一係のボス、係長)
山村精一 …… 露口茂 (山さん)
石塚誠 …… 竜雷太 (ゴリさん)
島公之 …… 小野寺昭 (殿下)
野崎太郎 …… 下川辰平 (長さん)
三上順 …… 勝野洋 (矢追町派出所から異動、テキサス)
安岡 …… 丘寵児 (安岡不動産)
須藤利男 …… 木島進介 (32歳、殺し屋)
坂東紘 …… 水谷邦久 (24歳、半年前まで七曲病院に入院、くも膜下出血)
松宮 …… 弘松三郎 (貿易会社・専務)
嘉子 …… 増田佳子 (テレフォンメイト)
木島進介、東大二朗、松尾文人、永谷悟一、高松政雄