トレース ~科捜研の男~ 第5話 過去の悲しき誘拐毛髪に秘められた愛

トレース ~科捜研の男~
(2019年1月期・フジ・月曜21時枠)

原作 – 古賀慶 『トレース 科捜研法医研究員の追想』
プロデュース – 草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本 – 相沢友子
主題歌 – 関ジャニ∞「crystal」
演出 – 松山博昭、相沢秀幸、三橋利行

https://www.fujitv.co.jp/trace_drama/

第5話 過去の悲しき誘拐毛髪に秘められた愛

【ストーリー】

・2001年(18年前)
島本彰は公衆電話にかかってきた電話に出る。
犯人からの電話で3千万円を入れたケースをそこの公衆
電話内に入れておけというもの。娘の優は2km先のコテージ
にいるとのこと。一緒に来た妻の彩花と共に急いでコテー
ジに向かう。するとトイレの中で血を流しているものが
居た。恐る恐る近づくと娘ではなく犯人だと思われる遺体
だった。
[(栃木県宇都宮)鶴竹街乳児誘拐事件 2001年1月19日]

・2019年
トラは鑑定依頼だとして科捜研にやってくる。猪瀬は
今朝黒鷹山の山道から少しそれた場所で殺害遺体が発見
されたという。被害者は都内のスナックに勤めている
海東奈津美(46歳)。死因は頭部強打による脳挫傷。死後
3日が経過したもの。地面には遺体が引きずられたような痕
があるという。別の場所で殺されて山に捨てられたのだろう
との事。真野は気持ち悪いことを口にし、わざわざ犯人は
遺体を移動させたのならもっと人目につかない山奥に捨て
るのではないかという。トラは余計なことは考えず顕微鏡
でDNAで覗いていろというが・・・「顕微鏡でDNAは見えま
せん」と語る沢口だった。

被害者と髪の毛の違う色の毛髪が遺体の周辺から見つかっ
たという。恐らく犯人のものだろうというトラ。
一番に調べてくれと言う中、照合した結果出て来たのは
なんと過去の事件の被害者のDNA型と一致しているという。
それは18年前に誘拐された行方不明になった乳児のもの。
[鶴竹街乳児誘拐事件 2001年1月19日]のものだった。

今回の事件は[黒鷹山女性殺人、死体遺棄事件]として帳場が
立つ。
事件は平成31年1月24日午前9時に遺体が発見され、今回と
18年前の事件、2つのヤマの鍵を握るのは誘拐された少女
島本優だという。探し出すよう告げる。

■感想

科捜研の物語が相変わらず鑑識や捜査官の部分にまで
食い込んでいる。
そもそも鑑識が一度は調べた現場を再度調べるというのは
相当失礼な話だ。そしてそれを取りこぼしている鑑識
も情けない。

今回は現在の事件と過去の事件が時空を越えて事件
関与と関係の流れとして関わってくるので興味深いもの
が有る。

大人になった優はどんな人物なのか。
当時犯人だった誘拐犯を刺し殺したのは誰なのか。
そもそも当時の優は戸籍が有ったのだろうが育てること
はできたのだろうか?など幾つもの疑問が生じる。
またそもそも優が誘拐犯に関与していた人物を知って居た
ならばそこに介在している人物が居るはずで、それが
誰なのかということが今回のポイントだ。

色々と共通点を捜す作業と目の前にある証拠から事実を
浮き出そうとする流れが有る。毛根鞘付きの髪の毛。
服の中に入っていた土など鑑識の立場で見れば違和感だ
らけだけど、このドラマでは鑑識は居ないも同じだ。

今回殺された奈津美を見ると彼女も18年前当時鶴竹町に
住んでいた人物だと判明した。
ますます犯人像は当時のことを知る人物の線が出て来る
が、優が今回の奈津美殺しの犯人だとしたら、当時の殺人
は誰になるのかということになる。

18年前と言ってもまだ子供が産まれたばかりのことなので
意外と歳月が経った感じがしない。母親役を演じた矢田
さんは年を取っても可愛い。
流石に「コールドケース」みたいな演出は難しいかな。
(wowowで放送したシーズン2はかなり日本版も面白かった)

遺体を動かすのは難しいんですよ。
掘り起こしたくない過去を掘り起こすという意味で土の
中に一度は埋められて掘り起こしたのだろうけど、
3日も経過して掘り起こして移動するとなれば相当大変
だよな。

当時の暴力団の准構成員の神崎が何故そこまでモテたのか
がまるで分からないのだけど、矢田さんは私生活でも
散々だったからね。変なところで妙なリアルを出すなぁと。

結局人の欲望によって次々と脅しの連鎖が存在し過去に
犯したことへの過ちを今になって償うことになる。
変な男との出会いによってこういう自体になってしまう
ということを提示しただけでも難しいな。

そして一連の誘拐事件には時効とはいえ妻の彩花が関わ
っている事と、彩花は夫には話せなかったとはいえ
彰の子ではない人物を父親だと思わせていたという罪も
あるが何の責任も取らない形になったな。

最後は結局感情とか抜きにして真実に目を向けろという
割には推論で語る部分も有るからね。
最後に真実を語って色んな感情を求めたいのであれば
寧ろ船越さんを使って語らせる方が伝わるところが大きい
気がするんだよね。イノッチらの「特捜9」を参考に
した方が良い。

■出演者

真野礼二 …… 錦戸亮 (科学捜査研究所・法医研究員)
沢口ノンナ …… 新木優子 (科学捜査研究所・法医研究員)
相楽一臣 …… 山崎樹範 (科学捜査研究所・法医研究員)
水沢英里 …… 岡崎紗絵 (科学捜査研究所・法医研究員)
市原浩 …… 遠山俊也 (科学捜査研究所・法医研究員)
猪瀬祐人 …… 矢本悠馬 (警視庁捜査一課刑事)
沖田徹 …… 加藤虎ノ介 (警視庁鑑識課)
沢口カンナ …… 山谷花純 (科学捜査研究所)
壇浩輝 …… 千原ジュニア (警視庁刑事部長)
江波清志 …… 篠井英介 (警視庁捜査一課・課長)
海塚律子 …… 小雪 (科学捜査研究所・法医科長)
虎丸良平 …… 船越英一郎 (警視庁捜査一課刑事)

被害者 …… 飯田基祐、倉悠貴、夏子、加茂美穂子
幼少期の真野礼二 …… 大山蓮斗

島本彩花 …… 矢田亜希子 (46歳、専業主婦)
島本優 …… 山本舞香 (生後6ヶ月で誘拐され、現在18歳)
島本彰 …… 山中聡 (46歳、並木自動車)
上野郁子 …… 安藤玉恵 (養護施設”あおば園”経営)
海東奈津美 …… 滝沢沙織 (46歳、ホステス)
神崎徹 …… 石垣佑磨 (30歳、当時の誘拐犯)
市原浩 …… 遠山俊也 (産科医)

南雲勝郎、高木慧一、村本明久、林和義、安藤彩華
向衣琴、福澤重文、内田嶺衣奈(アナ)、永尾亜子(アナ)

卯ノ原圭吾、木村梨恵子、田村柚羽、土屋千紘、新津ちせ

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