アンサング・シンデレラ 第7話

アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋
(2020年7月期・フジTV・木22時枠)

原作 – 荒井ママレ
脚本 – 黒岩勉
主題歌 – DREAMS COME TRUE 「YES AND NO」
音楽 – 信澤宣明
プロデュース – 野田悠介
演出 – 田中亮(1)(2)(5)(7)、相沢秀幸(3)(4)(6)

第7話 やれる治療があるだけマシだから

【ストーリー】

急性骨髄性白血病で入院している簑島心春(20)、喘息の持病
を抱えている古賀万奈美(48)。

●古賀議員事務所

「古賀議員、秘書へのパワハラ発言流出」。
私設秘書を叱る音声がマスコミに流れ、非難するマスコミ
たちが押し寄せていた。古賀は第一秘書の鴨居健介に対して
入院することを語る。入院の理由はどうするのか?と問う
鴨居にそれを考えるのがあなたの仕事だと言われる。
彼女は本庄大学病院からテオフィリン徐放錠が処方されていた。
病院の前ではマスコミがパワハラの件でマイクをもって議員
を待ち伏せていた。

●萬津総合病院

販田は薬剤部の中で長年の問題で有る「人員不足」の難題
解消の画期的な策を見つけた事をスタッフに語る。
人手不足を解消するのは人だけでは無いこと。今のウチに
必要なのはロボットだと。

・散薬の選択。秤量、分包、分包後の清掃・・・これら全てを
機械が行う全自動散剤調剤ロボット 『DineRoII』。
・錠剤処方の60%以上を占めるPTPシートもお任せ、ショート
カットも出来るという。全自動PTPシート払いだし装置
『robo-pickII』。
・抗がん剤の調整の救世主、クスリを溶解する為の攪拌機能
や泡立ち防止機能までついた抗がん剤混合調整ロボッ
ト『ChemoRo!』。

全て揃えれば1億5千万くらいだという販田。
しかし部下たちはその金で何人が雇えるのかと冷ややか。

そんな中外来が出始める。

販田は「予算を勝ち取る為、薬剤部の存在意義を院内で
アピールすること。問題は起こさないで」

と語る。

葵の様子が変なのをくるみは気がつく。
瀬野は葵に検査の結果が出たのか?と党。
くるみは瀬野に葵のことを尋ねると、簑島心春は葵が担当を
任された最初の患者だという。

いよいよ検査の結果、簑島心春の退院が決まったことで
お祝いを言いに行く葵。「一年五ヶ月よく頑張ったね」
しかし最初から数えれば3年だと。簑島心春の両親も来て
おりおめでとうございますと葵は語る。
そこに長谷川愛里がやってくると退院が決まったことを
語る。入院した時には中学生だった心春。

7年前に好きなクラシックバレエを諦めて抗がん剤治療で
髪の毛は抜け落ち最初は相当心春は落ち込んで葵にわめき
散らしていたこと。新人で白血病を任されたのか?
それは瀬野が任せてみようと言ったのだという。しかし
その結果患者一人に時間をかける薬剤師になったという。

完全寛解した心春は葵の影響から退院して高校から薬科大
に進学。しんし恐れていた際キツの診断が出て再入院に
なっていた。

■感想

最後になって瀬野が胃を抑え始めたり、また政治家が
絡んで出てきたところなどを見ると何処か安倍総理の辞職
に見る病気の現実を思い起こさせる。

ドラマは面白く見ることが出来たけど、時間軸の使い方は
少々分かりづらい。

今回は4つくらいの時代を描いただろうか。
その流れの中で心春が寛解したり再発したり、無菌室に
入っている訳でもないのに外には出られなかったり・・
その割に何処か彼女が見つけた病院内の居場所はそんなに
衛生的に良いとは思えない場所だったな。

悲しみの感情をなかなか人前で見せる事が出来ずにいる
のは日本人っぽいところなのか。応援して手を尽くしてくれ
ている人を悲しませたくないという気遣いみたいなところが
気になる。
素直に感情を出せる人ほどその人にとっては必要な人物
だということなのだろうか。

葵にしても、心春にしても、悲しみや無念さは伝わってくる
ので別に隠す必要もない。政治家ならば弱さの象徴として
病気とか感情とかなかなか表せられないのだろうけどさ。
それでもやはり本当に先のことを見越してのことならば
検査はすべき状況である。

ドラマとしては色んな世代や色んな立場の人がぶつかり
合って面白い形で化学反応を起こしていた。
決して葵が単独で動いた訳では無いが残念ながら、薬剤師
と被ってしまう看護師や医者の存在は殆ど見られない。
もうそういうドラマだと思って見るしか無さそうだ。

しかし最後は手紙を読んだり・寄せ書きを渡していたところを見ると
治って退院して普通の生活に戻れたみたいだね。
ああいう演出は面白い。
手紙を書いていた時点で完全に「死のフラッグ」じゃんか
とか思って居たし・・(^o^;

■患者

今回は二人の患者が出てくる。
二人共「めまい」が有り、その二人にとって必要な「検査」
が命運を分けるものだったが、どちらも検査で治ることが
分かるというもので後味は悪くない。普通誰だって検査
なんて受けたくない。
白血病患者の方は副作用で血栓のようなものが出来てしま
ったのかな

・簑島心春

急性骨髄性白血病で古くは彼女が中学生だった7年前から
入退院を繰り返している。彼女は元々クラシックバレエを
していた。
症状が収まっている時期に薬科大に進学していて、葵を
目指している。

ST合剤は欠かさず飲む。
過度の運動と外出は禁止。

しかし心春は退院が決定した後にめまいで倒れ、CT検査の
結果小さな肺塞栓症が見つかり退院延期。

「またお世話になります」
毎度同じセリフが語られるがやはり月日と共に同じようで
同じでは無い。

エドキサパン錠が処方され、塞栓症のコントロール剤の
説明を受ける。

・古賀万奈美

元々喘息持ちの患者で、議員の女性。
喘息があるのに喫煙している強者。
ドラマの途中に記者たちによって押し問答があり
怪我してしまった。整形外科医からは痛み止めとして
アセトアミノフェンが処方されている。

また気管支喘息の薬としてテオフィリンと吸入薬が出ていて
5年前から治療している。

心エコーと血液検査が必要だったが、なかなか受けられない
のは政治家としての活動をストップさせたくないのだろう。

相変わらずホームページで過去の経歴から病歴などを調べて
いく。彼女は東大卒業後に厚労省に入り骨髄バンクと提供
ドナー助成制度の確立に尽力している。

整形外科医の久保山は必要以上の治療はしない。
仕方なくドクター葵が立ち上がり、本を読んで即席の勉強
をする。その結果タバコの喫煙量を減っているのにテオフィ
リンの処方量が変わっていない。
結果として「テオフィリン中毒」

・過去は現在の原動力だ

先日のエピソードでも葵の過去は語られた気がする。
まぁ瀬野を絡んだ流れは今回初めてだけど、彼女は妹を
簑島心春と同じ病気で失っている。

古賀万奈美が医療問題にこだわって居る理由もまた
親友を高校で亡くしたことが原因だった。

葵の存在を大きくしたのも患者への対応の仕方故のもの
だった。葵が一人一人に対する医療への取り組みによって
好感度を得ているばかりか、それが人に厳しい議員の心も
溶かすものだった。病気の人は病気の人の声には耳を
傾けるところがあるね。
私もパニック障害に患って以降は病気の人に気を使うところ
が出来たと思う。

・懸念すべき事態

葵を好きな男たちが多いのは問題だが(笑)、その中でも
ツンデレっぽい瀬野さんは病気の様だ。単なる胃潰瘍で
薬や静養で治れば良いんですけどね。

それにしても本庄大学病院とは。
埼玉を意識している(元々の萬津総合病院の設定が埼玉)
とは感じていたけどね。

■出演者

萬津総合病院薬剤部
葵みどり …… 石原さとみ (薬剤部)
相原くるみ …… 西野七瀬 (薬剤部・新人)
刈谷奈緒子 …… 桜井ユキ (薬剤部・主任)
羽倉龍之介 …… 井之脇海 (薬剤部・メガネ)
工藤虹子 …… 金澤美穂 (薬剤部・メガネ)
販田聡子 …… 真矢ミキ (薬剤部・部長)
七尾拓 …… 池田鉄洋 (薬剤部・副部長・治験担当)
荒神寛治 …… でんでん (薬剤部・魔術師、DI室)
瀬野章吾 …… 田中圭 (薬剤部・副部長)
小野塚綾 …… 成田凌 (ナカノドラッグ薬剤師)

豊中瑠衣 …… 臼田あさ美 (救急センター医師)
久保山竜也 …… 六角慎司 (小児科医)
金城圭 …… 遠藤史崇 (薬剤部SPD:医薬品管理者)

外来患者
辰川秀三 …… 迫田孝也 (中華料理”娘娘亭”、イライラ型)
簑島心春 …… 穂志もえか (20歳、急性骨髄性白血病)

不破りこ、長谷川恒、中村文也
佐々木ちあき、加賀美茂樹、廣岡聖

織原未輝斗 …… 一ノ瀬颯 (急性骨髄性白血病で入院中の高校生)
長谷川愛里 …… 出口夏希 (バッドキアリ症候群で入院中の女子高生)
古賀万奈美 …… 渡辺真起子 (48歳、憲民党、喘息の持病の議員)
鴨居健介 …… モロ師岡 (古賀の第一秘書)
大津君郎 …… 瀧川英次 (整形外科医)
幼少期の葵 …… 堰沢結愛
心春の母親 …… 土井きよ美

宮元英光、のだこころ、永井博章、秀光
森山のえる、古澤梨里花、佐藤侑梨、青島千尋、遠藤史崇
池田優希、原田真季、西村光弘

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